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イニシエーション・ラブ
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イニシエーション・ラブの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全367件 281~300 15/19ページ
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読んでいて違和感を感じながら、 最後に落とし前をつけてくれました。 小説だから成立する仕掛けは読んでいて楽しい。 驚きは恋愛小説だっていうところで、 読んだ後、本当に全く違う小説に生まれ変わります。 | ||||
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ラスト数行で…が気になり読み始めました。 まさにその通り、また読み返して楽しみました。 ぜひ、お勧めします。 | ||||
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個人的にオチ自体は驚愕というほどでもないと感じました。 その代わり、「ということは・・・」と物語を改めて振り返ってみると、細部に亘って非常に緻密に構成されている小説だと感じました。 一読すると、平凡ともいえる描写やエピソードの多くが、オチを知った後で読めば「このエピソードはこういうことだったのか・・・」と、再解釈した時にある種の快感が得られました。奇妙なラブストーリーではないだけに、再解釈による面白さが増すのかもしれません。また、時代設定も重要な仕掛けだと言えるでしょう。 作者の構成力がキラリと光るラブストーリーです。 | ||||
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分厚いミステリーが全盛の昨今で、これはまた頼りないほど薄い、でも堂々とした傑作。 それこそLPレコードのAB面や音楽テープを聴く47分程度で一気に読み終えることができる。 またそうして読むべき本だ。間を空けて読むことはすすめられない。 「ミステリー」のカテゴリーの本であるとか「最後から2行目で全く違った物語に変貌する」といううたい文句とかの予備知識なしで読んだら、まず10人が10人この本の仕掛けに気がつかないだろう。 ただの生あったかくてくすぐったくてほろ苦い初体験物語を読んだとしか思わずじまいなはず。ところどころやや違和感を感じたとしても。 この違和感も、まったく感じないように書くこともできたはずなんだ。これは作者のフェアプレイ精神に感服する部分。 どんでん返しも、読んだ瞬間あっとのけぞるようなものではなく、じわじわ来る。 このじわじわ来るのがまた怖い。 うたい文句を知っていて読んだにもかかわらず、読後すぐの僕の頭には「?」がいくつも飛び回り、ややしてから「あ、そういうことね」と気付く。そこから記憶をたどっていくうちついに、ちゅどーん!真相につきあたる。 説明してくれる探偵役はいない。読者が自分で気づく。 巧妙だ。 ミステリーでありながら、だれも死なない。不幸になるものはひとりもいない。 だれかが不幸にならなくてもミステリーは成立するということを証明しただけでも偉大な作品だ。 「『2度読みたくなる』と言っても、2度目に読むのはただトリックの確認作業としてだけじゃないか」と言っているレビュアーもいるけど、ぜんぜん違う。 2度目は、ハッピーエンドのお話として読みたくなるんだよ(●^o^●)。 僕は2度どころか3度読み返したけど、やっぱりマユはいじらしくてかわいい女の子だと思ってしまうんだ。 男ってバカだねー。 | ||||
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わたしはこの本と出合うまで乾くるみさんという作家やこの本がそんなに大ヒットしたことなど知らずに この本を読むことになったのは表裏表紙や帯等に書かれた「必ず二回読みたくなる」、絶賛、傑作ミステリー、仰天作、人生で初めて薦めた本です、鬼才乾くるみ、驚愕作!等の宣伝の言葉でついつい購入そして読んでしまいました。確かにこの小説でのLOVEは現代の少年少女の恋愛とはかけ離れたものかもしれないし作品中に究極の喜怒哀楽や戦慄や幸福論的な哲学などはなかったかも知れないですし少女趣味のおじさんの作品と見れば複雑な気分になるかもしれませんが、私はほどよく楽しめたような感じがします。 逆に眉間にーをよせながら読むミステリーや究極の恋愛小説などは時にはいいですが、毎日読むのは冬でもあつくるしいと感じてしまうせいかもしれません。