すべてがFになる

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評判

すべてがFになるの評価:

3.53/5点 レビュー 372件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.53pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全112件 21〜40 2/6ページ
No.92
(3pt)

期待しすぎた…

ネタバレあります。
評判を聞いて読んだので、期待しすぎてしまいました。無理矢理感があるように思いました。匂わせなく子供がでてきましたし、すべての動機が「我々には理解できない天才の思考」だし。リアリティがなくて動機とは呼べないのでは。
最初娘が四季を殺す予定だったのに、出来ないから自分が娘を殺したらしい。でも最後の方で喋った殺人の動機は「建物から自分が脱出したかったから」と言っている。娘が自分のどちらか脱出することが目的ってこと?私の読解力が足りないようです…

あと30代童貞教授が19歳のかわいい女子大学生にアピールされるって、男性が書く典型的なファンタジーだなあと思いました。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011
No.91
(3pt)

期待しすぎた…

ネタバレあります。
評判を聞いて読んだので、期待しすぎてしまいました。無理矢理感があるように思いました。匂わせなく子供がでてきましたし、すべての動機が「我々には理解できない天才の思考」だし。リアリティがなくて動機とは呼べないのでは。
最初娘が四季を殺す予定だったのに、出来ないから自分が娘を殺したらしい。でも最後の方で喋った殺人の動機は「建物から自分が脱出したかったから」と言っている。娘が自分のどちらか脱出することが目的ってこと?私の読解力が足りないようです…

あと30代童貞教授が19歳のかわいい女子大学生にアピールされるって、男性が書く典型的なファンタジーだなあと思いました。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.90
(3pt)

「後出しジャンケン」のような。

名作と言われることが多い作品。タイトルが独特で、センスがよく、記憶に残る。
ミステリは謎解きも重要だが、より大切なのが「地の文章」のクオリティ。東野圭吾作品も
それが優れているので、直木賞も取ったし、読者も多い。森博嗣作品も、すんなり小説の世界に
いざなってくれる文章力が基本にある。
この作品も、最初の60ページくらいは、どのくらい読んだろうかとページ数や章の進み具合を
気にしていたが、その後は気づくと300ページを超えていた。それだけ主人公周辺の世界の構築や
語り口に魅力があるということ。

ただし、これは根本的なところで評価できない作品。
*以下、核心部分のネタバレがあります。

まず最重要人物が読者に伏せられていて、最後になって登場し、その事実が明かされる。
これは後出しジャンケンのようなもので、ミステリとして成り立っていない。

しかも「世界と隔絶した状態で娘を産み落とした母」と、「まったく外界を知らずに母とだけ、
完全に閉じられた関係性の中で成長した娘」という特殊な関係、人間性への言及がほとんどない。
だから母が娘に「自分を殺害すること」を命じたり、結果的には「自分がその娘を惨殺する
ことになる」という行為の必然性、説得力がない。それゆえ物語に深み、厚さ、奥行きがない。
そもそこの懐妊・出産が成立するための行為に至る説明・記述が1行もない。
数十ページにわたって書き込めというのではなく、数行でもいいし、いくつかのエピソードでも
いいので、それを感じさせる描写は必要だろう。

それをその人物の特殊性、天才性や多重人格などに帰したり、主人公(探偵役の犀川)にも人間的な
情緒性が希薄な性質を与えることで、成り立たせている。「私はそれらの殺人がどのように行われた
かを語ることはできます」と言わせている。つまり「なぜ行われたのか」はわからないということ。

だから、一番盛り上がる「謎解き」のところになると、「トリックのためのトリック」という説明に
終わっていくので、逆に緊迫感が下がってしまう。

この『すべてがFになる』に比べれば、反則スレスレのところを身をよじりながらすり抜けた
『ハサミ男』の方が、ミステリと叙述トリックに真摯に向き合った作品ということができる。

とはいえ、「両手両足を切断されたウェディングドレスを着た死体が、台の上に乗せられて
自走してくる」というイメージは鮮烈で、悲劇的で、忘れられない。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011
No.89
(3pt)

