すべてがFになる

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すべてがFになるの評価:

3.53/5点 レビュー 372件。 A ランク

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平均点3.53pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全339件 281〜300 15/17ページ
No.59
(4pt)

「密室」の森博嗣

有栖川有栖氏をして
 「あんなことがトリックに使えるとは。自分なら冗談にしかできなかった」
と、言わしめた森博嗣氏衝撃のデビュー作。
「数字の中で7だけが孤独」であるという謎めいた仄めかしから始まり、
「すべてがFになる」というメッセージに向けて収束していくスマートな構成、
そこに低体温で、ややシニカルな犀川創平のキャラの魅力が相まって、
多くの読者を獲得しました。
その一方で、森氏の作品はともすると〈理系〉というレッテルや
「キャラ小説」としての側面ばかりが語られがちなのですが、
決して従来のミステリの文法が無視されているわけではありません。
本作から始まる〈S&M〉シリーズでは、あくまでトリックを中心とした
本格ミステリの体裁がとられ、テーマとしては一貫して〈密室〉が扱われています。
〈密室〉とは、いわば近代的自我の内面の表象であり、
ミステリでは、その特権的で不可侵であるべき空間が
犯人と探偵によって解体されていく様が描かれます。
森氏は、そこにバーチャル・リアリティの概念を導入することで、
肉体と精神の関係性や人間にとって「内」と「外」とは何かについて、
あくまでミステリの方法論に則った思考実験を積み重ねていくのです。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011
No.58
(5pt)

「密室」の行者

有栖川有栖氏をして
 「あんなことがトリックに使えるとは。自分なら冗談にしかできなかった」
と、言わしめた森博嗣氏衝撃のデビュー作。
「数字の中で7だけが孤独」であるという謎めいた仄めかしから始まり、
「すべてがFになる」というメッセージに向けて収束していくスマートな構成、
そこに低体温で、ややシニカルな犀川創平のキャラの魅力が相まって、
多くの読者を獲得しました。
その一方で、森氏の作品はともすると〈理系〉というレッテルや
「キャラ小説」としての側面ばかりが語られがちなのですが、
決して従来のミステリの文法が無視されているわけではありません。
本作から始まる〈S&M〉シリーズでは、あくまでトリックを中心とした
本格ミステリの体裁がとられ、テーマとしては一貫して〈密室〉が扱われています。
〈密室〉とは、いわば近代的自我の内面の表象であり、
ミステリでは、その特権的で不可侵であるべき空間が
犯人と探偵によって解体されていく様が描かれます。
森氏は、そこにバーチャル・リアリティの概念を導入することで、
肉体と精神の関係性や人間にとって「内」と「外」とは何かについて、
あくまでミステリの方法論に則った思考実験を積み重ねていくのです。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.57
(4pt)

すかっと読めます

第一回メフィスト賞受賞作。というか、この作品を世に出すためにメフィスト賞が作られたとも言われている。
期待を裏切らない、よくできた作品だと思う。一日で一気に読んだ。
森博嗣は某国立大学工学部助教授(当時)。「よくできた作品」というのは、「よくできた文学作品」というよりは、「よくできた Engineering Work」という感じ。どろどろしたところがなく、スカッと読める。それは例えば、中上健次とか、フォークナーとか、三島由紀夫とかとは正反対の読後感である。同じ推理小説で比べても、例えばポーともぜんぜん違う。別の言い方をすると、伝統的な小説を書くには、(推理小説を含めて) Inspiration が重要だったんだけれども、最近では Engineering が重要なのかもしれない。
ぼくは推理小説の熱心な読者ではないので漠然とした感触でしかないんだけれども、推理小説の結構を支える主要因は、この100年で、犯罪の動機の分析から、犯罪の工学的な実行可能性の分析に移行しているように思う。要するに、動機が軽視されているということである。すごーーく単純化していうと、100年前には、人間はある程度合理的動機を持って行動するものであるという信仰が広く浸透しており、その信仰が(推理)小説の骨組みとなっていたわけであるが、例えばナチスの犯罪とか、日本だとオウムとかそういう現象を経験してきた現代人には、「合理的動機」なんてものが軽薄な概念に思えるのかもしれない。
ちょっと思ったことを書いたけど、まあ別にそんなことを考えなくても素直に楽しめる一冊です。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.56
(5pt)

読み返してみた。改めて天才の凄さが分かった!森博嗣も真賀田四季も天才!

