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薔薇荘にて



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【この小説が収録されている参考書籍】
薔薇荘にて 世界探偵小説全集 1

薔薇荘にての評価: 4.14/5点 レビュー 7件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.14pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(5pt)

昔のミステリー

レビューの某さんの文章を読んで、私も読みたくなりました。
私は古いミステリーばかり読んでいて、この前には「ルコック探偵」を読んでいました。
この本もそれに似ていて、途中で犯人の一人は逮捕され、後半は事件の真相や一人一人の事情が表されています。犯罪場面はハラハラするスリラーです。
著者はドイルを意識して、それとは違う探偵像を書こうとしたようですが、それでもこの二段に分れる書き方は、「緋色の研究」や、「ルコック探偵」に通じるものがあります。
私はパズル的ミステリーよりも、古いロマン小説やコリンズのセンセーション小説を好むようになったので、この小説もそれに近いと感じました。
登場する少女の境遇などがまさに昔風の小説に出てくる主人公のようで、そこにスリラー的展開にまきこまれます。
読んで楽しかったです。ただ、アノー探偵はちょっと嫌味な奴にも思えましたが。
薔薇荘にて 世界探偵小説全集 1Amazon書評・レビュー:薔薇荘にて 世界探偵小説全集 1より
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No.6:
(4pt)

パリ警視庁の名探偵アノーの初登場作品

南フランスの温泉保養地エクス・ル・バンの薔薇荘でその女主人であり宝石蒐集家の富豪ドヴレー夫人が絞殺され夫人の身に着けていた宝石が盗まれる。夫人のメイドは後ろ手に縛り上げられたまま眠らされ、夫人の連れの若い英国人女性シーリアは行方不明となっていた。シーリアと恋仲になっていた若き発明家ウェザミルは引退した実業家のリカードに助けを求めパリ警視庁のアノーに捜査を依頼する。薔薇荘に残された足跡、凶器の紐や犯行当夜シーリアが霊媒となって怪しげな降霊会が開かれようとしていた事等からシーリアが共犯者であったことは明らかと思われた。アノーは地元の警察やリカード、ウェザミルとともに捜査を開始するが時々リカードには理解不能な言動を示す。そして第2の事件が発生しさらに・・・

名作「矢の家」の名探偵アノーの初登場作品ということで期待して読んだが、人のよいリカードの視点で語られるためか前半はゆっくりとしてやや退屈であった。メイドの証言あたりから緊迫して来て舞台がジュネーブに移ってからはスピード感が増し前半で犯人が逮捕される。ただしこの時点では種明かしはされず読者はリカードと同様に煙に巻かれたままとなる。後半は、シーリアの幼少時代の話から始まり事件の発端からその全容がシーリアの視点で描かれ前半の謎が次々と明らかになっていく。こちらの方がサスペンスがありグイグイと引き込まれた。

ただ実質の主人公はシーリアといってもよく、その分全体的には小粒の感が否めない。犯人像は生き生きとしているがその悪人ぶりは古典的な勧善懲悪のもので人間的な現実感という点では物足りなかった。アノーとリカードのコンビがいい味を出しているがアノーの自意識過剰ぶりやリカードの自己卑下ぶりはやや興ざめであった。

法廷場面があればもっと重厚な作品になったかもしれない。
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No.5:
(3pt)

ホームズ時代から黄金時代への架け橋となる作品

1910年という、推理小説史でも初期に発表された本作は、シャーロック・ホームズが活躍していた、イギリスの月刊誌『ストランド・マガジン』に連載されていたこともあり、かなりホームズを意識した作品となっています。

しかし、完全にホームズのイメージを脱却できたわけではなく、推理小説におけるワトスン役の配置や、犯人逮捕までと事件の変遷を回想として紹介する手法など、似通っている部分もあります。

しかし、アノー探偵の心理的探偵手法に見られる新たな試みは、その後アガサ・クリスティの創り出した名探偵エルキュール・ポワロによって完成を見ることとなります。

フェアプレイの観点から、納得できない点も見受けられますが、そこはご愛嬌。黄金時代への過渡期の中の一作として、クリスティファンの一人としても読んでおくべき一作です。
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No.4:
(4pt)

浪漫趣味溢れる物語の秀作

フランスの避暑地で殺人が起き名探偵アノーが捜査に乗り出すが・・・というお話。
プロットはよくある推理小説に思えるし、登場人物も特に他の作家より優れているとも言えないし、これといった長所もないように思えるお話しに思える・・・と書くと凄くつまらないミステリに思えるかもしれませんんが、これが凄く面白い作品でした。
その浪漫漂う物語世界はスティーブンスンの作品やヴェルヌの作品を思わす、骨董を愛でるように読める物語は一時の余暇を潰すのに余りある至福の体験でした。
上記の記述に物語という言葉を多用してますが、これは小説というよりも物語の方が性質が近いように思えるのでそう使いました。例えば、主人公の探偵が推理して最終的に謎解きが展開されるよりも、先に謎解きがありその後何があったか探偵の推理が開陳される所等。
現代の進化した推理小説を読みなれている人には物足りない部分も多々ありますが、これはこれで面白い作品だと思います。
何でもこのメイスンという作家はリアルタイムでは物凄く人気のある作家だったそうで、ヘミングウェイの作品でも名前が言及されていたりして、凄い作家だったのだなと思います。この人のもう一つの代表作「矢の家」の新訳復刊を希望します。
黄金時代のミステリの秀作。機会があったら是非。
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4336036713
No.3:
(5pt)

読みたかった!

A.E.W.メイソンの薔薇荘にてが入手できるとは思いませんでした。美本をありがとうございます。
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4336036713
No.2:
(4pt)

解決編が充実

「矢の家」は読みづらさが非常に目に付きましたが、
こちらの作品は読みやすくなっています。
それに無駄な表現も極力少なくなっています。
その分ちょっと犯人の情報などが少なくなっています。
ただし、解決編がそこのところを
ばっちりフォローしています。
なので、展開がわからずにもやもやしている
読者をすっきりさせてくれることでしょう。
もちろんアノーも登場。
のんきに食事をがっつり食べたりして
回りの顰蹙を買いますが、
それでもやることはやっています。
やはり「玄人」ですな。
初めての人でも安心して読める本です。
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No.1:
(4pt)

クラシックミステリの先駆け

メースンの「薔薇荘にて」は、1910年に出版された、その後のミステリ黄金時代の先駆けをなす作品です。名探偵アノーが貴婦人殺人事件の真相を追って、南フランスの現場からスイス・ジュネーヴへと飛び回ります。事件の関係者を集めて名探偵が真相を明かす、といったおなじみの場面はなく、純粋な謎解きを期待する人には物足りないかもしれませんが、その分スリルと冒険に満ち溢れた推理小説に仕上がっています。
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