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深い河



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【この小説が収録されている参考書籍】
深い河 (講談社文庫)

深い河の評価: 4.32/5点 レビュー 166件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.32pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全166件 1~20 1/9ページ
No.166:
(5pt)

バイブルのような一冊

混沌とした世界の中で、己に目を向けがちになるけど個々に紆余曲折の人生が存在していることを改めて思い知る。
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No.165:
(4pt)

東洋と西洋の違い巧みに描く

遠藤周作の深い河は、インドのガンジス川を舞台に、人生の喪失感や迷いを抱えた日本人たちが自己の内面と向き合う物語で、宗教や生死について深く考えさせられる一冊で、読むと心が浄化されるような感覚を味わえます。特に、東洋と西洋の宗教観の違いを巧みに描いている点が独特で、遠藤周作ならではの深い洞察が光る
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No.164:
(4pt)

西洋的思想に馴染めない日本人のキリスト教徒

キリスト教の洗礼を受けた遠藤周作さんによるキリスト教と東洋的宗教思想の違いをテーマにした群像劇的な小説です。

登場人物は妻に先立たれて初めて妻の大切さを知った男、動物たちに励まされながら病気と闘った男、ビルマの戦争で地獄を味わった男の過去のいきさつが描かれていますが、中心となるのは、キリスト教者でありながら西洋的哲学への違和感を払拭できない男(遠藤さん自身がモデル)と、これら様々な男たちの受け皿的存在である無神論者の女の二人です。

遠藤さん自身がキリスト教のことを「着せられた洋服」として自分には合っていないけれど着てしまったのだからしょうがないと言っています。遠藤さんの「イエスの生涯」ではイエス・キリストはユダヤ教の罰する神ではなく愛する神を説くために自ら迫害を受けて弟子たちに愛の深さと強さを示したと描かれています。

「イエスの生涯」でもイエスの弟子たちは神の愛など役に立たないと思って最初はイエスの元を去ったり裏切ったりしたわけですが、十字架で無惨に殺されたイエスを知って、一気に改心しその後命懸けで神の愛を説き、それが全世界に広がったと描かれています。

ローマ打倒を願うユダヤ人たちからリーダーに担がれても決して煽動にのらなかったイエスですが、自ら癩病患者の元に行きじっと手を握るところは本書のガンジス河そばに住むアウトカーストたちや、病室で患者の手をやさしく握る成瀬美津子と重なるところがあります。

本来イエスもユダヤ教信者であったわけですが、ユダヤ教の神というのは非常に厳しくて人間(ユダヤ人)との間に契約(律法)をもうけ、それを守らない人間は激しく罰するといった存在でした。キリスト教になって、同じ神でありながら、単に厳しくて罰するだけの神から慈愛をもった神へと変容していくわけですが、それでもキリスト教の神というのは絶対であり決して人間に寄り添うような存在ではありません。

このあたりは小此木さん河合さんの「フロイトとユング」が大変面白かったのですが、西洋キリスト教は父性的であるのに対して、日本を含む東洋は母性的であると書かれています。本書のガンジス河での描写もそうですが、生死や毎日の衣食住を見守るような存在、自然と一体化したような存在になっています。西洋の場合、ギリシャ哲学の時代から自然と人間精神は別になっているわけで、キリスト教以前から思想が違っていて面白いです。

本書でもたびたびセリフのなかに出てきますが、西洋は善と悪を二分化して考えるが東洋人には馴染めないというのも本質的な部分だと思います。ガンジス河や寺院の描写の中にあるようにインドでは何もかも包み込んでしまう熱帯性の自然がより力強く人々の目に映るのでそういう思想になってしまうのかも知れません。
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No.163:
(4pt)

いい本

インド中心の話で、面白かった
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No.162:
(5pt)

愛読書

何度も何度も読み返しています
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No.161:
(1pt)

