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烏に単は似合わない



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烏に単は似合わないの評価: 3.04/5点 レビュー 297件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.04pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全297件 181~200 10/15ページ
No.117:
(1pt)

これを他の作品と並び称すのは止めて貰いたい。

十二国記に匹敵するハイファンタジーという言葉に完全に騙されました。オメデタイ評価ですね。言ったもん勝ちなのでしょうか。それにしたって、ファンタジーファンもミステリファンもなめてますね。

とにかく、全体通して話が薄っぺらい。宮廷の后候補争い的な時代小説にしても、ミステリーにしても、ファンタジーにしても中途半端。書きたいことが多いのはわかるけど、どれか一本に絞るくらいでないと書く技量が追い付かないのでは…?文章も無駄が多く、読んでいて目が滑りました。

じゃあキャラクター小説として…と言うにはあまりにもどのキャラにも感情移入できない。視点がコロコロ変わる后候補たちも勿論ですが、他の方も書かれていますが、最重要人物であろう若宮が酷い。
確かにいきなり最後に傍若無人な探偵が出てきて謎解きする作品もあります。でもそれは少なくとも探偵役のキャラクターの人となりくらいはわかった上での話。全くなんのイメージもできてない奴がいきなり出て来て、自分は全部知っている!的な糾弾始めても、なんなのこの人…という気持ちしかない。自分のしたいようにしてるという意味では物凄く権力者らしいのかもしれないですが。
このどんでん返しは読者を置き去りにしてまで書かなきゃいけなかったことかなぁと首をかしげてしまいました。続編もこの調子で続くならもうお腹いっぱいかな。

そもそも、二巻からが面白いという意見は一巻を読んでなお、二巻まで読もうと思ったある意味ファンの方の意見な訳で、一巻が合わなかったら二巻も買わないんじゃないかと思います。それくらい、一巻の時点で好みが別れる作品です。
烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)より
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No.116:
(2pt)

うーん

終盤に全く姿を現さなかった若宮が登場してからが、あまりに唐突で、糾弾されている姫も、その腹黒さなど今思えばあちらこちらに‥など一切なく全く共感できませんでした。終わり方があまりに独りよがり
烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)より
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No.115:
(5pt)

平安ファンタジーもの と期待したまま読み続けると低評価に

個人的な感想ですが、情景描写が巧みにも拘らず読みやすい文章なのがいいです。(特に第一章が情景描写が多いので、冒頭から世界に引き込まれていきます)
キャラクターに感情移入できないとレビューされている方が結構いらっしゃいますが、私は4人の姫たちそれぞれに感情移入でき、胸がつらくなったり軽くなったり、明るくなったりとしました。
物語は後半につれてどんどん加速していき手に汗握る展開に。
最終的にこの小説はミステリーものになるので、精霊の守り人や十二国記のようなものを期待したまま読み通すと好きになれないと思います。
ただ、ジャンルを考えずに読めば傑作とよべるような小説と感じるのではないでしょうか。
烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)より
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No.114:
(1pt)

期待外れ

期待外れでした。 どこか神秘と歴史を感じて読んだけど、ストーリーに一貫性が感じられない。その場しのぎで取って付けた内容に読後に非常に疲れた。
烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)より
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No.113:
(1pt)

読了後のもやもや

ネタバレです。
勝手なことなのですが、私は主人公がどのような結末を迎えるか楽しみにしながら読んでいたのに、中盤置いてけぼり、最後に至っては…とにかく、読了後のもやもやが半端ないです。
以前から時々本屋で見かけていてとても読みたくて、今回Kindle衝動買いしてしまったのですが、二度と読むことはないでしょう。不愉快でした。あせびを悪者にするのであれば、もっと説得力を持たせて欲しかったです。伏線と言われればそれまでですが、若宮の推理シーンではじめてこの女悪いやつだろ!っと一方的に叩きつけられただけなので、カタルシスもクソもありませんでした。
小説は、何度も何度も読み返すたちなのですが、これは本当に二度と読みたくないです。
烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)より
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No.112:
(2pt)

