ソラリス

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評判

ソラリスの評価:

4.32/5点 レビュー 136件。 A ランク

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平均点4.32pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全221件 61〜80 4/12ページ
No.161
(5pt)

知ろうとしても知れないもの

「人間の存在とは何か」それを登場人物の意識と行動を借りて浮き彫りにして行きます。人間とは、常に己の存在を問い続けてる生き物だけれども、きっと人類は滅亡するまで堂々巡りをして止まない。それは人間が有限であるからか、そもそも稚拙な存在であるからか。更に人類が飽くなき興味を抱いて来たソラリスの「海」でさえ、人知を超越した存在なるものの、宇宙の起源の深遠はその遥か彼方にあり、人類と「海」は、その「創造主」からは赤子にも満たない存在であると言う事を最後に主人公は気付く。奇想天外かつ壮大なSF叙事詩。私は先にソーダバーグの映画を観たのですが、作者レムが、とてもその出来映えに不満を抱いていたと言う事は、完読して納得する次第です。
ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション) Amazon書評・レビュー: ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)より
4336045011
No.160
(5pt)

重層的かつ多面的(ネタバレ御免)

作家の意図とは無関係に、結果として現れてきたものについて羅列してみる。

1.「予め失われた恋人」との「始まると同時に終わっている愛」
他者とは本質的に理解不能なものである。
ハリーは一見、理解不能な他者としての資格を備えているように見えるが、その出自を問えば、ケルヴィンの亡くした妻の記憶が基になっている訳で、人が自らの内面に理解不能な領域を抱えているという当然の認識によれば、ハリーとの愛は自己愛の変種と言えるのかも知れない。
しかしその後ハリーは、自分がケルヴィンの妻とは別人であるとの自覚をもつようになる。
その時、この愛は自己愛の変種ではなく、かつての愛の延長線上にあるものでもなく、新たに生まれたものとなる。
それが自らより他者を優先する真正の愛であるが故に、二人は悲劇的な結末を先延ばしするしかなくなる。

2.「所与ではない現実」
映画化されたものを観れば、(二作とも)繰り返される「うねり、渦巻く海」の映像が催眠を暗示、「現実への懐疑」を喚起する内容となっている。
原作小説においても(映画ほどあからさまではないにせよ)、「海」が語り手であるケルヴィンの脳に何らかの作用を及ぼし、幻覚を見させている可能性は捨てきれないのである。

3.「無力な人間の能動的ニヒリズム」
人の心を読み、無から有を創造できる神の如き他者が、能力のみで意志を持たぬものであった場合、他者の目的を類推することで自らの対応を選択するという戦術は無効となる。
それは作中に幾度か登場する「人間形態主義」の限界でもある。
全知全能のものに翻弄されるとき、運命という言葉が立ち上がる。
とはいえ、生命とは制御不能な環境を受け入れながら、生き抜いていくものなのだ。

シビレル。
ソラリス (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: ソラリス (ハヤカワ文庫SF)より
4150120005
No.159
(5pt)

重層的かつ多面的(ネタバレ御免)

作家の意図とは無関係に、結果として現れてきたものについて羅列してみる。

1.「予め失われた恋人」との「始まると同時に終わっている愛」
他者とは本質的に理解不能なものである。
ハリーは一見、理解不能な他者としての資格を備えているように見えるが、その出自を問えば、ケルヴィンの亡くした妻の記憶が基になっている訳で、人が自らの内面に理解不能な領域を抱えているという当然の認識によれば、ハリーとの愛は自己愛の変種と言えるのかも知れない。
しかしその後ハリーは、自分がケルヴィンの妻とは別人であるとの自覚をもつようになる。
その時、この愛は自己愛の変種ではなく、かつての愛の延長線上にあるものでもなく、新たに生まれたものとなる。
それが自らより他者を優先する真正の愛であるが故に、二人は悲劇的な結末を先延ばしするしかなくなる。

