死神永生: 三体Ⅲ

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死神永生: 三体Ⅲの評価:

4.35/5点 レビュー 222件。 A ランク

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平均点4.35pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全412件 341〜360 18/21ページ
No.72
(5pt)

小松の御大に読ませたかった

三体から三体Ⅲまで、こういう流れになるとは想像もできなかった。まさか文化大革命からここまで話が広がっていくとは!
ネタバレになるので詳しくは書かないが、これだけ壮大な話は小松左京の小説を彷彿とさせる。
もし、小松左京がこの小説を読んでいたら、絶賛しただろうか?あるいは、悔しさをあらわにしたかも知れない。
暗黒森林の理論立てにも驚いたが、そこから更にここまで話を広げていくとは!
ああ、本当に小松左京に読んでみて欲しかったなあ。
あと、雲天明が不憫でならない。確かに人類に希望の光をもたらした人物として描かれているけど、彼が経験した苦難を思えば、もうちょっと彼にとってハッピーなエンディングにしてやれなかったものだろうか。
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.71
(5pt)

行き着く先はさらに壮大

長い時の流れを意識でき、久しぶりにワクワクしました。現実問題として知的生命体の行き着く未来はどのようになるのか光の速度で旅して確かめてみたいと思いながらも、圧倒的孤独が伝わってくるので、人生をまっとうする普通さをしみじみと感じる今日この頃。ファウンデーション、コンタクト、星を継ぐもの、やBLAMEのような展開ですが、想像しながら読み進める楽しみを感じました。
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.70
(2pt)

Ⅲは必要なかったかも。 ローダンシリズのスぺオペになってしまった?

特になし
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4152100214
No.69
(5pt)

人類の想像力と言語が生み出した最高傑作

宇宙というものの本質と定義を、想像力と言語を駆使してがっぷり四ツに取り組んだ凄まじい傑作。前作2作も素晴らしく蛇足になることを怖れた最終章だったが、まさかこの構図から落とし込んでくるとは。中国語の原作を真意を損ねることなく、ここまで面白く日本語に翻訳した翻訳陣の技量も尋常じゃない。星5じゃ足らん、10だ、10!
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.68
(5pt)

あまりにも広大で無機質な宇宙に対して、私たちに残されたものとは。

SFというジャンルは、通常ならば考えられないような脅威に対して、私たち人類に何ができるかを考えさせてくれる。
つまり、人類共通の課題を明確に突きつけるのだ。

「三体」シリーズの最終巻となる本作では、宇宙という途方もないスケールの世界を描くことで、私たち人類を人類たらしめるものが何かを浮き彫りにしている。
もちろんそれは、地球が危機に瀕していようとも自己の安全だけを追求する利己的な姿勢であったり、
都合が悪くなると手のひらを反す自己保身であったりと、決して美しいものばかりではない。
特に「生存の障壁となるのは弱さや無知ではなく、傲慢さだ」という記述は、私たちが肝に銘じるべきであろう。

計り知れないほど広大で、私たちの理解など足元にも及ばないほど未知数で、冷酷無比な宇宙。
宇宙という膨大な世界から見れば、私たちなど自宅の部屋に引きこもり、玄関からすらも出ることができない子供に過ぎない。
なんと無力なことか。
しかし著者は、そんな宇宙においても人間の持つ「愛」には価値があることを信じている。
本作のクライマックスで描かれるシーンが、まさにそのことの証左と言えるだろう。

今現在コロナ禍で世界が混乱している中、カミュの「ペスト」が注目を集めている。
将来的に人類社会では太刀打ちできない、予期せぬ出来事に遭遇した時、
本作も「ペスト」のように人類の指針として再注目される可能性は大いにあるだろう。
SFの歴史を変えた超大作をリアルタイムで読むことができるのは、今この時代に生きている私たちだけに許された特権だ。
その幸福を享受できることに、感謝しながら最後のページを読み終えた。
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.67
(5pt)

圧倒的な体験

このボリューム、このスピード、とくに下巻に入ってからの加速度は未知の体験。そして、想像を絶するカタストロフを経てたどりつく時の果てに、なお輝く清明なる希望の光は、この手のSFがおちいりがちな無常観や絶望を軽やかに越えていく。いやはや、なんという作品なんだろう!
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.66
(5pt)

