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哀れなるものたち
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哀れなるものたちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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話題の映画の原作ということで、非常に興味を持って手に取ったわけですが。話の展開がスローで、じっくり読み進められずに、飛ばし飛ばしになってしまった。また、美女を蘇生される医者の目的が、結局のところ自分にとって都合の良い美女を手に入れたいだけのように思われ。結局ただのエロオヤジではないか。メアリ・シェリーの「フランケンシュタイン」は良くできていたな、と思いました。美女が出てこなくても、こういう小説読みたいのよ。魂や情念が激突する、とでもいうか。 | ||||
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若い娘時代はお砂糖とスパイスと素敵なものでできている、というような表現が本文中にあった。 妊娠した女性が命を断ち、臨月に近い胎児の脳を移植して女性を生き返らせる、という天才科学者の話を、その友人が書き残し、それを作者が注をつけるなどして本にまとめた、という設定。 でも、「フランケンシュタイン」ゆかりの名前が随所に使われているのでは、これを実話と思うのは無理だろう。実話なら無関係な名前のはず。 ヒロインのベルあるいはベラあるいはヴィクトリアは、父親の姓がハタズリーという。 この名前が出るたびに、「未来のイヴ」のハダリーの名前が頭に浮かぶので困った。つづりは似ていないのだが。内容的には「フランケンシュタイン」より「未来のイヴ」に似ていないか? ベルは「美女と野獣」のベルか? 逆説的な何か、とタイトルに書いたのは、このヒロインが幼い純粋な心の持ち主で、世の中の醜いことに心を引き裂かれ、泣き叫ぶほどになるシーンに、逆説的な何かを感じたからだ。 ヒロインが心を引き裂かれるのは、女性差別、男性中心主義、男らしさの崇拝、貧しい者は自己責任、といった、現代ならば普通に批判されるものを、登場人物の男たちが平気で主張しているところ。 こうした男たちがいやで、ヒロインはやさしい男に惹かれる。 天才科学者の友人の語りの中にこのヒロインの語りが多く含まれていて、ちょうどフランケンシュタインの語りの中に怪物の語りがあるような構成だが、最後に再び、別の形でヒロインの語りが来る。 この2つのヒロインの語りのうち、どちらが本当のヒロインなのか? 冒頭に序文は2ついらないと書いてあるが、「フランケンシュタイン」には序文が2つある。初版に詩人シェリーが書いた序文と、改訂版にメアリ・シェリーが加えた序文。 と、こんな具合に構成の妙を楽しむことはできるし、物語もそこそこ面白いのだが、実話に見せるために長い注をつけたりといった趣向を、楽しめるか、わざとらしいと思うか。 どちらかというとわざとらしい、めんどくさい、と思ってしまったので、星3つにした。 | ||||
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アラスター・グレイ氏の処女作『ラナーク』よりもぶっとび加減が大きいこの小説はまずなかなかに面白い。他のレビュアの方も触れているがメタフィクション特有の仕掛けが幾つも仕掛けられ、本創りも相当に出版社や編集者氏が頑張ったのだとおもう。そして肝心の中身なのだがメタフィクションとしての注釈が相当の重みを持った創りとともにクリーチャーに対する科学論のようにも読めて小説を読む楽しみがなかなかにある。が、残念な点があるとすれば『ラナーク』に比べると文章が多少粗雑になっている印象が否めない。著者の本は本書と『ラナーク』しか読んだ事がないのだがその間の作品はどうなっているのだろうか?僕は英語ができないため洋書をあたる事ができない。だがアラスター・グレイ氏の奔放な才能からすれば本書までに書かれた作品も興味が湧いてくる。なかなか売れないかもしれないが本書版元のハヤカワ書店はレベルの高い面白い純文学を文庫で攻める気概のある出版社なので、著者の他作もぜひ手を伸ばして頑張ってもらえると嬉しい。 | ||||
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