迷路館の殺人

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評判

迷路館の殺人の評価:

3.88/5点 レビュー 131件。 S ランク

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平均点3.88pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全310件 1〜20 1/16ページ
No.310
(3pt)

犯行動機と血痕の理由で作者の見識を疑う。

凝りに凝った設定で、読んでいていかにも、と思った。とても面白いんだけど、本作はどうしても気になる点がある。

 一つは4人を殺害する犯行動機。ミステリー何だから仕方ないのかもしれないけど、余りにも自分勝手で、共感できる要素が全くなかった。動機から推理する人もいるわけだから、これはちょっと残念。

 もう一つは、現場に残された血痕の理由。絶対そんな人はいないと断言出来る。真面目にこれを書いた作者の見識を疑ってしまった。
迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)より
4062763974
No.309
(4pt)

大変面白かったです。

本作中でいみじくも述べられている「ミステリー小説の三つの評価基準」、即ち(1)冒頭の神秘性、(2)中盤の展開、(3)結末の驚きは、シリーズ前2作に違わず充しているが、本作の「展開」では、地下迷路と言う現場の設定もあって平面図を参照して追いかける読者に一種不気味な追体験を提供する一方で、結末では作中作のエピローグの謎解きに加えて二重のサプライズを与えてくれている。シリーズを通して活躍する「名探偵」の続作での名推理の冴えを楽しみにしたい。
迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)より
4062763974
No.308
(5pt)

ミステリー作家を牛耳るミステリー巨頭の自作自演

こういったプロットを作れる作家が今後現れるだろうか。ストーリーは朧気に覚えていたが、2度目の拝読。一気読み、綾辻ワールドにまたまたはまりました。
迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)より
4062763974
No.307
(5pt)

「作中作」という枠組み

「作中作」という枠組みが最後の最後に意味をもつ。館シリーズの中でも個人的に好みな一作です。
次に映像化されるのはこれがいいなと思っています。
迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)より
4062763974
No.306
(4pt)

二転三転のドンデン返し

まさに神か悪魔か綾辻行人かという作品でした。
迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)より
4062763974
No.305
(5pt)

3作目ともなると、いち読者は

綾辻氏の「嘘は言わないけど大事な点を上手く隠して描写する」効果がこの作品でもしっかり練り込まれており、最後の最後で「え~~…」と声が漏れてしまった(笑)
ただ、ミステリ初心者の私でも、三作目ともなると「あれはこうではないか?」がたまに当たっていたりして嬉しくなる。
一つだけ。作中作、が大きなテーマになるが、章のタイトルが「○番目の作品」とあると、もうその瞬間から作中作が始まっているのかと錯覚してしまい途中でやっと気づくということがあった。読解下手な私だけかもしれないが、注意。次作も楽しみ。
迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)より
4062763974
No.304
(4pt)

良かった

トリック自体は別になんてことない。
前作前々作と館にギミックがあるのだから今回もあるんだろうなと思っていた。被害者もすぐにわかります。
とにかくシリーズを読んでいない方は1冊目から読んだ方がいいかもしれない。

何が良かったかといえば、読みやすかった所ですかね。
十角館も水車館も登場人物の人となりをすぐ覚えられて、没入しやすかった。
できればもう少し部屋の描写が詳細であればよかった。

真犯人の血に関してはちょっと無理があるかな?
一瞬体勢を崩した程度で絨毯に付着するのはさすがにありえないと思う。

ここまで3作読んで、ミステリというよりミスリードに力入れてるなと感じました。
迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)より
4062763974
No.303
(5pt)

遊園地なら分かるけど自宅として住みたいかな、と思った作品

閉じ込められた館で次々と起こる殺人、誰が犯人なのか、どうやって館から脱出するのか、想像を膨らましながら充分に楽しめました。館シリーズの時代ならではの描写も味わった感じでした。次に読みたいのは……!!
迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)より
4062763974
No.302
(1pt)

微妙な。あまりにも微妙な。

この作者にはいつものことかもしれないが、最後のどんでん返しがある。

しかし悲劇的なことに、『あ、そうなの。』というか、『いや、それがどうかした?』といった程度であまり驚けない。というかどうでもいい。

どこかで見たことがあるかと思えば、映画の『名探偵登場』に似ているような気すらしてくる。

『十角館』で『いや、解決されない謎を提起するのはクリスティがもうやった。』と言わせ、『水車館』で『中盤ぐらいで犯人わかるよね。』と言わせた人が、この『迷路館』では『それは謎なの?っていうかわからなすぎてどうでもよすぎる。』という感想を言わしめるあたり。

