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黒牢城
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黒牢城の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全185件 141~160 8/10ページ
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夢中になって一気読み。 それほど歴史には興味はない僕でもすごく面白くて充実した読書タイムを過ごせた。 短編が4つという構成も良いですね。 値段が安いと感じた小説は久しぶり。 | ||||
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直木賞受賞前に読み始め、始めのエピソードでつまずいた。歴史小説のつもりで読み始めたのに、これって結局、密室殺人の謎解きミステリーじゃん。密室殺人苦手なんだよなあ。…で、かなり苦労した。 荒木村重の城に幽閉された黒田勘兵衛というダイナミックな設定が面白いのに、ストーリーが停滞して動かない。 終盤になってだんだん面白くなったし、歴史交渉もしっかりしているのだが、私は苦手だった。でも、ミステリー好きには絶賛されるだろうなあ、と思っていた。そうしたら、直木賞を受賞してしまった。まあ、それにふさわしい出来だろうとは思う。 歴史小説好きは、苦手なのじゃないかな。ミステリー好きには、新境地だと思う。 | ||||
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著者の作品を読むのは初めてですので、先入観なしでのレビューです。 時代は戦国の世ですので「歴史小説」というジャンルに入りますし、3つの事件のなぞ解きをすると いう意味では「ミステリー小説」に当てはまります。 本書だけを読んだ感想としては、ミステリー作品としてはそこまで仕掛けが巧妙でなく、驚くような ものではありませんでした。 また、歴史小説としての欠点としての、その背景を知らないと感情移入がむずかしいことと、会話や 描写がすっと入らないところが出てしまっていて、途中までは読み進めるのがしんどかったです。 それを乗り越えて、第四章<落日孤影> までくると、なぞが解けることよりも、なぜそのような なぞが生まれたのかという視点で読むならば、人としての性(さが)や人生観、宗教観を露わにする ことで、それまでの「静」の小説が、一気に感情を揺さぶられる「動」の描き方に変わります。 このギャップはたまらないです。 また、よくよく読むなら、本書では登場人物、特に荒木村重の心理描写が絶妙であることにも、 作者の技量を感じます。 勝手な解釈ですが、ストーリーテラーが荒木村重、狂言回しが官兵衛、そして真の主人公が 最後に現れる。そんな小説でした。 | ||||
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ミステリーに何を求めるのか。千差万別、多種多様な答えがあると思います。ある人は緻密なトリックを好み、またある人は大どんでん返しを好む人もいるでしょう。 この小説がミステリーである所以は何か。小説中の言葉を借りて答えるとしたら「冷たい熱気とでもいうような、独特の緊張」。これが私の答えです。 中弛みはおろか1ページも緊張感が途切れることなく、そして、その緊張感も煽られたものではなく、静かな、でも力強い緊張感が張り詰めています。 ミステリーに何を求めるのか。この小説には緻密なトリックは無いですし、大どんでん返しがあるわけではありません。トリックもストーリー展開も特筆すべき点はありません。 しかし、この小説でしか得られない「ミステリーとは何か」、「ミステリーに何を求めるのか」の答えがあると思います。 ミステリーの価値観を広げてくれる、特別な小説です。 | ||||
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直木賞受賞前に「このミステリがすごい」受賞を受けて購入。 ミステリーを戦国の歴史の中に放り込みながら、歴史と矛盾なく展開する構想力と、ふんだんに散りばめられたキラリと光る言葉遣いに感動。 一編の小説でありながら、謎解き短編集にもなっているというのも、感服。 | ||||
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素晴らしい作品です! 戦国時代の臨場感が抜群で、昔の大河ドラマを見ているよう。 ただし、言葉が難しく国語辞典を引きながらの読解でした(一方で、現在放映中の大河ドラマは全くの現代劇)。1回読んだだけでは味を嚙みしめられないので、繰り返し読む必要があるようです。映画化を熱望します。 | ||||
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モステリー以上に 「時代小説」としての 面白さが際立つ。文体も 時代小説独特のもので 詠み始めた時 以前の作品と違うと感じました。小説の中身とともに文章も変えてくるのは 作者の力量でしょう。ミステリーとしての そして時代小説としての説得力がすごい。最終章 圧倒されました。 | ||||
