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書楼弔堂 待宵
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書楼弔堂 待宵の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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古本屋の店主と使用人の少年が、客の悩みごとを解決していく、京極夏彦の新しい分野だと思う。”破暁” “炎昼”ときて、この”待宵”が発刊されて、これで朝、昼、夕となり夜があるのかなあ。 | ||||
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富国強兵政策の富国に流された国民は強兵の真の怖さに思い至らずに自国の侵略戦争から目を背けたのだろう。「勝てば官軍負ければ賊軍」なぞと恐ろしい考え方が安易に流布するこの国の民衆に本当に侵略戦争の罪を理解することが出来るのだろうか?それを導いた政治家たちに至っては正当化と云う鉾を振り翳して威嚇するか、或いは正当化と云う盾に身を潜める有り様は、昔も今も、国をも問わず変わらないように思える。この小説は書物の創作者と日本の歴史と云う下敷きの上に組み上げられた思弁小説だと感じた。「戦争だけは美化してはいけない」竹久夢二に云わせた言葉が胸に響いた。 | ||||
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京極さんの作風が大好きで、全部購入していますが、やはり面白いです。 | ||||
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この巻では徳富蘇峰、岡本綺堂、宮武外骨、竹久夢二、寺田寅彦、齋藤一が弔堂を訪れる。 おもしろかったのは徳富蘇峰、岡本綺堂、宮武外骨、齋藤一のお話。 語り手の弥蔵さんの維新前の人生もなかな興味深い。 | ||||
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本を必要とするのは実在した著名人、彼らを導くのは一人の「謎の」人物。著名人が誰であるかということと、彼の悩みは「弔堂」にてようやく明らかとなり、そして解決の糸口を与えられる。そんな趣向で綴られるシリーズ第三弾。作者独特にして相変わらずの問答調で、場面にほとんど変化はなく、ひたすらに会話だけで物語は進んでゆく。にもかかわらず今回は――または今回も――導き役の「弥蔵」となぜか彼を慕う「利吉」の掛け合いが諧謔に満ちていて、会話そのものが心地良い。それはむしろ「話芸」と表現すべき程のものであり、地の文はひたすらその「話芸」に奉仕し、生かすように配される。「文字が聞こえる」、そんなパラドクシカルな形容すら相応しいと思えるような傑作。 | ||||
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待望の続刊で、いつも通り堪能させていただきました。よく目にする人物やかすかに名前だけ知っている人物など、相変わらずの登場人物のあり得ない、しかしありそうなそして実際の史実の絶妙なストーリー展開で、一気に読了しました。出来るだけ続編を期待しますが、史実を踏まえた物語ゆえの制約もあろうと思いますので、かすかな期待を持ちつつ、健闘を祈るばかりです。 | ||||
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弔堂シリーズは明治期を肉感的に語る小説として秀逸だと思います。令和もAIの一般化で世間がひっくり返る気がするから、よくよくこの小説に出てくる人たちの悩みを咀嚼しないといけません。 | ||||
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いかにも京極夏彦 | ||||
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素晴らしい京極節 | ||||
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前回、狂言回しを得ることで、格段に面白くなった本シリーズ。今回はちょっとその新しい狂言回しに引っ張られ過ぎた感はありますが、安定の面白さで一気に読ませます。ファンなら買って損はない一冊です。 | ||||
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「弔堂」のシリーズ3冊目。 実在の人物をつかい、日本の近過去(外国語の文法用語じゃないです)を、 書物等の出版物とそれを求める人間を中心において描写した、というと、ひどく固そうだけど、 文章のリズムが著者独特の読み進み易いものなのは、変わらない。 歴史上の人物やその周辺の社会情勢が身近に感じられる。 この3冊目で少し不満なのは、語り手。前2冊の語り手にはなんとも浮世離れたのどかさがあって、 実際にそんなのんきな人間が存在し得たかどうか疑問としても、語られる人物をうまく引き立てていた。 今度のは、現在は浮世を離れて生活しようとしているが、過去には浮世の修羅場をくぐった人らしい。 その「埃っぽさ」が、私はあまり好きでない。「結構な御身分」の人間を そういつもは創作しにくいだろうが、もし次作が予定されているなら、その辺お願いしたいなあ。 | ||||
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甘酒屋のおやじと徳富蘇峰との問答で、著者による蘇峰観が明らかになるようです。ここにあるような人のように思ってきたわけでしょう。 先年、大河ドラマの登場人物にもなり、一時世間の話題となっていました。また、関川夏央氏による「坊っちゃん」の時代、シリーズなどありましたので、時代の復元作業は、案外若い世代にとっても関心の対象となっているように思います。 本作には、随所に、著者による人間観と、或る特定の人物に対する評価とが反映していて、それにそこで気が付く者にとっては、かなり面白いものとなっています。例えば、黒岩涙香氏の実像や、ここでは既に亡くなっていますが坂口安吾氏に使われた勝海舟像など、それらの時代を探るための明治30年代の刊行物は、案外多くが残されていて、しかも二束三文の値で、雑に売られてきました。「おや、あなたも読んでいなさるね?」という感覚でしょうか。そうとは知らずについでに読んでおく、読んでしまう。 シリーズ化はありがたいですね。 余談ですが、亡くなった祖父は、徳富兄弟と交友がありました。それで、なんだか身近に感じるひとたちです。 甘酒屋のおやじの正体に、充分な仕込みがあります。本巻を読み通してはじめてわかる、時代の味わいがあります。うまいですね。 | ||||
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待ちに待った新刊。 書楼弔堂の時代も進み、多くの思考を飲み込んでいく。時代が進んでも過去に残されこの場を繰り返しながら生きる人もいるのだ。 時代を創るということは多くの犠牲を払い、多くの澱に気づかぬふりをし、その上に積み上げていくものなのか?と色々考えさせられた。江戸から明治という時代を生きた人々全てに尊敬の念をいだく。 そして弔堂の言葉が、じんわりしみてくる。いつまでも読んでいたい。 素晴らしい時間だった。 | ||||
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このシリーズも好きで購入していますが、たまに他の京極作品とリンクするんですよね。今回は主人公が仄暗いものを抱えた人のせいか薄暗い感じを受けながら読んでました。しほる君、君成長したんだ!と驚いたのは内緒です。今回の登場人物は、どこかままならないものを抱えてた人が多かった気がします。 個人的には結構好きだった「ヒト殺し」の番外編を読んだような気分でした。あの作品の関係者が出てくるとは思わなかったので。気になる人は是非買って読んでください。 | ||||
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