 もう4年以上前に本書を読んだ。その時もあまりのインパクトと読みやすさで、一気に後の森博嗣氏の作品を読み漁ったが、最近改めて読み返してみた。
 やはり・・・凄すぎる。4年以上も経っているから詳細は覚えていなかった。一部覚えている部分もあったが、2週目の読書で新たな点がたくさん発見できて凄く新鮮だった。
 結果、かつて読んだとき以上に森博嗣作品が好きになってしまった。
 【理系ミステリー】なんて言われているが、内容に理系的な部分があるだけで文章としては非常に読みやすい。自身を持ってオススメできる作品。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.55
(5pt)

すばらしすぎる

感動ですねこの本は。
ミステリーの真髄とも呼ぶべきではないでしょうか。
この研究所で基本となるのが「レッドマジック」と呼ばれるソフトです。
密室モノだったらハード系が普通なんですけど、このレッドマジックによってソフト系の密室を作り上げちゃってます。
これはもう森博嗣にしかできないと思います。
あと出てくるのが、15冊目までしかない本など研究所の数々の謎。
ミステリー好きには堪らない本だと思います。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011
No.54
(5pt)

貴方はどっち?

森博嗣の作品は好き嫌いが別れやすい。
それは皆さんのレビューからも良く分かる。
「説明不足」
「感情移入できない」
など、批判意見も頷けるものばかりだ。
しかし、どうだろう・・・一度で良い。
広い心で、どっしりと構えて、何度も西野園萌絵にイラっとしながらも(笑)
この作品を読んでみてくれないだろうか?
とことんはまるか、とことん嫌悪するか
貴方はどちらだろう?
私は前者だった。
そうして貴方がうっかりはまった時には
それ(説明不足・描写の甘さ)自体がクセになっているだろう。
「分からない」という感覚が楽しくて仕方なくなった時、
貴方はもうすっかり
Fの一員だ。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.53
(5pt)

まさに理系ミステリィ!

【概要】
森博嗣先生のデビュー作にして、
犀川創平・西之園萌絵の活躍を描いた「S&Mシリーズ」の第1弾。
孤島のハイテク研究所を舞台に起こる殺人事件に、
犀川・萌絵の師弟(?)コンビが立ち向かう。
【感想】
読んでみた印象を端的に表現するとすれば
「理系」
の一言に尽きる気がします。
″スピーカ″とか″エレベータ″とか…
語尾を延ばさないところからして理系な感じ全開です。
いろんな意味で理系人間の私にはピッタリな本だった気がしてます。
文系の方には「ん?」っていう言葉がちょっと多いかも…
私自身、まさか推理小説で
″命題″・″境界条件″
なんて言葉を目にするとは思いもしませんでしたから…
でも登場人物の相関も面白いですし、何よりトリックには圧巻。
理系の方でなくても十二分に楽しめる内容だと思います。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.52
(4pt)

難解なトリックだった

作品の良し悪しはひとそれぞれなのでおいとくとして。
タイトルの「すべてがFになる」というのは犯人が残したキーワード。で、これがトリックの
鍵になるのだが、種明かしされてもこれが理解できるのは理系の人間、またはプログラマなど
に限られる(かくいう自分もUNIX系のSEだったが、種明かしされるまで全然気づかなかった)。
文庫本でかなりのページ数があるが、途中途中「これって意味あるの?」と疑問を抱くシーン
もいくつかあり、そのうちの半分は意味がなかったように感じた。50ページくらいは省略でき
るのでは?と思っている。でも真賀田博士の様々なエピソードが最後にすべて伏線だったのが
明らかになった場面は結構快感だった。
人物描写については、主人公の犀川は典型的な理系人間で人付き合いが嫌いなタイプ。でも
思考ルーチンはあくまで理知的で交換持てた。
ヒロインの萌絵はまぁ悪くはない。今後の二人の進展はちょっと興味あり。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.51
(5pt)

全ての原点にして出発点

―発端は単純にして明快―
―手順は単調にして繊細―
―動機は短絡にして必然―
犀川助教授と西之園女子、そして天才真賀田四季のこれからの事件の数々の原点にして出発点の事件。客観性を重んじ、人という者に論理を当てはめようと画策している。
日常では決して現れないであろう、天才との会合を、あなたも楽しんでみてはいかがだろうか。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011
No.50
(4pt)