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2014年の大河ドラマ「軍師官兵衛」で官兵衛が有岡城の土牢につながれている場面を思い出す。有岡城主の荒木村重を演じた田中哲司と官兵衛を演じた岡田准一を脳内に浮かべながら読み進めた。内容は時代小説ではなく完全にミステリー。有岡城内で人質の阿部自念が殺害された事件、戦でとった首が凶相になった事件、織田方に通じていた瓦林能登入道が死んだ事件などが発生。城主の村重は事件の相談に土牢にいる官兵衛に会いに行く。官兵衛が安楽椅子探偵になるのかと思ったが、ヒントのようなものを与えるだけで事件の解決は村重が行う。でも、物語は事件を解決して終わりではない。そこに流れる本当の意図に驚いた。 | ||||
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テンポが良い。そしてストーリーが上質である。これはすごい作家だ。他の本も読んでみる事としよう。 | ||||
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籠城中の領内で起こる奇怪な事件に頭を悩ませた城主荒木村重が、地下牢に幽閉した黒田官兵衛に助言を求める。言わずもがなハンニバル・レクターを連想させる設定を本格ミステリーにしかも歴史小説にぶち込んでしまう、それだけでもミステリー小説愛好家、歴史小説愛好家、両方にとって垂涎せしめるものではなかろうか。少なくともいくばくかの興味はひかれるに違いない。 さて内容であるが、読み進めるうち、解決した事件の細部に、得心のいかない部分がいくつか生じ、作者の詰めが甘いのだろうかと、実に暗愚な勘ぐりをしてしまったのだが、その詰めの甘さにもしかと理由があったことが物語のクライマックスで判明し、思わず膝を叩く。 この作者は登場人物のその立場特有の心理を掬い取るのが非常にうまく丁寧である。おそらく作者はかなり倫理にのっとった人物なのではと想像させる。 細やかな心理を疎かにせず、死も軽くは扱わない。 城主の村重が領地を取り囲む牢としての君臨を望み、官兵衛は地下牢にいながらその村重をも呑み込む巨大な牢になろうと企む。そしてさらにそれを囲っているのは実は民であるという構造が面白い。 ミステリーとしての論理、戦国時代における各々の立場の心理、宗教を底流に持つ倫理、それらが隙なくがっちりと組み合わされており、小説自体がまさに堅固な城のようで、文句なしの傑作である。 | ||||
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歴史小説のジャンルだけでも十分おもしろい。いやミステリーのくくりを外した方が良いかも。 歴史背景の解釈のうまさだけで満足できる。 歴史ものの中では、よく背景に一時だけ出てくる話を、当時の人々の思いと荒木の最後の行状まで 含めて解き明かす手際はさすが。 ただあまり、うますぎてすり抜ける感があるのと、もともと救いのない背景だけど さらに全体を通じて暗い。もう少し明るい要素があると良かったのではと考えてしまう。 でも読んで損はないですよ。それだけは確か。 | ||||
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ミステリー×○○というのは、○○に何が入っても最早、何の新味もない。ミステリー×異世界(魔法)というお話も存在するからだ。では、このミステリー×戦国ではどうだろう? ミステリーの中身自体は悪くないのだろうが、現代風ミステリー仕立てにするために、不自然な舞台設定を重ねなければならない所が散見される。 例えば成敗しないと決めた人質を牢屋に入れずに納戸にいれるとか、ありえるだろうか? いや、そもそも有明城ほどの巨大な城に、牢屋が一か所しかないとは考えられない。これでは間者を捕らえても、閉じ込めたり、拷問したりできないではないか。 それに無辺が城内でなく町屋に泊まった所も、かなり言い訳がましい。村重に直接会っていると知れ渡っている時点で、密使であると疑わない者がいるだろうか? それに本人に会わず、室内も検めないで警護をする、という事も合点がいかない。 そもそも探偵役が城主の村重である時点で、事件の謎を解けなくても権力でどうにでもなるため、あまり緊張感もない。城内の空気が悪くなり、団結力・統率力が下がるという動機で、村重を探偵役にするにはあまりに弱い。実際、戦国の世において、真実などどうでもよく、権力でいかようにも捻じ曲げていただろうと推測される。そんなことを考えながら読んでいたので、終盤近くまで楽しめなかった。 なのでミステリーとしては☆3である。しかし、その辺を我慢して最後の方まで読み進めれば、読み物としては大変面白い。三つの事件に関連する黒幕は誰なのか、という辺りから面白くなり、武士の死生観や庶民の死生観、宗教の在り方について考えさせられる。 官兵衛の思惑も明るみに出て、終盤は面白かった。最後まで読んでみれば、割とよい小説だったと言える。しかし、史実とうまく符号するかと言われれば「?」と思うところも大いにあるし、深い感動といったところもなく、大河ドラマとかを見ていれば結末もわかっている。終盤まで冗長に感じられたので☆4である。 | ||||
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相変わらず文章は上手で、時代小説の作法にも通じているのかと驚嘆した。内容はあらすじの通りだが、官兵衛はほとんど出て来ず、荒木村重が右往左往していると言っていい。それでもページを捲る手が止まらなかったのは、著者の並々ならぬ力量のためだろう。 ところで第二話の牢番がいきなり刀を抜こうとしたシーン、官兵衛はなに吹き込んだんだろうね。ストーリーに関係ないが、これだけは気になった。 | ||||
