■スポンサードリンク
夜が明ける
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
夜が明けるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.58pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全39件 21~39 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
貧困、ヤングケアラーって自己責任なのかぁ。 負の連鎖に落とされ浮かばれないよぉ。 「でもな、そこで負けちゃダメなんだ」という 中島さんの言葉が聞こえる。 「負けたくないから」と話す 遠峰の声は変わらない。 しかし俺は自己責任を果たそうとして 果たせない渦に巻き込まれる。 「田沢さん、苦しかったら助けを求めろ」と 伝えてくれた後輩の話が嬉しい。 苦しかったら助けを求めろ... しかし夜は明ける...だろうかぁ。 保証はない。それでも歩くのか。 きついなぁ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は現在52歳。今まで読んで一番衝撃を受けたのは浪人時代に読んだ村上春樹の「ノルウェイの森」。(映画はびっくりするくらいひどかった)この作品はNHKのニュースで紹介されていてハッピーエンドでないことは知っていた。どこがどうだ、という感想は正直、よくわからんが、すごい本だ。たぶん感想文書けと言われてもどう書いていいのかわからない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み進めるの、すっごく辛かったけど、結末の著者のメッセージにつながった瞬間、すっと楽になった。 そうだ、私たちは変えられるんだって。 こんな酷い現実は変えなきゃ。 まずは現実を知らなきゃと思った。 多くの方に読んでもらえますように…。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
商品が無事届きました!大変迅速且つご丁寧なご対応に感謝致します。 今後ともよろしくお願い致します。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
俺の視点と俺がアキを説明する視点が入り乱れていて集中力を保つのが難しかった まだリアルの事件も取り扱いながらフィクションの話なので非常に混乱する 森の言葉はすごく響いた | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
哀しくて、切なく、圧倒的なやるせなさの中に、ミンティアのような清涼感がスーッと一息分だけ吹き抜けるような物語。 是枝監督の映画「誰も知らない」を想起させるような、社会の片隅で息を潜めて生きてきて、精神を病む母を見ながら、時に痛めつけられながら体だけは大きくなったアキと、ある日父が亡くなって困窮学生となったクラスメイトの、十数年の魂の交流が語られる。アキが憧れたフィンランドの俳優のプロットが小説全体の通奏低音になっていて、最後にあっという展開になる。 貧困、パワハラ、長時間労働、メンタル、ホームレスへの暴力など今の日本のリアルが反映され、「サラバ!」(2014年初刊)の時よりも社会全体で心を保つ難しさが増しているように思う。 それでも、組織の矛盾に「どうしてですか?」を屈託なく問える女性社員の存在が、暗雲から差し込む日差しのよう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
かなり久しぶりに西加奈子さんの作品を読了。明るい面白い感じかと思えば、真逆の貧困を扱った作品。『52ヘルツのクジラたち)の後にこれを読んだので、余計にテーマが重かった。親の虐待や、両親のどちらかの死亡によって、残された子供だけになると貧困の確率が高まるんだろうなぁ。そんなときに仲間の存在は大きいよなぁ。大人になったとしても、一人では暮らせない場合もあるしなぁ。とはいえ、終始、興味深く読めました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とにかくこれが2021年を代表する一冊だったと思う。それくらいの衝撃作であり、永久保存版な一冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人と比べた時に自分の境遇が他人より優っている劣っているから始まって、常に誰かと何かと比較し続け、自分はまだまだ恵まれている。