五日前から手をつけた館シリーズだが、もう追うのをやめようかとも思ってしまう。
迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)より
4062763974
No.301
(5pt)

これ読まずに死ななくてよかった!笑

館シリーズ中盤までしか読んでないけど、今のところ迷路館が一番好き!犯人は多分この人なんだろうなーと思いつつ、それだと前作とオチが似てるんだよなーと思いつつ、謎解きパートでやっぱそうかーと思ってたら、最後に「え…?」。絶対に読者が驚くようになってるの本当すごい!
ミステリのいろんな要素が盛りだくさんで、やり過ぎ感もあるけど、それが贅沢で超楽しかった!
迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)より
4062763974
No.300
(5pt)

これ読まずに死ななくてよかった!笑

館シリーズ中盤までしか読んでないけど、今のところ迷路館が一番好き!犯人は多分この人なんだろうなーと思いつつ、それだと前作とオチが似てるんだよなーと思いつつ、謎解きパートでやっぱそうかーと思ってたら、最後に「え…?」。絶対に読者が驚くようになってるの本当すごい!
ミステリのいろんな要素が盛りだくさんで、やり過ぎ感もあるけど、それが贅沢で超楽しかった!
迷路館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人 (講談社文庫)より
4061852264
No.299
(5pt)

これ読まずに死ななくてよかった!笑

館シリーズ中盤までしか読んでないけど、今のところ迷路館が一番好き!犯人は多分この人なんだろうなーと思いつつ、それだと前作とオチが似てるんだよなーと思いつつ、謎解きパートでやっぱそうかーと思ってたら、最後に「え…?」。絶対に読者が驚くようになってるの本当すごい!
ミステリのいろんな要素が盛りだくさんで、やり過ぎ感もあるけど、それが贅沢で超楽しかった!
迷路館の殺人 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061813811
No.298
(5pt)

ハズレのない「館」シリーズ初期の良作

「十角館」やこのあとの「時計館」のような驚愕のトリックはないものの、しっかり作りこまれている。登場人物ひとりひとりのキャラがたっており、展開もスピーディーで読んでいて楽しい。大傑作とまではいえないかもしれないが、読んで損はない良作と思う。
迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)より
4062763974
No.297
(5pt)

ハズレのない「館」シリーズ初期の良作

「十角館」やこのあとの「時計館」のような驚愕のトリックはないものの、しっかり作りこまれている。登場人物ひとりひとりのキャラがたっており、展開もスピーディーで読んでいて楽しい。大傑作とまではいえないかもしれないが、読んで損はない良作と思う。
迷路館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人 (講談社文庫)より
4061852264
No.296
(5pt)

ハズレのない「館」シリーズ初期の良作

「十角館」やこのあとの「時計館」のような驚愕のトリックはないものの、しっかり作りこまれている。登場人物ひとりひとりのキャラがたっており、展開もスピーディーで読んでいて楽しい。大傑作とまではいえないかもしれないが、読んで損はない良作と思う。
迷路館の殺人 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061813811
No.295
(3pt)

「本格」を求めて。

こういうミステリー小説には、出会い方(読む順番)があり、その幸不幸もある。

『迷路館の殺人』を読むためには、著者の第1作『十角館の殺人』と『水車館の殺人』は読んで
おいた方がいい。読まなくても楽しくことはできるが、読んでおくと理解がスムース。それと著者の
師匠筋にあたる島田荘司の『占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)』も読んでおいた方がいい。
主人公の島田潔との指名の類似や、女性の怨念など、『占星術』の存在を想定して、これは書かれて
いるように思えるから。それと東野圭吾の『ある閉ざされた雪の山荘で』も。建築図面に隠された
トリックや、最後に二転三転していく構成は、この2つの小説の親近性を示している。

著者はデビュー作『十角館の殺人』で、日本ミステリー史上に残る傑作をものした。これはほぼ
完璧な作品で、そのトリックになんの予備知識もなくダイレクトにぶつかれた読者は幸福だ。
その後、『水車館』を書くが、これが江戸川乱歩的なダークファンタジー性はあるものの、
謎解き部分で破綻していた。

この手のミステリー小説は、謎解き部分も重要になるが、地の文章のテイスト、水準も気にかかる。
どうしても読む気にならない文章というものもある。その点、東野圭吾作品は、直木賞も受賞した
だけあって、リーダビリティーが高い。綾辻作品もその点はクリアしている。

