夏物語

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評判

夏物語の評価:

3.46/5点 レビュー 82件。 A ランク

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平均点3.46pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全164件 161〜164 9/9ページ
No.4
(3pt)

概ね面白く読んだ

中学生時分、「生理が来そう」をとても嬉しそうに、「昨日もおりものがおりたの」と友達内に報告してた子を思い出した。「喜ぶ人も居るんだ」に驚き、同時に「嫌で嫌で堪らない」自分が、物凄くスレた人間になった気がしたっけ…

「父親の種ではない」と知った人が「騙されていた」になる、その回路が自分にはどうにもピンと来ない
常日頃から雑に扱われてきたなら「ああ、なるほど」で、何不自由なく丁寧に扱われてきたなら「赤の他人の子によくぞそこ迄」位で止まってしまう
「ルーツ」とか「アイデンティティ」を「精子」に求める気持ちは理解不能…当事者になってみないと分からないんだろうけどなあ
AIDに関して気になるのは、「提供者」の「子」が通常ありえない程の数はびこる。の、ただ1点
「提供者1人(←1回じゃなくて)に付き、〇人まで」とかの規制が必要だと思っている
ンでもAIDで生まれた事を、ことさらに「誇れ」と教える親は嫌だなあ
単に目的と手段、じゃダメなんかなあ。と

「非匿名」の精子提供した人に求められるアフターサービスを考えると、提供者は一体どんだけ報酬貰うんだろう?ボランティアで数十年後のアフターサービスまで引き受けられる人って実際に居るんだろうか?と、どうも情緒とはかけ離れた方向への興味だけが募ってしまった

基本楽しく読みました
夏物語 Amazon書評・レビュー: 夏物語より
4163910549
No.3
(5pt)

登場人物たちへの親しみ

川上未映子さんの著作はすべて読んできました。その中でも、乳と卵がいちばん好きで、緑子たちはどうなったのかなあと、遠くの友達のことのように思っていました。なので今回の新刊はとてもとても嬉しいものでした。

以下、ネタバレあり。
独りよがりな感想ばかりです。

緑子と観覧車に乗って、ぶどう刈りの話をするシーン。ぶどう刈りに行きたくて行きたくて行きたかったのに行けなかった夏子(主人公)のために、巻子(主人公の姉)が家でしてくれたぶどう刈り。泣けました。
私は若くして亡くした兄と2人兄妹でしたが、私も兄も子どもだった頃よく遊び、時には兄ぶってみる姿を思い出してさらに涙が出ました。

全編、ヘブンと乳と卵を併せた感じの文章。言葉えらび、言葉ならびが大好きです。情景の描き方が緻密で、いま目の前で見ているように浮かび上がってきます。
緑子の成長が姪っ子の成長を見ているようで胸が詰まります。

子どもを持つということについて、ぐるぐると考えを巡らせ、様々な他人の価値観に触れる夏子。私も子どもができるまで長い間、色々なことを考えて考えて、人工授精で授かることができました。なので、夏子が子どもに会いたいと思う気持ち、脳内にぱんぱんに詰まる切迫感めいたもの、考え続けてしまう止められない感じ、は痛いほどわかります。

私は自己肯定感が低く、子どもを産んでもなお(子どもはとても愛していますが)自分自身が産まれてくるんじゃなかった、このまま生きてていいのだろうかと思いつめることが未だにあります。なので百合子の気持ちもまた共感するところがありました。

生きるのはしんどいことの連続だし、何が正解かわからないし、いつ死のうかいつ死のうか彷徨うこともあるけれど、この一冊を読めて、生きていてよかった……!と思っています。今後も楽しみにしています!
夏物語 Amazon書評・レビュー: 夏物語より
4163910549
No.2
(5pt)

数年に一度の素晴らしい小説

昼夜を忘れて夢中で読みました。
途中、悲しくもなり、気持ち悪くもなり、それでも人間の温かさや家族愛がしっかりと伝わってくる。
女性が今の時代に生きる過酷さと女であることの喜びに深く共感しました。
エンターテイメントな小説とは違う、文学の奥深さを感じる一冊です。
夏物語 Amazon書評・レビュー: 夏物語より
4163910549
No.1
(5pt)

感動的な名作

精子提供による出産を題材にした物語。

飛び交う大阪弁の臨場感、登場する女性たちの生々しさ、抽象的だけど腑に落ちる比喩表現、どれもが川上未映子さんならでの魅力を孕んでおり、ぐいぐいと物語に引き込まれていきます。

この小説の中で度々議論される家族観や倫理観は、これまで培ってきた知識や経験から自分の中で確立しているものだと思っていました。けれども、登場人物たちのさまざまな思想に触れながら読み進めていくと、自分の既成概念は簡単に揺らいでしまいます。
物語には終わりがあるため、主人公は最後にひとつの答えを導き出しましたが、私はこれからもゆっくりとこのテーマついて考えていきたいです。

人の心に残り続ける名作だと思います。
夏物語 Amazon書評・レビュー: 夏物語より
4163910549