扉は閉ざされたまま

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扉は閉ざされたままの評価:

3.24/5点 レビュー 89件。 A ランク

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平均点3.24pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全140件 101〜120 6/7ページ
No.40
(4pt)

期待を裏切らない読みやすさです

まさにコロンボのようですが、いきなり殺人シーンから始まり、そのトリックがわかってしまってからスタートします。
その後犯人周辺の状況が明かされていき、犯人対探偵役の構図がゾクゾクする臨場感で語られていきます。
手に汗握るようなストーリーではありませんが、その対決はなかなか奥が深く、小説としては手頃の長さの心理戦で非常に読み応えがあります。
結末の恐ろしさ(女性の?)もゾクっとするものがあり、普通のミステリーにはない面白さ。
ちょっと動機として弱いかなあとも思いますが、犯人の頭の良さと潔癖症を考えると、それもいいかなあと納得。
手ごろにミステリーを楽しみたい方にはオススメです。
扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)より
4396334060
No.39
(4pt)

面白い小説ではありますが…

面白かった…というのが読み終えた後の感想でしたが中盤辺りから歯痒さといか苛立ちを感じたのは事実です。自分の中で事件を解いていく女性を余り印象よく思えなかったのがあります。天才的な頭脳をもっているにもかかわらず言っていることが少し幼稚で我儘な所が好きではありませんでした。ですが、犯人側の犯行の様子や心情が感じとれやすく非常に読みやすかったです。最終的には『こういう終わり方もありかな』と頷ける小説でした。
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)より
4396207972
No.38
(3pt)

変則の密室(動機は伏せられたまま)

 大学の同窓会で久々に揃って再会した旧友どうしの男女7人。宿泊先の洋館で密かに行われた一つの殺人。それは密室での事故死を装ったものだった。
 作品の冒頭で犯行の場面が描かれる倒叙形式がとられていて、読者にはあらかじめ犯人とその手口が明らかになっている一方で、犯人の動機のほうは終盤まで伏せられたままストーリーは進んでいく。
 鋭い洞察で事態の解明につとめる探偵役は、犯人のことを慕う後輩の女性。彼女と犯人との水面下のたたかいが静かな盛り上がりをみせる。
 動機に対する批判は確かにあるだろうし、伏線やストーリー展開の点で少し迫力不足の感もあるけれど、密室状況が維持されたまま犯人と探偵役がある種、風変わりな対決を繰り広げる「変則の密室」作品として、一読の価値あるおもしろい内容になっている。
 密室殺人を扱いながらも、“犯人はいかにしてこの犯行をやりおおせたのか”という不可能犯罪の謎に主眼を置くのではなく、密室殺人の理由それ自体を一つの謎としたところに、この作品の特長があると思います。
扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)より
4396334060
No.37
(4pt)

古畑任三郎が好きな方にお勧めです

この本を選んだのは、近所の本屋さんでお勧めしていたためです。
石持さんと作者の本は初めてよんだのですが、殺人犯である伏見の心の動きが分かりやすく表現されていました。
盛り上がり部分が多彩とかいうよりも、気づいたらのめりこんで読んでいたという感じでしょうか。
「古畑任三郎」のように初めに犯人がわかっているので、ミステリーを徐々に紐解くストーリーが好きと言う人にはお勧めできません。
この小説に出てくる女版の古畑任三郎こと優佳(ゆか)が、冷静に伏見を追い詰めるところは、現実の女性にいたら、絶対に頭が上がらないだろうなぁという感じで読んでいました(笑)
また、読者の気を持たせた状態で物語が終わってしまうので、気になって仕方ないです(笑)
ワタシ的には、犯人の心理描写にドキドキ感を味わえたので、面白く読めましたよ。
扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)より
4396334060
No.36
(4pt)