2.「所与ではない現実」
映画化されたものを観れば、(二作とも)繰り返される「うねり、渦巻く海」の映像が催眠を暗示、「現実への懐疑」を喚起する内容となっている。
原作小説においても(映画ほどあからさまではないにせよ)、「海」が語り手であるケルヴィンの脳に何らかの作用を及ぼし、幻覚を見させている可能性は捨てきれないのである。

3.「無力な人間の能動的ニヒリズム」
人の心を読み、無から有を創造できる神の如き他者が、能力のみで意志を持たぬものであった場合、他者の目的を類推することで自らの対応を選択するという戦術は無効となる。
それは作中に幾度か登場する「人間形態主義」の限界でもある。
全知全能のものに翻弄されるとき、運命という言葉が立ち上がる。
とはいえ、生命とは制御不能な環境を受け入れながら、生き抜いていくものなのだ。

シビレル。
ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション) Amazon書評・レビュー: ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)より
4336045011
No.158
(5pt)

オールタイムベストなSF小説を探す誰かへ

"私に望みはなかった。しかし、私の中ではまだある期待が生きていた。それは彼女の後に残された、ただ一つのものだ。"1961年発刊の本書は、人間以外の理性"未知の他者"との接触は可能か?の問いを軸に、精神分析、ラブロマンス他のメタ小説としても読み解けるSF小説不朽の名作。

個人的には、随分前に著者と解釈の違いを巡って【大喧嘩が起きた事で有名な】タルコフスキー監督の最初の映画化作品(1972年)を観てから、なかなか原作を読む機会がなかった事から今回、本書を手にとったのですが。

難解な印象だった映画と違い、ググッとテンポよく宇宙ステーションを訪れる所から始まり【限定された空間、登場人物】の間で起こる奇妙な現象を一人称視点でサイコホラー的に描く序盤から、絶対的他者性の前に次第に【無力感、必然としての物語の停滞、倦怠】へと転換していく本書は読みやすくも、合間にソラリス学というトリビア的重層的世界の紹介も挿入される事で、奥行きや深みのある読後感を与えてくれました。

また、映画において特に顕著であった様に本書の主要テーマとしては、あくまで【地球外理性との接触】であるとは言え、訪れたものの心理の奥底まで睡眠中に読み取り、つくりあげられた【恋人との再会、関係性の変化、再びの別れ】といったラブロマンスの要素は作中では語り尽くされていないからこそ読者に想像の余地を与えてくれていて。仮に著者の意図とは違っても、こちらもシンプルに胸を打たれます。

絶対的に違いのある他者との接触を描く作品、哲学的な作品を探す誰か、あるいはオールタイムベストなSF小説を探す誰かへ。またペンギン・ハイウェイ好きな人にもオススメ。
ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237) Amazon書評・レビュー: ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)より
4150102376
No.157
(4pt)

理解し合えないものとの接触とそれにまつわる体験や感情を綴ったSFの本

なんとなく、ソラリスの「海」と理解し合っていくという話かなと思って読み始めましたが、最後まで理解し合えないものとして、それを受け入れていく話だったので驚きました。訳者解説にもありましたが、テンプレートに沿った解釈を自分もしていたのだろうなと思い、考えさせられました。
オーウェルの「1984年」を読んだときにも思いましたが、SF小説の設定の細かさがすごいなと思いました。ソラリス学という学問の体系とその描写にかなりの文字数が割かれていて、この設定を考えるのは大変だったろうなと思いました。
ケルヴィンが最初にハリーをロケットで追い出すところや、ハリーを受け入れるところなど、異常事態にある人間の行動がよく描写されているなと思いました。

