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黒牢城
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黒牢城の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全177件 21~40 2/9ページ
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黒牢城ーかの米澤穂信が2021年に四大ミステリランキングを完全制覇した輝ける作品、なのだが同時に、筆者のようなポンコツな読者がはじめてまともに犯人を特定できた記念碑的な作品でもある。米澤からすればそれこそ渾身を込めた初の戦国歴史小説なのに、ろくに当てたことのない読者にはじめて犯人を当てられた作品になったというのは、あくまで史実のせいであって、とばっちりもいいとこなのかもしれない。 正直に言うと、筆者は米澤穂信の愛読者ではない。読みたいと思っている作品は何冊かはあるしいつかは読もうと思っている作家の一人ではあるが、未だに一作も読んでいないくらいの未来の読者だった。 それなのに何故この作品を完読しようと思ったのは、犯人を特定出来るかもしれないという、ささやかな野心が生まれたからである。厳密に言えば概要を見て犯人が思い浮かんだクチだ。 尤も作中で姿を現したときから犯人であると確信したのだが、最初からバイアスをかけてしまっているのでそこは仕方がない。 「信長に叛旗を翻し有岡城に立て篭もった荒木村重と、織田側の使者として単身で城に乗り込んだ結果、村重に幽閉された黒田官兵衛が、城内で起った不可解な難事件を解決しよう」というような概要も、単なる戦国ミステリーの紹介に過ぎないのだが、この時点で犯人が浮かんだのは筆者だけではないだろう。村重が比較的知名度が高い理由は、なんといっても信長に叛旗を翻したからである。村重を説得しようと試みた官兵衛は幽閉され、その挙句に官兵衛の息子松寿丸(黒田長政)を預かっていた秀吉は、信長に松寿丸を殺せと命じられる羽目になる。この一連が繰り返し大河ドラマ等で繰り広げられるわけで、脇役とはいえ、村重の名は誰も知らないというほどでもないのだ。歴男歴女が、村重を擁護出来ないところは信長に叛旗を翻したことよりも、妻子や家臣や民までも置き去りにして有岡城を出奔したこと(毛利軍へ援軍要請に向かったとも言えるのだが)なのだろうとは思うが、この概要に目を通すと、村重が有岡城を出奔したことにある程度弁解の余地があることが浮かんでくる。そうなると誰が犯人かというのは薄々分かってしまうのである。 村重を主人公として描くのはおそらく非常に困難を極めるだろう。むしろ斎藤道三や松永久秀のように派手な梟雄と思われている人物の方が使いやすいといえば使いやすいのだが、この出奔はある意味梟雄よりもイメージが悪くなっているのである。 これまで村重視点で描かれた作品はほんのわずかしかなく、印象として残っているのは遠藤周作の『反逆』くらいである。考えることは皆同じであり、本作にあたることで『反逆』を読み直した読者は少なくなかった。『反逆』にも『黒牢城』の犯人は登場するが、遠藤はその人物に大変肩入れしているし、作中にも「筆者はこの〇〇に愛着があるので」とはっきり記している。そもそも『黒牢城』のように、荒木家中に殺人事件が起きているわけでもなく、村重出奔後においても史実を覆すこともしていない。 それでも『黒牢城』には遠藤の『反逆』へのオマージュを僅かながら感じる。それはその人物への肩入れである。自作の犯人を決して貶めることはなく、むしろ村重よりも官兵衛よりもはるかに強い輝きを放つような表現になっているし、その分主役なのに村重は割を食ってしまった格好になっている。本作自体が村重の名誉回復になっているのかもしれないが、逆に官兵衛に騙された(騙されたふりをした)男としてさらに評判は悪くなったのかもしれない。 この村重は現代からワープした人間にも見える。何しろ戦国大名にあるまじき人権派大名になっていて優先順位は自分のイメージなのである。 こんなことを書いてしまうと、薄々どころか益々本作の犯人が分かってしまうのでこれきりにしておく。 米澤は、村重のことを擁護することもなければ非難することもなくフラットさを保って筆を走らせているが、村重が官兵衛や他の人質のことを殺さないことが益々状況を悪くしている事実を淡々と暴いている。他作品では見かけないことだ。並の歴史小説家であれば、人質を殺すことなど当時の常識では当たり前のことなので、わざわざ言及などしない。 人質というものは戦国ものには当たり前のもの、悪くいえばのちの天下人になる竹千代すら添え物のように描かれていることもあるのだ。たとえば秀吉や官兵衛が主人公だったりすると、松寿丸を助けるためにねねや半兵衛を巻き込んでてんやわんやをするのがお約束となっており、本作からすると非常に牧歌的だったとも言えよう。 だが著者初の戦国歴史小説としてデビューした米澤が取り上げることによって、テーマが斬新に映るのだ。 本作ははじめて人質の存在意義を主題として描かれた作品であり、相手と敵対してしまったにもかかわらず人質を開放もせず殺しもせず幽閉などしてしまうとどんなことになるかが丁寧に描かれている。官兵衛の嫡子松寿丸が助かることは読者も分かりきってはいるが、それは稀なことであり奇跡だったことに、米澤は改めて読者に提示しているのだ。 | ||||
