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ブレイクニュース
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ブレイクニュースの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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社会の暗部というか低層を浚うような作風が魅力であり持ち味である作家という認識。 本作の解説文でもそれに近いような紹介がされているので、間違ってはいないはず。 なので、本作もかつての社会派ミステリの系譜に倣った作品だと思って読んだ。 大まかなプロットはなかなか魅力的(要するに表4のタタキ文)なのだけれど、物語も登場人物も、そのプロットを成立させるためのガジェットでしかない。物語展開にしても人物同士の会話にしてもリアリティに乏しく、話を先に進めるためだけのレールになりさがっている。 なぜそうなったのか? そしてどうなるのか? ――に関する描写が全く存在せず、物語に直接関与する部分以外は全てのディテールが置きっぱなしである。 智の彼女の件だとか、詩織がハメたヨウさんとか。真柄の存在意義とか。 「SNSで世界は変えられるか」と帯タタキに書かれてはいるものの、そのSNSの描写がひどく曖昧。どっちかというと、ヒロインが運営しているyoutubeチャンネルのほうに描写の重きがおかれている気がする。配信だとかサブスクだとかSNSなんかの区別も理解も出来ていないオジイチャンがぎりぎりついて来られそうな薄っぺらさ。勝手な憶測だが、作者と出版社としては、自分ではネットのあれこれを分かっているつもりのオジイチャンたちを気持ちよくさせてやればいいやくらいの目論見だったんじゃなかろうか。言うなれば「自称映画通の連中はデビッドフィンチャーの話しをさせてやれば充分」くらいのノリで。 半分くらい読んだあたりで「ヒロインってこういう立ち位置で、最終的にこの連作ってこんな感じで収束するんじゃないかな」みたいな予想が出来たんだけど、本当にそのまんまの展開だった。 いっそのこと、最終章の事件だけで医療ミステリとして書いたほうがよかったんじゃないかな。 (全部褒めています) | ||||
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読みやすいし、時流に乗ったテーマに挑もうという意欲は伝わる。 でも出てくる出てくる登場人物すべてがそんな対応するわけないよな…という設定でリアル感に乏しい。 主人公であるyoutuberも途中までは期待を持たせるが、結局真実に迫るという一番大事な場面で現実感がなく、それも短編をつないできた全体のストーリーをぼかしている。 伝えたいことが大ざっぱすぎて、結局どのストーリーも台本的になっていてスラスラ読める以外の感想が出てきにくい。 薬丸岳はもっとしっかりしたプロットで人間を描くイメージがあったけど、毛色が違う作品である。 | ||||
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大好きな作家さんだけにちょっと残念。 記者の真柄が人気ユーチューバーの野依美鈴を調べるうちに・・・と帯に書かれてあるが正直ほとんど出てこない。ずっとYouTubeの内容でその問題点もニュースで誰もが目にするようなものばかり、野依美鈴が何でYouTuberとなったのか、何を目的にしているのか、これは真柄が別に突き止めているわけでもないし結末に一気に、急に詰め込んできた感じ。次の作品に期待します。 | ||||
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「ブレイクニュース」(薬丸岳 集英社)を読み終えました。薬丸岳を読むのは、2013/6月に読んだ「友罪」以来になります。 ユーチューブに「野依美鈴のブレイクニュース」というチャンネルを立ち上げている女性ユーチューバー、野依美鈴を主人公にした連作短篇集。短篇、七篇が収録されています。 ひきこもり、冤罪、「パパ活」と呼ばれる援助交際、ヘイトスピーチ、ネット上での誹謗中傷による自殺、医療過誤と、この国のアクチュアルな問題をそれぞれ取り上げながら、東野圭吾の「新参者」スタイルの如く各短編に伏線を散りばめ、最終篇「ハッシュタグ」によって、「野依美鈴」の<何故>、「ブレイクニュース」という私的メディアを作り上げた彼女の動機が解明されて物語が終わりを迎えます。 現代に於けるSNSの持つパワーを伝えようとする試みと現実世界を伝えようとする作者の晴朗な姿勢を疑うことはありませんが、毎朝の「ワイドショー」でもテーマが取り上げられ、それらが深く追求されることなく新しい問題への目先が変わっていくように、一応の解決は見られるものの「現実」のトピックをただなぞったままの短編が、まるで金太郎飴のように続いていきます。読み心地のよい、通勤時にユーチューブの代わりに読書をするには最適なミステリなのかもしれませんが、よりブレイク・スルーするであろう物語を期待していた私には不満が残りました。彼女を追う大手雑誌記者・真柄の存在もまた、大手メディア対SNSニュースという対比のために置かれていたとしても、ただそれだけの存在だったように思えます。 「野依美鈴」というキャラクターもまた、他の数ある蠱惑に満ちた女性主人公たちの中では埋もれてしまうことでしょう。 | ||||
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