もやっとするところもあって、ケルヴィンがソラリス・ステーションに到着する直前に自殺した(とされている)ギバリャンについて、なぜそうなっていったのか等が最後までわからなかったのがもやっとしました。ケルヴィンの恩師だったり、そこそこ重要人物だったような気がしますが。ケルヴィンにとってのハリーがギバリャンにとっての巨大な黒人女性だったのかなと読み終わってから思いましたが、最も心の底に残っていたのがその黒人女性だとするとギバリャンに対しての謎がより深まる気がしました。
スナウトの人格・行動・動機などが捉えにくかったなと思いました。ソラリス・ステーションの環境で精神的に滅入っていたのかも知れませんが、支離滅裂な行動が多かったように思いました。

訳者解説で映画が異なる解釈で制作されたという話があり、著者が不本意だったとのことですが、原作のまま映画を作成するのは難易度が高く、観客に理解してもらうのに苦労するばかりで売れないだろうなと思いました。

自分はSF素人ですが、ホラー要素もあり、恋愛要素もあり、ミステリー要素もあり・・・と様々な要素が盛り込まれていて、SF史上の名作と言われるのも納得の作品だと思いました!
ソラリス (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: ソラリス (ハヤカワ文庫SF)より
4150120005
No.156
(4pt)

理解し合えないものとの接触とそれにまつわる体験や感情を綴ったSFの本

なんとなく、ソラリスの「海」と理解し合っていくという話かなと思って読み始めましたが、最後まで理解し合えないものとして、それを受け入れていく話だったので驚きました。訳者解説にもありましたが、テンプレートに沿った解釈を自分もしていたのだろうなと思い、考えさせられました。
オーウェルの「1984年」を読んだときにも思いましたが、SF小説の設定の細かさがすごいなと思いました。ソラリス学という学問の体系とその描写にかなりの文字数が割かれていて、この設定を考えるのは大変だったろうなと思いました。
ケルヴィンが最初にハリーをロケットで追い出すところや、ハリーを受け入れるところなど、異常事態にある人間の行動がよく描写されているなと思いました。

もやっとするところもあって、ケルヴィンがソラリス・ステーションに到着する直前に自殺した(とされている)ギバリャンについて、なぜそうなっていったのか等が最後までわからなかったのがもやっとしました。ケルヴィンの恩師だったり、そこそこ重要人物だったような気がしますが。ケルヴィンにとってのハリーがギバリャンにとっての巨大な黒人女性だったのかなと読み終わってから思いましたが、最も心の底に残っていたのがその黒人女性だとするとギバリャンに対しての謎がより深まる気がしました。
スナウトの人格・行動・動機などが捉えにくかったなと思いました。ソラリス・ステーションの環境で精神的に滅入っていたのかも知れませんが、支離滅裂な行動が多かったように思いました。

訳者解説で映画が異なる解釈で制作されたという話があり、著者が不本意だったとのことですが、原作のまま映画を作成するのは難易度が高く、観客に理解してもらうのに苦労するばかりで売れないだろうなと思いました。

自分はSF素人ですが、ホラー要素もあり、恋愛要素もあり、ミステリー要素もあり・・・と様々な要素が盛り込まれていて、SF史上の名作と言われるのも納得の作品だと思いました!
ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション) Amazon書評・レビュー: ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)より
4336045011
No.155
(2pt)

表現がいちいちクドい

表現がいちいちクドくて、読むに堪えない。。
他の方も指摘してるように翻訳のクオリティーの問題なのだとおもわれる。。
ソラリス (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: ソラリス (ハヤカワ文庫SF)より
4150120005
No.154
(2pt)

表現がいちいちクドい

表現がいちいちクドくて、読むに堪えない。。
他の方も指摘してるように翻訳のクオリティーの問題なのだとおもわれる。。
ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション) Amazon書評・レビュー: ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)より
4336045011
No.153
(5pt)

面白い

海がコンタクト対象だったらとの発想が面白い。
SF好きは必読かも。
ソラリス (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: ソラリス (ハヤカワ文庫SF)より
4150120005
No.152
(5pt)