こんな事で音を上げる様では、甘えていると言われるのでは?と 心を擦り減らしやり甲斐を搾取される。 人生には運が大きく関わり、やる気や努力だけではどうにもならない事が多くある。 それを口に出せば努力を怠る負け犬になってしまう。時代は大きく変わっているのに、変わる事を拒む様な社会のシステムと世間の価値観。 そんな中でもがいている主人公に何処までも容赦なく、そして優しく寄り添う作者。直接的な答えは書いていない。ただ 何時も思うのは、彼女の作品を読んだあとは、不思議なパワーが心に宿るのです。 この作品もそんな風な気持ちになります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
西加奈子さんならではの素晴らしい作品です。煇身の名作ですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み進める程に、主人公2人それぞれの切実な現実が胸に迫り、救われて欲しい、いつ救われるんだ、と問い詰めるような気持ちで一気に読んだ。 この小説に救いはあるか。意見が分かれると思う。でも今現在、救いを求めている人には、どこか響く箇所があるのではないか。例え主人公のような過酷な状況にはなくとも、読み手個々人の求める救いに広くアクセスしてくるような、不思議な包容力のある小説だ。 私はこの小説を、現在家族の問題を抱える友人に手渡したいと思っている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2人の男子高校生が33歳になるまでの物語。虐待、貧困、奨学金返済、ブラック企業といった現実をノンフィクションではないかと勘違いしそうなくらいリアルに描いてている。家庭に恵まれない2人が働きながら大学に通う。「弱い者を助けたい」と一人は制作会社のADに、特異な容貌をした吃音の一人は小劇団の下っ端になる。激烈に忙しい制作会社と劇団の描写が非常にリアルで引き込まれる。 ドキュメンタリー制作現場でこんな場面がある。 クルド難民が作った短歌「いつもいつも赤がつくのがいやだったぼくのからだは白いめいさい」に識者が彼の心情を思いやり抵抗や混乱の証しだと議論は盛り上がって歌会は終わる。そのあとアフマドという名の本人に聞くと「ケチャップが好きだけど白いTシャツにつくのが嫌で強い石鹸でごしごし洗ったらまだらになっちゃった」難民らしさを求められていた彼は「ごめんなさい」と頭を下げる。 うまい! 商店街でのバラエティ番組はきっと本当にこんな感じでADがこき使われてタレントは上澄みだけを持っていくんだろうなあ、と思わせる。仕込んだ「下町のおばあさん」がテレビに映ることに気負って美容院で髪をセットし小ぎれいな身なりをしてきてまったくインパクトがなくなり、魚屋の猫を撮ろうとリードを外したら逃げて隠れて出てこない。こき使われ次々に「飛ぶ」AD。 ADも劇団の下っ端も最低限の生活しかできない。そして心と体を壊していく。 西さんの5年ぶりの長編小説。5年前にシリア難民を描いた「i」は賛否が真っ二つに分かれた。全作品を読んでいるファンの私にとっては納得できない作品だった。それから5年「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしてもいいのか」という葛藤を抱えたと書いている。その含羞が前作とは違って人々にわかってもらうのに相応しい筆力になっているのだろうと感じた。 つらく生きる人々をよく取材しているし、心の動きをただ内向するだけでは書く描いた小説の構成としてとても優れていて、苦しい時には誰かに助けてもらおう、というメッセージはよく伝わる。一方で最終章では強く政治的メッセージを発信し政権政党を腐し、批判もしている。ある時期に特定政党の広告塔のようになっていた小泉今日子さんと本書を語り、政治的メッセージを一緒に発信していきましょうという対談があった。行間からイデオロギーは感じるがあとは読者に考えさるという手法を取らず、露骨に政治信条の声をあげる。その部分は残念に感じるが、これが西さんの目指していた到達点だとしたら読者としては受け入れるしかない。大好きだった「大阪弁の寅さん」の西加奈子はもう戻って来そうもない。それでもやっぱり今後の西加奈子を読み続けるだろうけれども。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どこまでも深く冷たく重い暗闇の中を少しずつ這って行くような物語。 もし西さんにお会いできる機会があるなら聞いてみたい、本当に夜は明けるのか、と。