「後出しジャンケン」のような。

名作と言われることが多い作品。タイトルが独特で、センスがよく、記憶に残る。
ミステリは謎解きも重要だが、より大切なのが「地の文章」のクオリティ。東野圭吾作品も
それが優れているので、直木賞も取ったし、読者も多い。森博嗣作品も、すんなり小説の世界に
いざなってくれる文章力が基本にある。
この作品も、最初の60ページくらいは、どのくらい読んだろうかとページ数や章の進み具合を
気にしていたが、その後は気づくと300ページを超えていた。それだけ主人公周辺の世界の構築や
語り口に魅力があるということ。

ただし、これは根本的なところで評価できない作品。
*以下、核心部分のネタバレがあります。

まず最重要人物が読者に伏せられていて、最後になって登場し、その事実が明かされる。
これは後出しジャンケンのようなもので、ミステリとして成り立っていない。

しかも「世界と隔絶した状態で娘を産み落とした母」と、「まったく外界を知らずに母とだけ、
完全に閉じられた関係性の中で成長した娘」という特殊な関係、人間性への言及がほとんどない。
だから母が娘に「自分を殺害すること」を命じたり、結果的には「自分がその娘を惨殺する
ことになる」という行為の必然性、説得力がない。それゆえ物語に深み、厚さ、奥行きがない。
そもそこの懐妊・出産が成立するための行為に至る説明・記述が1行もない。
数十ページにわたって書き込めというのではなく、数行でもいいし、いくつかのエピソードでも
いいので、それを感じさせる描写は必要だろう。

それをその人物の特殊性、天才性や多重人格などに帰したり、主人公(探偵役の犀川)にも人間的な
情緒性が希薄な性質を与えることで、成り立たせている。「私はそれらの殺人がどのように行われた
かを語ることはできます」と言わせている。つまり「なぜ行われたのか」はわからないということ。

だから、一番盛り上がる「謎解き」のところになると、「トリックのためのトリック」という説明に
終わっていくので、逆に緊迫感が下がってしまう。

この『すべてがFになる』に比べれば、反則スレスレのところを身をよじりながらすり抜けた
『ハサミ男』の方が、ミステリと叙述トリックに真摯に向き合った作品ということができる。

とはいえ、「両手両足を切断されたウェディングドレスを着た死体が、台の上に乗せられて
自走してくる」というイメージは鮮烈で、悲劇的で、忘れられない。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.88
(3pt)

たまに発言される天才の死生観とか仕事観

たまに発言される天才の死生観とか仕事観とかがカッコ良すぎて真似したい。ストーリーそのものはあまり好みではなかったなぁ
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.87
(3pt)

たまに発言される天才の死生観とか仕事観

たまに発言される天才の死生観とか仕事観とかがカッコ良すぎて真似したい。ストーリーそのものはあまり好みではなかったなぁ
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011
No.86
(3pt)

発想★4、キャラ★1〜2

発想が奇抜なので、展開知りたさでグイグイ読めてしまいます。IT系の用語が多いのでとっつきづらさはあるかもしれませんが、専門知識がないと理解できないトリックではないです。発想が面白いだけに、キャラの陳腐さが鼻についてしまう印象でした…。

天才キャラの言動が天才と思えない
→現実の天才とは案外そういうものかもしれませんが、フィクションにそのリアリティを求める読者は多くないのでは

主人公が謎にモテる
→シリーズ4作目らしいので、本作で描かれていない魅力もあるのでしょうが、ほぼ初対面の女性にも好意を寄せられてる意味がわかりませんでした。

状況に対する言動が不自然
→主要キャラふくめ、天才の考えることだから…みんな内なる別人格を持ってるから…という無理矢理感を感じました。
予想を裏切る展開ですが、そんなオリジナリティありまくりの動機じゃ予想しようがないよな…みたいな肩透かし感がありました。

なんというか、各キャラの個性が、物語に深みや味わいを与える役割を果たしていないように感じました。いっそ中途半端なロマンスは全て削って、読者をトリックに集中させたほうがコアなファンを得られたのでは。
よくも悪くもお茶の間向けドラマ向けだと思いました。個人的に、魅力を感じるキャラが本作ではいなかったため、次回作を読むか検討中です。

ボロクソ書いてしまいましたが発想は面白いです。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011
No.85
(3pt)

発想★4、キャラ★1〜2

発想が奇抜なので、展開知りたさでグイグイ読めてしまいます。IT系の用語が多いのでとっつきづらさはあるかもしれませんが、専門知識がないと理解できないトリックではないです。発想が面白いだけに、キャラの陳腐さが鼻についてしまう印象でした…。

