】 【

女魔術師

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

女魔術師の評価:

4.50/5点 レビュー 2件。 - ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.50pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1〜2 1/1ページ
No.2
(3pt)

ある奇術一座の興亡史

原著1957年刊、原題 Les Magiciennes。
 急死した当主の息子アルベルトが入れ替りに加わったある奇術興業一座の興亡と、青年の成長を軸にしたサスペンス。
 一座の中の美形姉妹ヒルダとグレタが同じ疑似密室状況の中でたて続けに変死する事件がメインプロットで、奇術一座という背景から不可能犯罪でも起きそうな興味を喚起するものの、そのようには話が進みません。この小説のミソは、素人のアルベルトが一座に加わり、次第に当主であった亡き父親を凌ぐ才能を見せ始めて一気に全国区へと躍り出る前半から、姉妹の変死を境にプログラムが減り一座の人気が衰えていく後半を、娯楽が乏しかった戦後のフランス世情を背景に巧みに描いていることです。
 そして起死回生を狙った前人未到の新プログラムがアルベルトの心身に変調を起こし始め、それとともにひとりの奇術師としてしか見ていなかったアルベルトに対して遅すぎる母性愛を自覚し始める母親オデットの変化。
 この運命劇に導かれ、濃密な悪夢をぜひ共有してみて戴きたい。
 ボワロ&ナルスジャックの諸作の中ではほとんど話題にならない作品ですが、初期代表作の水準を保った秀作と思います。
女魔術師 (1961年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 女魔術師 (1961年) (創元推理文庫)より
B000JAMGXA
No.1
(3pt)

副題 - ある奇術一座の興亡史 - ?

急死した当主の息子が入れ替りに加わったある奇術興業一座の興亡と、青年の成長を軸にしたサスペンス。一座の中の美形姉妹が同じ疑似密室状況の中で続けて変死する事件がメインプロットで、奇術一座という背景から一定の興味をつなぎはするものの、この小説の本当の面白さはそこにはないと感じました。素人の青年が美形姉妹への狂おしい愛情をバネに次第に亡き当主を凌ぐ才能を見せ始め、大衆娯楽に飢えた戦後の勢いにも乗って田舎の一座が一気に全国に名を轟かせるまでに興隆したり、美形姉妹変死を境にプログラムが減り一座の人気が衰えていく危機感、そして青年が決死の逆転を企図して練り上げた華麗だが自滅的な新プログラムとその副作用による心身の変調、興行主である母親の目覚めゆく息子への遅ればせの母性愛など、運命劇に導かれるままに読み進めれば、一瞬も緊張感が途切れることの無い濃密な悪夢に思う存分浸ることができます。
 ボワロ&ナルスジャックの中でもほとんど話題にならない作品ですが、初期代表作の水準を保った秀作と思います。
女魔術師 (1961年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 女魔術師 (1961年) (創元推理文庫)より
B000JAMGXA