宗教多元主義は100年前に流行った上流階級やインテリのお遊び

現代の統合主義の試みもすべて同じこと。彼らが、使徒信経よりも大きなものをつくると、必ず何かを落とすことになる。神的な何かを落とすというのではない、人間的な何かを落とすのである。(中略)彼らは「宗教議会」を全人民の大合同と称するが、その実、全気取り屋の大合同にすぎない。(G・K・チェスタトン)

「変わった取り合わせですな」ハードカースルが眉をひそめて言った。「こういうものが古いキリスト教の建物のなかにあるなんて」
「また妙なことをおっしゃりたいんじゃないでしょうね」マウンティーグル令夫人が言った。「その取り合わせの妙がわたしたちの狙いなんですわ。東洋と西洋の偉大な宗教を、仏陀とキリストを一つに結ぼうという考えですの。すべての宗教は一つです。そのことを本当にあなた方にわかっていただきたいわ」
「もしそうだとすれば」ブラウン神父が穏やかに言った。「宗教を手に入れるためにアジアの真ん中まで行く必要はなさそうですな」
「奥様がおっしゃるのは、本来一つの宗教でも、この宝石と同じように、いろいろな局面があるということじゃないのでしょうか」ハードカースルが話し出した。
(中略)
「ああ!」ブラウン神父は鋭く叫んだ──「とうとうその問題にぶつかりましたな。あの人たちにはわからないし、またみなさん、わかろうともなさっていない問題です。すべての宗教は同じだとマウンティーグル夫人はおっしゃる。とんでもないことです! 宗教には非常にさまざまなものがあるというのが事実です。だから、一つの宗教に属する最善の人間が、別の宗教を奉ずる最悪の人間よりも、特定の問題について無神経であるというようなことにもなるのです。(『ブラウン神父の秘密』)

倫理協会とか宗教議会などで決まって繰り返される文句の一つに、当たりのいい寛容を標榜するこういう文句がある──「世界のさまざまの宗教は、祭式や形式こそちがっているが、その教えるところはみな同じだ」というのである。これは嘘だ。事実とは正反対だ。世界のさまざまの宗教は、祭式や形式では大してちがってはい”ない”。大いにちがっているのはその教えるところなのである。(中略)進歩的人士の言うように、問題は、宗教によって制度はちがうが精神は変わらぬなどという陳腐な決まり文句にあるのではない。まったく逆で、制度はいずれも似たようなものなのだ。世界の大宗教はほとんどどれもみな、外面的には同じ制度を擁している──同じく聖職者があり、聖典があり、祭壇があり、修道者の団体があり、特別の祭礼と祝日がある。いや、教義を説く方法まで同じである。ただちがうのは、その教えの内容そのものだ。
(中略)
まだつい最近のことだが、ベザント夫人が面白い論文を書いて、世界には実はたった一つの宗教しか存在しないと論じているのを読んだことがある。夫人によれば、現実に存在しているあらゆる宗教は、この唯一の真の宗教を個々に反映したもの、ないしバラバラに歪んで映したものにすぎないという。では、その真の唯一の宗教とは何か、それも自分にははっきり説明できるという。彼女に言わせれば、この普遍的教会は要するに普遍的自我にほかならぬ。つまりわれわれはみな実は一人の人格であり、人と人との間に個人という人格の壁は実在しないという教義である。私流に言いかえれば、彼女は隣人を愛せとは教えない。われわれがすなわち隣人となれと説くのだ。この教えに従えば、すべての人間は全き調和を発見するという。これがベザント夫人の説くところの、深遠にして示唆するところきわめて多大な宗教のあらましである。生まれてから今日まで、私はこれほど猛烈に反対すべき教えを一度も聞いた覚えがない。私は隣人を愛したいと思う。だがそれは、隣人が私にほかならぬためでは断じてない。隣人が断じて私ではないという、まさしくそのためにほかならぬ。(『正統とは何か』)
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No.160:
(5pt)

何度読んでも

昔読んだことがあります。
懐かしくて読み直しました。
遠藤周作さんはやはり奥が深くて読み応えがあります。
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No.159:
(5pt)