孤独な数字

当初書かれていた作品の時系列ではないので多少違和感があります。シリーズ最初にこの作品を最初に持ってくるようにしたのは正解。冒頭のあのシーンから始まらないならここまでブレイクしなかった筈です。二人の面談シーンが「有限と微笑のパン」までシリーズを牽引。専門用語に違和感があるのかどうかは疎いので不明。違うと萎えてしまう場合と「作品」の範疇である場合があるからです。作者仕様の人物造形と文体にも好き嫌いが分かれます。ごく個人として人物たちは身の回りにいないし想像の範疇にもないので興味深くあり、嘘のようですが「まとも」に見えました。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.49
(5pt)

全シリーズ読んでます!

科学者(某国立大学助教授)である著者が、登場人物たちを通して見せる独特の価値観が面白い!
シリーズ全編に渡る謎の出発点。
まさに「THE PERFECT INSIDER(全てはこの1冊に)」←誤読(笑)
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.48
(4pt)

非常に特殊な作品

この小説は、他の小説とは大分異なるように思えます。
というのも、私がこの作品に見た最大の魅力は、物語そのものではないからです。
正直、トリックには誰の目にも明らかな欠陥がありますし、文書力も極めて低いです。
が、森氏がこの作品を書くにあたって最も表現したかったことは、「天才とは何か」ということにあると思います。
世間一般に考えられている種の「天才」とは一線を隔す、「真の天才」を彼は描こうとした。その体現者として真加田四季という人物を描いた。
私はそう思うのです。
そして、真加田四季は頭が良いから天才、というわけではありません。
森氏の考える「天才」は実に面白い!
この天才像に一度触れてみることは非常に価値のあることだと思います。
この小説を読んだのは大分前ですが、当時の私にとっては「理想の人物像(=真の天才)」はそのまま真加田四季のことでした。
そして今も、わずかに変わってきてはいますが、私の中にある天才像の基礎としてあり続けています。
それだけのインパクトが、真加田四季という人物にはあります。
一読する価値は必ずあります。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011
No.47
(5pt)

食わず嫌いさんにオススメ!

こんなに楽しめるとは思いませんでした。はっきり言って読み終えた今も「F」について説明せよ、と言われたら困るのですが、有無を言わせずページをめくらせてしまうスピード感と斬新で専門的な世界でくりひげられているというのに最後に心に残る哀愁・・・見事だと思いました。私は理系オンチですが十分に堪能できました。是非読んでもらいたい1冊です。オススメ!
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.46
(5pt)

衝撃作

 これは本当に衝撃的だった。綿密に組まれたプロットと、相対する犀川と犯人。 トリックも展開も動機なんかも申し分ない、正真正銘の傑作。 ただ、謎解きのあの車だけは疑問符。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011
No.45
(4pt)

とても読みやすい

比較的長い本ですが一気に読めました。ただ、話が進むにつれて、文章表現が大雑把になっていったような気がします。流れの良さと登場人物の個性の強さが文章の粗っぽさをある程度カバーしていますが、もう少し丁寧さがあればよかったと思います。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.44
(5pt)

何故に四季はSEを使っているのか?

1996年リリース。S&Mシリーズの第一作にして森博嗣のデビュー作。『理系』という新しい分野を持ち込んだ氏の作風はなるほどなかなか斬新でプロットも良く出来ていてなかなかなのだが、一点だけ気に入らないところがある。それはMacフリークからみると本作の設定にはたくさんの矛盾点があるということだ(●^o^●)。まずリリースした1996年においては作中に出てくるSEやPlusは余りに古い。System7がアメリカで登場したのが1991年であるからしてこの段階でSEやPlusはSystem6.0.7までしか事実上受け付けられなかったはずで天才科学者四季のプログラミング技術を持ってしてもデスクトップに燦然と置かれているのは可笑しい、と思うのだが・・・如何だろう。次にウイルスで送信側だけ狙うスクリプトは難しいと出てくるが謎である。送信はSMPT、受信はPOP3とサーバ形態が別々であるからしてターゲットにするのは優しいのではないだろうか。また、ウイルスのターゲットに狙われるMacというのもかなり可笑しく、Disinfectantの時代から極めてウイルスがMacは少なく、その辺も謎だ。おそらく氏は僕と同じくMac好きで分中に登場させたかったのかもしれないがむしろそれが知っているものに物凄く『おかしいなこれ』という気持ちを与えてしまっている気がする。『理系』を売りにするからには『理系』で突っ込まれないことが必須ではと思う。ゲーム化もされ、大ヒット作であるが故にそこが残念だ。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011
No.43
(4pt)