言葉を選び難解な解釈を要する小説とは対をなすこの作品はフレーズフレーズが音となってその場限りで消えていくような軽快さと安心感のなかでのときめきやおどろきが心地よいリズムとなってきます。2時間ドラマで20才前後の美男美女が演じると似合いそうな設定。 読者の心の中に何かが残すとかまたは人生をかえるようとするような強い主張もないですが、のんびりとしたゆるーい作品だからよかったと思います。実はこういう私も別のゆるーい作品では数々の嫌悪で本を投げ出したり無駄な時間を使ってしまったという自己嫌悪感などを経験しているので、この本も全ての人には受けいられないと思います。でもほんのひとときでも安心感のあるときめきとスリルを味逢えたこの小説に出会うきっかけとなったコマーシャルの数々の言葉は私にとってよかったです。 | ||||
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最初の三割くらいまで恋愛小説を読んでいる感覚で、途中から「???」と違和感を感じながら読み終えました。傑作ミステリーと呼ばしめるトリックが分からず、眠りながら考えていて「あっ!」と気づくと背筋がぞわぞわと眠気が飛びました。私はマユのような女性が好きです。女性はこれくらい聡くないと! 文章の構成で騙されました。また設定が80年代後半で、当時のドラマや公衆電話等、世俗を想像できます。 これをミステリーと呼ぶのか分かりませんが、レビューしたい、おススメしたいと思える本です。 | ||||
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凄いドッキリがある、どんでん返しがあるという情報を予め持っていた。 もともと、そういう最後に騙される小説を読みたくて本書に行き着いた。 だから予め備えをもって読んでいたのに ラストのラストで思い切り騙された。 読み終わった後に 「えっ?」 ってなって暫く意味が分からずに読み返してみる。 すると事実が浮かび上がってくる 「なるほど…」 「そういう事だったのか…」 笑いが出てくるほどに繋がる全ての伏線 最後のどんでん返しが好きな人は必読でしょう。 | ||||
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「最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する」という煽り文句で有名な作品。 どんなもんかと読んでみた。 いやぁ、僕にはすごく面白かったなぁ。 「仕掛けがむずかしくて最後まで読んでも意味がわからなかった〜」という人と、「こんなつまらん仕掛けで騒ぐな!」と怒る人と両方いるみたいだけど、僕はちょうどうまくどんでんがえされたので、大変満足。 ちなみに、「仕掛け以外はぬるくて平凡な恋愛小説で、読むのが苦痛」なんて意見も多いみたいだけど、僕はむしろこのぬるさ、平凡さ、痛々しさ、イライラする感じ、そういうのがすごく共感できて楽しめた。 そりゃ誰しも愚かだった青春時代を直視するのは痛くて嫌だけど、そういうのこそリアリティじゃないかなぁ、なんて。 僕はこの作品、おすすめするよ! 読み終わっても、どうしても仕掛けが理解できなかったら、ネットで検索するとめちゃくちゃ詳細に分析しているサイトがあるので、そこを見ればいいと思うよ。 | ||||
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小説のひとつの判断基準として、どのようにも解釈できる、多義的であるのが良いというのがあるらしい。そういった意味で、騙される読者と、読み終えて、小説の意味を考えて納得する同じ読者がいること、そのことで、この小説が優れていると言えるのではないでしょうか。表面的には、青春小説であり、主人公が学生から就職、社会人になって、恋愛を重ねて、出会いと別れを繰り返すと言ってしまえば、ありきたりですが、中高年が読めば、過去を振り返り共感するシチュエーションが出てくるはずですし、主人公と同じ世代ならマニュアル的に読むかもしれません。そこは、登場人物のキャラクターがうまくモデル化されていて、サクサクと読みやすく、非常に上手に書けているのではないでしょうか。そして、読者は、主人公のキャラクターを素直に受け入れ感情移入して、作者の意図が主人公に反映していると思い込みがちですが、作者は登場人物を客観的に見ているし、作者の意図は明らかに別のところにあります。そういった意味でも、小説という活字のメディアの面白さを教えてくれるのではないでしょうか。 | ||||