天才キャラの言動が天才と思えない
→現実の天才とは案外そういうものかもしれませんが、フィクションにそのリアリティを求める読者は多くないのでは

主人公が謎にモテる
→シリーズ4作目らしいので、本作で描かれていない魅力もあるのでしょうが、ほぼ初対面の女性にも好意を寄せられてる意味がわかりませんでした。

状況に対する言動が不自然
→主要キャラふくめ、天才の考えることだから…みんな内なる別人格を持ってるから…という無理矢理感を感じました。
予想を裏切る展開ですが、そんなオリジナリティありまくりの動機じゃ予想しようがないよな…みたいな肩透かし感がありました。

なんというか、各キャラの個性が、物語に深みや味わいを与える役割を果たしていないように感じました。いっそ中途半端なロマンスは全て削って、読者をトリックに集中させたほうがコアなファンを得られたのでは。
よくも悪くもお茶の間向けドラマ向けだと思いました。個人的に、魅力を感じるキャラが本作ではいなかったため、次回作を読むか検討中です。

ボロクソ書いてしまいましたが発想は面白いです。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.84
(3pt)

感想

中々面白かったと思うが、突っ込みどころは満載かな。
通信やプログラムの仕事をしている人などが読むと・・・・
1995年頃の設定でコンピュータ、ネットワーク、生体認証、音声認識、AI、VRがそれなりに発達しているのに、携帯電話が出てこないというのには非常に違和感がある。もっとも、携帯が出た時点でストーリが破綻してしまうので出せないのだが・・・・
あと、プログラムのトリックもかなり稚拙。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.83
(3pt)

感想

中々面白かったと思うが、突っ込みどころは満載かな。
通信やプログラムの仕事をしている人などが読むと・・・・
1995年頃の設定でコンピュータ、ネットワーク、生体認証、音声認識、AI、VRがそれなりに発達しているのに、携帯電話が出てこないというのには非常に違和感がある。もっとも、携帯が出た時点でストーリが破綻してしまうので出せないのだが・・・・
あと、プログラムのトリックもかなり稚拙。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011
No.82
(3pt)

探偵、助手、IQの高い天才イカレ犯罪者、密室。紛れもない王道ミステリ

この作品の冒頭に書かれているのは、ある女性との面会シーンである。しかも、相手はただの女性ではない。
子どもの時から、コンピュータ科学の頂点に立つ、天才プログラマーであり
そして十四歳のときに両親を殺害し、それ以降、孤島の研究所の一室で、完全に世間から
隔離された生活を送ってきた女性、真賀田四季との、モニターを通しての面会である。

面会を許された女性は西之園萌絵。その親族が、それぞれの分野で地位と富の頂点にいる、名門のお嬢様であり
驚異的な頭の回転と判断力を持つ、いわば真のエリートであり、天才女子大生でもある。
この2人の天才による静かな心理戦から、物語ははじまる。

「165に3367をかけると、いくつかしら?」女は突然質問する。
「55万……、5555です。5が六つですね」萌絵はすぐ答えた。
それから少し驚く。「どうして、そんな計算を?」「貴方を試したのよ。計算のできる方だと思ったから……」

この尋常でない会話の内容からも、今後展開されるであろう、物語への期待が否応なしに高まってくる、というものである。そして、物語のほうも、その期待に見事なまでに応えてくれる。

面会からしばらくして、大学助教授とともに、ゼミ合宿と称して
その孤島のキャンプ場にやってきた萌絵は、犀川をつれて、やや強引に研究所に押しかけるのだが
そこで彼女たちが見たものは、完全な密室であるはずの、真賀田女史の部屋から現われた
両手足を切断され、ウェディングドレスを身にまとった、真賀田四季、本人の死体だった……。

密室殺人、狂的とも言える天才の存在、不可解な殺人事件の謎を解く探偵役。
ミステリーの要素がてんこ盛りと言える。ありきたりな推理サスペンスに思えるが
巧みに作られた本書は、それぞれの要素を極限まで上質なものに磨き上げられて
どのミステリーよりも、魅力的なものに仕上げることに成功している。

外からは絶対に出られない、荷物も完全にチェックされる。
電話や手紙はおろか、ネットワークからもつながることのできない。
しかも、最新のセキュリティーシステムをもつ、研究所のなかにある、完璧な密室。