人類にとって宇宙とは?(ネタバレ注意)  劉老師太謝謝你了!我祈祷你成功。我想再見到你。

●およそ3世紀にわたる物語もとうとう最終章を迎えた。著者の広げた大風呂敷は、太陽系をすっぽり包ん
でしまう程の大きさ。ちゃんと畳んでくれるのか不安と期待を抱きつつ読み進んだ。
 ハードSFには珍しく、ファンタスティックなおとぎ話からのスタート。その内容に隠された壮大な謎を解
く過程は、第一級ミステリー小説に比肩するスリリングな味わいがあった。もちろん、解かれた謎は神の業
に匹敵する宇宙的規模のSFプロップス。例えば暗黒領域計画、○○ドライブ・・・等々。巧妙に張り巡らさ
れた伏線や高遠なストーリー構成、そして何よりも前巻「黒暗森林」を凌ぐダイナミックさは、紙筆に尽く
せない破壊力をもった激流。(次の2行ネタバレ注意)
 広大な宇宙が2次元に折りたたまれて行くシーンは、悪夢を見ている様でただただ震えながら流れに身を
任せるしかなかった。

 上巻から引き続き登場する主人公には、何故か主役を張るだけのオーラを感じない。リーダーシップもな
く、一個の未熟で弱い女性という印象である。著者はこの主人公に人間の弱さや愚かさ、暖かさを感じて欲
しかったのだろうか。
 欧米人作家の描く明朗快活・不撓不屈の精神を有し、強力なリーダーシップを発揮する主人公とは完全に
役割を異にしている。
 しかし、異なった見方をすれば、真の主人公は程心や雲天明、ルオ・ジーらではなく、暗黒森林にたたず
み震えながら身を寄せ合っている人類そのものではないのだろうか?悠久の時の前では、宇宙であろうとも
諸行は無常。そんな仏教思想を彷彿とさせた。ビッグバンとビッグクランチを同時に体験する・味わえる作
品でした。

 劉老師太謝謝你了! 我尊重你。
 我祈祷你成功。 我想再見到你。     (つたない中国語でゴメンナサイ)
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.65
(5pt)

あらゆる意味でパーフェクトな作品だった

この作品の第一部と第二部を読んだ時点で、これは、まさにSFエンタメ作品的に、「全部入り」でパーフェクトだなぁと思っていたが・・
さらにこの第三部では、ミステリィ小説の謎解きエッセンスも。皆様は雲天明の童話の謎ときはできましたか?私は無理でした。もしかしたら、この謎解きがやすやすできる賢明な読者だと、読後感も違ってくるのかもしれないですね。

冒頭でのコンスタンティノープルの説話も良かったです。

この第三部はハードSF的に、パーフェクト。第一部は純文学的にパーフェクトで、第二部はSF活劇的にパーフェクトだったので、シリーズ全体でパーフェクトだったと思います。

だが、個人的には、
「三体は、オーストラリアに地球人類を閉じ込めるだけで満足してりゃいいのに、その上で追い込めるとか、何んなの!?」とか、逆に、「地球人類は、約1世紀に渡って、三体から、素晴らしい科学技術の知識のみならず、エンタメコンテンツまで受けとって置いて、その対価を払わないとか!? そこまでしてもらったら、『火星に着陸してください。火星を三体人類の新たな国土であることを地球人類は認めます』くらいの度量があったならなぁーー
両種族の争いもないだろうに・・
と一瞬思う一方で・・
それは無理だろーーという理屈も分かる。
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.64
(5pt)

白日の下、私の祖国の木々は青天森林として繁っている、まだ。

暗黒森林に祖国は陥っている。それに嵌るとどうなるか壮大なSFで劉慈欣が展開してくれた。
 雲天明の御伽噺はそのまま劉の手法だ。キモは、真のメッセージは何か、二重メタファーを読み解かねばならない。

 様々な一族が、国家の打倒と支配を繰り返した祖国の歴史は、国家維持の必要性から全体主義が必須だった。故に相互敬愛/自己抑制ではなく、生存のため相互不信(暗黒森林)を持たざるを得なくなってしまった。劉は喝破する、弱く無知だから死ぬのではない・・・権力への傲慢は□される。暗黒森林がそもそもテーマになる理由だ。
 また、本書の起点は文化大革命にしているが、漢字国家のアナグラムは告げる、雲に隠された天安◇(の真実)を明らかにしたいと。人間の本能的感情を破壊したあの衝撃を回復したかったのだ。劉は問題提起にて心を癒した。

 ここで書名の必然性を理解することができる。書名を直訳すると、死神は永遠。つまり滅亡させるテクノロジー(手段)を持つ(国家)は死神として個人に永遠に対峙しているということ。
 劉の世界観は、暗黒森林は母国だけでなく、大小に拘わらず世界中で渦巻いているというもの、アボリジニもインディアンも殺戮したよねと。単に超絶SFではない。人は、相互不信から如何に解放されるか・・・。しかし殲滅のSFは描けたが、暗黒森林の原理解消はできなかった。

