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屋根裏博物館の事件簿
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屋根裏博物館の事件簿の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点1.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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最近民俗学を扱ったラノベが流行っているようですが、作品の質は玉石混淆ならぬ玉石石混淆。で、この作品は石。 時は昭和30年代。渋沢敬三が設立した日本常民文化研究所のスタッフ田中あづみは御茶ノ水女子大付属高校生。頭脳明晰なあまり人付き合い下手という設定ですが、読んでみると生意気で視野の狭いただのコミュ障。 持ち込まれる日本各地の民具の民俗学的背景を、(ネタバレになりますが)あづみにサイコメトリー能力が突如発動し解き明かすというオチ。謎解きのすべてが超常能力頼みじゃミステリにならないでしょう! フィールドワークにあちこち出向くのですが、研究所関係者の価値観が21世紀で会話やストーリー運びにものすごい違和感。 実際に研究所に関わった網野善彦先生が登場しますが、網野氏の作中台詞と私が読んだり聴講したことのある網野先生の著作や講義の雰囲気とはまるで別人。 網野先生に親しくしてもらっているのに、あづみが中等教育、高等教育をバカにしているのは彼女の頭が悪い証拠。 柳田國男の名は登場しますが、分野は違えどフィールドワークに基づく研究をした金田一京介、金田一春彦、渋沢敬三の本家筋の澁澤龍彦、網野先生のほぼ同時代にあたる民俗学者宮田登、福田アジオの名前が全くでない。 ググったネタにミステリチックな味付けをしたかったのかもしれませんが、その前にちゃんと勉強して! 中央公論社からこんな低レベルの本が出るとは思わなかった。 本作を通して農村の貧困が扱われていますが非常に薄っぺらです。これに関しては岩波新書の『ものいわぬ農民』が名著だと思います。 | ||||
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