このクローズド・サークルとしては、最高の舞台を用意したうえで
ときに厭世的にすら思われるほどの、冷静な思考を持ち、自分もふくめたすべてを
客観的に見据える犀川と、理知的で洞察力にも優れ、ときに大胆に行動をおこすこともできる萌絵という
最高のコンビを登場させ、これまでにない天才である真賀田四季の殺人の真相に迫らせる本書は
あるいはこれ以上はない、というくらいに贅沢なミステリーなのかもしれない。

もちろん、謎の真相も驚異的なものであることを保証しておこう。充分に驚いてもらいたい。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.81
(3pt)

探偵、助手、IQの高い天才イカレ犯罪者、密室。紛れもない王道ミステリ

この作品の冒頭に書かれているのは、ある女性との面会シーンである。しかも、相手はただの女性ではない。
子どもの時から、コンピュータ科学の頂点に立つ、天才プログラマーであり
そして十四歳のときに両親を殺害し、それ以降、孤島の研究所の一室で、完全に世間から
隔離された生活を送ってきた女性、真賀田四季との、モニターを通しての面会である。

面会を許された女性は西之園萌絵。その親族が、それぞれの分野で地位と富の頂点にいる、名門のお嬢様であり
驚異的な頭の回転と判断力を持つ、いわば真のエリートであり、天才女子大生でもある。
この2人の天才による静かな心理戦から、物語ははじまる。

「165に3367をかけると、いくつかしら?」女は突然質問する。
「55万……、5555です。5が六つですね」萌絵はすぐ答えた。
それから少し驚く。「どうして、そんな計算を?」「貴方を試したのよ。計算のできる方だと思ったから……」

この尋常でない会話の内容からも、今後展開されるであろう、物語への期待が否応なしに高まってくる、というものである。そして、物語のほうも、その期待に見事なまでに応えてくれる。

面会からしばらくして、大学助教授とともに、ゼミ合宿と称して
その孤島のキャンプ場にやってきた萌絵は、犀川をつれて、やや強引に研究所に押しかけるのだが
そこで彼女たちが見たものは、完全な密室であるはずの、真賀田女史の部屋から現われた
両手足を切断され、ウェディングドレスを身にまとった、真賀田四季、本人の死体だった……。

密室殺人、狂的とも言える天才の存在、不可解な殺人事件の謎を解く探偵役。
ミステリーの要素がてんこ盛りと言える。ありきたりな推理サスペンスに思えるが
巧みに作られた本書は、それぞれの要素を極限まで上質なものに磨き上げられて
どのミステリーよりも、魅力的なものに仕上げることに成功している。

外からは絶対に出られない、荷物も完全にチェックされる。
電話や手紙はおろか、ネットワークからもつながることのできない。
しかも、最新のセキュリティーシステムをもつ、研究所のなかにある、完璧な密室。

このクローズド・サークルとしては、最高の舞台を用意したうえで
ときに厭世的にすら思われるほどの、冷静な思考を持ち、自分もふくめたすべてを
客観的に見据える犀川と、理知的で洞察力にも優れ、ときに大胆に行動をおこすこともできる萌絵という
最高のコンビを登場させ、これまでにない天才である真賀田四季の殺人の真相に迫らせる本書は
あるいはこれ以上はない、というくらいに贅沢なミステリーなのかもしれない。

もちろん、謎の真相も驚異的なものであることを保証しておこう。充分に驚いてもらいたい。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011
No.80
(3pt)

探偵、助手、IQの高い天才イカレ犯罪者、密室。紛れもない王道ミステリ

この作品の冒頭に書かれているのは、ある女性との面会シーンである。しかも、相手はただの女性ではない。
子どもの時から、コンピュータ科学の頂点に立つ、天才プログラマーであり
そして十四歳のときに両親を殺害し、それ以降、孤島の研究所の一室で、完全に世間から
隔離された生活を送ってきた女性、真賀田四季との、モニターを通しての面会である。

面会を許された女性は西之園萌絵。その親族が、それぞれの分野で地位と富の頂点にいる、名門のお嬢様であり
驚異的な頭の回転と判断力を持つ、いわば真のエリートであり、天才女子大生でもある。
この2人の天才による静かな心理戦から、物語ははじまる。

「165に3367をかけると、いくつかしら?」女は突然質問する。
「55万……、5555です。5が六つですね」萌絵はすぐ答えた。
それから少し驚く。「どうして、そんな計算を?」「貴方を試したのよ。計算のできる方だと思ったから……」

