QED ~ventus~ 御霊将門
評判
QED ~ventus~ 御霊将門の評価:
2.73/5点 レビュー 11件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1〜5 1/1ページ
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QED ~ventus~ 御霊将門の評価:
2.73/5点 レビュー 11件。 D ランク
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二日目は水戸の水街道をめぐり、最後は将門を敵視するという成田山新勝寺へ、これまた強行軍。
ひたすらタタルの高説を拝聴しながらのロードノベルというべきventusシリーズですが、今回も「怨霊」将門のイメージがしだいにはがされてゆき、将門の首が飛んで戻ってきたとか、首塚のたたりとか、おどろおどろしい俗説を脱ぎ捨てた真説・将門は、おおらかで度量の大きな憎めない英雄であったことを、いつもながら矢継ぎ早に繰り出す史料、神社の配置、合祀の祭神の組み合わせ、参道の形状などから、タタルが割り出してゆきます。相づちを打つ役割に徹する姉妹ながら、歴女である沙織のお茶目な雰囲気が、この学習旅行に活気を添えています。
この巻も、小説というより、新説の壮大な開陳に徹してしまっていますが、それなのに、将門や秀郷といった史実の人物がなまなましく立ち上がってきて、「面白うてやがてかなしき」余韻をもにじませるのが、本シリーズの醍醐味であり、高田流の味わいなのだと思いました。前の龍馬もこの将門も、読み終えたあとでは、生き生きとぬくもりのある(そしてさらに大いなる)人物になった気がします。
現代ミステリの部分としては、前の『熊野の残照』から登場した女流薬剤師の神山が新勝寺をめぐっている場面が、タタルたちの旅と交互に描かれ、最後に合流、ここで神山をめぐる犯罪か、と思われたものが解けますが、ちょっと脱力するほどあっけないです。
しかし一般的な意味でのミステリの完成度を求めるのではなく、QEDシリーズを読みたい読者なら、今回も将門像が書き換えられるスリルを味わえるとともに、次巻『河童伝説』へのおどろおどろしい期待もふくらみます。