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(アンソロジー)

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー



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【この小説が収録されている参考書籍】
折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (ハヤカワ文庫SF)

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジーの評価: 4.39/5点 レビュー 41件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.39pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全41件 1~20 1/3ページ
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No.41:
(3pt)

折りたたみ北京を目的に

みんなレビューで挙げてる折りたたまれる北京の話を目当てに買ってみたが、
その発想のすごさは同意するもののストーリーとしては最下層と上流階級の対比話でしかなく、
しかも肝心の折りたたまれる街の描写がいまいち分かりづらくて伝わってこない。
こんど映像化されるのでそっちに期待するしかないが、物語的にはあまりにも普通すぎてピンとこなかった。

ただ、いまだに国民が都市戸籍と農村戸籍で分けられ、住むところも職業も行政サービスすらも差別される中国人たちはどんな気持ちで読んでるのかと想像しながら読むのはいいかもしれない。この作品だけでなくほかの短編でも現代の中国社会を比喩的に描いて当局から言論の自由を奪われない程度にやんわりと遠回しに批判してるような作品もあって、そういう制限下にある国の作家だからこそ書けるような雰囲気をまとった作品がいくつかあって楽しめた。
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No.40:
(4pt)

お土産に最適

外国からの旅行者にあげると、とても喜ばれます。
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No.39:
(4pt)

層の厚さを感じる中国SFの短編集

中国SFの短編詰め合わせ。『三体』、『荒潮』を読んでいたので楽しめた!
全然中国文化には詳しくないのだけど、こういう物語を読むにつけ、その向こうにある文化の厚さを感じる。人がいっぱいいるっていうのかな???
複数作家の短編集なので、趣の違う作品を楽しめる。なにも考えず読んでみるのがいいと思う。
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No.38:
(3pt)

着想が面白い

貧富の差によって3層に折りたたまれた多重層都市(北京)の着想が面白い。第3層(スペース)に暮らす住民の老刀が第2スペースから第1スペースへと移動し、第3スペースに戻る過程が良くはされていない。特に書くスペースが活動できる時間配分の差を老刀がどのように超えていくのか理解できない部分も多い。それで星3つ。
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No.37:
(3pt)

特異な発想もあるが、パワー不足

表題の「折りたたみ北京」を始め、特異な発想もありますが、迫ってくるものはありませんでした。
編者のケンリュウが絶賛する大作「三体」を読んでも、雑でただ長たらしい与太話にしか思えないので、SFには向かないのかもしれません。
冒頭で、習近平を称賛する賛辞を掲げ、収録作の政治的な背景を巧みに躱そうとする意図が、中国の政治統制の凄さ、底冷えのようなものを感じさせました。ケンリュウは米国在住で、作品を読む限り自由を愛する方に見受けましたが、残念です。
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No.36:
(4pt)

SFの短編集〜1984、三体を読んでいるとさらに楽しめる〜

SFの短編集です。
13作品が掲載されており、1つ1つが20〜30ページほどで空いた時間に読みやすいです。
1984や三体などの名作を読んでいるとさらに楽しめる作品も出てきました。
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No.35:
(4pt)

ずっと気になっていました。

三体を1.2.3と読み終わってから、次はこの本と思っていました。
やはり、折りたたみ北京が一番面白かったです。
後ろの解説を読むと映画化の話もあるとか、、、映画に向いていますね。とても楽しみです。
そうそう、三体も映画化の話があると聞いたことがあります。こちらもとても楽しみですね。
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No.34:
(5pt)

よかった。

現代中国SFアンソロジー『折りたたみ北京』が到着した。きょうから寝るまえの読書は、これにしよう。
ケン・リュウの序文を読む。中国独自のSFなどはないという。ただSFがあり、自分はその一部を選択して、英語に翻訳したのだという。どうだろう。読んで確かめよう。中国独自のSFというものがあるのか、ないのか、見てみよう。

1作目は、陳楸帆の「鼠年」遺伝子改造した鼠、ネオラットを退治する軍隊に属する青年が主人公。ネオラットは人間みたいに二足歩行する躰を持ち、雄でも妊娠して七匹もの子鼠を腹のなかに持つ。ネオラットは大挙して移動する。移動しながら自分たち同士で殺し合う。そう遺伝子操作されていたのだった。軍隊と教官と新兵といった登場人物たちのやりとりに、現実の中国の軍隊の在り方が垣間見える。ネオラットの鼠退治の隊員たちはみな大学生か卒業したものばかりだった。