この尋常でない会話の内容からも、今後展開されるであろう、物語への期待が否応なしに高まってくる、というものである。そして、物語のほうも、その期待に見事なまでに応えてくれる。

面会からしばらくして、大学助教授とともに、ゼミ合宿と称して
その孤島のキャンプ場にやってきた萌絵は、犀川をつれて、やや強引に研究所に押しかけるのだが
そこで彼女たちが見たものは、完全な密室であるはずの、真賀田女史の部屋から現われた
両手足を切断され、ウェディングドレスを身にまとった、真賀田四季、本人の死体だった……。

密室殺人、狂的とも言える天才の存在、不可解な殺人事件の謎を解く探偵役。
ミステリーの要素がてんこ盛りと言える。ありきたりな推理サスペンスに思えるが
巧みに作られた本書は、それぞれの要素を極限まで上質なものに磨き上げられて
どのミステリーよりも、魅力的なものに仕上げることに成功している。

外からは絶対に出られない、荷物も完全にチェックされる。
電話や手紙はおろか、ネットワークからもつながることのできない。
しかも、最新のセキュリティーシステムをもつ、研究所のなかにある、完璧な密室。

このクローズド・サークルとしては、最高の舞台を用意したうえで
ときに厭世的にすら思われるほどの、冷静な思考を持ち、自分もふくめたすべてを
客観的に見据える犀川と、理知的で洞察力にも優れ、ときに大胆に行動をおこすこともできる萌絵という
最高のコンビを登場させ、これまでにない天才である真賀田四季の殺人の真相に迫らせる本書は
あるいはこれ以上はない、というくらいに贅沢なミステリーなのかもしれない。

もちろん、謎の真相も驚異的なものであることを保証しておこう。充分に驚いてもらいたい。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.79
(3pt)

探偵、助手、IQの高い天才イカレ犯罪者、密室。紛れもない王道ミステリ

この作品の冒頭に書かれているのは、ある女性との面会シーンである。しかも、相手はただの女性ではない。
子どもの時から、コンピュータ科学の頂点に立つ、天才プログラマーであり
そして十四歳のときに両親を殺害し、それ以降、孤島の研究所の一室で、完全に世間から
隔離された生活を送ってきた女性、真賀田四季との、モニターを通しての面会である。

面会を許された女性は西之園萌絵。その親族が、それぞれの分野で地位と富の頂点にいる、名門のお嬢様であり
驚異的な頭の回転と判断力を持つ、いわば真のエリートであり、天才女子大生でもある。
この2人の天才による静かな心理戦から、物語ははじまる。

「165に3367をかけると、いくつかしら?」女は突然質問する。
「55万……、5555です。5が六つですね」萌絵はすぐ答えた。
それから少し驚く。「どうして、そんな計算を?」「貴方を試したのよ。計算のできる方だと思ったから……」

この尋常でない会話の内容からも、今後展開されるであろう、物語への期待が否応なしに高まってくる、というものである。そして、物語のほうも、その期待に見事なまでに応えてくれる。

面会からしばらくして、大学助教授とともに、ゼミ合宿と称して
その孤島のキャンプ場にやってきた萌絵は、犀川をつれて、やや強引に研究所に押しかけるのだが
そこで彼女たちが見たものは、完全な密室であるはずの、真賀田女史の部屋から現われた
両手足を切断され、ウェディングドレスを身にまとった、真賀田四季、本人の死体だった……。

密室殺人、狂的とも言える天才の存在、不可解な殺人事件の謎を解く探偵役。
ミステリーの要素がてんこ盛りと言える。ありきたりな推理サスペンスに思えるが
巧みに作られた本書は、それぞれの要素を極限まで上質なものに磨き上げられて
どのミステリーよりも、魅力的なものに仕上げることに成功している。

外からは絶対に出られない、荷物も完全にチェックされる。
電話や手紙はおろか、ネットワークからもつながることのできない。
しかも、最新のセキュリティーシステムをもつ、研究所のなかにある、完璧な密室。