面白い

海がコンタクト対象だったらとの発想が面白い。
SF好きは必読かも。
ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション) Amazon書評・レビュー: ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)より
4336045011
No.151
(4pt)

これまでに読んだことのないハードSF

「人間以外との理性との接触」をここまで中心に持ってきたフィクションというのは、これまでに読んだことがなく、とても面白い体験でした。

翻訳された沼野氏が、ソラリスを初めて読んだ際、「これまで読んできたSFのどれとも似ていない、何か根本的に違うものだ」と感じた、と仰ってますが、正にその感覚に近いものを感じました。

この作品は、作者が何を伝えたいのか分かりづらいし、決して老若男女どんな人でも楽しめるエンタメ作品とは思いませんが、でも、名作だと感じます。
星をひとつ減らしたのは少し読む人を選ぶかも、と思ったからです。

思うに、一般的な小説とか、漫画、ドラマ、創作されたストーリーって、だいたいネタが出し尽くされてる感があるというか、
細かい設定は違えども、作者の伝えたいことは結局同じだったり、ストーリー展開や表現手法はどこかでみたことがあるようなものばかりというか、
どこかで聞いたような設定だなーとか、あーこのパターンね、っていうのが、どこかにあるのですが、

「ソラリス」は今まで読んできたどのフィクションに当てはまらない、という感じがしました。

強いて言えば、漫画の火の鳥や海獣の子供が、表現しようとしてるようなものが近いかなと思いました。
ソラリスの解説にも載ってるように、「人間中心主義への疑問の提示」そして、「人間の理解を絶した他者という概念を表現しようとしているところ」が、少し共通してるのかもしれません。

ただ、その表現の舞台や表現の仕方が独特なんですよね。

また、ハードSFとしても楽しめます。

著者のレム氏は、もともと医学専攻だということもあるのでしょうが、かなり科学知識に造詣が深い方なんでしょうね。

現在分かっている科学的な事実から、こんなことも可能かも?、未来はここまで技術が進歩しているかも?と色々考えられていて、それが分かるとより楽しめそうです。

私は生物科学系の専攻でしたが、採血してサッと作ったプレパラートで原子電子中間子まで観察できる顕微鏡なんて、未来の技術力すごいなー、なんて考えながら読んでました。

もしかしたら、物理畑の人、宇宙工学や、特にニュートリノについて知識のある人だと、思わずニヤリとしたり、もっともっと楽しめるのかもしれません。

単純なSF好きなだけでなく、哲学や思想、心理学なんかを好きな人も楽しめる作品かな、と思います。
ソラリス (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: ソラリス (ハヤカワ文庫SF)より
4150120005
No.150
(2pt)

読みづらい

ソラリスの海で起こることの描写がとても読みにくい。えんえんと続くソラリス学の講義?もつまらない。登場人物たちは基本的にずっとイライラしているのだが、それを読んでいるほうもずっとイライラする。総じて、お勧めできない。
ソラリス (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: ソラリス (ハヤカワ文庫SF)より
4150120005
No.149
(4pt)

これまでに読んだことのないハードSF

「人間以外との理性との接触」をここまで中心に持ってきたフィクションというのは、これまでに読んだことがなく、とても面白い体験でした。

翻訳された沼野氏が、ソラリスを初めて読んだ際、「これまで読んできたSFのどれとも似ていない、何か根本的に違うものだ」と感じた、と仰ってますが、正にその感覚に近いものを感じました。

この作品は、作者が何を伝えたいのか分かりづらいし、決して老若男女どんな人でも楽しめるエンタメ作品とは思いませんが、でも、名作だと感じます。
星をひとつ減らしたのは少し読む人を選ぶかも、と思ったからです。

思うに、一般的な小説とか、漫画、ドラマ、創作されたストーリーって、だいたいネタが出し尽くされてる感があるというか、
細かい設定は違えども、作者の伝えたいことは結局同じだったり、ストーリー展開や表現手法はどこかでみたことがあるようなものばかりというか、
どこかで聞いたような設定だなーとか、あーこのパターンね、っていうのが、どこかにあるのですが、