面白かったです。

とっても面白かったです。表現の仕方も物事の捉え方いちいち難しいですが、その難しさを1個1個かみ締めながら、確認しながら読み進めていくときの、あぁそういうことか~という納得が満足感に繋がる感じです。登場人物のキャラも個性溢れて、そのキャラに引っ張られて読み進められるのであっという間に読み終わってしまいました。実は今、S&Mシリーズ最終章10作目を読んでいます。とうとう最後まで読んでしまいました。10作目を読んでいるから最初を思い出して、Fのレビューを書いてみました。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.42
(4pt)

理系向きミステリー

とっても深い謎に包まれたミステリー。理系向きの本だと思いました。すべてがFになるというものがわかったときなるほどー、良く考えられていると思いました。ただ、現実離れした設定と、個性的な主人公の犀川と西之園は好き嫌いが分かれるところではないか。天才プログラマー、真賀田四季の存在感と、犀川の淡々とした思考回路、西之園萌絵の現実離れした感性の印象がとっても心に残る作品でした。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.41
(5pt)

何故に四季はSEを使っているのか?

1996年リリース。S&Mシリーズの第一作にして森博嗣のデビュー作。
『理系』という新しい分野を持ち込んだ氏の作風はなるほどなかなか斬新でプロットも良く出来ていて良いのだが、一点だけ気に入らないところがある。それはMacフリークからみると本作の設定にはたくさんの矛盾点があるということだ。
まずリリースした1996年においては作中に出てくるSEやPlusは余りに古い。System7がアメリカで登場したのが1991年であるからしてこの段階でSEやPlusはSystem6.0.7までしか事実上受け付けられなかったはずで天才科学者四季のプログラミング技術を持ってしてもデスクトップに燦然と置かれているのは可笑しい、と思うのだが・・・如何だろう。
次にウイルスで送信側だけ狙うスクリプトは難しいと出てくるが謎である。送信はSMPT、受信はPOP3とサーバ形態が別々であるからしてターゲットにするのは優しいのではないだろうか。また、ウイルスのターゲットに狙われるMacというのもかなり可笑しく、Disinfectantの時代から極めてウイルスがMacは少なく、その辺も謎だ。おそらく氏は僕と同じくMac好きで文中に登場させたかったのかもしれないがむしろそれが知っているものに物凄く『おかしいなこれ』という気持ちを与えてしまっている気がする。
『理系』を売りにするからには『理系』で突っ込まれないことが必須ではと思う。ゲーム化もされ、大ヒット作であるが故にそこが残念だ。
すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)より
4062639246
No.40
(5pt)

衝撃。

森博嗣先生のデビュー作であり、「S&Mシリーズ」の第1作目。他のレビュアーの方も書いていらっしゃいますが、実は書いた順だと4作目あたりなのだとか。聞いた話ですが、この作品が発表された時、「人物造形にリアリティがない」といったような、十年一日の如き批判が出たそうです。但しこれ、かつて「新本格」とか、その少し前のいわゆる社会派全盛の頃に本格物に対してなされた例とは少し違って、批判をした人の視界に、理系の人の事が入ってなかったんじゃないか、なんて思ってしまいました。ま、文系、理系という類別も乱暴なんですが。なんて言いながら、かくいう私もバリバリの文系人間なのですが、凄く魅力的なキャラクターが一杯に文章から浮かび上がってきましたが。余談ですが、かの名作、島田荘司『占星術殺人事件』が世に出たときにも、「人間が描けていない」という批判があったそうです。今思えば片腹痛い、という気がしますが。はい。この、冷たい金属の箱で覆われたような怜悧な視線と、人間の温かみが同居するその世界観こそ、初めて森作品に接する方に感じて欲しいポイントです、個人的には。ミステリは騙されるから面白い。クールなコミックの如き破壊力をご堪能あれ。
すべてがFになる (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: すべてがFになる (講談社ノベルス)より
4061819011