しかし『水車館』と『迷路館』には、トリック部分で納得できないところがあった(『十角館』と
『時計館』にその不満はなかった)。『占星術殺人事件』などはその最たるものだが、”トリックを
描くための小説”になっていて、ミステリーの「本格」ではあっても、「小説としての本格性」に乏しい。
それと犯人の”動機”が書き込まれていないので、事件に深みがなくなっている。

『迷路館』の内容は、「建築家・中村青司」設計の建物で、猟奇的な連続殺人が起きていくというもの。
だが、著者の意図は、むごたらしい殺人事件謎解きの先に、叙述トリックの嵐というような二重三重の
仕掛けを施すことにある(この辺の畳み掛けが、東野の『ある閉ざされた』に近い)。

読み終わった時点では、コミカルで明るい終わり方なので、よくできたエンターテイメント映画を
見終わった時のような爽快さ(騙された快感)があるが、時間経過とともに、これはどうもグレイで、
もしかするとブラックなダメ作品に近いのではないかと思えてくる。

ミステリー小説を書く上で守らなくてはならない基本として、「ヴァン・ダインの二十則」があるが、
それでは、”事件の謎を解く手がかりは、全て明白に記述されていなくてはならない”とあるし、それに
先立って書かれた「ノックスの十戒」では、”探偵は、読者に提示していない手がかりによって解決
してはならない”とされている。

*以下、内容や、ミステリーの核心部分に触れています。

著者は、冒頭から読者をミスリードする。この本の設定では、島田という人物が、自分に送られてきた
本『迷路館の殺人』を読む。そこから物語が始まる。読者は、この島田という人物が、後で出てくる
島田潔だと思って読み進めるが、実はその兄の方というのが、作品を形成する最も大きな枠になっている。
それを作者は、記述の表現上で「島田は」とすることで、苗字の後ろに2人の人物を重ね合わせ、
後にそのすり替えを行なっていく。

残念なのは、全体の鍵となる要素、真犯人の性別について。実際は女性なのに、その氏名を「鮫島智生」
とすることで、男性性を強めている。智実とかにしていれば、まだ灰色にはなったが、智生ではほぼ
完全に男性。

また『迷路館』では、各部屋に大きな鏡(姿見)があり、それが秘密の通路につながる扉になっている
というのが最大の謎解きなのだが、部屋にそんなものがあるとは1行も書かれていない。”中村青司の
設計だから、どこかに秘密の通路があるかもしれない”というフレーズは何度か出てくるが、その
ほのめかし程度にとどまっている。これではこの小説への信頼度は高くならないし、作家に対する
不信にもつながっていく。
迷路館の殺人 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061813811
No.294
(3pt)

「本格」を求めて。

こういうミステリー小説には、出会い方(読む順番)があり、その幸不幸もある。

『迷路館の殺人』を読むためには、著者の第1作『十角館の殺人』と『水車館の殺人』は読んで
おいた方がいい。読まなくても楽しくことはできるが、読んでおくと理解がスムース。それと著者の
師匠筋にあたる島田荘司の『占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)』も読んでおいた方がいい。
主人公の島田潔との指名の類似や、女性の怨念など、『占星術』の存在を想定して、これは書かれて
いるように思えるから。それと東野圭吾の『ある閉ざされた雪の山荘で』も。建築図面に隠された
トリックや、最後に二転三転していく構成は、この2つの小説の親近性を示している。

著者はデビュー作『十角館の殺人』で、日本ミステリー史上に残る傑作をものした。これはほぼ
完璧な作品で、そのトリックになんの予備知識もなくダイレクトにぶつかれた読者は幸福だ。
その後、『水車館』を書くが、これが江戸川乱歩的なダークファンタジー性はあるものの、
謎解き部分で破綻していた。

この手のミステリー小説は、謎解き部分も重要になるが、地の文章のテイスト、水準も気にかかる。
どうしても読む気にならない文章というものもある。その点、東野圭吾作品は、直木賞も受賞した
だけあって、リーダビリティーが高い。綾辻作品もその点はクリアしている。

しかし『水車館』と『迷路館』には、トリック部分で納得できないところがあった(『十角館』と
『時計館』にその不満はなかった)。『占星術殺人事件』などはその最たるものだが、”トリックを
描くための小説”になっていて、ミステリーの「本格」ではあっても、「小説としての本格性」に乏しい。
それと犯人の”動機”が書き込まれていないので、事件に深みがなくなっている。