このクローズド・サークルとしては、最高の舞台を用意したうえで
ときに厭世的にすら思われるほどの、冷静な思考を持ち、自分もふくめたすべてを
客観的に見据える犀川と、理知的で洞察力にも優れ、ときに大胆に行動をおこすこともできる萌絵という
最高のコンビを登場させ、これまでにない天才である真賀田四季の殺人の真相に迫らせる本書は
あるいはこれ以上はない、というくらいに贅沢なミステリーなのかもしれない。

もちろん、謎の真相も驚異的なものであることを保証しておこう。充分に驚いてもらいたい。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011
No.78
(3pt)

孤島、クローズド・サークル状態で、さらに密室殺人事件

・孤島で、クローズドサークル状態での、さらに密室殺人で、ミステリーとして面白い方でした。また、死体の登場の仕方が無残で異様すぎです!「決して一人では読まないでください」w
クローズド・サークルものの多くは計画殺人と言われています。この作品も、一応、計画殺人でした。

・登場人物が多いので、紙に書き写して、それを見ながら読みました。
坂口安吾の「不連続殺人事件」の方が登場人物が多いです。それは、大勢の登場人物の複雑な人間関係で煙をまき、トリックを目立たなくする意図があるかのようでした。しかし、こちらの作品は、必要だから多いといえます。

・N大学工学部助教授の犀川創平が探偵役で、同1年生の西之園萌絵がワトソン役です。犀川創平の方はそうでもありませんが、西之園萌絵のキャラは面白い方です。(悪いけど本家のワトソンより面白いかも。まあ、探偵役は理屈っぽいことばっかり言うので、案外、ワトソン役が面白ければ、それでいいのかも知れません)

以下、ネタバレあり

・登場人物一覧に出ていない人物が、とても重要な位置づけでした。それは意外性はありました。しかし、登場人物一覧に出ていないので、本当は、フェアとは言えないと思います。

・ミステリーなので、姉と妹の場合、入れ替えは想定されます(読みながら「姉と妹、入れ替わっているのでは?」と考えました)ので、真犯人の意外性はありません。(特に、バラバラとか首無し死体の場合、人の入れ替えは全然珍しくないです。この作品は首無しではありませんが)

・研究所所長の新藤清二が、犯人にナイフを首に刺され、絶命寸前まで、犯人をかばうのは全くありえません。したがって、このトリックは成り立ちません。

雑感
・捜査員が100名とありますが、リアルでも殺人事件の捜査本部の人員の相場といえば相場でしょう。小説でも文章で書くだけだから、多い方が私はいいと思います。
(某人気作家の代表作の一つで、殺人事件なのに、事件を捜査している人員の数が、たった2名というのがあります。それよりはいいです)
・章のタイトルに色の名前を付けているのは、珍しくてシャレています。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.77
(3pt)

孤島、クローズド・サークル状態で、さらに密室殺人事件

・孤島で、クローズドサークル状態での、さらに密室殺人で、ミステリーとして面白い方でした。また、死体の登場の仕方が無残で異様すぎです!「決して一人では読まないでください」w
クローズド・サークルものの多くは計画殺人と言われています。この作品も、一応、計画殺人でした。

・登場人物が多いので、紙に書き写して、それを見ながら読みました。
坂口安吾の「不連続殺人事件」の方が登場人物が多いです。それは、大勢の登場人物の複雑な人間関係で煙をまき、トリックを目立たなくする意図があるかのようでした。しかし、こちらの作品は、必要だから多いといえます。

・N大学工学部助教授の犀川創平が探偵役で、同1年生の西之園萌絵がワトソン役です。犀川創平の方はそうでもありませんが、西之園萌絵のキャラは面白い方です。(悪いけど本家のワトソンより面白いかも。まあ、探偵役は理屈っぽいことばっかり言うので、案外、ワトソン役が面白ければ、それでいいのかも知れません)

以下、ネタバレあり

・登場人物一覧に出ていない人物が、とても重要な位置づけでした。それは意外性はありました。しかし、登場人物一覧に出ていないので、本当は、フェアとは言えないと思います。

・ミステリーなので、姉と妹の場合、入れ替えは想定されます(読みながら「姉と妹、入れ替わっているのでは?」と考えました)ので、真犯人の意外性はありません。(特に、バラバラとか首無し死体の場合、人の入れ替えは全然珍しくないです。この作品は首無しではありませんが)