ぼくは自分の広い部屋にいた。鼠を捕らえた。鼠の脳髄は舌先にある。部屋に作業員がいたので、こてのような道具を借りて、鼠の口に入れてめちゃくちゃこねくり廻して、脳髄を切断した。作業員の服の上でやったのであやまった、というところで目が覚めた。きのう読んだ中国SFの影響に違いない。二度寝で見た夢は、ぼくが自分の詩を女性に見せていて、ふざけて、彼女の首筋にちゅっとキスしたら、彼女に、「あなたの詩は実存的ではないわ。」と言われて、「そうだよ。ポップなだけさ。」と応じたところで目が覚めた。女性は、ぼくがお世話になったことのある、よく知られる女性詩人だ。

2作目は、陳楸帆の「麗江の魚」時間感覚拡大と時間感覚圧縮が行われている。双方の副作用を緩和するために、症状の出た者同士をいっしょにいさせるという政策を国が実施しているというもの。主人公の男は時間感覚圧縮を受けてリハビリに麗江に来ていた。時間感覚拡大の影響を受けていた女性と出会う。

3作目は、陳楸帆の「沙嘴の花」巫女の姐さんと主人公が関わった事件は東(トン)という名前の男が女に刺されるというものだった。男は女のヒモのような存在で、女を男に抱かせていた。どこがSFかわからない、ふつうの小説のようだった。それもつまらない。

4作目は、夏笳の「百鬼夜行街」機械でできた幽霊たちが住む百鬼夜行街に捨て子として現われた主人公の少年。15年もたつのに7歳の姿のままの少年は人間ではないのか。機械蜘蛛が百鬼夜行街を壊していく。少年も首を切られた。でもまだ意識はあった。少年も機械だったのだ。機械蜘蛛たちも停止する。

5作目は、夏笳の「童童の夏」少女が主人公。医者のおじいちゃんが家にやってくる。倒れて足を折って車椅子に乗らなければならなかったからだ。万能の召使ロボットが送られてきた。おじいちゃんは他の家にいるロボットを使って遠隔操作で患者を診ていた。おじいちゃんは脳腫瘍の手術から回復した。

6作目は、夏笳の「龍馬夜行」47トンの鋼鉄でできた龍馬が主人公。中国の博物館から生まれ故郷のフランスに旅する。人類は滅びてひさしい。巨大な機械蜘蛛とも戦ったことがある。雌の蝙蝠と旅の途中で巡り合い、ふたりの知ってるかぎりの物語を語り合う。ふたりは別れるが、また巡り合う。また別れる。故郷に帰りつくと、50トンの巨象、巨大な爬虫類、機械蟻、機械蝉とかと出会う。かつての好敵手、機械蜘蛛もいた。それらが目覚めた。しかし、自分は眠りたいと思う龍馬であった。

7作目は、馬伯庸の「沈黙都市」現代版の『1984年』だった。人民は、ウェブ上でも監視されていて、使うことのできる言葉を制限されているのだった。主人公はプログラマーで、自由に言語を使っている秘密集団に入ることができたが、やがてそこも政府に見つかってしまう。主人公は逃れられた。

8作目は、郝景芳の「見えない惑星」10個ほどの惑星と、そこに住む種族の話を語り手が聞き手に話して聞かせている。とくに印象に残っているのは、ジンジアリンという惑星の種族で、個体が風船のようで、ふたつの個体が出合うと身体が融合し、身体の一部分が相手の身体になってしまうというもの。

9作目は、郝景芳の「折りたたみ北京」タイトル通りに、北京という都市は3つのスペースからなり、時間によって折りたたまれる。主人公は第3スペースで廃品回収所でゴミの分別作業をしている老人。大金の代わりに、第2スペースの男から第3スペースの女に言付けを頼まれたのだった。

10作目は、糖匪の「コールガール」15歳の少女が中年男性に売るのは、身体ではなくて、幻覚。客が思いもよらないもの。この日、少女は、男に海のなかで呼吸しているという幻覚を見せた。客の男は大いに気に入った様子だった。

11作目は、程婧波の「蛍火の墓」〈無重力都市〉の魔術師と王女の恋の物語。魔術師は王女のために星のかけらを持ってきた。それが手のひらいっぱいの蛍の火だった。魔術師が王女の額にキスをすると、光と熱が魔術師の鎧を溶かし、何百本もの光線がふたりを貫く。