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題名からもお察しの通り、完全な恋愛小説です。男女が知り合って、恋におちて、付き合って、でもいつのまにかすれ違いが…という、とっても“ストレート”なお話。 この作者は恥ずかしながら全く知らない方だったのですがネットで話題になっているのを知り思い切って購入しました。 帯には 「評判通りの仰天作。必ず二回読みたくなる小説などそうそうあるものじゃない by 読売新聞」 と…“ちょっと大げさなんじゃないの〜?”とツッコミつつ数日前から読み始めました。読み始めると…ホントに、めちゃくちゃ、そのままズバリ「恋愛小説」なんですよ。読んでて恥ずかしくなるくらい。台詞がクサいとかじゃなくて、もうリアルすぎて。男性視点から描かれているので、男性ってこういう時ああいうこと考えてるのかなぁとちょっと勉強になったり(笑)。で、そのままどんどんページを読み進めて行って… …最後の二行。 驚きました!!!!! いやはや、ストレートな恋愛小説どころかとんでもない問題作でした。トリック(というのかどうかは解からないけど)に全く気付いてなかった私は腰を抜かしてしまいましたよ。 そしてもちろんすぐさま最初の1ページから読み始めました… | ||||
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女心の底知れない闇の深さに驚き、恐怖を覚える作品です。 便秘の正体こええ〜〜〜!! 私が思うに、女性に騙された(と気づいた)ことのある男性には、すごく身につまされるというか、共感を覚える点の多い作品だと思います。 が。 「たっくん」的な男性が読んでも、陳腐な恋愛小説にしか見えないのではないでしょうか。 騙され続けることの方が、ある意味幸せなのかも知れませんね。 そんなことを考えさせられる作品でした。 あと、アラフォー世代にはノスタルジックな楽しみ方もできますよ。 | ||||
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普通の大したことない(ごめんなさい)恋愛小説だと思いながら読んでいて、最後に「あれ?おおっ!そういうことか!」という面白さがありました。 たしかに2度読んで、色々確認しちゃいますね。 恋愛小説だと思って読むと普通の話、でもカラクリが分かると女性のしたたかさが見えます。 | ||||
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「おお、これは凄い!」というのが読後の素直な感想です! 物語はマユちゃんと鈴木君の青春ラブストーリー。 Happyいっぱいの「sideA」と、お互い社会人になり遠距離とたたかううちに苦いものが混じってくる「sideB」。。。 …と思いきや? 最後の鈴木くんの回想セリフで「…ん」と思わせてその直後のセリフで「ぐわ〜〜〜ん!」とした衝撃をもってくる! 「えー、じゃあ、これもあれもどういうこと?」と思いながら、もう一度読み終えたページをめくってしまいました。 (私は紙に書いて確かめました。もちろん“2段組”です) なるほどー、「2度読みたくなるミステリー」というキャッチのわりに、ただの青春小説じゃん。などと読み進めていたら、最後の最後に背筋がゾクり。 「なるほどミステリーだ」と思うような意外性の切れ味! 思えばテープもレコードも、B面の終りはA面の始めなわけで。。。 いやー、こりゃやられました。 作者の思うツボにはまり、とても心地よい読後感です。 誰かと話したくなるようなすばらしい作品です! | ||||
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久しぶりにこれだけのコテコテの恋愛小説を読んだからか、すっごくおもしろく感じました。作者の描写が端的でうまく、不必要な修飾語を含まず、どんどん行為や場面を進めてくれるので、映画を見ているように、恋仲を深めていく二人が目に浮かびました。 オクテな鈴木は職場にいるあの人にそっくりで、その人になり替わりましたし、繭はファニーフェイスのかわいい女の子として自然に形が自分の中でできあがりました。 なんというか、読者が若すぎたり、あんまり恋愛を経験し過ぎて達観しているようなベテランの人だったら、この「通過儀礼」という意味の恋愛はよく分からなかったり、ありふれたものすぎて、感銘を受けることはないのかな、と思います。 でも、20代後半からの、なんとなく恋愛に行き詰っていたり、結婚したはいいけど毎日に刺激がなかったり、仕事と恋愛の両立に悩んでいたりする人たちには、ものすごくピッタリくる小説なんではないでしょうか。少なくとも私は、恋愛初期のドキドキ感とか、中期の倦怠感とか、終期の惰性とか、すべてにおいて「あ〜」と言葉が出るくらい共感したし、おもしろかったです。 「最後の二行でミステリーに変わる」というのは確かに魅力的なフレーズですが、途中からそんなことがどうでもよくなるくらい小説の恋愛小説としての側面に入れ込んでました。 もちろんミステリーに変わった瞬間は「え?」と声をあげて再読しましたが・・・。 なんだか切ない一連の映画を見たような、感慨深い気持ちになりました。 エロもあり、そこがまたリアルでいいのですが、ミステリーもあり。 盛りだくさんの読みやすい小説でした。 | ||||
