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ラスプーチンの庭: 刑事犬養隼人6
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ラスプーチンの庭: 刑事犬養隼人6の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.88pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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| 本書は、医療における自由診療と民間療法の問題を鋭く提起している。 物語の主人公は、建設設計事務所を経営する父親・及田允と、その娘二人、グーとユーである。及田の母親は新興宗教に入信していた。7歳の時に洗礼を受けると「神のご利益」が多いとされるため、7歳のユーは祖母の家へ連れられた。その経験が、後のグーとユーに影響を与えることとなる。 父親及田允は、難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)を患う。治療法についても詳しくわからず、仮説としてグルタミン酸が神経伝達物質として働き、細胞死を引き起こすという説が存在した。そこで、グルタミン酸の放出を抑制する薬剤を紹介されるが、それは自由診療に属していた。医師は次々と新たな技術を紹介し、父親の允の治療を進めた結果、母親は医療費のために昼も夜も働き続け、ついには家も売却した。結果として父親は死に至り、母親も自殺を遂げた。残されたグーとユーは親戚に預けられ、その医療制度に対して深い恨みを抱くようになる。 一方、警視庁捜査一課の刑事・犬養隼人の娘、沙耶香は、腎臓病で長期入院している。同じく腎臓病の友人佑樹は、原因不明の難病・慢性糸球体腎炎とフィブロネクチン腎症を患っていた。が、突然自宅療養を選び、その一ヶ月後に死去した。死因は肺水腫と高カリウム血症とされるが、身体には多数の痣があり、その状態から虐待も疑われたが、結果的には病死と判断された。しかし、痣や死因の背後には何らかの闇が潜んでいた。 また、四ノ宮愛美も、病気を苦にして自殺を図る。彼女の身体にも沢山の痣が見られ、それは祐樹と同じ症状であった。これらの痣をめぐり、犬養は民間療法を推奨する「ナチュラリー」という雑誌に注目する。同誌は、織田豊水という人物が主宰し、ハンガリーの国立大学を卒業した後、日本の医療機関で勤務した後、民間療法を始めていた。 その療法は、漢方薬を棒で押すことで自己治癒力を高めるというもので、本人だけでなく家族が行う形式である。犬養刑事は、証拠が整えば逮捕も可能だが、その裏付けと実証が難しかった。やがて、アイドルグループ・桜庭梨乃が織田豊水の療法で子宮頸がんを克服したとの情報が拡散し、大きな反響を呼ぶ。政治家も同様の主張を行い、犬養の捜査も上部から打ち切りせよと命令される。 この矢先に織田豊水は殺される。誰が彼を殺したのか? 物語は、難病や自由診療、民間療法をめぐるさまざまなテーマを浮き彫りにしながら進行する。最終的に、ラスプーチンのような存在である織田豊水を生み出したのは一体誰なのか? それは、現在の医療制度への告発とも言える。 | ||||
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| 沙耶香ちゃんとの会話が切り裂きジャックの告白の頃より徐々に増えていっているのが嬉しい。 最高峰の医療に対して民間医療の宗教。 | ||||
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| 官位包装ですが、とても良い状態で届きました。期待通り良かったです。 | ||||
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| ミステリとしては、書かれている伏線をどこで回収するのかという流れになるので、犯人そのものには行き着かないが、「犯人像」は当然のことながら想定しながら読みました。 ストリーテラーの中山七里さんですから、展開は面白いのですが、「民間療法」そのもののうさん臭さにはどうしても理解しきれませんでした。藁をもすがる家族の心理は分かりますが、さりとて、こんな「治療」で効果があると思わせるものではありません。そもそも設定自体に無理がありましたね。 ある種の新興宗教的な風合いは「ラスプーチン」という表題が醸し出しています。「怪僧」として帝政ロシアを牛耳っていたわけですから、魅力的な題名に思えました。 もっともラスプーチンを知らない人はその例えをされてもよく分からなかったのではないでしょうか。そのあたりが作者の狙いが上手く伝わらない要因の一つかもしれません。本作の「ラスプーチン」の「素顔」も明らかになりますが、そうでしたか、という気分です。 近年、実に意欲的に捜索している中山さんです。凝ったストーリーを展開しようとする姿勢は評価しています。毎月新作を読んでいる気分ですが、無茶な注文かもしれませんが、もう少し練ったストーリーを読みたいと願っています。昔の作品のような内容の詰まった作品をファンは切望しているのです。良い作品でしたが、高望みをするのもファン心理ですから。 | ||||
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| ①傑作長編ミステリーであることは間違いない。しかし、ラスプーチンとは誰なのか? ②学歴詐称、医師免許不保持の医療従事者なのか? ラスプーチンはロシアで帝政に深く入り込み、陰謀を巡らした。 ③しかし、本書にはそのような人物は登場しない。だとすればラスプーチンは大袈裟なネーミングである。 ④とはいえ、医療詐欺師の経歴は貧困極まりない。路上生活も体験した。肺炎と栄養失調から入院した病院から治療費を借り受け、病院が取立てを請け負わせた反社会勢力との繋がりからコカイン接種の日々が続いた。自滅のストーリーである。 ⑤犯罪が生まれる社会的背景と登場人物たちの人生がしっかり描かれている。映画やドラマにも最適な作品だ。 お勧めの一冊だ。 | ||||
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| さすがのひとこと。満足でした。 | ||||
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