本当に夜は明けると信じてこの物語を紡いだのか、と。 物語の核にいる二人の生き様は、あまりに凡庸だ。貧困、虐待、過重労働、暴力。そんなもの、私達はすでに見慣れてしまっている。政治家の偽善も少女の売春も、ふと顔を上げればいつだってそこにある。 そんなありきたりな悲惨を、なぜ西さんは、物語にしたのだろうか。 たぶん、おそらく、その悲惨の闇の中に、蠢く熱さのようなものを感じたからではないだろうか。カッターで切りつけた腕の奥で脈打つ鮮血のような、そんな何かを見たからではないだろうか。少なくとも私は、この凡庸な悲惨のなかに、救いのない現実のなかに、蠢く何かを見たような気がする。 決定的な問題があるとすれば、それは、この物語が小説という形態をとっているかぎり、この物語を本当に必要とする、悲惨のまさに只中にいる人々にはおそらくこの声は届かない、という点だ。冷たいスティックパンを一人でかじる誰かも、ゴミ捨てさえできずに腐臭の漂う部屋に横たわる誰かも、きっと小説を手に取ることはない。 夜は明けるのか。 やっぱり、よくわからない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
西さんの言葉に何回救われてきたか… 読み進めるうちに、「このシーン、このセリフを描きたくて、西さんはこの作品を書き上げたのだな」と感じる場面があった。それはとっても分かりやすい言葉で書かれていて、この小説の中でようやく出てきた希望の語りだった。 誰もが当事者になり得るのです。 西さん 私も戦うのではなく、抗っていきます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み進めていく程に、彼らの人生に救いや希望を探してしまいました。 それは、自分の人生の救いを彼らの人生の中に見つけられないか探すことと似ていて、 必死でした。 救いや答えがあったかは、今は正直まだ分からないです。 でも、いくつかの場面が私を泣かせ いくつかの言葉は私を励まし 大袈裟ですが 明日も生きようと思わせてくれました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
割と長い時間をかけて少しずつ読みました。素晴らしかったです。西加奈子の本はメッセージ性が強過ぎて苦手だという人に複数会ったことがあります。本書も例外ではなくかなり強いメッセージをはらんでいます。だけどこれだけのものをこれだけの熱量で、しかも見事な文体で描き切った西加奈子はやはり一流の作家だと思いました。苦しみも丁寧に描かれ、憎しみも丁寧に描かれる、今こんな小説に出会えることにただただ感謝しかありません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
長い間くすぶって屈折した自分には、この夜明けでは勇気を貰えませんでした。 しかし、殻を破り明るい場所に戻るのには、このやり方しかないのかもな…とも思いました。 僕を救ってくれる作品を求めて、色々チョイスしてきましたが、『サラバ』や今作は惜しいところまできています。 上から目線でスイマセンでした。 懲りずに外の世界に救いを求めて探し続けます。 本当は心の中に答えがあること、知っているのに | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書を購入前に『小泉今日子と西加奈子の対談!』を読んで欲しい。ネットで検索すると出て来る。 著者がカナダで書き上げた『夜が明ける』についての真相がこの対談によって明らかになる。 2021年10/23(土) 8:00配信された、本書の出版社 『新潮社 小説新潮 2021年11月号 掲載』の記事だ。 この記事で、著者の本当の気持ちがわかるので、一部引用して紹介する。 西、 『夜が明ける』は日本にいた頃に書き始めて、カナダで書き上げた小説なんです。日本にいた頃も、書くうちに小説が変わっていくことはありましたが、この小説はカナダに来てからどんどん変わりました。 小泉 それはどういう部分ですか? 西、 カナダに来て、周りの人に「小説家です」と言うと、「今何を書いてるの?」と聞かれます。一言では言えないけれど、今は日本の貧困について書いてると言うと、日本に貧困があるということを知らない人が多くて驚かれるんです。 小泉 そうなのか……。 西、 南米や中近東、アフリカ出身の方もたくさんいるので、その方たちからしたら、貧困といってもごはんを食べられているんだからそんなに苦しくはないでしょう、僕たちの国では貧しさで人が死ぬと。