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深い河
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深い河の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全142件 41~60 3/8ページ
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日本人にとってのキリスト教、母なるもの、西洋の合理的なものと曖昧な日本の対比に加えて、インドの混沌。キリスト教の神が、仏教やヒンズー教の神と相入れないものではなくて、すべてを包み込む存在であること。— それまでに作者が書いてきたキリスト教についての考えが集約され、昇華している印象。 ラストシーンの後、美津子はどうしたのだろう、どうするだろうと作者は考えていたのだろう。三條は、美津子から聞かなくても、人生のどこかで事の顛末を知ることになるのではないかという予感。それぞれの登場人物の立場に寄り添えば、何度でも読み返して、何度でも違うことを考えるだろうと思う。 第二バチカン公会議からだいぶ経ち、遠藤周作のキリスト教感は、現代の教会ではどれぐらい受け入れられるようになったのだろうか。 | ||||
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学生のころ「沈黙」を読んで感動したことを覚えています。その後だいぶ経ってから「海と毒薬」を読みました。重い主題と真正面から取り組んだ作品にまた感動しました。私の中では遠藤周作氏は尊敬する作家でした。しかしどういうわけかその後しばらくの間は作品を読んでいませんでした。辛うじて文芸雑誌に掲載されていた「狐狸庵先生」のものを読んで笑い転げたくらいです。そして先述の作品とあまりにも違う内容にビックリでした。 同じ人が書いたとは思えないくらいでした。カトリック信者としてのまじめな作品とちょっとお下品な笑いをとる数々の作品。氏の心のバランスを崩さないためだったのでしょうか。 「深い河」は「沈黙」と同じような系統の作品だと思います。神学生の大津の人物像に共感しました。特別に不器用で正直でそのために損ばかりしているひと。世間的に見ればなんて馬鹿なんだろうと思いますが、その純粋さに惹かれます。 インドには行ったことはありませんが当時の状況に心が痛む思いがします。今はどのくらい変わっているのでしょう。インドに惹かれていく人が多いと聞きますが、ガンジス河の聖も濁も併せて飲み込んだ行くその大きさと深さに魅せられるのでしょうか。読後 海のように広くて茶色に濁った水が滔々と流れる様が目に浮かぶようでした。 | ||||
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ガンジス河には、文字通りの意味で死に場所を求めて歩いて来る人たちがいるらしい。 生と死をくっきり分けて考えていた自分としては、そんな考え方があるのか!と思った。 ガンジス河に行ってみたくなった。 | ||||
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宗教文学に興味があり沈黙を学生の時に読んで遠藤周作さんが、自分の棺桶に沈黙とこの本を入れてくれと言われた事を知り、読みました。 色々な登場人物の思いがあり、インドとガンジス川に興味を持ちました。 あらためて、神のことを考えさせていただきました。 | ||||
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生きていれば傷のない人なんていない。 誰しもが必ず どこかで自分と向き合う場面に遭遇するのではないかな。 インドは人の心を鎮め 浄めるような何か大きな力があるんだろうな。生きるって切ない。折に触れて読み返していきたい大切な一冊。 | ||||
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たとえば以下のような描写。2020年なら全く問題ないことが、当時は殴られるリスクがあるほど反社会的な行為だったらしい。 「そんな飢えや貧しさをまったく知らないこの若夫婦は、飛行機のなかでも平気で凭れあったり、肩に手をかけ合った。もしビルマのジャングルで彼と悲惨な退却をした戦友たちがここにいたら、きっと撲りつけたろう。」 また以下の描写などには夫婦愛の欠片も感じられない。これが一般論として語られていることに違和感があります。 「結婚生活とは彼にとって、たがいに世話したり面倒をみたりする男女の分業的な助けあいだった。同じ屋根の下で生活を共にして、惚れたはれたなどという気持が急速に消滅してしまえば、あとはお互いがどのように役にたつか、便利かが問題になるのだ。」 | ||||
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友達の愛読書のため、気になって購入。 言葉は難しいところもありますが、のめり込む魅力あり。これは読むといいです。 | ||||
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高校の時に「決戦の時」を読んで以来の遠藤周作の作品。人それぞれに様々な苦悩があり、その先に何があるのかをガンジス河に求めてインドを目指す。物質的な豊かを超越した人生の意味を小説を通じ考えさせられた。 | ||||
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遠藤氏の著作は好きで多くを読んでいますが、こちらは初めて読む方にも受け入れやすい内容になっています。信仰とは、愛とは、矜持とは何かを問う内容ですが、時代背景や登場人物も現代に近く入りやすいので、是非全ての方に読んで頂きたい内容です。 | ||||
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遠藤周作が命をかけて書いた小説。これ書かなければ、ノーベル賞もらってたかも 笑。 素晴らしい。 | ||||
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世界のどの宗教であれ、無心論者の自分が宗教色の濃い本に向かうと受け止めきれなくて挫折することが大半なのだけど、これは旅行ジャーナル的な要素も多く、また作者の伝えようとせんとするところもとても分かりやすくて余裕で読破できた。 また、言及する宗教が1つでないことも人間が作り出した観念であるところの「神」という存在のとらえ方というか認識の仕方が少し自分の中でクリアになった。 しばらく時間をおいて再読を重ねるのが良い作品だと思う。 | ||||