12作目は、劉慈欣の「円」秦の政王は不老不死の方法を探索させていた。王の死を図った者が、円周率の値こそが不老不死に至ると、王に言う。王の武力をそぐため、円周率の計算に、王の兵士300万人を用いて計算する。そこに敵兵がやってくる。無防備な王の側は負ける。首謀者も王とともに死ぬ。

短篇さいごの13作目は、劉慈欣の「神様の介護係」20億人もの神様が宇宙船から地球に舞い降りてきた。彼らは、ほんとうに地球人を創った神様なのだった。神様はみな老人で、介護の必要があった。一年間は、地球人も介護したが、疲れ果ててしまった。神様は宇宙船を呼び戻して地球から出て行った。

巻末に、3人の作家、劉慈欣、陳楸帆、夏笳のエッセイが載っている。どれも、まあ、こんなエッセイよりも、あと1つくらい短篇を入れておいてほしかったなあレベルのエッセイであった。
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No.33:
(1pt)

表題作

かく景芳作の表題作を読んだ。未来の話らしく、富裕層と貧困層で太陽に当たる時間が違うという動く都市を舞台としているが、SFらしいのはその設定だけで、単なる富裕層と貧困層の分離を描きたかっただけに見えた。要するに社会主義国なのに財産の不平等があるというのは政府として認められないからSFにした、というだけに思えて、そんなもの読まされてもなあ、と鼻白むものがあった。
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No.32:
(5pt)

SFと中国文学は親和性が高いかも。

とても魅力的な作品集。読後感はイギリスのニューウェイブ、バラードとかに近い気がした。登場人物の内面よりもダイナミックな外的要因への対応が主軸にある作品が多かったことに気がついた。日本やアメリカのメロウな、主人公たちの内面や成長とは別な傾向が感じられた。このクオリティとパワーが普遍的にあるのなら、中国はSF大国となれるかもしれない。
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No.31:
(5pt)

これからSFは中国発信が主流になるかもしれない

「折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー」(編者 ケン・リュウ :訳 中原尚哉 他)を読んだ。
ちょっとこれはもしかして凄いぞ。
この先SF小説は中国からの発信が主流になっていきそうだよ。
あー面白かった。
そろそろ「三体3:死神永生」に備えて1、2の復習しとかないとな。

「折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー」(編者 ケン・リュウ :訳 中原尚哉 他)に収録されている、「中国SFを中国たらしめて いるものは何か?」( 夏笳 : 鳴庭真人訳)というエッセイが良い。
SF小説好きなら読んでおくべきかと。
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No.30:
(5pt)

面白さは無類なのだが

日本で話題になって久しいアメリカ在住の作家、というのに少しばかり引っかかって、この編者にかかわるものは今まで読むのをためらっていたのだが、中国作品のアンソロジーだというので読んでみると、やはり面白かった。『三体』で知られる劉慈欣の意外な面を見せる短編が興味深い。中国SFのいろんな顔が見られるところに妙味がある。
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No.29:
(4pt)

中国の思想

背景が広大だから、色々なジャンルのSFが生まれるのかもしれない。
発想の大胆さが凄い。
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No.28:
(5pt)

満足です。

何も問題有りません。満足しています。
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No.27:
(5pt)

いろんな国の小説が読めるのは大変ありがたい

現代“中国”SFアンソロジーとあるが、普通にしっくりと、違和感なく読み進めた。
日本人作家の中国モノ、中国系アメリカ人の作品、日米のSF小説をぽつりぽつりと読んできたからかもしれないけど。
でも、やっぱり中国でSF小説が芽生えた時期を考えると、急速にかつ高度に「普通」になっていったんでしょうね。
そこには、自由な表現への渇望とか、パクリへの抵抗感の少なさとか、幸福・平和の希求とか、祖先・同胞への畏敬とか、その国の今と昔に起因すること/ものも多いのだろう。

本作はケン・リュウの編になるものだけど、「“中国”SFって普通のSFでしょ、いろんなのあるし」なところと、「でもやっぱ、“中国”SFって違うでしょ、共産主義とか儒教とか多民族とかね」なところをうまく重ね合わせた労作だなと感じる。