重厚なのに読みやすい名作

NHK『100分de宗教論』を機に読み直した。

遠藤周作はハードなテーマの純文学作家なのに、(晩年の90年代の作品だからってのもあるだろうけれど)めちゃくちゃ読みやすいのが本当に凄い。
宗教多元主義が目新しくなくなってしまった今、その思想やテーマの帰結に斬新さはないけれど、まぁ読ませる読ませる。紛うことなき名作。

ガンジス河、一度でいいから行ってみたい
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4062632578
No.158:
(4pt)

意図的だと思うが、清濁が混合した作品。ストレスに感じる部分も多かったが、まあ読んで良かったという感じ。

新しい作家の作品を開拓しようと、本書を購入。遠藤周作は、高校時代に「国語便覧」という本を読んで、結構大きく扱われていたので、評価が高い作家なのかなと思っていたが、クリスチャンであるということから、良くも悪くも清廉潔白な小説を書いているんじゃないかと思って敬遠していた。しかし、中年になって仏教に興味を持ち始めたこともあり、読んでみようという気になった。さて、本作は旅行会社のインドツアーで旅を共にすることになった人々の、人生模様を描く作品であるが、メインキャラの1人の女性の心根がとても邪悪で読んでいて不快に感じ、また非常に思慮が浅薄な人物も描かれていて、作者が意図してそうしたのだと思うが、読んでいて結構しんどい時間が長かった。また、予想通りクリスチャンの人物が出てきたが、結構思想を独自にカスタマイズしていて、押しつけがましさが少ないのは良かった。また、メインキャラの壮年男性と老年男性の物語も、重厚な思惟の裏打ちがあるような記述ぶりで良かった。総じて、本書は「読み終わってすっきり」「ワクワク・ドキドキ」といったタイプの小説ではなく、結構重めだが、まあ評価されているだけのことはあって、かなり実のある内容だと思う。自分としては、思想部分と人間感覚に少し興味が湧く部分があったので、遠藤周作の他の作品を読んでみよう、と思った。
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No.157:
(5pt)

とても良い

とても良い
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No.156:
(5pt)

体当たり感半端ない作品

人生の重みを感じる壮大な文学でした。終わり方がまたなんとも未完了感を残す終わり方、、、登場人物たちと共に様々な気持ち、感覚、考えを自分でリアルに感じる作品です。今の時代を生きるには逆に必要なものなのではないかと思います。
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No.155:
(5pt)

状態説明

状態説明が信用できるものでした。発想も早かったです。
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No.154:
(5pt)

遠藤文学の集大成

キリスト教徒の遠藤周作が、ヒンズー教徒の聖地のガンジス川の畔で、人間にとって神とは何かを問うた作品。神は自分の内面に存在している見方は、仏性が自らに内在するという仏教にも通じ、宗教の本質の在りかを明らかにしている。
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No.153:
(5pt)

ガンジス川を見たくなった

ヒンズー教、キリスト教、イスラム教、仏教、神道 全ての宗教は手の指で手のひらで一つなるという作家の考えをどうすれば少しでも体感する事が出来るかと自問自答するとガンジス川に浸りたくなった。自身の宗教観を変える一冊でした。
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No.152:
(4pt)

OKです

知人にプレゼントしました
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No.151:
(4pt)

混沌としたインド

様々な過去を持つ人々がインドを旅して、人生について想いを深める物語。遠藤周作氏の病気、パリ留学、満州での幼少期、インド旅行、キリスト教徒としての考え、など全てが詰まった集体制とも言える名作。
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No.150:
(5pt)

文学書というより信仰告白なのでは?

