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深い河



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【この小説が収録されている参考書籍】
深い河 (講談社文庫)

深い河の評価: 4.32/5点 レビュー 166件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.32pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全11件 1~11 1/1ページ
No.11:
(3pt)

美津子は不感症

数多の男に愛されながら何も感じないなら、この際思いきって女に奔ってみてはどうかね?
深い河 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:深い河 (講談社文庫)より
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No.10:
(3pt)

『信じる』とは何か、を考えさせられる

オススメされて読みましたが、「信じる」と言う言葉を考えさせられる話でした。
主人公の妻が癌で亡くなるところから始まる話。
そのシーンはとても感慨深く、泣いてしまいます。
作者がキリスト教を信仰しているからか?キリスト教も関わりますが、それ以外にもヒンズー教が関わったりしてて。
『神とは何か?』と、思わせるような話です。
深い河 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:深い河 (講談社文庫)より
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No.9:
(3pt)

古い話

Twitterで話題になっていたから読んだが、結局インドなのか、と思った。
インドのガンジス川にすべての宗教を包含するものを見出すと言う考え方は、
インドに行ったことのない人間にとっては、なんとなく聞き古した結論のように思われた。
遠藤周作の時代には、目新しい発想だったのだろうか。
頭の中に、自分探しの若者やバックパッカーたちのイメージがちらついて、
インドに行けば人生変わるよ! と言うキャッチフレーズも思い浮かぶ。
こういうことを言われると天邪鬼な人間なので、ますますインドから足が遠のく。
インドが舞台の映画は「きっと、うまく行く」「裁き」「スラムドッグ・ミリオネア」あたりしか見たことがないが、裁きと通じる空気感を感じた。合う人は合う、合わない人は合わない。

登場人物の中で美津子には共感できた。空疎な自分を抱えて彷徨う、何かになりきれない自分。ただ結婚観や男女観において全体的に人物設計が古く、令和の時代においては、昭和気質の人々には感情移入するというところまではいかない。そうか、戦争を知らない世代と知っている世代がこんなふうに交錯していたのか、と思う程度である。

塚田が人肉を食らったという告白も、置かれた状況を思えば容易に予想がつくし、そこまで衝撃的でもない。悔やむべきは、あの時代、戦争軍人に適切なカウンセリングを受ける術がなかったことだ。

遠藤周作は、沈黙、海と毒薬、王妃マリー・アントワネット、悲しみの歌を読んだが、好きな作家である。彼は人の悲しみをとらえるのが上手い。如才なく生きることができない人間の気持ちをよく描いている。またクリスチャンである彼は、近代以降の日本人の運命ー日本人の中に植え付けられたヨーロッパが、決して本物のヨーロッパたり得ないこと、常にその違いに苦しみ続けることーをよく知っている。陰を抱えて生きざるを得ない人間に優しい小説家である。

ただ、古いのだ。鼻につくのだ。大津をからかいたくなる、美津子の気持ちはよく分かる。小説自体がまるで大津のようだ。今どき宗教なんて、カトリックの司祭が小児虐待スキャンダルで権威が揺らいでいる時に、フランスのカトリック教会だなんて。

世界は遠藤周作の時代から比べると狭くなった。だから、前提の異なる話を読んでも、共通するものは見出せないよ、と感じた。
深い河 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:深い河 (講談社文庫)より
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No.8:
(3pt)

大津は神父たりえたのか?

神の母性的愛のみを礎に、キリスト教の聖職者になりえるのだろうか。死を間近に向かえたアウト・カーストの人をガンジス河まで運ぶという愛の行為は、神の父性的厳しさをも受容した人でないと為し得ないのではないだろうか。神学校で学び神父までになった大津が、神の母性的愛のみを拠り所にキリストへの信仰を持ち続けてきたのならば、私はどうしても違和感を感じる。一人のキリスト信徒の宗教観を示した小説として読めればいいけれども、この作品をキリスト教神学と捉えてしまったら(そんな人はいないかもしれないけれども)、誤解を生じさせるかもしれない。
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No.7:
(3pt)

バラナシに来るならやっぱり読むべき

20年ぶりにふとインド旅行でバラナシを再訪することになり、読み返してみた。
ヒンズーの世界を、清浄と不浄、神聖と卑猥、慈悲と残忍とが混在して共存している、というのがよく表している。何もかもを飲み込むガンジス川、沐浴する人、泡を立てて体を洗う人、洗濯する人、観光のボートに乗り込む旅行客、家畜とか色んな物が混じったたまらない匂いの中で、それぞれの宗教を重んじる日本的な多様性は、遠藤周作が書いたころも今も変わらぬ日本人の美徳だと思う。
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4062632578
No.6:
(3pt)

ノンクリスチャンの空しさ

世界でも、多くの読者を持つ本書ですが、ノンクリちゃんの空しさが良く描かれていました。聖霊に満たされ、神様の祝福に溢れた、信仰者の姿が描かれていなかったのが、残念です。
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4062632578
No.5:
(3pt)

人物造形が単純過ぎる

自分にはあまり合わなかった。登場人物がそれぞれ「ある思想」を代表する記号の様であまりにシンプル過ぎて、生きている人間の深みを感じないのだ。

作者は自分の思想・主張を、自己の内面を要素に分解して作ったキャラクター同士の対立として見せているのだろう。多くの人物が登場しているにもかかわらず群像劇の深みも意外性も見せず、一人の人間の内面で始まり終わる葛藤を観ているだけのように感じる。