誰にも肩入れできない物語

6巻まで読んでの感想です。
最後の若宮乱入までは、不快とおもしろいを行ったり来たりでしたが、妙ちくりんな落ちがついてがっくり。

ひとつの宮という閉鎖的な環境で、家の期待という重責を背負った4人の姫とその侍女達が、妍を競いつつ、友情っぽいものも芽生えたりする耽美小説・・・
のままだったら、ハイファンタジーとは認められないながらも星4つ。

ファンタジーと呼ぶにはリアリティーが足りないので、もしかして、建築探偵みたいなのを狙ったのかなあ、とも思いました。
ちょっとした耽美な閉鎖環境で事件が起り、皆が疑心暗鬼になっているところに目を見張るような桜井京介美少年が出てきて種明かし、みたいな。
ただ、全然効果的でなくて、読者に不快感を与えるのがこの作品です。
最後になって若宮が突如としてど派手にご登場あそばされ、姫達を口撃してばったばったなぎ倒した。もう唖然。
若宮め、出てこないと思いきや、隠れて姫達の動向を探って好き嫌い採点シートつけてたわけだよね。
それで、事件から何ヶ月も経ってようやく現れて、好き嫌いを突きつけてきたわけだよね。
どうやったって好感度上がるわけない。
探偵役ならば陰の主役なわけですから、そんな好感度低い人に探偵役はダメだと思うし、人格攻撃はダメ。
それでも、すばらしい大どんでん返し!全然気づかなかったよおもしろ~い、著者かしこーい、と思えれば、著者に力量あり。
裏切られた感しか残らなかったら著者の力量不足。

異世界が舞台=ファンタジーではないです。
偽ファンタジーが多くて困りものです。
文庫版の解説に十二国記や獣の奏者、ソニンが挙げられていますが、それらの作品が好きな方は、むしろこの作品を読む必要ないと思います。
人物造形、心理描写、臭いや温度すら感じさせるような描写力、筆力に裏付けられた世界観の見事さ・・・どれも足下にも及んでいません。
20歳ということで人生経験の不足が問題だと指摘されていますが、残念ながら5年後の作品にも成長が見られないのです。
そもそも作家というものは、自分が経験したこともないことをさも見てきたように感じさせるのが仕事です。
異世界かどうかにかかわらず、同じ技術が必要です。
異世界を舞台にすれば作者の思うとおりの設定ができるので、ある意味で書きやすくなりますが、リアリティーを感じさせるのが難しくなります。
嘘の世界なんだから、ファンタジーには人物のリアリティーが大切です。
その技量がなくては作家とは認められないし、書店で本を選ぶのに作者の年齢とか関係ありますか?

2巻をあわせて一つ、のつもりで書いたから、1巻の完成度に甘えが出たのでしょうね。
前後編でかかないならば、1冊で矛盾のない物語を提供してください。
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No.111:
(4pt)

唖然。今どきの少女王朝ファンタジイはここまでやるのか

読む前までは「なんで今どき、ストレートな王朝少女ファンタジイが松本清張賞を受賞して、しかもベストセラーに??」と思っていた。
 が、読んで納得。全然ストレートじゃなかった。
 読み終わって呆然。
 まさか、○○ミスだったなんて!
 売れるのも納得。レビューで喧々囂々、賛否両論なのも納得。
 中盤までは、細部まで美しく読みやすく書かれたファンタジイ作品だと「普通に感心」していたのだが。
 終盤にいたって、次々にたたみかけられる逆転に次ぐ逆転。
 素直さはどこへいってしまったの、と唖然とする恋愛観、結婚観…というより「同盟観」だなあ…。
 かつて上遠野浩平『ブギーポップは眠らない』を読んだときに、面白いながら「今のヒーローってここまでアンチヒーローじゃなきゃいけないのか」と、ぐったりした(ブギーポップはもちろん好きである)。
 この小説の読後感もほとんど同じだった。アンチ○○。
 面白かったし、確かに次も読みたくなる。ちょっとぐったりするけれども。
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No.110:
(3pt)