「ソラリス」は今まで読んできたどのフィクションに当てはまらない、という感じがしました。

強いて言えば、漫画の火の鳥や海獣の子供が、表現しようとしてるようなものが近いかなと思いました。
ソラリスの解説にも載ってるように、「人間中心主義への疑問の提示」そして、「人間の理解を絶した他者という概念を表現しようとしているところ」が、少し共通してるのかもしれません。

ただ、その表現の舞台や表現の仕方が独特なんですよね。

また、ハードSFとしても楽しめます。

著者のレム氏は、もともと医学専攻だということもあるのでしょうが、かなり科学知識に造詣が深い方なんでしょうね。

現在分かっている科学的な事実から、こんなことも可能かも?、未来はここまで技術が進歩しているかも?と色々考えられていて、それが分かるとより楽しめそうです。

私は生物科学系の専攻でしたが、採血してサッと作ったプレパラートで原子電子中間子まで観察できる顕微鏡なんて、未来の技術力すごいなー、なんて考えながら読んでました。

もしかしたら、物理畑の人、宇宙工学や、特にニュートリノについて知識のある人だと、思わずニヤリとしたり、もっともっと楽しめるのかもしれません。

単純なSF好きなだけでなく、哲学や思想、心理学なんかを好きな人も楽しめる作品かな、と思います。
ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション) Amazon書評・レビュー: ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)より
4336045011
No.148
(2pt)

読みづらい

ソラリスの海で起こることの描写がとても読みにくい。えんえんと続くソラリス学の講義?もつまらない。登場人物たちは基本的にずっとイライラしているのだが、それを読んでいるほうもずっとイライラする。総じて、お勧めできない。
ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション) Amazon書評・レビュー: ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)より
4336045011
No.147
(5pt)

ペンギン・ハイウェイ好きな人にもオススメ。

"私に望みはなかった。しかし、私の中ではまだある期待が生きていた。それは彼女の後に残された、ただ一つのものだ。"1961年発刊の本書は、人間以外の理性"未知の他者"との接触は可能か?の問いを軸に、精神分析、ラブロマンス他のメタ小説としても読み解けるSF小説不朽の名作。

個人的には、随分前に著者と解釈の違いを巡って【大喧嘩が起きた事で有名な】タルコフスキー監督の最初の映画化作品(1972年)を観てから、なかなか原作を読む機会がなかった事から今回、本書を手にとったのですが。

難解な印象だった映画と違い、ググッとテンポよく宇宙ステーションを訪れる所から始まり【限定された空間、登場人物】の間で起こる奇妙な現象を一人称視点でサイコホラー的に描く序盤から、絶対的他者性の前に次第に【無力感、必然としての物語の停滞、倦怠】へと転換していく本書は読みやすくも、合間にソラリス学というトリビア的重層的世界の紹介も挿入される事で、奥行きや深みのある読後感を与えてくれました。

また、映画において特に顕著であった様に本書の主要テーマとしては、あくまで【地球外理性との接触】であるとは言え、訪れたものの心理の奥底まで睡眠中に読み取り、つくりあげられた【恋人との再会、関係性の変化、再びの別れ】といったラブロマンスの要素は作中では語り尽くされていないからこそ読者に想像の余地を与えてくれていて。仮に著者の意図とは違っても、こちらもシンプルに胸を打たれます。

絶対的に違いのある他者との接触を描く作品、哲学的な作品を探す誰か、あるいはオールタイムベストなSF小説を探す誰かへ。またペンギン・ハイウェイ好きな人にもオススメ。
ソラリス (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: ソラリス (ハヤカワ文庫SF)より
4150120005
No.146
(5pt)