中国語→英語→日本語と訳されたものなので、中国語→日本語の翻訳小説だとまた違った感じになるのかもしれないなと、そんな部分にも興味を持ってしまうけれど、こうしていろんな国の小説が読めるのは、しかも文庫で読めるのは大変ありがたいことだと思う。
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No.26:
(5pt)

SFの形式によるがゆえに中国社会の暗部をあぶり出す

『三体』後世代とでもいうのか、『三体』のリウ・ツーシンより一回り下の1980年から1984年生まれの6人の中国人作家(一人は生年不詳)とリウ・ツーシンのSF中短編集。全作とは言わないがおもしろい。
初出が2005年から2015年だから、今より少し前だが、部外者から見て共通する点の一つは、そのすさまじい格差社会の表現だ。とくに表題作『折りたたみ北京』では、北京の中心部が二日に一回地面ごと回転し(!)、人口の大半を構成する5000万人の最下層の人たち(そのうち2000万人はごみ処理施設の労働者)は、二日目の午後10時から午前6時までの8時間しか生活できないことになっている。逆に、中国の科学やテクノロジーに希望を見出すような作品は一つもこのアンソロジーに収録されていないのは、英語圏でも受け入れられる現代作家たちの傾向をあらわすのだろうか。
世代のせいか、オーウェル『1984年』へのオマージュが多いことも特徴か。『沈黙都市』は2046年、世界には国がひとつしかなくなり、「関係当局」が治安のために、不都合な言葉を禁止するのではなく、使用を許可する「健全語リスト」を強制する社会を描く。健全語リストに載っていない言葉を発した場合は、人間と空間に張り巡らせた強力な探知システムによって、たちまち当局に捕縛されてしまう。しかも健全語リストの単語はどんどん減っていき、人々は沈黙するしかなくなる。だから本も存在しない。それに抗する秘密のコミュニティで記憶に基づき語られるのが『1984年』なのだ。この小説は中国語圏では深堀りできなかったことが英語版で可能になったと、解説にさりげなく書かれている。
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No.25:
(3pt)

創作要素が薄い

ケンリュウが序文で述べていることを約すと、これらの作品群は中国政府への批判ではないこと、そうした視点からの評価は本質を見逃す恐れのあること、であろう。
そのとおりであり、作者が中国人であることに過度に囚われると作品を楽しむことができなくなることもあるのだろうと思う。
その前提を踏まえた上で読んで見た上での感想である。

「そのまま書くとそれだけでSF作品になるのすごいね…」でしかない。
彼らにとっては日常がディストピアなのだから、むしろ作品のほうが陳腐なのではないか?とすら感じる。
SF的ガジェットが散りばめられてはいても、世界観は日常の中国でしかなく、よく言ってもSF的に表現してみた中国共産党による日常であり作品内をどこまで行っても現実を拭いきれていない。
確かに作者の「批判」ではないのだろう。ただの技術なのかもしれないし、素朴な表現なのかもしれない。
民主主義国に住まう身としては中国に対する違和感がそれだけで十分に異世界なのだが、だがそれはSFではない。
彼らの日常だ。
作者が暮らす日常だ。

個人的には、1984クラスのテクノディストピア国家が直ぐ側に存在する現実のほうがSFである。
願わくば彼らが自由に想像することのできる世界が訪れんことを。
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No.24:
(5pt)

今まで知らなかった中国SFの面白さ

kindleで購入しました。三体で中国のSFの面白さを知り、書評を見て買いました。
まだあまり広い知識は無いですが、中国のSFは、時代や環境設定が変幻自在で、多くが全体主義のやるせなさと個人の感情を描き、スケールも大きい印象です。
もっと読みたいと思いました。
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No.23:
(5pt)

SF小説に地方性

まさかSF小説に地方性があるとは思わなかった。しかし、この本に載っている諸編は、ケン・リュウのコメントに
反して正しく中国を感じさせるSF小説であった(ケン・リュウのコメント自体が反語的なものと感じたが)。
その地方性を感じるだけでも読む価値のある本だちと思った次第である。
 様々な作家の短編集なので、中国SFの全体像(?)を手早く知る上でも好適な本だと思った。
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4150122539
No.22:
(5pt)

眠れなくなります

圧倒的じゃないか!
おかげで眠れなくなった。
中国の7人の作家によるSF短編集。
最初の陳楸帆からやられっぱなし。
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4150122539

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