『迷路館』の内容は、「建築家・中村青司」設計の建物で、猟奇的な連続殺人が起きていくというもの。
だが、著者の意図は、むごたらしい殺人事件謎解きの先に、叙述トリックの嵐というような二重三重の
仕掛けを施すことにある(この辺の畳み掛けが、東野の『ある閉ざされた』に近い)。

読み終わった時点では、コミカルで明るい終わり方なので、よくできたエンターテイメント映画を
見終わった時のような爽快さ(騙された快感)があるが、時間経過とともに、これはどうもグレイで、
もしかするとブラックなダメ作品に近いのではないかと思えてくる。

ミステリー小説を書く上で守らなくてはならない基本として、「ヴァン・ダインの二十則」があるが、
それでは、”事件の謎を解く手がかりは、全て明白に記述されていなくてはならない”とあるし、それに
先立って書かれた「ノックスの十戒」では、”探偵は、読者に提示していない手がかりによって解決
してはならない”とされている。

*以下、内容や、ミステリーの核心部分に触れています。

著者は、冒頭から読者をミスリードする。この本の設定では、島田という人物が、自分に送られてきた
本『迷路館の殺人』を読む。そこから物語が始まる。読者は、この島田という人物が、後で出てくる
島田潔だと思って読み進めるが、実はその兄の方というのが、作品を形成する最も大きな枠になっている。
それを作者は、記述の表現上で「島田は」とすることで、苗字の後ろに2人の人物を重ね合わせ、
後にそのすり替えを行なっていく。

残念なのは、全体の鍵となる要素、真犯人の性別について。実際は女性なのに、その氏名を「鮫島智生」
とすることで、男性性を強めている。智実とかにしていれば、まだ灰色にはなったが、智生ではほぼ
完全に男性。

また『迷路館』では、各部屋に大きな鏡(姿見)があり、それが秘密の通路につながる扉になっている
というのが最大の謎解きなのだが、部屋にそんなものがあるとは1行も書かれていない。”中村青司の
設計だから、どこかに秘密の通路があるかもしれない”というフレーズは何度か出てくるが、その
ほのめかし程度にとどまっている。これではこの小説への信頼度は高くならないし、作家に対する
不信にもつながっていく。
迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)より
4062763974
No.293
(3pt)

「本格」を求めて。

こういうミステリー小説には、出会い方(読む順番)があり、その幸不幸もある。

『迷路館の殺人』を読むためには、著者の第1作『十角館の殺人』と『水車館の殺人』は読んで
おいた方がいい。読まなくても楽しくことはできるが、読んでおくと理解がスムース。それと著者の
師匠筋にあたる島田荘司の『占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)』も読んでおいた方がいい。
主人公の島田潔との指名の類似や、女性の怨念など、『占星術』の存在を想定して、これは書かれて
いるように思えるから。それと東野圭吾の『ある閉ざされた雪の山荘で』も。建築図面に隠された
トリックや、最後に二転三転していく構成は、この2つの小説の親近性を示している。

著者はデビュー作『十角館の殺人』で、日本ミステリー史上に残る傑作をものした。これはほぼ
完璧な作品で、そのトリックになんの予備知識もなくダイレクトにぶつかれた読者は幸福だ。
その後、『水車館』を書くが、これが江戸川乱歩的なダークファンタジー性はあるものの、
謎解き部分で破綻していた。

この手のミステリー小説は、謎解き部分も重要になるが、地の文章のテイスト、水準も気にかかる。
どうしても読む気にならない文章というものもある。その点、東野圭吾作品は、直木賞も受賞した
だけあって、リーダビリティーが高い。綾辻作品もその点はクリアしている。

しかし『水車館』と『迷路館』には、トリック部分で納得できないところがあった(『十角館』と
『時計館』にその不満はなかった)。『占星術殺人事件』などはその最たるものだが、”トリックを
描くための小説”になっていて、ミステリーの「本格」ではあっても、「小説としての本格性」に乏しい。
それと犯人の”動機”が書き込まれていないので、事件に深みがなくなっている。

『迷路館』の内容は、「建築家・中村青司」設計の建物で、猟奇的な連続殺人が起きていくというもの。
だが、著者の意図は、むごたらしい殺人事件謎解きの先に、叙述トリックの嵐というような二重三重の
仕掛けを施すことにある(この辺の畳み掛けが、東野の『ある閉ざされた』に近い)。