小説の形をとっているが、果たして本当に小説、文学書なのか?
ほぼ遠藤周作先生のキリスト教に対する考察の総まとめの感をなしている。
物語は唐突に終わる。
この終わり方が文学書の体をなして無いようにも思えてしまう。
その前に数十頁に渡り大津の考えが示される。
その有りようは、文学書というより、思索家としての遠藤周作先生のお考えなのだと思う。

ここに記してあるのは遠藤周作先生のお考えなのであろう。
輪廻転生が有るのでは? とお考えなのだと思う。
氏はカトリックのキリスト者なのか?
そうすると、ローマカトリックの枠には全くはまっていない。
独自にイエスキリストについて考えた事が綴られている。
沈黙からしてそうだった。
東アジアの日本では、ヨーロッパのローマカトリックをそのままやるのは不可能であろう。
イエスキリストについて考えた事を独自に発展させるしかない。
そーすると、それはカトリックのキリスト教と言えるか?
言えないだろう。
ローマカトリックのままでは無い、独自のイエスキリストに関する考え。
が沈黙から続いてきて、最後の河に至った道筋、がここに示されている。

大津は遠藤周作先生そのものである。井上洋治司祭の要素も加わっている。
物語が唐突に終わるのは、自身の生が唐突に終わる事に対応しているのではないか?
宗教多元主義。
今はそこに辿り着いた。
そこから、もっともっと考察をずっと続けたかったのに、自身の生が終わる足音を聞いて、
今の考えをまとめた。
本当は、もっともっと、この問題についてずっと考えていたかったのだろう。
それを考えると、胸が痛い。

美津子は誰がモデルか?
おそらく創作なのではないか?
美津子はずっと大津に関心を持ち続ける。
そうすると、ある種大津が好きな訳だが、人格的にはそれを認めない性格として描かれている。
ここの人物創作には無理が有るのではないか?
明らかに美津子は大津のある部分に憧れを抱いている。
美津子の人格は、表層的な現代文明の鏡を取りつつも、深いところでは大津の思索に憧れを抱いている。
ここには、遠藤周作先生はなんのメッセージを込めたのか?

沈黙のキチジローはある種遠藤周作先生のキャラクターでもあった。

大津は遠藤周作先生そのもの。
ここは非常に強いキリスト者のいでたちが有る。
しかしキチジローも遠藤周作先生の一部である。
いつもいつも強くは居られない。
弱い者はどうしたら良いのか?
イエス様は弱い者をどう扱ったか。
福音書を見ると、イエス様は強い者も弱い者も全ての人間を愛したように見える。

そうすると、イエス様は美津子も愛したのか。
イエス様は美津子をも愛し、ガンジス川へ向かうのも受け入れたのか。
そう考えるしか無い。
宗教多元主義。全ての人を愛す。全ての登場人物を愛す。ガンジス川へ向かっても良い。
遠藤周作先生はそのようなお考えでこれを著したのか?
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No.149:
(4pt)

神は人間か、人間は神になる得るか。

正直に言って、キリスト教や宗教がどういうものなのかはよくわからないけれど、大津の言うように、キリストであれば、また、他の宗教の神であっても、差別はせず、困った人を助けることはするのだろうと思う。それを、そうではなく、あれこれと理屈をつけるのは、それが人間だからだろう。
とするならば、果たして、神は人間なのか、人間は神足り得るのか。人間界の話である以上は、やはり、神は人間なのだろうし、人間だから、色々な考え方もあるわけだ。何が正しい、誰が間違っている、ということではない。真実はたくさんあるけれど、事実は一つ。
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No.148:
(5pt)

研ぎ澄まされた精神の発露

(少しネタバレあり)それぞれの過去を見つめ直そうと、男女数名がインドのガンジス河を訪れる。登場人物たちの物語に、日本人とキリスト教の神との関係が絡む。著者の筆の力に牽引されて、一気に読んだ。著者は、闘病しながらこの作品を書いたとのこと。病は精神を研ぎ澄ます。
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No.147:
(5pt)

母なる河ガンジス

黙々と流れていく河、様々な叫びと絶望を受け止める河、そして人間の死を包み込んでいく河。
宗教とか、人生とか、人はいろいろなものを信仰し、背負うけれど、深い河はそれらを平等に受け止めるのである。
インドに行ってみたくなる小説。
深い河 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:深い河 (講談社文庫)より
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