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プリンシパルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.48pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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長浦京作品を読むのは今作が初めてですが、出版されたときから筋書きを読んで気になっていて、ようやく文庫化されたので読むことが出来ました。若くして組を継ぐヤクザの女頭領という設定と日本の戦後史という掛け合わせは期待通りだったのですが、著者の描きたい要素は十分すぎるほど伝わってくるものの、「こういうものを書きたい」という部分が先行しすぎていて、主人公がただ著者の書きたい状況を発生させるためだけの装置のようになってしまっており、最初から最後までまったく感情移入できませんでした。通読してここまで最初から最後まで何も感じなかった作品は初めてかもしれません。小説の主人公は遍く読者が共感できるキャラクターであれなどと言うつもりはないのですが、ヒールならヒールで読んでいて惹き付けられる引力のようなものが主人公にはある程度必要なのではないかという考えのため、その点この主人公はそういった要素がまったく感じられませんでした。はじめは境遇や暴力を嫌悪していた主人公が次第に呑み込まれていく、というゴッドファーザー的な内面移行も平面的かつ義務的にも感じられる淡々とした心情の記述に留まるため真新しさや没入感も得られず、展開も暴力と闘争のほかに驚くような部分もなく、わかりきった結末に向かってただただ走っていくのを眺めているような気分でした。作中でリピートされる小道具(具体的に何かはネタバレになる可能性があるので言わないでおきますが読んだ方はわかると思います)などについても、ここまで何度も描写される以上はチェーホフの銃として何らかの回収があるかと思いましたがそれも特になかった(ミスリードか、してやられたみたいな類の「未回収」ではないです)のもなんとなく薄味だなあ、という感想を抱く遠因でした。また扱っているテーマやバイオレンスの密度に対して文体が妙に軽いというか、深刻なことが起こっているはずなのにその深刻さにまったく無頓着なまま出来事がさらさらと流れていってしまうようなちぐはぐな感覚を受けましたが、とはいえテーマがテーマだからこそそういった語り口のほうが読みやすくてよいという側面もあると思うので、この点は好みだと思います。政治とヤクザとGHQという未だにタブー的な側面がぬけきれない関係線を描ききったという点では評価できますが、やはり小説という体である以上はある程度エンタメとしての面白さも求めたくなるのでこのような評価となってしまいました(個人的には松本清張のようにノンフィクション的な感じで書いた方がよかったのではと思うほどです)。ただ脚本に力を入れて映画化かネトフリでドラマ化されれば見応えのある作品になるような気がするので、そちらを楽しみにしたいと思います。 | ||||
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長浦京氏の最高傑作「リボルバー・リリー」同様、女性を主人公とした物語だけに大きな期待を持って読んだが… 中心人物と対役の構図の見事さ、展開のスピーディーさが長浦氏の一番の持ち味であり、時に過酷すぎる描写でさえも、それを凌駕する物語の面白さ(特に主人公への感情移入)に魅せられるのが氏の作品群だった。「赤刃」「リボルバー」「マーダーズ」までは。 しかし、残念ながら、「アンダードッグス」「アキレウスの背中」「プリンシパル」とその持ち味は徐々に姿を消し、よく言えば「新境地を拓く」、悪く言えば「初期三作品とは別人」のような作品を発表し続けている。 本作は、昭和の暗闘史を描き切ろうとする並々ならぬ決意が伝わってきて、「参考文献は多いだろうな」と思いながら読み進めたが、巻末を参照しその通りだと納得。ただ、私の知る長浦作品らしさは完全に封印されており、中心人物の魅せ方も線が細い。スピード感もないため、過酷な描写にただただ気分も滅入ってしまった。 少し前に、膨大な参考文献を参照しつつ物語の面白さにしっかりと昇華させた「地図と拳」(小川哲氏)を読了していただけに、甚だ残念な思いである。 | ||||
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