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荒木村重 下剋上により一代で摂津守護まで上り詰めた戦国の雄 戦国という非情の時代がそうさせるのか、彼や彼を取り巻く武士たちは鋭利だ。問いも応えも、そして生きざまも鋭く無駄がない。 それは美しく希少で引き付けられる。 そんな村重を追い詰めたのは、敵の織田でも、味方でもなく、鋭さとは相反する鈍さを持つ弱き者だったというところに皮肉な運命を感じた。 | ||||
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なるほど面白い。荒木村重が有岡城を出た理由はこれだったのか、というひとつの推理を見事に示してくれた。その後の行動から愚将と言われる村重だが、先見を誤ってしまっただけであり、村重もまた大将たる器であったという書き方も良きかな。戦国時代ならではの侍言葉も心地よく大変勉強になった。 | ||||
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織田信長に謀反した荒木村重と村重に囚われた黒田官兵衛の息詰まる神経戦に引き込まれます。読み応え十分です。直木賞、山田風太郎賞他ミステリーランキング4冠制覇した傑作です。 | ||||
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歴史小説が苦手な自分でも良く読めた。 そしてこの時代の登場人物たちがすごく気になる内容だった。 時代劇をこのような形で極上のミステリーに仕上げる米澤さんの筆力。見事だと思う。 | ||||
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すごい前から米澤さんの本のファンです。わたしは米澤さんはミステリの名手だと思ってtますが、こちらは電子書籍化されてようやく読みましたが、歴史とミステリの会わせ技でした。しかし歴史小説家の如くの時代考証、恐れ入りました。戦国きっての裏切り者と知られる荒木村重、彼のような有能な武将がなぜあのような非道な裏切りをしたのかと時代劇好きなら誰しもが疑問におもうところですが、米澤さんの創作とはいえ、その疑問に少しは希望が与えられたかのように思え、読了感は最高でした。さすがです。でも時代物じゃない方が米澤さんらしい気がしましたね。 | ||||
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歴史物なので、専門用語が多くて読みづらいです!と悩んでる書き込みをネットで見かけましたが、そんなに気になりませんでした。 歴史の点数はクラス最下位を記録した私でもミステリー(というより人間ドラマ)として楽しめました。 それに時代の雰囲気がよく伝わってきて、日本の歴史に初めて興味が湧きました。 | ||||
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迅速、丁寧な配送です。 | ||||
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読了したのは結構前ですが、まだ衝撃が残っています… 歴史小説なんだけど、ミステリーで 重い内容も含んでいるがページを進めることをやめれないという中毒もはらみ、読み終えてエピローグには感嘆してしまいました。 近年読んだ中ではほんとにほんとに間違いないベストに出会えて良かったです! | ||||
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舞台は有岡城。本書の英語タイトルもArioka Citadel case。しかし、本書邦題は「黒牢城」。その意味が、読み終えてよく分かる納得の人間ドラマミステリー。是非、映像化を! | ||||