それを言ってしまえば全ての小説は作家の創作したキャラクターなのだが、この作者の場合、人物造形のステレオタイプ化が陳腐なまでに著しいように思う。作者の思考実験を小説化した、と読めば面白くない訳ではないのだが、インド旅行という舞台設定の魅力を取り去った後に残る物語が「小説」としては、言っては悪いが物足りなかった。
しかし、ある一人の人間の宗教観をつぶさに見るという意味ではなかなか面白いので、このくらいの評価で。

絶賛レビューが多いのは理解した上、自分と同様に感じる人達の購入前の事前予測に参考になれば良いと思い、あえて。
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No.4:
(3pt)

宗教とは何かを問う小説

インドへのツアー参加者した、いろいろな思いを抱えた人達がガンジス河を舞台に、生と死、宗教感などがテーマの小説。大きなテーマとして、宗教とは何かを問うことが根底に流れている。遠藤氏の宗教感は、既に「沈黙」で語られているので、それほどのインパクトは無かった。
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4062632578
No.3:
(3pt)

宗教

遠藤周作さんの本には必ず神が出てくると言って過言ではないと思う。
そこに、他宗教のものが侵入すると不快感がいなめないものとなる。
旅人の言葉に
「宗教・政治の話はすべきではない」
という言葉がある。
それほど、喧嘩などに結びつく話題なのである。

インドに行く時、泥沼のようなガンジスに身を投げる姿をみて、
あなたはどう思うのか。
何も知らない旅人がマネをして、赤痢を患うことがありすぎる。
本書の中に投影されている情景と信仰の深さ、倫理観について
小説としては傑作だと思える。
しかし、これを読んで、
インドに行ってはいけない。
インドから帰ってから読んでほしい。
純粋な心からどう思ったのかということと、
この小説を比較してみるととても素直に受け止められるかもしれない。
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4062632578
No.2:
(3pt)

河のゆくえ

様々な立場や、考え方、そして思いを胸にインドのガンジス河に向かう旅行者の群像劇です。妻に先立たれ、妻の最後の一言に生きる「かすかなしるし」を見出そうとする磯辺、磯部の妻の看護を通して知り合うことになった自身の殻が厚く、その厚みに困惑している女成瀬、童話作家で身代わりの鳥に何らかの供養を必要としている沼田、第2次世界大戦でビルマを敗走した経験を持つ木口、共に欲望と思考に段差の無い三條夫妻、そして汎神論者であり、かつカトリックであることを求める大津...それぞれの意味で、それぞれにとっての深い河が、立場が、また決意が見られます。納得のいくものもあれば、なかなかうけいれられない現実があったり、少し作者の作為が透けすぎる行動をとる登場人物もいますが、おおむね納得できる物語でした。

意味を持たせるなら、作者の作為が感じられなくなるくらい作りこんだものを好む傾向に私はあることを自覚しておりますが、素朴さからしか立ち上がりえない何かがあるのもまた事実です。私個人としては1番気になったのはやはり「成瀬さん」なのですが、成瀬さんのモノローグがあるにも関わらず、いまひとつ釈然としない、あくまで小説の中の登場人物のような作者の想いを代弁させられている感がありましたが、それでも何事にも心を強く動かされることの無いリアリティは感じられましたし、そこはかなり良かったです。

時代として『そういうものであった』と言われてしまえばその通りなのかもしれませんが、それでも私は想像することが出来なかった、あるいはその機会を捉えなかった以上はその重みを背負うべきに感じさせる磯辺さんと妻の関係性について、特に気にかかる部分でした。非常に都合よい解釈が続く中で個人的には悲しむべき資格が無いように思いましたが、それでもなお、行動させられる磯辺さんそのものについての「どうしようもなさ」には共感も出来ました。未来が見えないからこそ、どんなに想像を巡らせていても有りえるであろう予想外の何かが起こったとき、そしてそれに深く後悔を思うときに、突き動かされる心の動きが。

そして大津さんのあくまで愚直な、生活の中から浮かび上がる信仰の行く先にも、考えさせられました。カトリックや信仰そのものに対しての理解が私はまだまだ少ない私でも、汎神論をキリスト教的異端として扱われるものに、違和感を覚えますし、感情として何かを感じ取るという生活を変えることは信仰のチカラをもってしても難しいものであると思います。感じる心、感覚をなくすことが唯一神への信仰であるならば、たとえその行き着く先に幸福が待っていようとも、なかなか難しいことになりそうですし、「論理だけではありえない何か」を感じるには「論理で説明できるものには、論理を徹底させた」後でしかありえないと私は思います。唯一神の思惑は常に人の思考の先であるはずですから、様々なものに、その唯一神の何かが波及していると捉えることも可能であろうかと思いますし。「玉ねぎ」という比喩はとても面白い比喩であると思いました。

最後の終わり方には、非常に驚かされましたし、このような小説を書かれる方からは想像できない(私には)最後でしたが、とてもよい終わらせ方だとも思います。

信仰に興味のある方に、インドに興味ある方に、オススメ致します。
深い河 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:深い河 (講談社文庫)より
4062632578
No.1:
(3pt)

小説としては、物足りない

ストーリーをおっていく楽しみ方は、この作品には向いてない様におもいます。
自分自身「人間とは何か?死は何を意味するのか?」等に悩む青年に成り切って読むと面白いと思います。
日本人ではこれらの悩みを、実際の宗教になぞらえて考えるのは難しいし、具体的な宗教を勉強するのは億劫でもあり、またそれらを論じるのは失礼ではないかと考えてしまうと思います。
この作品はそんな人でも世界の宗教を身近に感じさせてくれるものです。
小説として物足りないと感じるのは、テーマ、試みがとても大きい割にボリュームが少ないためです。登場人物も多いので、各人物が記号的に使われてる感が否めません。無制限で書いたら凄い大作になっていたと思います。
深い河 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:深い河 (講談社文庫)より
4062632578

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