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銀行篭城
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銀行篭城の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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「銀行籠城」のアマゾンの読者レビューはあまりに低い。確かに新藤冬樹の名作ブラック小説「黒い太陽」三部作や「無間地獄」に比べればやや薄っぺらい感はある。しかし実際に起きた三菱銀行人質事件を考えれば、籠城状態の銀行の中がどんな地獄だったのかを想起させるには十分な小説であった。三菱銀行事件の犯人・梅川昭美は単なる残酷なだけの男だったが、本作品の犯人は警察より優れた知能の持ち主な所が小説を面白くしていた。 | ||||
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人間の汚さを描かせたら日本一の作家、新堂冬樹のクライム・サスペンス。 銀行に籠城する犯人とそれを追う刑事の話、といってしまえばそれまでですが、さすが新堂冬樹。すごいことになっています。 人質を全裸にさせて胸にマジックで名前を書かせ、命令を聞かなければ即座に射殺する。こんな徹底した恐怖で人質を動かしていく犯人は(心理描写は別ですが)新堂冬樹にしか書けません。 ただ、昔の黒の新堂作品と違い、とにかく狂ってる、汚い、醜いではこの作品は終わりません。救いというか人間味というかそういうものがちゃんとあります。 僕は真っ黒な新堂作品が好きなのでこの部分はちょっと好きではありませんでしたが、ここら辺は好みの分かれるところではないでしょうか。 新堂冬樹らしさうんぬんを除けば、とてもよくできたエンターテインメント小説です。 | ||||
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2時間ほどかけてわりと丁寧に一気読みした。ちょうど映画一本観た感じ。結末には心底説得されないが、物語の収束としては十分納得できる。感動の予感が微かによぎる。犯人の人間像を掘り下げ、人質たちと警察幹部の人間模様をもっと描写すれば、よりコクのある忘れ難い作品になったろう。アル・パチーノあたりが刑事(鷲尾)役で主演する映画で観てみたいと思った。 | ||||
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正直、犯行の動機はわかるようなわからないような。 しかし、逃走を前提としない篭城は、かくも強固なものなのか。 計算し尽くされた人質の扱い方は、作者は本気で篭城を計画した ことがあるのではないかと疑うほど合理的で、まるで将棋でも 指しているかのような計算の上に行われる殺人が絶望感を生み、 それが読者にも伝染していきます。人質の偽善の皮が剥ぎ取られ、徐々に人間の持つ醜くさが露出して くるにつれて、だんだんと人間が嫌になり、犯行を正当化したく なってくるあたり、私は作者の思うつぼにはまったようです。 新堂氏にしては、珍しく目をそむけたくなるような描写がありま せんが、自分だけは助かりたいという醜い感情の描写が、替わりに用意されています。自分ならどうだろうかと考えたとき、結果 直視しがたい自分の心に気付かされるかもしれません。 | ||||
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犯人が犯行に至る動機づけが弱い気がする。その程度の理由でそこまで酷いことが出来るのかという意味では興味深くもあるが・・・。ともかく新堂作品の中では比較的リラックスして読める作品です。 | ||||
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装幀からして昭和54年の三菱銀行北畠支店 「梅川紹美籠城事件」を彷彿させる。 本作にしろ梅川事件にしろ、なぜ犯人は犯行に 及んだのか?誰に対し、何を望み、どうしてほしいのか。密室と化した銀行内で女子行員を裸にし凶悪の限りを 尽くす単独犯人「五十嵐」はまさに「梅川」と同化する。 その凶悪犯に立ち向かう刑事、警察。取り巻くマスコミ。当時全国民をテレビに釘付けにした、あの事件の中に 読者(あなた)を誘う問題作。 いっきに読了可能です、が、読後は梅川事件のドキュメント 「破滅」(幻冬舎アウトロー文庫)をお薦めします。 | ||||
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新堂冬樹作品が「炎と氷」からかなりはやい間隔ででたのでびっくり、あまりに内容があっさりしていたものの新堂節はあいかわらずで、主人公の心に宿った暗い闇を描いている。籠城した五十嵐とヒーローの呼び名のついた刑事、鷲尾。登場人物が少ないだけに緊張感がびしびし伝わってくる。タイムも犯行のはじまる15:00から25:00までの約10時間、たっぷりと味あわせてくれるので堪能したい。登場するキャラクター、「小川」や「スズノスケ」などは新堂作品ファンならどこかの作品でみかけたはずだ。サイドストーリーもとくになくあっさり。ちょっと濃さが足りないとお嘆きのファンもいるハズだがまあそこは仕方ないかなと。この作品では残忍さというより、人間の生への執着、警察の派閥主義をしっかり読んでおきたい。大沢在昌とはまたちがった読み方ができる。かなり薄味だがダシはでています。 | ||||
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「梅川事件」を題材に取り、全く別の物語を紡ぎ上げた。社会的弱者の暴走だが、中盤までは、登場人物の誰にもあまり感情移入できなかった。特に、人質の名前と簡単な特徴が羅列される部分は、やや冗漫な感じがした。猟奇的犯罪のようなショッキングな事件の様相を呈しながら、作中の犯罪は徹底的に計画的な確信的犯罪なのである。前半でそのへんがよくつかめなかったせいかもしれない。 ただ、極限の中だからこそ美しく結晶する感情がある。すべての道具立てと設定が、そのラストシーンのために準備されたものと考えれば、十分に納得できる。ある程度予想でき、比較的淡々としたラストシーンだが、私はとても美しいと思った。 | ||||
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