2巻から読み始めた方が良い

受賞作品ということで読んだのだが、花嫁候補の女性たちの誰も好きになれず途中で読むのをやめてしまった。
順調に続きが出るし評判も良いようなので2巻を読むと1巻と同時期の、しかし視点の違う話。
こちらはとても面白く読んだ。
そしてついに最終巻まで読み終わり、この最終巻にちょこちょこ出てくる1巻で選ばれた花嫁の話が読みたくなり再度の挑戦。
物語の最初と最後の呼応がとても良い。
読まなくともストーリー全体を知るのにはさして困らない巻だと思う。
登場人物に愛着が湧いた所で読めば
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No.109:
(4pt)

どんでん返しにはどんでん返しで

このひとがいい、この言葉でこの物語は始まります。そうして終章、序章と同じような文が連なりますが、この一言は出てきません。この一言はどこへ行ったのか。消えたわけではなくて、おそらくは、心の奥深くに仕舞われたのではないかと思われます。なぜ仕舞ったのか、その理由を知ることがこの物語の要であるように思います。その理由を読む側がそれぞれ見つけないと、ただのドタバタ劇になってしまうような気がします。

あせび、彼女の名前、仮名、真名は何だったのでしょう?序盤、名前のない彼女の名前がずっと気になって仕方ありませんでした。真名は宮仕えするには絶対に必要なのです。それで読む側の勝手で、「単衣」と付けてみました。姉が「双葉」なので、「単」という字しか思い浮かばなかっただけなのですが、単衣と名付けてみると、物語は、別の世界を見せ始めました。
単は裏がないのです。表地だけの着物。だから、あせびは、私の中では、序盤のあせびのままです。決して若宮が暴いたあせびにはなりません。
では、何故若宮は彼女を絶ったのか。本心を深く眠らせて、裏地に深く隠して、世のため人のため。そうして何より彼女のため。成長したのですね。このひとがいい、と思ったあの時から、物語の月日の分。でも、相手を傷つけることでしか、絶つことが出来ないのであれば、ちょっと情けなくもありますが。

若宮が選んだ「浜木綿」。彼女の真名は、墨子。墨って真っ黒です。真っ黒なのに、白い浜木綿。まるで、真っ黒を隠すカバーのような名前。幼いころ崖の下で彼女を見上げた時、若宮がすみの顔を見たように、すみもまた若宮を見たのでしょう。
恋に落ちる顔を。だから、謀ったのね。こんなにもたくさんの人を騙せる謀を。見事です。
物語は、作者の自由。同じく、物語は、読者の自由。なので、私はどんでん返しをどんでん返して読み終えました。

とても面白かったのですが、あきてきた部分もあったので☆を一つ減らしました。
烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)より
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No.108:
(4pt)

煌びやかな宮廷絵巻の中での策略と陰謀

登場人物についてのどんでん返しに‼️となります。全6巻を読みたくなること必定。
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No.107:
(4pt)

終盤の展開が素晴らしい

次期君主の妃レースのお話。
春殿の御方を中心に妃たちの様々な葛藤が描かれる純粋な恋愛物と思ったが、最後の伏線回収が実に見事だった。
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No.106:
(2pt)

これで松本清張賞はない

前半はよくあるストーリー展開ではあるものの、一定のレベルで進んでいく。
 しかし中盤から後半にかけて物語のレベルが一気に落ち、なんとも陳腐でつまらない。
 破綻しているといっても良いのではないだろうか。

