■スポンサードリンク
エンブリオ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
エンブリオの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 21~28 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
すごいだろうと思います。 上巻を読んだあたりから、なんとなく一連の登場人物の死についての疑問がわき上がってきて、最後は予想通りになりました。生殖産業や、難解な医療専門用語が出てきたり、主人公の岸川のやらしー部分も描写されていたりして、なんか複雑な作品です。これは一体何に分類されるのだろう?? ちなみに同じような「赤ちゃんモノ」ですが私は「臓器農場」が一番好きでオススメです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公の産婦人科医が、相当にむちゃくちゃなことをやっていて怖い。 中絶された胎児を培養して、移植用臓器にする。 ホームレスの男をだまして、勝手に受精卵を着床させ、妊娠させる。 パーキンソン病治療のために、産声をあげるまでに成長した胎児を中絶し、利用する。・・・。 最初は不快でしょうがなかったのが、その、徹底した狂医師ぶりに圧倒され、だんだん痛快になってくるから不思議だ。「魅力的な悪役ヒーロー」と言ってもいいんじゃないかと思う。 それに。彼は、私利私欲のために犯罪まがいのことに手を染めているのではない。 不妊に悩む夫婦のため。 適合する臓器を待つレシピエントのため。・・・。 多くの患者にとって、彼は間違いなく恩人であり、感謝し尽してもし足りない存在だ。 彼は「悪」なのか「ヒーロー」なのか。その矛盾が、医学の倫理観の難しさを内包し、ものすごく考えさせられるテーマとなっている。 答えの出そうもない深遠な問題を、やりたい放題の問題医師を主人公にしたことで、うまくサスペンス仕立ての小気味よい小説に仕上げていると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
パーキンソン病患者の脳に(中絶した)胎児の脳から抽出したドーパミン分泌細胞を注入すると程度の差はあれ病状が改善するという医学的事実があります。 海外での話ですが、以前このことを知った女性がパーキンソン病を患う自分の父親に、自らの卵子と父の精子を体外受精させて作った胎児を中絶し、その脳のドーパミン細胞を移植しようと考えたことがありました。結局これは父親が断ったために実現されませんでした。 さて、この『エンブリオ』では自分の妻との間にできた胎児の脳を治療に用いたパーキンソン病患者が登場します。これが現実に起きたとして、はたして倫理的に許される行為でしょうか。 医療や生命科学の各分野はどれもそうなのでしょうが、その最先端では我々の「生命」をめぐる常識的理解を遥かに超えた行為が行われている、あるいは可能になりつつあります。生殖医療然り、再生医療然り、ES細胞研究然り。この作品は主に生殖医学を扱ったものなのですが、例えば死亡した男性の冷凍保存精子と中絶退治の卵子を受精させて、出生時この世には実在していない両親をを持った子を作り出すというような実験が行われたりしています。 この他にもさまざまな事例が作中に登場するのですが、いずれも既成の倫理的枠組みでは把握できないものばかりです。現代科学技術によって人類の長い伝統的倫理観念や人間観そのものが劇的な改変をいやおうなしにせまられている。そのことが実感できる小説です。主人公の無分別な実験狂ぶりを見ても、こうした問題は専門家だけではなく市民の一人ひとりが真摯に取り組むべきものなのだと思い知らされます。 社会・倫理的側面のほかに僕が魅力を感じたのはいわゆる「大人の」場面ですね。「医者はこんなときまで医者なんだなあ……」と関心してしまいます。淡々とした描写がむしろエロティックでいいですね……。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
生殖医療、移植医療における医療倫理とは何なのか。 この作品の問いかける問題はあまりに重い。 この主人公は、それを「患者のため」と一言で語るだろう。 患者を救うことが医療の第一義であるならば、その目標に誤りはない。そして、それは往々にして正しいことである。ではあるのだが、パーキンソン病治療のために妊娠をさせ、その胎児の脳(の一部)を移植するということが正しいことなのか? 広域やけどの治療にたとえばお尻の皮膚を切ってくることと、脳の治療のために精子を採ってくることの違いは何なのか?全身麻酔の必要な骨髄提供を求めることと、胎児を作るための子宮提供を求めることの違いは何か。そもそも、受精卵はいつから一個生命であるのか。 「胎児」と呼ばれる前の「エンブリオ」というタイトルの重みを読者は正面から受け止めなければならない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
実際にES細胞の研究などが進み、この本で出てくるパーキンソン病への応用も起こってきた。 胎児治療や、人工子宮、卵子の冷凍などへの期待も大きいことだろう。 本来、ただ廃棄されてしまうだけの中絶胎児を人工子宮により大きくする、あるいは取り出せた臓器を誰かの体の中で生かしていくことは 許されることなのか。。。 この医師が、利益を追求する金の亡者でもなく、研究馬鹿で、患者を診ないようなひどい医者でもなく、名誉心ばかりの大きい人でもないところにこの問題の奥深さがあると思う。 この表紙の手にかわいらしいこと・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
近い将来ありそうな気がする話ですが、あまりにも非現実的な設定があったりして、“?”と思うところが多いです。近い将来こんなことが起こらないことを私は祈りたいです。命はもっと神秘的なものであってほしいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
近未来サスペンスといったところか。いや現実はすぐそこまで来ているのかもしれない。圧倒的な面白さで読者を惹きつける。後半部分がちょっと安っぽいか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
怖くて途中では止められない、という久し振りの傑作。なによりも怖いのはこの本で起こっていることが近い将来のうちに実現可能になりそうなこと。あぁ怖い。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!