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最初読み終わったあと、トリックらしいトリックがピンとこず「最後の2行も、まぁありふれたオチじゃない」と思ってましたが、きっと気付いていない何かあるんだろうと想い、ここのレビューを参考にさせて頂きました。巻末の解説の濃い字体のところに着眼してみると「あっ、そういうことね」と気付きました。どのレビューアの方も、細かくタネあかしをしていないのが紳士的でよいのですが、時間軸に従って違和感を払拭しながら見ていくのは少し面倒なシステムですね。極端に低評価をしているレビューアの一部の方には、トリックに気付いていないと思われる方もいるようです。私の中では悪役?が入れ替わりました。あと男性より女性のが恋愛テクニックでは上手(うわて)なんだと想い知りました。騙されている男性の愚かさがよく出てます。こわいですねぇ。 | ||||
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大学4年生のたっくんが合コンでマユと出会い付き合うことになる様子を描いたA面と、就職したたっくんがマユと遠距離恋愛をする様子を描いたB面、恋愛の様子が実にリアルに描かれていて恋愛小説としても十分楽しめたのだが、B面の最後の2行を読んで実はトリックが隠されていることに気付き驚愕した。物語を読んでいて、「あれ?こんなことあったっけ?」と、確かに違和感はあったのだが、特に気にせず最後まで読んだので、再度読み返すことになった。読み返すと同時にネタばれサイトを見て、ようやくイニシエーション・ラブの本当の意味に気が付くことができた。一度読み終わった後でも楽しめる恋愛小説だった。 | ||||
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この本は,これもふくめて他のレビューや解説は一切読まずに本文を一気に読んでしまうのが一番いいと思います。 するとどこかで爽快感を獲ることができかもしれません。しかし私の場合は怖いものみたさで何件かレビューをみてしまった後に本文を読んだのでこの本最大の醍醐味であろう体験を味わうことができずに大損をした気持ちになってしまった。この本には素晴らしく感じる部分が随所にあるのですが、しかけが途中でわかってしまったのが残念でならず、今の私はまさに後悔先にたたずという状態でしょう。 ただ解説やレビューを先に見ることが習慣になってたり既に数件のレビューを先に目にしてしまってるからこそこのレビューも目を通して下さっておられる人が多いと思います そうなれば私と同じ不快な印象にならないために本は既に準備しておいて1ヵ月後か2ヵ月後これら先入観が記憶から消えただろう後に本文を読まれることをおすすめします 人によってそれぞれ度合いの違いこそはありますが、私の体験できなかった快感を得れるのではないかと思います せっかく読書、十二分に味わないともったいないです そして以下は個人的な感想文なのでまだ読まれていない人は見てしまうと損をしてしまいます。 主人公が自動車学校へ通い実車訓練や学科教習をするところが描かれています 詳細はかかれてないですが、私たちは自動車学校ではその部分には詳細な説明はありませんが私たちの運転免許の教習では見えている人が消えてしまう”蒸発”やないものが見えてしまう”幻惑”という現象を習いました。つまり人は虚像をつくってしまう習慣があるのです。 1人称だからといっても1人とはかぎりません 時系列も前半が過去で後半が未来もしくは最近という通常の概念ともかぎりません SFでなくてもパラレルワールドがあったりマジックでなくても容易に錯覚しまいます ということは想像力逞しい人はおぼこい純粋な人はDM系の人よりも彼女やフィアンセを将来的にも幸せにし期待感によりハッピィエンドの結末をつくりあげるかも知れません。 ただそれでは「ミステリーは一体どこに・・・」 この小説の発表は2004年はITビジネスを中心とするミニバブルの時期であったと同時に 2009年6月から始まった一般市民の裁判員制度の話題が盛り上がってきた時期でした。推理小説家の作者が作成した「1回目の読後と2回目の読後では善人と悪人が反転」。一般人が極刑クラスの犯罪の判断を下すが、専門知識もなく錯覚癖もある。