 他の方が言われているように、確かに荻原規子氏の作品、特に『風神秘抄』や『西の善き魔女』の影響が強く出ているが、それは別に悪いことではない。(ただ、かなりの劣化版でオリジナルを読んでいると失笑ものかもしれないが)

 史上最年少で松本清張賞ということで読んでみたが、これで受賞はおかしいと思う。

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No.105:
(4pt)

心の準備をしたらこの展開もアリ。

kindleの日替わりセールでポチッたもの。
Amazonレビューで酷評が続いていたので「どれどれ。どれほどのもんなんやろう」という程度で読み始めてみました。

で、読み終わって……なるほどね。納得。
これは確かにあらすじと表紙で選んで読んだら「おいおい」って思えるかも。
前半と後半で違う。雰囲気がもうまったく違う。
美しく雅な世界観にうっとりと読み進めていたら、死者が出てきたあたりから一転ちょっと生臭くなりますね。
で、若宮登場のあたりからの生臭さと言ったら。一気に現代小説になってしまうんだなぁ。なるほどなるほど。
かと思ったらあせびのキャラ設定がもうめちゃくちゃ少女漫画ぽい。あるある。あるねー(笑)
いわゆる少女漫画の王道キャラを作者が全力でdisっちゃう感じ。

でも、これがデビュー作(なのかな)で作者さんがまだ若いという点で、視点の揺らぎや描写のおかしさに目をつぶると私個人的にはこのストーリー展開は「アリ」かと。
若宮殿の怒涛の謎解きシーンはまぁまぁ面白かったし(ちょっと駆け足過ぎたけど)四家のキャラもいい感じにたっていたし。
設定も凝っていてよくこれだけの世界観を考えられたなーと素直に思う。

ただ、一つ思うのは、あせびを最後まで書いて欲しかったなぁ、と。
謎解き後フェードアウトして、あとは若宮と姫たちがあせびのキャラについて想像して話すっていうのがなんだかちょっともやっとする。
うこぎとか最後どうなったんだろう?

次巻はkindleセールになっていたら買おうかな(定価ではちょっとなー)
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No.104:
(3pt)

ミスリードに一生懸命になりすぎて、いろいろととっ散らかってしまった印象。

山神に仕えた三本足の烏(八咫烏)が人に変異する世界の物語。
 兄を押しのけ日嗣の皇子となった若宮の后を選ぶべく集められた東西南北・四家の姫君。
 権力闘争・愛憎入り混じってはいるが、姫君たちの成長物語&皇子様に選ばれるシンデレラストーリー。
 かと思いきや途中からミステリーもどきになっていった。
 衣装は奈良、舞台は平安時代のようなイメージだろうか。
 どうでもいいが、烏と鳥は似ているので、途中で読み分けるのを放棄した。

 主人公がいない。
 東家のあせび視点で物語が進むので、当初はこの子が主人公だと思って読み進めた。
 主人公としてはふわふわとしすぎていて感情移入もできず、おろおろしているうちに物語が進んでいく。ように思っていた。
 世界観の説明役だったのかもしれないが、あまりにももの知らずで后候補にならずとも貴族の娘としてどうなんだろう、嫁に出す気がなかったのだろうか、と思っていた。
 それが侍女の不審な死あたりからおどろおどろしくなり、最後は姫君たちの人物像もひっくりかえるのだが、謎解き探偵役がまさかの若宮。
 それまで存在がほんのりとしか出てこず、行事も全てすっぽかした若宮が突然乗り込んで4人の姫の事情を露わにし「全部わかっている!」と事件の真相を話し出す。
 ちょっと突然すぎてびっくりした。

 視点を変えたら全く違う物語、をやりたかったのかもしれないが、そもそも若宮全然出てこなかったから印象薄いし、そんなに事件が見えていたなら人死には防げただろうし、何よりも若宮がやらなければならなかったのは姫たちとの対話だろう。
 身代わりにした近習にしても、あんな状況で女の園に放り込んだらどうなるのか想像できなかったのだろうか。ちょっと周りの人間を軽く見ているような気がする。
 
