■スポンサードリンク
トリカゴ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
トリカゴの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.13pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
無国籍者の集団は年齢、性別もさまざまな15名の隠遁生活なのですが、ひょっとするとほんとうに「ユートピア」なのかもしれません。現実の社会に義務として向き合い、さらにSNSなどで仮想現実にまで付き合わなければならないことがはたして『当たり前』で『幸せ』なのか、という根本的な問いが投げかけられている気がします。 この作者の真骨頂である「心理的トリック」は本作では使われていませんし、「物理的トリック」はかなり単純で途中でわかりました。松本清張に代表される昭和に流行した「社会派推理小説」というよりも「社会小説」かもしれません。 それでも堅苦しい説教調の小説になっていないのは、人間の個性、心情、情愛、優しさを埋め込んだ作者の巧みな小説技巧だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文章がしっかりしていて、読みやすくわかりやすく、よくまとめられていると思います。著者の年齢で、このまとめ方ができているということは、賢くて、真面目で、お勉強がよくできた方だったのでしょう。ただ、小説は、一般人が何かフィクションが読みたいと思ったときは、これではおもしろくありません。理由はわかりません。ただ、売れている人は、文章がうまいわけでも、プロットがよくできているわけでもなく、破綻があったりする。でも、そこがいい。読み手は、作者の何かわからない情熱、焦燥などに引きずられていき、それが魅力となるから。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
個人的に無戸籍というテーマをずっと追っていたので、ついにそれをテーマにしたミステリが出たか、というか先にやられてしまったか…と不安と期待を抱いて読んだのだが……うーん、確かにテーマ性の強い社会はエンターテイメントとしては、作者は凄い誠実にテーマに向き合っているのはわかるが、やはりエンタメミステリーとしては絶賛はできない。 まず、第一の事件の真相がショボい…というか早々にわかってしまう。肝心の鳥籠事件の真相は、伏線も丁寧だし、驚きはしたものの、しかし今度はテーマが本筋からズレ、〇〇〇殺人犯モノになっていたので、なんともいえない。推理に至る過程もほぼ偶然だし… あと、第二章がまったく話が進んでなかったのもどうかと。ここでどんでん返しが一つあれば、あるいは…… しかしラストは希望に満ちていてよかったし、途中、明らかに井戸まさえさんみたいな人が出てきたのには笑った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
公的に存在を認められない人間の生きる苦しさをベースにした社会派ミステリー。 街中で起きた殺人未遂事件から無国籍者が暮らすコミュニティーへと話しは移っていくのだが、独自のねじれた世界の描き方は良いのだが無戸籍者の生活の描き方は少しくどい。 もっとテンポよく展開されると読みやすい。 トリカゴの表題に感する兄弟の扱いももうちょっとヒネリが欲しい。 事件の終わりとコミュニティの関わりの着地点は上手くまとめていると思う。 悲しさだけで終わらないラストの未来への希望は救われる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
無国籍児という社会的な問題を、かなり声高に提示しています。 著者としては、大きな声で訴えたいのでしょう。 ただ、読者にもよるでしょうが、少なくとも私は、テーマを読みたいのではなく、面白い本を読みたい、というスタンスです。 そのせいか、この作品は長すぎると感じました。 全体は三つの章からなります。 たぶん、私と同様のスタンスの人だと、第2章で読むのをやめた人も多いのではないか、と想像します。 第2章ではストーリーが止まってしまっているからです。 かわりに、延々と、無戸籍児の生活が語られているのです。 私自身、けっこう読み進むのに苦労したものです。 もちろん、そういった社会的な問題を、むしろ小説として読みたい、というかたもおられるでしょう。 読者はさまざまですので、とりあえず、手にとってみられてはいかがでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ユートピアの方がタイトルとして中身に近い。 トリカゴの悲惨さって最初と最後だけだったし。 メインで登場するユートピアの兄妹をどうしても読者にそう思い込ませたかったんだろうか。 ま、タイトル決めなんて出版社側の意図も介入してくるんだろうけどね。 読了1週間後の感想でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作品の基調は幼児虐待とそれに続く誘拐、殺人という暗いものなのですが、登場人物たちが一見クセはあるもののみんな妙に善人ばかりというのは少しお目出度い感じがしました。リョウのような本来もっと陰湿になっていてもおかしくない人間も一皮剥けば悪い人間ではありませんし、こういう育ちの人間としては優秀すぎます。強面の刑事羽山にしても、結局最後は警視庁の権限を利用して集めた無戸籍者たちに関するデータをあっさり提供している訳です。最後に主人公にいう捨て台詞も言葉こそ少し乱暴ですが、結局「今回の未解決事件の捜査に当たっては大変世話になった。お陰で自分も元々希望している部署に戻れた。ついては貴君の昇進昇格についてもできるだけ口添えするつもりだから、その気になったら連絡してくれ」ということでしょう。どなたかが書いていらっしゃいましたが、わだかまっていた主人公と夫との間が急にうまくいくようになってしまうのも不自然な感じがしました。つまり、物語が必要以上に暗くならないように気を配ったつもりが、行き過ぎたというところではないんでしょうか。最後のあたりの叶内とのやりとりは取って付けたような感じですね。彼はそれなりにやり手の社長だったのであり、単純なボランティアではなかったはずです。不自然ですよね。というわけで、物語のそもそもの着想としては面白いのですが、現実離れしていることと、肝心の謎解きに行き着くまえにタガが弛んでしまっていることで☆3つとさせていただきます。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!