 暗黒森林をやり過ごすしかない劉の悲哀。残りが50ページを切るとじんわりと涙が止まらなくなった、三体ロスだけでなく、劉の奮闘と敗北の予感に、SFとして傑作だが小説としての蹉跌に。
 劉は暗黒森林の中を、ウエィドに言わせた通り「前にひたすら前に」と真っ直ぐに生きる・・・時間を残酷と決めつけ、なんら解消できず、放置せざるを得なかったが。最後の数行に、劉は全てを消去し、現実の愛おしい景色をあたらせるが、真の意味では癒されない。

 暗黒森林の克服は叶わなかった。だが、劉は同じテーマでの克服を宿題として残した。
 いつしか私の国に新たに木が植えられても、暗黒の森林としては繁らないことを願う。
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.63
(4pt)

無い解答を求めて止まないところが面白かった。

自身含めた人類の生存する目的や意義を時には三体を鏡にして、最後には直接に描いてるのだけど多分この疑問には答えはないと思われます。但し、そこが面白いところであります。
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.62
(5pt)

脳の過負荷が実感できる

私としてのSFの醍醐味の一つに、作中で描かれる「現時点では存在しない技術や知覚されない世界」を(自分なりに)具体的に想像して作品に没入するというものがありますが、この作品は空間的にも時間的にも驚くほどスケールが大きく、普段よりもかなり脳に負荷がかかっていることを実感できました。脳の健康によさそうですね。
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.61
(5pt)

最終巻は内容の密度がすごいです。

前半は謎解きの要素があり、推理小説のようです。先が気になり、止まりません。

中盤では、複雑な物の緻密な描写を想像力しながら読み解く楽しみがあります。
しかし、その分読み進めるのに私は時間がかかりました。
ノートに絵を描きながら読んだらさらに面白いのではとも思います。

後半は物語のスケールが時間的にも空間的にも、さらに大きくなります。
それを最後にまとめ切るすごさに呆然としました。
ただ全てが明かされ納得が得られるとは感じなかったため、
その点はⅠ,Ⅱと異なる点かなと思います。
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.60
(3pt)

風呂敷が次元を超えて広がった

圧倒的に技術力で勝る異星人に、非力な人類が知力と権謀で攻防していくという、ある種のスパイ映画のような痛快さが1巻、2巻の魅力だったと思うのですが、3巻は別物で、物語は宇宙のファウンデーションまで文字通り次元を超えて展開(あるいは収束)していきます。この辺が第2巻がエンタメという意味で最高傑作と言われる所以でしょうか。

ハードSFに近いもの、という前提で読んだ方がいいかもしれませんね、第3巻は。個人的にはやはり2巻のノリが懐かしいと言いますか。
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.59
(4pt)

ちっぽけな紙

宇宙はどこまで広げられるか。
それともどこまで折り畳められるのか。
作者の想像力は果てしなく美しい。
壮大なスペースオペラが完結する。
これはすごいのひとことだ。
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.58
(4pt)

返信お願いします(礼

ただいま読了。内容については言うこと無いのですが…P222~P223にかけて引っ掛かる部分が…
60年位、多い気がするのですが……??

巻末の各紀元対応表にはガッカリさせられました。もっと詳細なのを期待してましたので(笑
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.57
(5pt)

救いのなささえ面白い

色んな味の面白いが目一杯詰まっていたⅡが面白過ぎたので、
少しハードルを上げて読みましたが、ややベクトルは変わったけれど見事飛び越えた印象です。
彼らが迎えた結末は兎も角、あー本当に面白いもん読んだなー、とまず思えました。

荒唐無稽だけど納得させられてしまうアイデアの数々がまず面白い。
そしてその技術が、もしくはその下地が、よくある個の天才のひらめきによって起こるものではなく、
徹底して積み重ねた時間に拠っていることに説得力を感じられました。
しかもそれが数値や用語の羅列ではなく、生じた現象の描写が多いので、
全部を全部理解して飲み込まなくても読める。読みやすいSFになってるのがまた凄い。

残酷で凄惨な展開の連発に、もうどうすんのよこれ……と思いながらも、
その残酷な展開が面白いから、ずるい。
程心の大きな選択に対する答えがⅢで二度示されますが、
愛だの何だので宇宙が救えるわけがないというところに、個人的にはカタルシスさえ感じてしまった。
隣の食べ物や、ウェイドとの約束に繋がったのは、どちらも程心が善良な人間性だったから。
それがあのザマ、この結果だよ。