鋭い推理に心理的に追い詰められていく描写は秀逸

著者は九州大学理学部卒だそうで、なるほど理系らしい非常に理論的な犯罪計画と推理の応酬が展開され、最後まで読者を捉えて離さない。
本書の面白い所は、事故死を装った密室を作り上げた主人公・伏見と事件に疑問を抱く優佳との息詰まる頭脳戦であり、
若く美しい優佳の鋭い推理に心理的に追い詰められていく描写はなかなか秀逸。
また、伏見と優佳はかつて恋愛関係に発展しそうになったエピソードもあり、二人の対決に恋愛の駆け引きも絡み、
最後にはとんでもない取り引きが交わされるのだが、それまで石持浅海という作家は女性だと思っていたので、もしもそうならちょっと意外に感じてしまった。
また、犯行の動機については賛否両論あると思う。
ちょっと理解に苦しむ動機であり、しかも利害が絡んでいないため優佳の推理が動機について触れる所になると
論理が飛躍してしまい、推理に無理がある様に感じてしまった。
登場人物のメンバーは大学の研究員や翻訳家だったりするので、
もう少し知的でペダンティックな会話があったらさらに面白かったのではないだろうか?(これは好みの問題ですが)
扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)より
4396334060
No.35
(3pt)

タイトルが一番良かったりして。

『月の扉』がおもしろかったし、
このミスの第2位にもなった作品。
wowowのドラマ版を観る前に読みました。
犯人はいきなりわかってる。
完全犯罪を狙った男。
事故死に見せかける。
その、扉は開かれることなく、
犯人の目的は達せられるのだろうか。
動機がいまいちでした。
キャラはなかなかでしたけど、
設定も、まぁ、強引かな。
ライトな感じで読めるのは良かったけど。
ちなみにドラマは、だいぶ設定が変わっていて、
さらにわかりやすくなっていたけど、
こっちのが説得力があるかもな、と思った。
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)より
4396207972
No.34
(2pt)

心理戦には程遠い

成城学園の館を借りた大学のサークルの同窓会の席で、殺人計画を練る犯人側の立場から事件を描き、犯人を慕う頭脳明晰なヒロインとの心理戦を描いたもの。事件に関する心理戦に恋愛模様が絡んでいるのがミソ。だが前評判とは異なり、凡庸な出来。私は小田急線沿線に住んでおり、成城学園は御馴染みの街なので、余計に非現実感に襲われた。
まず"大学のサークルもの"を扱う作品の文体は、どうしてこんなに似通ってしまうのか不思議に思う。このような稚拙な文体(一部は一人称)の癖に、犯人は自身の計画の成功と正当性に絶対の自信を持っているのである。館の隣室の男を現実に殺すと言うのに、こんなに自信満々の事があり得るのだろうか。そして、その計画は杜撰なのである。作中では、些末時に気付いて冷静な判断を下すヒロインを天才であるかのように扱っているが、気付かない方がオカシイ。館内で起きた仲間の犯罪なのである。そして、動機と機会である。動機は高尚過ぎて、こうした犯罪心理闘争の場から遊離している。また、ヒロインは機会の点に触れているが、論旨が逆だろう。行きずりの犯行が一番露見しずらいのは常識で、このように関係者が集まった場所で犯行を行なう必然性は全く無い。少なくとも作者にはその必然性が創れていない。
犯人と犯人を慕うヒロインの心理戦と言っても、せいぜい「名探偵コナン」をノベライズ化した程度。犯人側の犯行計画をもっと巧妙にしないと心理戦は活きない。読み所のない期待ハズレの作品。
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)より
4396207972
No.33
(5pt)

手に汗握る心理戦・倒叙ミステリーの傑作

密室殺人を扱った本格ミステリーだが、探偵が密室トリックや犯人を暴くストーリーではなく、はじめから犯人と犯行方法が分かっている、TVドラマの「古畑任三郎」のような、いわゆる「倒叙もの」のスタイルをとっている。
「倒叙ミステリー」とはいえ、なぜ犯人は「密室状態」を構築してまで死体の発見を遅らせる必要があったのか、肝心の殺人の動機はなんだったのか、謎は、扉と同様に伏せられたままである。
物語は、犯人・伏見の犯行から始まり、中盤までは伏見の「事後」の成り行きを思惑通りに進めるための、臨場感あふれる心理描写中心に展開し、終盤、探偵役の女性・優佳(ゆか)と伏見との緊迫感のある「対話」へとなだれ込む。そして彼女によって事件の真相が暴かれ、最後に「密室の扉」が開かれる。
その場の皆が騙されるなか、ただひとり勘の鋭い優佳に疑問を抱かれ、伏見が焦る場面などは迫真で、おもわず手に汗握り、自分が犯人になったような気がしたほどである。
著者の石持浅海の作品は’02年のデビュー作『アイルランドの薔薇』をはじめ、’03年、各社のミステリーランキングの上位に選ばれた佳作『月の扉』、’04年、水族館を舞台にした話題作『水の迷宮』を読んできたが、いずれも程よい長さで、展開がスピーディで緊迫感にあふれていて面白かった。
本書もその例に漏れず、いやそれ以上に最後まで緊張感を持って、一気読みをしてしまった。さすが’05年のいろんなミステリー・ベストテンで上位にランクインされたミステリーである。
扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)より
4396334060
No.32
(3pt)