でも、先ほどの「恐怖を受け入れる」話にも通じるんですけど、日本のこの辛さは、他国に比べたら大したことないから我慢しないと、というものではないはずです。日本人は特に、「●●と比べたら」という比較で目を瞑ったりなかったことにしたりしがちです。それは苦しさをやはり「乗り越えている」だけで、それを受け入れて、きちんと自覚していることにならないんですよね。 小泉 そうですね、比べられないですよね。 西、 それは違う、嫌だと思って、けっこう変えたところや書き足した部分もあります。人によってしんどいと感じることは違うんだから、 しんどいと思ったらしんどいって言っていいんだ、ということを書きたい気持ちが強くなりました。 小泉、 日本人の国民性というか性格みたいなものに依るものなんでしょうか。他にも何か感じたところはありましたか? 西、 自己責任っていう言葉が英語ではなかなか伝わりにくいです。セルフレスポンシビリティと表現することもできますが、それだと自立っぽいニュアンスがあるようで、ちょっと違うような気もします。少なくともこちらでは、「自己責任だからあなたのせいだ」と言われるためのツールにはなっていないと思います。あとは恥の概念ですね。例えば、日本人の中には、自分が職を失ったことや家を失ったことを恥ずかしくて家族に言えない、という方もいらっしゃいます。でもカナダではそういう状況が信じられないみたいです。その話をした時、 カナダ人の友人に「どうして家族に言えないの?」と聞かれて「恥の意識があって」と答えると「恥って何?」 と聞かれて答えに窮しました。カナダ人は、日本人に比べると「あなたのせいだ」と言われる状況が少なかったんだと思います。だから、しんどいときに、自然と人に助けを求められるんじゃないかなと。 日本社会に根付いている「恥」という感覚がみんなを苦しめてるように感じます。 小泉、 そうかもしれない。でも、日本社会も日本人の中にも、今まさに、少しずつ意識を変えようとか行動を起こそうという人が増えている気がします。 西 さっき、私が小説で書きたいことの一つに、 「人間は変われる」ということ、と言ったのですけど、今、小泉さんとお話ししながら、 「自分を取り戻す」ということも書きたかったことの一つだと改めて気づきました。 私たちは人種や国籍や性別など関係ないピュアな生き物として生まれてきたはずなのに、社会にいる間に自分の軸が分からなくなって、周りから「価値観」や「常識」の粘土で塗り固められた人間になる。例えば、十代の頃の私なんて、「可愛くないと駄目」だとか、そんなことばっかり思っていたんです。 以上。 〜2021年10/23(土) 8:00配信された、本書の出版社『新潮社 小説新潮 2021年11月号 掲載』の記事より一部抜粋して引用〜 上記の対談で、著者は日本人社会は『恥じ』という感覚がみんなを苦しめているのではないか?と感じている。 確かにそうだ、私ごとで申し訳ないが、このレビューをかかせていただいている私も生存率が極めて低い癌にかかったと人に言えなかった。そして10年間、誰にも本当の気持ちをつたえれず苦しんだ。 著者がこの小説で書きたいことの一つに「人間は変われる」ということがある。 まさに、この小説の中で出てくる主人公アキの姿そのものである。貧困の中で自分がどうやって変わってかがよく描かれている。 私も本書により、ようやく気がついた。くるしいときは、くるしいと話てもよいことを。著者に勇気をもらい感謝する。 本書は、現在、日本の生きとし生けるもの全ての人に読んで欲しいと思った素晴らしい作品である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一生懸命生きているだけなのにふとしたことがきっかけで人生が悪い方向へ転がっていき、そこから抜け出すのが困難になる様子を描いている。 TV局への就職をしても過酷な労働条件で心身ともに疲労していく様、吃音がありことなどからバカにされていた若者が劇団に出会い前進するかと思った人生がのめりこみ過ぎてまたそれが暗転する。 物語の途中は、もうちょっと救いがあっても良い人達であろう辛さが全面に出てくるので、沈んでいる気持ちの人は読むタイミングではない。 日本全体がまじめに一生懸命働いても希望が持てない、特に若者の様子を描く様は辛い気持ちを抱かせる。 登場人物達の人生にどっぷりと感情がシンクロしていく様は著者の魅力である。 一度道を踏み外すと平均的な暮らしを維持することさえ難しい現状を著者は物語の中で叫び続けている。 それでも若者が現状からの希望を胸に抱ける世界であってほしい。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!