Ⅰはやや尻切れ感ありましたが、Ⅱ、Ⅲととても楽しく読めました。
三体ロスとか何を大げさな、とか思ってましたが、今となっては少し解ってしまいます。
公式認定スピンオフも邦訳されると良いな。
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.56
(5pt)

満足感はあるが、完全には満足できなかった

まず、宇宙を丸ごと描き切った力量になによりも賛辞を。素晴らしい作品です。間違いなく。
ただ、星5をつけてはいるものの、星の10や20を期待して読んでしまったがため、完全に満足はできていない状況です。素晴らしい疾走感は同時に、ネタは振ったから後は自分で考えてね!というようなSF作品数本分の贅沢なアイデアの浪費でした。なんとなく丸く治ってはいるのでそれがすごいことなんですが……

最後に、解説だけが余分でした。役者あとがきだけでよろしい。
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.55
(5pt)

センス・オブ・ワンダー!

"わたしはいたってふつうの人間だ。ただ、不幸なことに、ふつうの人間が歩むべき人生を歩むことができなかった。わたしが歩んできた道は、実際は、ある文明がたどってきた道だった。"2021年翻訳された本書はシリーズ三部作の最終作(下巻)となる中国発、世界大人気のハイブリッドエンタメSF。

個人的にはSF好きとして一部、二部と国内出版の度に楽しみに読んできて。いよいよ完結!と万巻の思いで手にとりました。

さて、そんな本書は上巻に引き続き、程心(チェン・シン)を主人公にしつつ、二部の主人公の羅輯や上巻で強い印象を残すウェイドも再び登場、これまで描かれた地球文明vs三体文明といったスケールをはるかに超えた展開をしつつも、ついに物語は"すべてが移ろいゆくこの世の中で、死だけが永遠だ"畳み掛けるように万物流転的な終わり方を迎えるわけですが。

最初に浮かんだ感情は【長い長い旅を駆け抜けたような満足感】。そして著者の"新たな原理が世界観に変革を強いるときにこそ、SFの出番だ"ではないですが。まさに一寸先すらわからないディストピアSF情勢の今。"それでも"【SFこそが人類のイマジネーションの力で未来を切り拓けるのではないか】という、1人のSFファンとして、SFというジャンル自体に対する魅力を【再発見、再確信したような】これこそ!センス・オブ・ワンダー!な読後感でした。

一方で、訳者の大森望があとがきで書いているように著者曰く【SFファン以外の読者にも受け入れてもらうべく、現代もしくはそれに近い時代を設定した】一部、二部、そして三部上巻と比較しても、高次元宇宙と二次元宇宙、人工ブラックホールとポケット宇宙etc、グレッグ・イーガンもかくやと【純粋ハードSF的な展開を見せる下巻】の本書は、はっきり言って宇宙理論を研究している人でもなければ【全てを理解するのはもはや困難】かと"私"は思いますが。

でも繰り返しになりますが、未来を描くSFはセンス・オブ・ワンダー【驚きこそ全て】。例えわからなくても、言葉で説明できなくても【物語を感じて欲しい】と"私"は願うのです。

全てのSFファンへ、またシン・エヴァンゲリオンや新海誠『ほしのこえ』とか好きな方にもオススメ。
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.54
(5pt)

壮麗で雄大なスペースクロニクル!

久々に充実した読後感を味わった。概していえば、かなりハードSFよりのスペースオペラだ。そのバランスは絶妙である。加えて達人芸のストーリーテリングのコンビネーション。
 スケールの大きさは文明が数ページで滅び去り、何億もの人類の危機が数行で記述されることでも、明らかだ。ほぼ神の視点である。
 主人公たちの運命も波瀾万丈だ。英雄が失墜し名誉挽回かと思うと一私人になる。
たとえば、人生の失敗者のような境遇の雲文明はおとぎ話に託して、人類の救済の筋道を与える。そのおとぎ話も見事な出来で、それ自体で楽しめる。
 主人公たちは、エンジニアだったり、自然科学者だったりする。本来、目立たぬプロフェッションの人たちが大活躍というのも本書の「ウリ」の一つだろう。
 壮大絶無のエンディングで、現実に立ち還る。我らの状況も三体のそれに似ているではないか。シュローサーの『核は暴走する』などでも読んで地球文明の危機感を再燃させよう。
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214
No.53
(5pt)

ひとつの宇宙を読み終わった。

帯にもなっている解説:藤井太洋氏の"ようやく日本の読者も、劉慈欣の描いた『三体』の最終ページを閉じることができる。"に全面的に同感である!
人間の想像力はかくも深淵…。
三体III 死神永生 下 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 下より
4152100214