・研究所所長の新藤清二が、犯人にナイフを首に刺され、絶命寸前まで、犯人をかばうのは全くありえません。したがって、このトリックは成り立ちません。

雑感
・捜査員が100名とありますが、リアルでも殺人事件の捜査本部の人員の相場といえば相場でしょう。小説でも文章で書くだけだから、多い方が私はいいと思います。
(某人気作家の代表作の一つで、殺人事件なのに、事件を捜査している人員の数が、たった2名というのがあります。それよりはいいです)
・章のタイトルに色の名前を付けているのは、珍しくてシャレています。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011
No.76
(3pt)

主人公の、無駄な事や怠惰である事に対し肯定的なスタンスが、ロックな感じがして良かった

基本ネタバレしないように配慮してますが、ラストのある場面に感じた疑問を最期に書いてますので、
些細な懸念も払拭したい未読の方は、
本編読了前には本稿を読まない方がいいかもしれません。

昔DPSで20数年前、同名タイトルのゲーム版の記事が載ってて、
刃物持ち、纏った白衣を返り血に染めて驚愕の表情浮かべた美少女が、
男に腕つかまれてる感じのイラストが併載されてて、インパクト大。
でも本編読んでみたら、意外とハッタリ先行気味?
真犯人の行動の短絡性と動機・手段に内包してる矛盾(真犯人が本当にアレなら、目的を考慮してももっとスマートに殺人等せず目的を果たせたはず)、
全体にただよう冗長さ等がいまいち。
一部キャラの名前が変に凝ってて覚えにくかったり、
一部のカタカナ言葉の最後の伸ばす音が省略(クーラーがクーラ、とか。単に作者がDB好きなのかも)なのも気取ってる感じ。
その一方で、浮き世離れしたフィクションならではの面白舞台設定や、
どっちかというと文系の自分には新鮮な理数系雑学は良かった。
たまに主人公や真犯人の主張のいくつかに、すごく共感できる箇所もちらほら。
総じて普通くらいです。
ただ最期ラスボスを取り囲んだ男達の正体は結局なんだったんでしょう?
ラスボスが、主人公が警察の現状況を知る事を見越して、
彼をからかうために雇ったバイト?
あるいは自分からこっそり連絡してた?
謎です。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.75
(3pt)

主人公の、無駄な事や怠惰である事に対し肯定的なスタンスが、ロックな感じがして良かった

基本ネタバレしないように配慮してますが、ラストのある場面に感じた疑問を最期に書いてますので、
些細な懸念も払拭したい未読の方は、
本編読了前には本稿を読まない方がいいかもしれません。

昔DPSで20数年前、同名タイトルのゲーム版の記事が載ってて、
刃物持ち、纏った白衣を返り血に染めて驚愕の表情浮かべた美少女が、
男に腕つかまれてる感じのイラストが併載されてて、インパクト大。
でも本編読んでみたら、意外とハッタリ先行気味?
真犯人の行動の短絡性と動機・手段に内包してる矛盾(真犯人が本当にアレなら、目的を考慮してももっとスマートに殺人等せず目的を果たせたはず)、
全体にただよう冗長さ等がいまいち。
一部キャラの名前が変に凝ってて覚えにくかったり、
一部のカタカナ言葉の最後の伸ばす音が省略(クーラーがクーラ、とか。単に作者がDB好きなのかも)なのも気取ってる感じ。
その一方で、浮き世離れしたフィクションならではの面白舞台設定や、
どっちかというと文系の自分には新鮮な理数系雑学は良かった。
たまに主人公や真犯人の主張のいくつかに、すごく共感できる箇所もちらほら。
総じて普通くらいです。
ただ最期ラスボスを取り囲んだ男達の正体は結局なんだったんでしょう?
ラスボスが、主人公が警察の現状況を知る事を見越して、
彼をからかうために雇ったバイト?
あるいは自分からこっそり連絡してた?
謎です。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011
No.74
(3pt)

テクニカルな感は否めない

哲学的というか数学的というか、もしくは禅問答的というか、前半部分は好みによるでしょうね。伏線を敷いているようでもあって少しテクニカルな感は否めない。

ただ、出版年を考えると技術的な描写は当たらずとも遠からず。レベルが高い。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.73
(3pt)

テクニカルな感は否めない

哲学的というか数学的というか、もしくは禅問答的というか、前半部分は好みによるでしょうね。伏線を敷いているようでもあって少しテクニカルな感は否めない。

ただ、出版年を考えると技術的な描写は当たらずとも遠からず。レベルが高い。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011