動機が・・・

この本を読んだほとんどの人が思うことだと思うのですが、この犯人の動機はどうなんだろう? と思わざるを得ません。ただ一言、「どうしてもやめられないなら○○○○○○返上しろよ」と先輩としてアドバイスするだけで良いのでは・・・。一気に読ませる筆力は感じたので惜しいと思わざるを得ません。
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)より
4396207972
No.31
(4pt)

ゼロ時間へ

これはゼロ時間へ向かうミステリーだと思う。すべてが完結した中からこのように展開するのだからたいしたものだ。ぐいぐい読ませる内容だった。一気に読み進めることが出来た。
面白い。
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)より
4396207972
No.30
(3pt)

何で買ったのか

思い出せない。結末が意外だとどこかで紹介されていたのかな‥そうじゃなきゃ買わないはずだから。設定は変わっているかも知れませんが、これはまあ普通の推理小説ですね。まあまあ楽しめるんじゃないでしょうか。
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)より
4396207972
No.29
(4pt)

こんなクローズドもありですね

クローズドサークルが好きなので、その点では
「なるほど、こんなクローズドもありか」と、楽しめました。
ただ登場人物の現実味が薄く、なかなか感情移入することはできませんでした。
しかしラストぎりぎりまで引っ張ってくれる話の展開は、
最後の最後まで楽しませてくれました。
クローズドサークル好きの方は、ぜひご一読をお勧めします。
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)より
4396207972
No.28
(3pt)

ぎこちない

著者は交友関係があまりないのだろうか。登場人物の会話もどこかぎこちなく、「笑いの渦に包まれた」というような類の記述が幾度もでてくるが、『そんな簡単に爆笑しないよ!』と、ついツッコミを入れたくなってしまう。それに探偵役が完璧すぎる。知性と美貌を兼ね備えた若い女性というまるで漫画にでてきそうなキャラクター。現実味に欠ける。動機の弱さなどは抜きにしても内容が斬新だっただけにこのような側面でイライラした。
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)より
4396207972
No.27
(4pt)

実に巧妙な作品だ

読んでいる最中、ずっと頭には「巧妙」と言う言葉が浮かんでいた。とにかく、巧妙さに溢れた作品、というようのが私の第一印象である。
まず、作品の進め方そのものが巧妙だ。主人公は犯人である伏見。読者は、伏見が新山を事故に見せかけて殺害したことは知っている。密室を作ったこともしっている。とにかく、時間を稼ごう、という伏見の心情も伝わってくる。しかし、どうやって密室を作ったのか? なぜ時間を稼ごうとしているのか? そもそも新山を殺そうと思った理由は何なのか? という事は一切わからない。伏見と共に、優佳に看破されないだろうか? と怯えながら、一方で伏見が行ったことがどうなのかを楽しみに待つという相反することを同時に味わうことになる。
そして、舞台設定の巧妙さ、である。タイトルの通り、作中、ずっと新山の部屋の「扉は閉ざされたまま」である。伏見を初めとした面々は、常にその部屋の外にいて、そこからわかる状況だけで推理が進められていく。そう簡単に扉が開けられず、また、開けさせないようにする伏見の仕掛け…というったところが実に面白い。
開かされた動機がどうのこうの、など気にならない点がないわけではない。でも、これだけシンプルに見せておきながら、一方で巧妙な作品というのはそうそうあるものではない。06年版『このミス』2位というのも納得の出来だった。
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)より
4396207972
No.26
(4pt)

いわゆる謎解き

非常にすっきりとしたミステリだったと思います。
論理的に詰めてありますし、ある程度、肩の力を抜いて謎解きを楽しみたい、という場合にお勧めの一冊です。
犯人と犯行場面は最初から提示されています。
紹介に書いてあるとおりです。
あとは、その謎解きと詳細なハウダニットを明らかにしていくプロセス。
非常に静かです。
実際の犯行に立ち会ったらこうではないだろうとか、細かいことを考えてはいけません。
淡々と進む犯人が追い詰められていくプロセスをとっぷり楽しめると思います。
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)より
4396207972
No.25
(4pt)