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黒田官兵衛は1年幽閉されて足を悪くしましたが、このとき土牢の中で"安楽椅子探偵"をやっていた、という【歴史xミステリー】小説です。 犯行方法もこの時代ならではですが、特に「犯行動機」が現代の小説とは違っており、この点がかなり面白かったです(※一方で、この部分を面白がれるかには歴史への理解か興味が必要かと思います)。 ミステリーが好きで、戦国時代の基礎知識(or興味)がある人は楽しめるはずです。例えば、"同盟関係を維持するため親族を他の武将に預ける「人質」の風習"などは理解しているとスムーズかと思います。 あまり時代物は読んだことがありませんでしたが、現代語に近い言葉で書かれているので、問題ありませんでした。 トリックなどはやや地味なので、その点はあまり期待しないほうが良いと思います。 荒木村重や黒田官兵衛のWikipediaを読むのは読破した後にしましょう。 | ||||
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迅速で、新品みたいでした。 | ||||
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驚きました。米澤先生は、いつも学園もののミステリーを書かれています。今回いきなり時代小説。それもどっしりとした雰囲気のもの。戦国時代版コナンかと思えばそうではない。読み終えたら、やっぱり戦国なのだと重いものを感じます。とにかく表現がかっこよくて、ここ数年で私は一番好きな小説です。じっくり読んでは、「こんな表現するのか…天才やなこの人…」ため息ついてました。直木賞、これはおすすめです。 | ||||
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この作家の作品は『インシテミル』『真実の10メートル手前』『王とサーカス』『満願』を読了したが、どれも緻密で関心させられた。 作者初の歴史小説とのことだが、歴史小説の文章表現も堂々たるもので、逆に難しい漢字を駆使し意味の分からない文章もあったが決して不快ではない。 荒木村重を主人公に有岡城内で起こる難事件を幽閉中の黒田官兵衛との会話をヒントに解決してゆく。プロローグ、4つの章、エピローグと連作短編となっており、第4章とエピローグで、そこに収束させるか!! とすべてがつながり仰天である。そしてラストの2頁は落涙必至。 | ||||
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商品の本の写真には、帯が付いていると 送って頂いた本にも帯が付いてるものだと思ってしまう 届いた本を見て、 「あれっ?帯付いてないの?」 と思うのは間違っていますか | ||||
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「歴史+ミステリ」は個人的には新鮮だった。 村重と官兵衛の駆け引きの顛末は、知識の有無で楽しみ方が変わるんじゃないでしょうか。自分は史実は知らなかったので、何と大胆な展開!という感じで驚けましたが、史実を知ってる人は、そうやって繋げるのね!みたいな驚きがあったんじゃないでしょうか? あるいは、史実を知らない側の驚きをもう少し厳密に言うと、まず小説として驚き、それって史実だったの!と2度驚ける感じでしょうか。こういう題材のミステリは、もっと読んでみたいです(他に知らないのですが‥)。 | ||||
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土牢に幽閉された黒田官兵衛が3件の不可能犯罪の謎を解く本格ミステリーであると同時に史実にある荒木村重の不可解な行動の謎に迫る。緻密な構成で読み応えのある極上の歴史ミステリーだと思います。 | ||||
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荒木村重は突如、織田信長を裏切り有岡城に籠城した。 そんな中、城内で事件が起こり、そのまま捨て置けば 籠城戦にも差し支える事態に発展しかねない。 村重以上の知能を持った者は城内には居ない。 いや正確には地上には居ない。 暗く湿った地下牢には才を誇らずには居られない、あの男が居る。 黒田官兵衛孝高。後に秀吉の参謀として名を馳せる男である。 城主、荒木村重と牢に閉じ込められた黒田官兵衛が 城内で起こった怪事件を解決する歴史ミステリー。 紹介文を書くとこんな感じになりますが、読んだ感じ(Audibleで聞いた感じ) 歴史ものとミステリーが上手く組み合わさって十分面白かった。 | ||||
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謎解きとストーリー、どちらもが絡み合って怒涛の流れに翻弄される。 こんな圧倒的な読書体験は久しぶりだった。 素晴らしい! | ||||
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