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トゥモロー・ネヴァー・ノウズ
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トゥモロー・ネヴァー・ノウズの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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世界が同じ一日を繰り返している事に気づいている者が多くいる場合、繰り返すのは同じ一日でいられるのか?コレを思いついた時点で勝ちだが本作はその思考実験とともに善く生きようと踠く人のドラマをも描き出す。繰り返しながら変わっていく世界を君も目撃せよ。 | ||||
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●個人ごとに同じ日の繰り返しが続くという変形タイムリープもの(以前にも同テーマの作品はあっ た)。このアイディアだけで長編にするのは困難で、短篇しかならない。しかも一篇のみ。本書のよ うに連作にすれば、新たな矛盾が発生してしまう。その矛盾に苛々がつのり、前に進めなくなること も・・・。 -蛇足:ネタバレ注意!ー 1.ルーパーA子は、例えば3/22(金)を永遠に繰り返しているが、ステイヤーB子(留まる者)は 3/22.23.24・・・と経過している。B子が3/24(日)になれば、ルーパーA子は存在しなくなる のか? 2.だとすれば、3/22にルーパーになったA子とそれ以降にルーパーになった人(C)が会話してい るシーンがある。これはイメージが浮かばない。何故なら・・・ A子は永遠に3/22のままなので、それ以降の4/1にCがルーパーになった事など、知りようがなく 故に、会話は成り立たない。逆にCからみれば3/22を繰り返しているA子と会話などできるのか? 3.ステイヤーB子は時の流れに沿っている訳なので「留まる者」という呼称はおかしい。ルーパー にこそ当てはまる言葉では? 4.ルーパーは同じ日の繰り返し故、不老不死なのか?(死んでも生き返るというし) 5.ループの原因が不明。 そういう細かいところは気にしないで、物語の本質をくみ取って欲しいと言われてもネ・・・。 一千冊を超えるSF小説に接していると、多くの類似の作品に出会う。より完成度の高い作品を求めて しまい、この様な内容は気になってしかたないのです。残念ながら第3話でGive upです。 | ||||
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仮説実験文学としてすごく面白い、永遠に回帰する今日を日常とする人々の実存をえぐる。 まだ繰り返す今日になれていない人たちがそれに慣れていく時、色々な新しい語が生まれ概念が生まれそれを使いこなし、悩み生きる人々のリアル。 いとうせいこうやKディックを彷彿させる新しい世界での日常感。色々な人生に触れていくのだが登場人物のそれぞれの人生が読み手に触れてくる感情や思考がそれぞれ違い、脳がいろんな方向にストレッチされた気分で読後感が良かった。 何よりも読みながら自己を省みて、もしこの世界に僕がいたらという仮説を試みることは、自分がこの世でどう在りたいかを己自身に問うことになる。心地よく自問自答させてくれた本書との日々は充実したものだった。 | ||||
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ループもののフィクション作品は数多くありますが、ループごとにループする人が多くなっていく「感染するように広がるループ現象」のアイディアは初めて触れました。社会の何割かが同じ一日をループする社会、政府や警察もループを前提に活動するようになっている世界の物語です。 もし、自分がループしたら? 明日が来ないと信じられる間なら、毎日の筋トレはやめるなぁ、将来のためにコツコツ節約しなくていいや、仕事は行かなくなっちゃうな、毎日に飽きそうだな、ループが自分だけならループを抜け出すために試行錯誤するかもしれないが他人も同じなら抜け出す努力は無意味そうだな…、と色々考えさせられました。 この小説は、群像劇です。さまざまな年齢、性別、国、職業の人たちが、ループしている社会で何を考え、どう行動するのか? それぞれのケースでの思考実験が一冊で描かれており、多様なケーススタディとして価値があります。 人間は思ったよりも複雑な生き物なようです。毎日の努力や積み重ねが価値を失ったとしても毎日研鑽を重ねる人がいたり、死ぬほどの痛みを味わうことになっても次の日には完全回復するのだからと無茶な行動をしたり、逆に明日には治るのに治療する医師がいたり、今日記録したものは翌日には消えてしまうとしても報道の仕事をしたり。一見不合理でも、明日が来るか信じるかどうか、や個人の価値観によって行動はそれぞれ異なるようです。 「明日死ぬとわかったらどうするか」を考えたことはあっても、「明日が来ないとわかったらどうするか」は考えたことがなく、新たな視点を与えてもらいました。 面白い要素は設定や世界観だけではありません。筆者の筆力の高さも特筆すべきです。1人称視点の群像劇なので、章ごとに地の文の一人称、ボキャブラリー、価値観、文体が使い分けられています。叙述トリックも巧みで、何度も騙されました。もちろん、騙されることも楽しめました。ぜひ続きが読みたいです。「カクヨム」の投稿作をまとめたとのこと、探せば他の作品もあるでしょうか。 このループは、小説のラストになっても種明かし、解明、解決されません。解決要素が必須な方には向いていないかもしれませんが、そういう世界なので悪しからず。 | ||||
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