「理詰め」がイイ。

世間でなかなかの評価を得ています。ずっと気になっていまして、ようやく購入しました。
冒頭から犯人が被害者を殺すところから始まり、その後に完璧な計画が第三者により徐々に崩されていく展開です。もちろん動機も最後まで解りません。
登場人物も非常に少なく、とある家の中のごく一部の部屋だけで話は進んでいきます。設定が非常にシンプルな割に、最後まで飽きずに読めました。しかし登場人物に特徴がいろいろと設定されていますが、そんなに生かし切れていない気がします。もう少し全員の個性が際立つと動機の面でもより深く納得できるかと思いますが…。
総評としましては、星4つくらいでしょうか。設定はなかなか面白かったですし、理詰めは好きです。
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)より
4396207972
No.24
(4pt)

面白い本なんですが…

 論理的に物事を突き詰めていくところ、状況を作るプロセス、犯人と探偵とのやり取り、など緻密に考えられていて、非常に好感が持てました。実際に密室事件が起きた場合、中の様子が確認できなければ一般ではそう簡単に扉をぶち壊したりして開けようとはしないのではないか? そういうところにも作者の深い考えを感じ取ることが出来ました。
ただ、それでも小説内の人物がこれだけの論理的思考をもちながら、このような行動を起こすのか? という疑問もないわけではありません。これは個人的な意見なのですが…。小説内のリアルに主要人物がかみ合っていないようなちぐはぐな感じも受けたということだけ記します。
 それだけに、私としては、惜しい!! もう少し人物にも気を配って欲しかった!! という心残りがあります。まぁ、上にも書きましたが個人的な感想ということで。
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)より
4396207972
No.23
(4pt)

こういう結末も良いね

新しいタイプのミステリです。一見倒叙ミステリのようではありますが、根本的な作りが違います。開かない扉を前にして、犯人とそれを暴こうとする者の推理合戦。ちょっとした出来事や事柄から、どんどん推理を組み立てていく。まるでエラリー・クイーンの推理を見ているようです。緻密な推理、論理の積み重ねが、どんどん犯人を追い詰めていきます。しかし結末は・・・。ただの倒叙ミステリではありません。一ひねりしてあります。こういう結末があっても良いでしょう。
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)より
4396207972
No.22
(4pt)

手軽に読めます

この人の作品初めて読んだけど、素直に楽しめました。
動機の弱さとか、登場人物の非リアリティさとか粗は
それなりにあるけど、それが問題になるかどうかは
この作品に何を求めるかによるのではないでしょうか。
ライトノベルだし、時間つぶしに読むにはもってこいです。
斬新なアイデアと限られた人物の会話だけで進む展開は
肩肘張らずに楽しめました。
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)より
4396207972
No.21
(4pt)

著者のこれからに期待をこめて

「小説としての肉付けを徹底的に排して、謎解きに徹する」という姿勢は、必ずしも否定するものではありません。問題は「わざとそう書いている」のか「そのようにしか書けない」のか、という事でしょう。
 謎解きの構成に関していえば、これは実に見事なものです。時節柄『容疑者Xの献身』と比較されることも多いようですが、この点に関しては、遥かに東野作品を凌駕していると思いますし、『容疑者Xの献身』が中途半端な人間ドラマを盛り込むことで、却ってリアリティのないお話に堕しているのに対し、著者の姿勢はむしろ潔いとさえいえるのではないでしょうか。動機について批判も多いようですが、現実にこのような動機(一人よがりな正義感)で、殺人を犯す人間がいないとは限らないと思います。
 ただ、人物の内面から何から、全て「説明」してしまうのは、小説としてはあまりにも芸がなさ過ぎます。これまでの石持作品でも、その点に不満を覚えました。「描写」ができない限り、「そのようにしか書けない」のではないかという疑いは拭えません。しっかり取材をしているように見えて、物語に直接関ってこない部分では確認が疎かになり、誤った記述をしている点があるのも気になります(『月の扉』で自閉症を「心の病」と記述している点など)。
『扉は閉ざされたまま』については、デビュー以来の石持スタイルが最もうまく結実しており、僕は星4つは差し上げたいと思います。ただ、このスタイルで「小説」を書き続けることには、正直、賛成はできかねます。これからに期待しての、4つ星です。
扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)より
4396207972