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再読です 一神教と汎神論がテーマでしようか。宗教は人間が作りあげたもので完璧なものではないために宗教論争が発生 していることを作者は示唆しているかと感じさせられました。それがためインドを舞台にしたのではは? | ||||
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久々にかじりついてスラ2読めました! 死を"隠し事"の様に遠くに置き、宗教の話しを対立を避ける意味合いで日常語らない日本社会...後半はこれと真逆な聖地ヴァラナシを舞台に宗教や生き方、死について剥き出しになって行く感じ...圧巻でした! この本を読み終えて思ったのはその宗教が既に"答え"を与えてくれていたとしても、従順なだけでなく、中世と違い色々な宗教の成り立ちも学べる現代は疑ったり悩んだりする"過程"...これが一番大事だと思いました!例え"答え"が一緒だったとしても"過程"は十人十色だと思うので...タイトルの"深い河"ですが、昔ヴァラナシで夜に屋上から観たガンガーの不浄の地とされる暗い対岸はまるで深い宇宙の様だと感じた事を思い出しました、静かに深かった。 | ||||
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遠藤周作氏の神に対する持論とインドの魅力を知らしめてくれる大作。 | ||||
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非常に良い本でした。登場人物は全員日本人ですが、時代が違いすぎてまるで海外文学を読んでいるようでした。 たまたま終戦記念日の直前にこの本を買いました。木口老人が語るビルマ戦線の様子は生々しく、臨場感があって、恐ろしいのに読むのを止められませんでした。 登場人物はそれぞれに心の闇を抱えていますが、巻末の遠藤周作年譜を見ると、登場人物に作者の経験が反映されていることがわかりました。 宗教、生と死という難しい題材に真っ向から向き合った作品です。重厚なのに読みやすく、読んだ後は誰かと語りたくなります。 | ||||
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続きが気になって仕方ないので、短期間で読み終えました。でも、ラストは期待したものとは違って深いため息が出ました。だからいいんでしょうけど。 | ||||
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おもしろいですが、展開が読めてしまうので☆四つです。 遠藤先生には、生きる意味のついてもう少し深い考察をしてほしかったと思います。 | ||||
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まず本書を読むなら佐伯彰一氏の後書きと付録の著者経歴から読んで欲しい。 小説の読み方としては非常に邪道であるが、それは本書が日本人とカトリックと言う間に苦しんだ遠藤周作の答えだからである。 遠藤周作の代表作として沈黙がある。 そこで遠藤は登場人物であるキリスト教徒の改宗(迫害)を仕事とする井上筑後守に「神とは困った時に都合よく助けてくれる存在ではない」と言わせている。 キリスト教徒の言う神とはその人の習慣、生き方を守るための指標なのだそうだ。 故に遠藤は日本人でありながら日本人の持つ困った時に助けてくれる神様像に非常に苦しんだ。それは本書の末に書いてある経歴から10歳で無自覚洗礼を受けていた事に起因する。 そうして日本人でありながら日本人的でない思想と苦しみながら生きた遠藤が至った一つの考え方がジョン・ヒックの宗教多元主義である。宗教多元主義についてレビューで書くとスペースが足らないが、掻い摘んで言えば「神様は色々な姿があって、色々な姿でその人の心の中にいる」と言う物である。物語途中にチャームンダーと言うヒンドゥーの女神の一説が出てくるが、正と邪、生と死、愛と憎、という相反する全てを包括したその醜くも必死な姿、それこそが神である、遠藤はそう言いたかったのではないだろうか(チャームンダーがカトリックで言う主であると言う意味ではなく神の多面性の意) そうした色々な姿を自覚していない5人の人物達が清濁併せ呑むインドに赴き、各自の神の片鱗に触れる物語が深い河である。登場人物達の背景がいずれも遠藤の経歴に関係するので、後書きと付録の著者経歴から読む事により、この人物が持つ苦悩は遠藤がいつ経験した事か、と言う事がわかるであろう。 5人の持つ心の闇に触れながら読み進めて欲しい。 | ||||
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5人の登場人物の人生が語られ、それぞれが何かを求めてガンジス河を訪れます。とても読みやすく一気に読んでしまいました。 私は、本書に書かれている磯辺夫妻の夫婦関係に心が引かれました。同じような場面が訪れたときに、私の妻も同じようなことを言ってくれるか。。。今以上に妻と会話を持ちたいと思いました。 私は本書が書かれる前の80年代、学生時代にバラナシを訪れました。 当時、火葬場を眺めていたところ、火葬場の係と思われる者が棒を振り回して”Tourist,get out!”と立ち退かされました。それほど人間の最後の儀式は厳格なものであったと私自身認識していました。 その後本書に出会い、私自身違った角度でガンジス河を見たくなりました。 先月、インド出張が入ったため、現地で休みを取りバラナシを訪れました。日の出の瞬間は、80年代と変わらず厳かなものでした。しかし、日が昇り観光客が動き出すころに火葬場を訪れてみると、火葬している間近まで観光客の姿が。。。また、川辺であるため、観光客を乗せたボートが複数集まり火葬を眺めていました。私もその一人でしたが、当時と様子が一変していたのに衝撃を受けました。 インドでは魂が抜けた体は「モノ」であると故人を見送りに来ていたインド人から聞きました。火葬をしているのは、衛生的な理由で政府の規制があるからだそうです。そういえば、前回訪れたときは水葬された遺体が河を流れていたのを見ましたが、今回は見ませんでした。 肉体の形がなくなる瞬間を多くの観光客に見送られるのが現代のバラナシの姿かもしれません。インド人と日本人の死生観の違いをあらためて感じました。 本書は、再度私をバラナシに導いてくれました。良い本に巡り合えたと思います。 今回バラナシで撮影した写真を貼ります。 | ||||
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インド文化の深さにただただはまった。 一気に読み終わる。 | ||||
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