ひとり日和
評判
ひとり日和の評価:
3.38/5点 レビュー 78件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全156件 41〜60 3/8ページ
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ひとり日和の評価:
3.38/5点 レビュー 78件。 C ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
吟子さんの家には猫がいる。猫の写真もずらりと並んでいる。
その猫たちはすべてチェロキーという名前だ。どうやら過去に飼っていた猫たちの「遺影」らしい。
吟子さんは独り身だが、ホースケさんというおじいちゃんのボーイフレンドがいる。
笹塚駅の売店の売り子を始めた知寿は、藤田君という男の子と付き合うようになる。
知寿には「盗癖」がある。
といってもお金や高価な品物を盗むわけではなく、彼氏とか吟子さんとか、身近な人間からどうでもいいような小物(たとえばホースケさんの仁丹とか、中にはモト彼からこっそり切り取った髪の毛もある)を盗んでは、カラの靴箱につめこんでいるのだ。
「靴箱の小物たちは・・・苦かったり、甘かったりする記憶を、自分ひとりで楽しむ手伝いをするだけだった。それでもわたしは箱を捨てることができない。」
最後に吟子さんの家を出るとき、知寿はコレクションした盗品の全てをチェロキーたちの額縁の裏に置いていく。
こうして見えてくるのだ。
知寿と吟子さんとのパラレルな関係が。
吟子さんは知寿の未来の姿なのだ。
いや、語り手の知寿は、実は吟子さんの記憶の中の吟子さん自身なのではないか。
知寿は未来から照射されて浮かび上がる吟子さんのイメージではないか。
チェロキーと同様、知寿は吟子さんの記憶の中に並べられる一枚の写真なのだ。
すべてが淡々としている。
知寿は職場ではそつなく人間関係を築けるのに、一歩進んだ関係となると結べない。
母親さえ、いや母親だからこそか、自分からは遠い。単に母親が中国に住んでいるからだけが理由ではないだろう。
藤田君との関係もあっさりと終わってしまう。
すべては半世紀前の記憶のように薄い。
細い道をひとつ挟んで駅のホームが見える吟子さんの家。
そこに暮らして、ホーム上で手を振る人を見送りながら、知寿の人生も過ぎていった。
描写も淡々としているのに、何かしら不思議に深い小説だなあ。
こうしてレビューを書いていたら(読後感を反芻していたら)、「感性豊かな若い女性作家が細やかに描く若い女性の日常」というクリシェがぴったりの、つまり、いかにも底の浅い芥川賞作品の典型だと思って☆☆評価だったのが、☆☆☆☆にまで増えてしまった。