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(短編小説)
とむらい機関車
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とむらい機関車の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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本が出たのは二十年も前だが、復刻フェアで新本を入手できた。 短編九本とエッセイ十本を収録する。すべて戦前の作品である。 これは驚いた。論理明快な本格派である。 はっきり言って謎解きの面白さは、90年前後にデビューした新本格作家の平均値をはるかに上回る。 表題作は、機関車による連続轢豚事件(豚の鉄道事故)の謎を解く。豚さんには気の毒だが、笑える情景だ。 が、動機はとても切ない。ヒロイン?の設定は、現代ではまず許されないだろう。 『デパートの絞刑吏』怪死の謎と背景の解明が鮮やかだ。 『気違い機関車』(別に表題作とシリーズではない)は、動機の意外さに仰天する。 『白鮫号の殺人』は謎解きもさることながら、事件の背景に隠された事情に唸らされた。 伏線もしっかり張ってある。この二作はホワイダニットの傑作だ。 『あやつり裁判』は不可思議な証人を追求する知的パズルである。欧米の推理作家の作品みたいだ。 『雪解』は金鉱探しに狂った男の顛末を描く。緊迫した文体と風刺の効いた結末は、サキの秀作を思わせる。 戦前の日本にこんな作家がいたのか。 『坑鬼』本書の白眉である。この一篇で値段の元は取れた。 炭坑で火災事故が起こった。生き埋めにされた炭鉱夫の呪いか、次々と死者が出る。 奇怪な謎と論理的解明が揃った一級の本格ミステリである。労働現場を舞台にしたところが素晴らしい。 古今東西、小説の殺人は金持ちや芸術家が暇つぶしにやらかすのが多い。あるわけないだろ、そんなもん。 本作は臨場感があるだけでなく、動機に必然性があり、説得力抜群である。 エッセイは1935年前後の探偵小説界の雰囲気が感じられて楽しい。60年代の日本SF黎明期のような活況を呈していたようだ。本書はミステリファンなら必読のお宝本だ。 | ||||
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Oh, the detailed information about every aspect of the marsh! I never wanted the book to end. This book is now on my list of all time favorites. It is sometimes heartbreakingly brutal and other times as soft and soulful as one could imagine. There are so many good things to say about this book, but the characterizations are truly wonderful. | ||||
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I HIGHLY recommend reading and applying this book because it speaks the truth. These strategies can be applied to anything. I don't often write reviews about books I've read because I don't feel like I could do a good job, but this is one not to miss if you love a great book. Give it a chance. You'll see what I mean. | ||||
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"If you're having troubles in life and simply can't figure out what you're doing wrong, this is a fantastic place to start. Good luck on your journey! I wish I had purchased this book sooner." I loved this book. It Showed up on my recommended reading list and since I am discovering excellent taste in lit I thought I'd give it a shot. I'm so glad I did. | ||||
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The book kept my interest throughout and provided enough plot twists to keep me guessing and turning another page. I read several books a week. Most of them ...even though I enjoy them all...are forgotten as soon as I pull up the next book on my Kindle. It was a page-turner right from the start I think it's one of the best books I've read all year longGood job | ||||
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I recommend this book for anyone who needs a little positively in their lives. I am extremely stingy with my compliments for good books, but this tale is well-deserving of the praise. Of the last dozen or so books I've read, only two others earned five complete stars by me. This is one of them | ||||
