マーブル館殺人事件
評判
マーブル館殺人事件の評価:
4.48/5点 レビュー 29件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21〜26 2/2ページ
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マーブル館殺人事件の評価:
4.48/5点 レビュー 29件。 B ランク
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期待に応える堂々とした本格的ミステリーでした。
ネタばれしないように、主に、主人公について考えさせられたことを記します。
普通、人生の実り豊かさとは、年齢を重ねるごとに芳醇になると私たちは思うのですが、ここで描かれた主人公スーザン・ライランド(50代後半だと推定)の人生を考えると、それがまったくの「幻影」であることに気づかされます。
スーザンがこれまでに出会ったのは、別離、孤独、挫折、解雇、そして破壊された人間関係とその結果としての人間不信。本来は出会いたくない不幸が前作までに次々に襲ってきた彼女の半生。特に直近の前作では信頼していた盟友(上司)とも言える貴重な理解者に、なんと殺されはぐった彼女です。そして、ついに愛せる人を見つけて地中海の小島に移住したのもつかのま、愛はさめて、ひとり、ロンドンに戻ってきた彼女。前回の事件により、彼女の属する出版界でよからぬ汚名が流布され、かつての名編集者が「安定した社員編集者」としての地位を確保するため、フリーの編集者に身をやつして、意にそぐわないひとつの原稿を担当します。ところがこの作品と著者がまた彼女をさらなる奈落の底にまで引きずり下ろすことになるのです。地獄へようこそ、と言った感じです。
そんな設定だからこそ、読者は「人生」を考えざるを得ません。そして、もし自分の人生に「甘え」が感じたら、恥ずかしく思うのではないでしょうか?私はそうでした。
この作品の面白さは、そんな彼女の内面が、言動と心理描写でわかりやすく伝わってくること。そして、ホロヴィッツ作品の魅力ですが、個性的な登場人物とのふれあいと、先の見えない展開です。
今作でもスーザンは普通考えられないような手痛い苦痛を何度も味わいます。しかし「くじけない」という強い人間が描かれているのではなく、もっとせっぱつまった感じで、「やるしかない」的な状況に追い込まれた果ての彼女の決断と言動に多くのことを感じさせられるのでした。
人はどう自らの信念と向き合い、その時その時の事態と対峙するか、を考えさせられる名作と言えると思います。