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アダマースの饗宴の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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星は甘めの評価で四つ。乾いた文体で洒脱に語るハードボイルドがぼくの好みであること、久しぶりに、ただ楽しんで読んだということで随分、評価は甘い。 本書は第16回松本清張賞受賞作品。もっともこの作家、2006年の第45回オール読物推理小説新人賞受賞でのデビューらしいので、まっ更な新人というわけではない。松本清張賞?どんな賞だっけと首を傾げたが、文藝春秋社の「芥川賞」「直木賞」「菊池賞」「大宅賞」に並ぶ賞らしい。大家の作家の名はついているが、本書は決してメジャーな賞とはいえないだろう。幾冊かの松本清張氏の作品はすごかったと思うが、その作家本人と本文学賞がうまく結びついているとは思えない。 本書は書店の棚置きで見かけ、気になった作品。本に「呼ばれた」。 本書の物語の肝はマネーゲームである。ベンチャービジネスという言葉をはじめとし、その用語を含め、作品で丁寧に説明されるマネーゲーム。しかしその本質は机上の理論の空虚さに過ぎない。マネーゲームの本質が虚しいものでありながら、それに踊らされる勝ち負けにこだわる男たちの姿。それが作品に独特の雰囲気を与えているのかもしれない。そういう意味で本書は、いわゆる「現場の物語」ではない。血湧き肉踊るとはいえない。主人公である笙子は銃撃戦に巻き込まれたり、組織に囲まれ、少しエキセントリックな運び屋ジュンに救われたり、あるいは大組織のボスとの面会を果たしたり、信じる者に命を狙われたりする。 しかし作品の主人公でありながら笙子は、物語の本質である、加治という男の仕組んだ「遊び」のなかに実は混ぜてもらえていない。事件のもっとも近いところに居る傍観者に過ぎない。いみじくも作品のなかで「男の子の遊び」と称される「遊び」に、結局、女である笙子は混ぜてもらえない。笙子はただ、巻き込まれるだけ。作品の最後にそのことはしっかり、触れられている 「女の子の遊びからはじき出された子どもは、みそっかすを承知で男の子のそれに混ざるしかなかった。でもだからといって、あなたたちのように勝ち負けに必死になっていたわけでもない。 たぶん、ただ一緒に遊びたかっただけなんだ。(P313)」 勝ち負けに拘る男の子の遊びに対し、女の子のそれがただ一緒に遊ぶことだという対比はうまい。また、多くのヤクザを巻き込み、ただ、男の子の「遊び」を行った加治も憎い。こ洒落た雰囲気がこの作品を生き生きとさせたものに仕上げている。この雰囲気がいい。 ただオビにある、あるいは幾人かのネットの読書人の拘った「ネオ・ハードボイルド」という言葉が、この作品に似合うかどうかは別だ。ネオ・ハードボイルドという言葉について、ぼくは自分のブログの「A型の女」(マイクル・Z・リューインのレビューで少し語ってみた。ひとつのジャンルとして確立しているネオ・ハードボイルドとこの作品は別物のような気がする。果たして、オビにこの言葉を選んだ編集者はどういう意味でこの言葉を使ったのだろう。そこは、とても疑問だ。 またタイトルも、もう少し作品に絡めてほしかった。確かに「アダマース」は語られているのだが、まさにとってつけたようだった。 とは、いえ、今後、この作家にちょっと期待していたりはするのだが・・。 | ||||
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本書は、オール読物推理小説新人賞を受賞した著者による 長編ハードボイルド小説。 殺人の刑期を終え、出所してきた女性を主人公に、 巨額のマネーやプライドをかけた 命がけの「ゲーム」に興じる男女の姿を描きます。 高級ホテル、ヒルズを舞台に銃弾や血飛沫が飛び交い 敵と味方の境界があやふやで、常に緊張感が漂うストーリーはもちろん、 本書の大きな見所となるのが、魅力的な登場人物たち。 一人しか殺してないとは思えないほど肝の据わった主人公を筆頭に、 若きIT経営者に近づいては、散々カネを巻き上げ 新宿のホテルでは盛大な銃撃戦を繰り広げる主人公の恋人 普段はメイド服の女の子にデレデレし、 必要ないと思えば、部下すら簡単に殺す不気味な老人・浅尾 薬漬けの日々から救ってくれた主人公を慕い 風俗店で働き金を稼ぐ瑠璃 ―など、いずれもユーモアと哀愁をおび、 どんな脇役に至るまで、愛さずにはいられません。 とりわけ、加治に利用されたIT企業の女性社員は 男たちのゲームに巻き込まれ、散々な目に会いながらも したたかに、しぶとく生きる姿が強く印象に残りました。 最後まで二転三転するストーリーが、恐ろしくも爽やかな本書。 ハードボイルドが好きな方はもちろん とびきり面白い小説をお探しの方には、強くおススメしたい著作です。 | ||||
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