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虚ろ舟 泣きの銀次 参之章
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虚ろ舟 泣きの銀次 参之章の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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銀次は江戸橋の本船町で小間物屋「坂本屋」を営む傍ら北町奉行所の臨時廻り同心の表勘兵衛の小者として仕えていた。長女の祝言の日、披露宴の最中も仕事熱心な勘兵衛と銀次は人形屋の「みや田」の三歳の倅が庭の池にはまって溺れ死んだ件に不審を抱き話に熱が入る。翌朝昨夜はあまり眠れないまま暗いうちに起き店の前の掃除をしていたら、だわだわと重い響きをさせて鈍いみかん色に瞬く空を飛ぶ乗り物が銀次の頭上を通り過ぎた。暫らく呆けたように佇んでいた銀次、夢か幻かと自分を疑い何事もなかったように取り調べに行くと「みや田」の後妻に疑惑が。そののち銀次が見た謎の空飛ぶ乗り物が読売の紙面を賑わせ、奉行所のお調べで勘兵衛から依頼が。読売の「はやり屋」を訊き込んでいくうち店の若い者達の世話を焼く事に。しかしその内の一人が自殺に見せて殺されているのが見つかり・・・。次女のお次が恋仲の絵描きの和平となかなか添えない事に銀次が和平に意見したが埒が明かず、「しばらく家に来ねえように」と言ったことから和平がお抱え藩邸を出て行く方知れずに。そして若い娘をつけ回し危害を加えるという事件が多発し、また、一方で勘兵衛が卒中で倒れたとの知らせが。気の休まる時のない銀次。 | ||||
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大店の息子でありながら勘当された者たち。彼らは読売り(瓦版)で生計をたてていたのだが、 銀次の口利きで何人かが家に帰ることを決心した。だが、思いがけない悲劇が起こる。彼らを 待たせすぎたことが原因だと、銀次は後悔するが・・・。泣きの銀次シリーズ3。 親子、兄弟、男と女。人と人との関わり方はいろいろあるが、そこには楽しいことばかりが あるわけではない。悲しみや苦しみに満ちているときもある。厳しい現実、そして人生。 それに立ち向かうだけの勇気や度胸があるのか?いや、勇気や度胸を持たなければならない のだ。そうしなければ、おのれでおのれを潰してしまうかもしれない・・・。銀次の娘お次も、 それを強く感じただろう。このシリーズ3では、シリーズ2からさらに年月がたっている。 銀次も50歳になろうとしている。けれど、人生の悲哀はいつの世も無くなることはない。 岡っ引きとして、夫として、そして父親として、銀次は泣く。その人間味あふれる姿は、読み手の 心を強く揺さぶる。銀次には、これからもまだまだ活躍してほしい。余韻が残る、しっとりとした 味わいのある作品だった。 | ||||
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