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「とむらい機関車」は、話し手との語り口といい、事件の動機といい、ラストといい、忘れられない短編になった。犯人の悲しすぎる動機と一途な思いを話し手と共感して締めくくられる。 「坑鬼」、不可能脱出、復讐鬼の怨念の話?・・・真の動機を持つ人(たち)のあまりの身勝手さに憤りを感じる。間違いなく最高傑作と書かれた他の方のレビューにうなずける。この動機、今でも十分通じる、今の方がもっと通じるか?このころに比べて社会は複雑化していると押しなべて思われているけれど、実は目立った出来事が起こると・・・。ちょっと前にも同じことが起こったから。日本関係ないじゃん、と思ってたら、ですもの。(あぁネタバレなしで書こうとすると、難しい。) 「白鮫号の殺人事件」は「死の快走船」とほぼ同じ。 「デパートの絞刑吏」がデビュー作だということに驚き、「気狂い機関車」の常人では考え付かない動機に驚き、「あやつり裁判」の証人の正体にまた驚く。 | ||||
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以前から欲しい欲しい、と思っていた大阪圭吉作品がやっと手に入り一気読み。順番から行くと、単行本「とむらい機関車」「銀座幽霊」を続けて読んだ後、ミステリ珍本「死の快走船」へとつながるのだろうが、私が読んだ順番は手の入りやすさゆえ、逆だった。 「とむらい機関車」は、話し手との語り口といい、事件の動機といい、ラストといい、忘れられない短編になった。犯人の悲しすぎる動機と一途な思いを話し手と共感して締めくくられる。 「坑鬼」、不可能脱出、復讐鬼の怨念の話?・・・真の動機を持つ人(たち)のあまりの身勝手さに憤りを感じる。間違いなく最高傑作と書かれた他の方のレビューにうなずける。この動機、今でも十分通じる、今の方がもっと通じるか?このころに比べて社会は複雑化していると押しなべて思われているけれど、実は目立った出来事が起こると・・・。ちょっと前にも同じことが起こったから。日本関係ないじゃん、と思ってたら、ですもの。(あぁネタバレなしで書こうとすると、難しい。) 「白鮫号の殺人事件」は「死の快走船」とほぼ同じ。 「デパートの絞刑吏」がデビュー作だということに驚き、「気狂い機関車」の常人では考え付かない動機に驚き、「あやつり裁判」の証人の正体にまた驚く。 随想もいい。「二度と読まない小説」なんて題名からすると、あまりにくだらないか、つまらなすぎてもう読みたくない本という意味なのか、そんな本は彼にとってなんだろうと思っていると・・・。読書好きの読者なら必ず大きくうなずく内容。こんな随想や小説を書ける偉大な作家が戦争のために・・・、それだけでも戦争はあってはならないことをあらためて強くおもう。 こういう本を読んじゃうとなぁ、もう現代の作家には戻れないんだよ・・・。現代作家の長編推理本を読んだところで、このころの短編一編にも及ばないもんなぁ。また戦前、戦中で、比較的手に入りやすい作家を探さなくちゃ。 | ||||
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第二次世界大戦時、戦地に歿した探偵小説作家・大阪圭吉。氏の代表的 な作品が集められ、本書と、『銀座幽霊』の二冊に分けて刊行されました。 数字的なロジックと社会派的テーマ、そして童話的な浮遊感が 不思議な調和を見せて同居する独特な質感をもった作品集です。 ※収録された各短編については「コメント」をご参照ください。 | ||||
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戦前の探偵小説史で、必ず言及される表題作「とむらい機関車」。この悲しくも切ない物語は、以後多くの模倣作を生んだ。続いて、探偵青山喬介が活躍する5編が収められている。ワトソン役が語る形式の、シャーロック・ホームズばりの推理譚である。プロットは非常に魅力的なのだが、惜しむらくはトリックや推理の展開にちょっと無理があるように感じられるところか。「雪解」は鉱山での金採掘をめぐる殺人事件。非常に印象的なラストだ。映画「地下室のメロディー」を思い起こさせる。「坑鬼」は海底鉱山で起こる連続殺人事件を描いたもの。著者の最高傑作との評価もある作品である。戦争で惜しくも早世した著者による、傾向の違った作品を楽しめる一冊で、大阪圭吉の作品をまとめて読めるのは非常に有意義である。このような出版には拍手を送りたい。 | ||||
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謎の奇妙さが若干腰砕けになる表題作は、ホームズ譚の古風さがあり、やはり年代物かと思わせたが、次の「デパートの絞刑吏」でぶっ飛んだ。ポーの古典の衣鉢を継ぐ作品としてはまず筆頭においていい傑作ではあるまいか。このほか、動機の奇抜さが印象深い「気狂い機関車」、カーを思わせる人間消失トリックの「石塀幽霊」、関係のない裁判にわざわざ嘘の証言をしにやってくる女がいる、という人を喰った設定の「あやつり裁判」等と佳作が続くが、なんと言っても圧巻は、中篇「坑鬼」である。これが最高傑作とも言われるそうだが、納得。炭坑の火災で、類焼を防ぐために男が一人閉じ込められ、死んだ直後に起こる坑内の連続殺人。男の恨みを誰かが晴らしているのか?やがて男が生きていると思わせる手がかりも見つかって…、という話で、異常な設定の迫力、不可能トリックの鮮やかさ、意表をつく動機、そしてそれらが破綻なく構成された合理性。久しぶりに読んだ本格傑作である。このような才能が戦火に散ったとはあまりに惜しい。戦争といえば、「あやつり裁判」に伺われる戦前の裁判の意外な「まともさ」は、資料的価値がある。 | ||||
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大阪圭吉は日本物のアンソロジーを編纂する場合まず、収録されないことがない戦前のトリックメーカーです何故、獣は同じ列車に轢き殺されるのか?という謎から意外な真相が浮かび上がる表題作デパートで縊れ墜落した男を殺した意外な凶器を探す「デパートの絞刑吏」夏の真っ昼間に衆人環視の中消滅した犯人の謎の「石塀幽霊」本格的裁判ものに意外な結末を添えた「あやつり裁判」坑道を徘徊する連続殺人鬼の謎「坑鬼」等傑作が目白押しです | ||||
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いろいろな紹介本で紹介されていて、しかもそのほとんどが好意的。なのに本がなかなか手に入らないんで読みたくても読めずに、とても気になる作家だった大阪圭吉。その短編集が文庫で出た! これは読まずにいられません。 戦前の探偵小説をそう読んでいるわけでも、詳しいわけでもないのですが、そのころはやっていた(んだよね?)エログロ、猟奇的な事件を書くわけでもなく、とても個性的な探偵を登場させるわけでもない(実際、シリーズ探偵の青山喬介のが何作か載ってますが、あんまり魅力を感じられません、この名探偵)。死体の傷やちょっとした遺留品から論理的に事件を解明していく、当時としては珍しかっただろうと思われる本格推理小説。なるほど、今でも評価されているわけだと納得できました。 それにしても、私にとっては幻の作家だった大阪圭吉、昭和10年代の古~い作品を纏めて出版してくれた出版社にお礼をいいたいです。どうもありがとう! | ||||
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