ペンギン・ハイウェイ好きな人にもオススメ。

"私に望みはなかった。しかし、私の中ではまだある期待が生きていた。それは彼女の後に残された、ただ一つのものだ。"1961年発刊の本書は、人間以外の理性"未知の他者"との接触は可能か?の問いを軸に、精神分析、ラブロマンス他のメタ小説としても読み解けるSF小説不朽の名作。

個人的には、随分前に著者と解釈の違いを巡って【大喧嘩が起きた事で有名な】タルコフスキー監督の最初の映画化作品(1972年)を観てから、なかなか原作を読む機会がなかった事から今回、本書を手にとったのですが。

難解な印象だった映画と違い、ググッとテンポよく宇宙ステーションを訪れる所から始まり【限定された空間、登場人物】の間で起こる奇妙な現象を一人称視点でサイコホラー的に描く序盤から、絶対的他者性の前に次第に【無力感、必然としての物語の停滞、倦怠】へと転換していく本書は読みやすくも、合間にソラリス学というトリビア的重層的世界の紹介も挿入される事で、奥行きや深みのある読後感を与えてくれました。

また、映画において特に顕著であった様に本書の主要テーマとしては、あくまで【地球外理性との接触】であるとは言え、訪れたものの心理の奥底まで睡眠中に読み取り、つくりあげられた【恋人との再会、関係性の変化、再びの別れ】といったラブロマンスの要素は作中では語り尽くされていないからこそ読者に想像の余地を与えてくれていて。仮に著者の意図とは違っても、こちらもシンプルに胸を打たれます。

絶対的に違いのある他者との接触を描く作品、哲学的な作品を探す誰か、あるいはオールタイムベストなSF小説を探す誰かへ。またペンギン・ハイウェイ好きな人にもオススメ。
ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション) Amazon書評・レビュー: ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)より
4336045011
No.145
(5pt)

マスターピース

新旧の映画は観ていたが、原作は初読。今まで読んでいなかったのを後悔した。
ソラリス (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: ソラリス (ハヤカワ文庫SF)より
4150120005
No.144
(5pt)

マスターピース

新旧の映画は観ていたが、原作は初読。今まで読んでいなかったのを後悔した。
ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション) Amazon書評・レビュー: ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)より
4336045011
No.143
(5pt)

タルコフスキーでは分からない

オルテガは『大衆の反逆』において、愚かさの研究書が書かれていないことに驚き、ハラリもわたしたち人間の愚かさを侮るべきではないと警鐘を鳴らす。ソクラテス/プラトンなら「今さら」と笑うかもしれないが、同じ人間であっても他者を「理解」することは愚か、交流することさえも時に大変難しい。わかっていないのにわかっていると思って行動すると軋轢を生む。悲喜劇は根本的に誤解という一つの構造を持つとはアリストテレスの指摘だったろうか。
 ソダーバーグは当然としても、タルコフスキーさえ、理解しがたい他者を理解しがたい他者として描き切ることができなかった。ソラリスの海は未知の生命体というより、他者の不可知性の象徴としても読めると感じる。一読の価値あり。
ソラリス (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: ソラリス (ハヤカワ文庫SF)より
4150120005
No.142
(5pt)

タルコフスキーでは分からない

オルテガは『大衆の反逆』において、愚かさの研究書が書かれていないことに驚き、ハラリもわたしたち人間の愚かさを侮るべきではないと警鐘を鳴らす。ソクラテス/プラトンなら「今さら」と笑うかもしれないが、同じ人間であっても他者を「理解」することは愚か、交流することさえも時に大変難しい。わかっていないのにわかっていると思って行動すると軋轢を生む。悲喜劇は根本的に誤解という一つの構造を持つとはアリストテレスの指摘だったろうか。
 ソダーバーグは当然としても、タルコフスキーさえ、理解しがたい他者を理解しがたい他者として描き切ることができなかった。ソラリスの海は未知の生命体というより、他者の不可知性の象徴としても読めると感じる。一読の価値あり。
ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション) Amazon書評・レビュー: ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)より
4336045011