■スポンサードリンク
強盗請負人
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
強盗請負人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「強盗請負人 "Love And Theft"」(スタン・パリッシュ 早川書房)を読み終えました。<悪党パーカー>の如きケイパー小説なのかと思いきや、良い方に向かって少し違っていました。 のっけからラスベガスのホテル&カジノを襲撃する盗賊たち。ラスベガス都市警察。FBI。疾駆する二台のオートバイ。iPhoneのカメラで撮される独占映像。そのシャープなカッティングは、比較的最近見たNetflix映画「6アンダーグラウンド」(マイケル・ベイ)の緻密でスタイリッシュな映像などを想起させながら、とてもエキサイティングでした。 その「仕事」を成功させた主人公・アレックスは、「強盗請負人」としての己が人生を振り返りながら、メンタルをすり減らし、麻酔薬に依存し、その仕事から足を洗うことを考え始めた矢先、ケータリング業を営む「運命の女」ダイアンと出会います。交錯する人生。遡る過去。片時も忘れたことのない或る「喪失」。デニス・ルヘインが書いた「ザ・ドロップ」なども思い出しながら、特に大きなアクションが起きない中盤が実はかなり読ませます。アレックスの娘・パオラとダイアンの息子・トムの存在が大きくなるにつれ、このクライム・ノベルにドメスティックな視点からの小説的な膨らみをもたらします。 健康、愛、金に殉じ、それらを存分に楽しむ生き様に満足できなくなった男と女の距離感が、この国のスリラーでは描かれることのない、犯罪者として生きることの罪深さの裏側に拡がる「憧れ」とも呼べるような希求へと結実していてとても味わい深い。<システム>の中で働かないことなど果たしてできるのだろうか? 残念ながら清廉潔白な人生から遥か遠くにいる私のような人間にも理解できるようなこの世の”あわい”を語るアレックスとメキシコ人、麻薬密輸業者・マリセルの長い会話が絶品だったと思います。導師(メンター)は、いつまでも「導師(メンター)」としては、いられない。 そして、ラスベガスからメキシコを経て、ヨーロッパの或る場所へと向かうラスト・ミッション。ストーリーの詳細を明かすことはできませんが、とてもソリッドな幕切れだと思います。 瑕疵があるとすれば2点。パオラとトムの存在が、(次回作への伏線なのか)小さく貶められていること。また、あいも変わらず脇役でいる時の米国の法執行機関が無能なこと(笑)。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!