国民は自分の意思では制御できない殺人という機会に対面するかも知れない。警察も司法も全て完全なものなど存在しない現在でも冤罪も多数存在するがそれも素人が被疑者を裁くという恐怖。事実は小説より奇なりです。いみじくも主人公は偽善者で自身ではしっかりとしたポリシーをもっていると自覚しながら被害者意識のままに浮気や堕胎をすることを最終的肯定化するという恐ろしい狂気が描ゥれています。法律に触れなくても、モラルがこのように破壊していくんだという精神意識が生生しく思いました。そうなればイニシエーションラブというタイトルも「愛の通過儀礼」というよりはむしろ「愛を通じて人間社会を風刺する」というタイトルと考えれば面白いです。それから乾くるみさんは1963年生まれの理科系出身の男性ですが、乾さんの世代はプログレシブロック全盛期に青春時代を過ごしておられるので多少なりともそのプログレシブロックの代表格でもあるピンクフロイドに影響を受けたとも考えらないことはありません。この本のサブタイトルの80年代のJ−POPやボウイのサイコパスをBGMにして軽快に読書を進めるのも一興ですが、ここはひとつアナザーな楽しみかたも感じましたのでよかったら試してみてください。感想の冒頭で虚像が見えたり見えるものが消えたりする人間の裏の部分は「狂気」1人称ゆえに2人を1人と錯覚してしまったりいないはずの人をあれこれ考えてしまうのは「炎 あなたがここにいてほしい」痛烈な社会風刺は「アニマルズ」や「ザウォール」全体的に様々な謎がちりばめられている模様は「エコーズ」そして私が体験できなかった最大のカタストロフィーともいえる小説最終ページに一気に盛り上がるフラッシュバックシーンは超名作の「原始心母」とリンクさせるとこの小説はさらに劇的展開に感じます。本当に素晴らしいです。さらに1作で終わらず「リピート」という名作も発行してくださっているので80年代に青春を駆け抜けた人のノスタルジックだけでなく現代の青少年にもエイテイーズファッションの恋愛を堪能できるのではないかと思います。そしてこの小説は平易な文章で読みやすく親しみ易いですが、以上以外でもバブル崩壊や空白の10年である90年に突入する前夜の若者が抱いていたあるいは当時の人たちは全く感じていなかったかもしれない「虚無感」「ぼんやりとした不安」を見事に描いた現代社会に対する立派な警笛ではないかと思っています | ||||
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ミステリーはほとんど読まない私ですが(だから?)、 これはかなりハマりました。 合コンから始まって、トントン拍子に話が進んでいった…と思ったら、 まさかの展開! 「ラスト2行で大逆転」とのふれこみだったからダマされないぞ〜と思って読んでましたが、 見事にダマされました。新幹線の中で一気に読みました。 恋愛ストーリーについて「浅い」とか批判多いですが、 私はリアルで面白いと思いました。 主人公カップルと自分を重ねて、自身のイニシエーションラブを振り返ったり…。 いつ裏切られる!?というドキドキ感と、 恋愛初期特有のドキドキ感の両方を味わえる良い小説でした。 ミステリー好きにはわかりませんが、初心者には面白いと思います。 | ||||
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ぬるい恋愛小説、とか大きな仕掛け以外に読ませる力が無い とかおっしゃってる方もいるようですが。 チープで詰まらなくてぬるいからこそ、 精緻な読みを拒絶するテキストに仕上がっていて ミスリードを誘うのであって 陳腐でどーーでもいい恋愛小説の体裁だからこそ この作品における叙述が成功するのでしょう。 つまり、 わざとだよ? ってことです。 そういった意味では、読めないほどにまずくはなく 細かく読ませるほど良くない、そのバランスが 仕掛けを補強するつくりになっていて 全体として、実によく出来た計算された作品だと思いました。 | ||||
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自分がいかにいいかげんに本を読んでいるか思い知らされた。 そして、そこを踏まえたうえでこの人は書いているのだ。 わからない漢字を飛ばして読むように地雷を踏めずにスルーする人がたくさんいることを知っているのだ。 アインシュタインは、時間や空間が変形することを証明した。 ミステリー作家も、たった2行で、時間や空間を変形させる。 『アヒルと鴨のコインロッカー』は映像化されたが、これは映像化できないだろう。 | ||||
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