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まさに新境地、まさに設定の妙。 本書は安楽椅子探偵とその助手がとある場所で巻き起こる謎を解いていく推理小説である。 その一方で、戦国時代の人々の生き方あり方をえがいた、歴史小説でもある。 一般的に全く交わることがないと思われたこの二つを高度に融合させ、これほど素晴らしい作品に仕上げた作者の筆には脱帽するしかない。 歴史小説というのもおもえば、歴史上の人物が何故そうしたのか?という推理小説におけるホワイダニットに挑戦する作品が多く見受けられ実のところ、推理小説というジャンルとも相性がいいものなかもしれない。 この作品においてもホワイダニットが重要な意味をもっており、推理小説畑にいた筆者だからこそ書かけた新時代の歴史小説であり、推理小説なのではないだろうか。 | ||||
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私が知らないだけかもしれないけどね。 読み終えてみれば官兵衛の物語だった。 ただこれまで断片的に知ってた籠城主・荒木村重のことも面白かった。 第3章「遠雷念仏」301〜302ページにかけて官兵衛が語る「領主の名分三つの形」が面白い。 なるほどと思った。 荒木村重が生きてたこの時代に昇竜の勢いだった信長や秀吉がどれにもあてはまらず、家康はひとつめの「父祖伝来の・・・」にあてはまる。 また、家康のみは旧来の家臣団との対等に近い合議もやってたようだし。 村重・秀吉は根無草で信長もこれに近い。 この黒籠城に家康のことはまったく出てこないがこのようなことも考えつつ読み進んだ。 | ||||
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荒木村重の行動は、こう言う高察も在りかと、なるほど得心凍ました。かった方がいいものがです。ついでに黒田か勘兵衛DV総集編も買うべきです。 | ||||
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信長に反旗を翻して惣構の有岡城に立て籠もった荒木村重を主人公として、村重を中心として極限状態における人間心理及び因果の積重ねを抉った戦国小説の力作。作者らしく、ミステリ的趣向も用意している。作者としては戦国小説に挑んだ新機軸の作品と言える。村重は思慮深い武将として描かれるが、村重をここまで採り上げた戦国小説も珍しいのではないか。 まず、プロローグで村重に和議を薦める黒田官兵衛が有岡城を訪れ、幽閉された事が記される。以下、戦国小説らしく、上述した通り、村重の心理を中心に、籠城という極限状態の中で、血気盛んな序盤(手柄争い等)から次第に劣勢(裏切りや疑心暗鬼)になる有岡城内の人間模様が描かれ、これだけでも立派な戦国小説として成立している。長編小説の各章を云々するのは本意では無いが、本作はプロローグとエピローグを除いて、<雪夜灯篭>、<花影手柄>、<遠雷念仏>及び<落日孤影>の4つの章で構成され、各章で"謎の事件"が起きる。例えば、<雪夜灯篭>では雪の庭を舞台とした人質殺人という不可能犯罪である。村重は家臣の心の安寧を考え、解けない謎を概略だけ説明して官兵衛に相談し、官兵衛が安楽椅子探偵の如く真相を見抜いてしまうというミステリ的遊びがある。しかし、ミステリ作家としての作者の実力を知っている読者としては物足りない解決。 ところが、最終章の<落日孤影>(既に趨勢は決まっている)及びエピローグを読むと、各章の解決が物足りなかった理由、官兵衛の深謀や人間関係の因果が分かるという鮮やかな創り。ミステリ的趣向で全体を包んで、荒木村重を中心として極限状態における人間心理及び因果の積重ねを抉った戦国小説の傑作だと思った。 | ||||
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有岡城の戦いは戦国史上の悲劇として、また荒木村重は謎の戦国武将として非常に興味があったため本書を手に取りました。著者のダークな世界と相まって極上の戦国ミステリーとして完成されていました。本作の荒木村重が主人公のように、備中高松城の戦いを清水宗治、鳥取城の戦いを吉川経家、上月城の戦いを山中鹿之介など悲劇の主人公が沢山いますから、戦国ミステリーがシリーズ化になってたらいいな…。 | ||||
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久しぶりの読書で、いきなり今年のミステリのベストを引いたのでは? 時代小説が苦手でもまったく問題なし。ミステリとしての完成度はもちろん、話が進むにつれて籠城している有岡城の空気が変わっていく描写も見事で、荒木村重と黒田官兵衛が対峙するシーンは迫力があって圧倒された。 | ||||
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ハズレのない作家を知ることは幸せなことですが、なかなかに困難です。 まだこの作者を知らない方、未読の方は幸せです。 この作品の面白さを決定づけている如水と村重の会話はそれだけを舞台演劇にしたいほど。 おすすめです。 | ||||
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