読み終わった時点では、コミカルで明るい終わり方なので、よくできたエンターテイメント映画を
見終わった時のような爽快さ(騙された快感)があるが、時間経過とともに、これはどうもグレイで、
もしかするとブラックなダメ作品に近いのではないかと思えてくる。

ミステリー小説を書く上で守らなくてはならない基本として、「ヴァン・ダインの二十則」があるが、
それでは、”事件の謎を解く手がかりは、全て明白に記述されていなくてはならない”とあるし、それに
先立って書かれた「ノックスの十戒」では、”探偵は、読者に提示していない手がかりによって解決
してはならない”とされている。

*以下、内容や、ミステリーの核心部分に触れています。

著者は、冒頭から読者をミスリードする。この本の設定では、島田という人物が、自分に送られてきた
本『迷路館の殺人』を読む。そこから物語が始まる。読者は、この島田という人物が、後で出てくる
島田潔だと思って読み進めるが、実はその兄の方というのが、作品を形成する最も大きな枠になっている。
それを作者は、記述の表現上で「島田は」とすることで、苗字の後ろに2人の人物を重ね合わせ、
後にそのすり替えを行なっていく。

残念なのは、全体の鍵となる要素、真犯人の性別について。実際は女性なのに、その氏名を「鮫島智生」
とすることで、男性性を強めている。智実とかにしていれば、まだ灰色にはなったが、智生ではほぼ
完全に男性。

また『迷路館』では、各部屋に大きな鏡(姿見)があり、それが秘密の通路につながる扉になっている
というのが最大の謎解きなのだが、部屋にそんなものがあるとは1行も書かれていない。”中村青司の
設計だから、どこかに秘密の通路があるかもしれない”というフレーズは何度か出てくるが、その
ほのめかし程度にとどまっている。これではこの小説への信頼度は高くならないし、作家に対する
不信にもつながっていく。
迷路館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人 (講談社文庫)より
4061852264
No.292
(5pt)

いやあ、面白かったなあ。作者の遊び心に、乾杯!

推理小説ならではの隠し味が随所に利いていて、とても楽しめる作品でした。
作品の本線においては、文中の次の記述に代表される虚構感とでもいうか、一体どちらが表でどちらが裏なのか分からない二重構造にくらっと来ましたね。
《ぐらん、と強い眩暈(めまい)に襲われた。現実と虚構──その狭間に、みずからの存在がずるずると引き込まれていくような感覚とともに。》p.257

話の本線とは直接関係ないですが、推理小説マニアである島田 潔(きよし)の趣味や好みにも、「おっ!」と嬉しくなりましたね。
巻末、前川 淳氏の「解説」で紹介されている折り紙の〝悪魔〟であるとか、海外ミステリ作家では殊に〝ジョン・ディクスン・カー〟が好きだと言っているところとか。島田 潔のキャラと、ショーマンシップ精神にあふれたカーの雉気とは、共鳴し合うように感じます。

雉気と言えば、409頁の図に示された仕掛け、からくりには、本当に嬉しくなってしまった。綾辻氏の遊び心に⚪ならぬ二重丸を。
迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)より
4062763974
No.291
(5pt)

いやあ、面白かったなあ。作者の遊び心に、乾杯!

推理小説ならではの隠し味が随所に利いていて、とても楽しめる作品でした。
作品の本線においては、文中の次の記述に代表される虚構感とでもいうか、一体どちらが表でどちらが裏なのか分からない二重構造にくらっと来ましたね。
《ぐらん、と強い眩暈(めまい)に襲われた。現実と虚構──その狭間に、みずからの存在がずるずると引き込まれていくような感覚とともに。》p.257

話の本線とは直接関係ないですが、推理小説マニアである島田 潔(きよし)の趣味や好みにも、「おっ!」と嬉しくなりましたね。
巻末、前川 淳氏の「解説」で紹介されている折り紙の〝悪魔〟であるとか、海外ミステリ作家では殊に〝ジョン・ディクスン・カー〟が好きだと言っているところとか。島田 潔のキャラと、ショーマンシップ精神にあふれたカーの雉気とは、共鳴し合うように感じます。

雉気と言えば、409頁の図に示された仕掛け、からくりには、本当に嬉しくなってしまった。綾辻氏の遊び心に⚪ならぬ二重丸を。
迷路館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 迷路館の殺人 (講談社文庫)より
4061852264