 家臣の力を抑え宗家中心にしたいのはわかるが、即位もしていないこの時期に四家を敵にまわすようなことをして大丈夫なのだろうか。
 もっと穏便に姫君たちを脱落させていく方法はあったと思う。妃を誰にするかはとっくの昔に決めていたようだし。

 面白いことは面白いのだが、いろいろと物足りないなぁという印象。
 姫君たちのキャラが変わっていくのはいいとして、侍女たちがうるさいし総じて無礼。

 烏太夫(その場にふさわしくない者)が浜木綿とのことだが、彼女は両親に問題があったとはいえ血筋は確かだ。
 血統を重んじるというならばこの場に一番ふさわしくないのは白珠では。
 あせびも最後のニュアンス的に母が下男と通じた娘だというならやはりふさわしくはないだろう。
 そもそもあせびに懸想していた下男は以前にも勘違いさせられてあせびの姉を襲ったらしい。
 その時点で取り押さえられなかったのだろうか。だとしたらしたたかと言われている東家の当主が間抜けか、あせびに操られているのだろうか。
 あせびの母にしても、彼女と同じ質だというなら下男と子供を作らずさっさと今上帝の側室に収まればよかったのに。

 若宮は白珠を「何もしていないのに想い人が死んでから嘆くな」というようなことを言った。
 しかし白珠は家のために「入内する」ということを選んでいた。一巳に別れも告げた。最後の思い出も作った。何もしていないわけではない。駆け落ちを選ばなかっただけである。
 恋を自覚していなかった13歳位の娘にさっさと駆け落ちすればよかっただろうというのは、あまりにも彼女の事情も感情も無視した身勝手な物言いに思える。
 市井の暮らしを知るらしい若宮ならいざ知らず、庶民は家がなくとも愛があれば鳥の姿で温めあうから大丈夫、なんていうのは深窓の姫君には無謀すぎる。
 何でもお見通しの聡明な若宮ならば、姫たちの情報も登殿してくる前に入手が可能であろう。その時点で白珠たちが困らないように駆け落ちさせてやればよかったのに、と思う。

 若宮の登場が唐突すぎて辛口になってしまったが、本来は「子供の頃に出会った男女が実は高貴な出で、実家が敵対関係にあるが再会して共に国を盛り立てていく」という、萌え要素満載な設定のはずである。
 次巻はこの巻の別視点からの物語だそうのなので、そういったことも期待しつつ読んでみたいと思う。

 また、「目を丸くした」「ぞっとした」というような描写があったが、そいういうのは雰囲気である程度読ませて欲しい。
 じわじわと読者に感じさせる間がなく、直接文字で書かれるとちょっと醒めてしまう。

 その後がどうなるかわからないが、あせびをそのまま里に帰すのだろうか。
 彼女のような、自分は汚れず一定の人物を狂わせる女は毒のようにじわじわと周囲を蝕んでいく。
 いっそのこと今上帝の側室に上がって暗躍し、浜木綿たちと宮廷で争ってほしいものだ。
烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)より
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No.103:
(3pt)

結末が(ネタバレあり)

結末で、話の全てをひっくり返すという形になります。
結末のみ登場する人物が、この本の主人公がいかに酷い女なのか明かします。

というか、そこで主人公が入れ替わると思って良いでしょう。
この作者はこの後も、この本の世界で続編を書いておらえるようで、全体の主人公は
この本の最後に出てくる人物なのかと思いました。
(続刊を読んでいない上でのレビューです)

ブックのカバーイラストとあいまって、ハイファンタジーのように思いますが違います。
登場人物は皆、烏が人に変身しているという設定ですが、だから我々、人間とは違う考え方をするというような
深い設定は見当たりません。

権力者の妃に収まろうとする女性たちの生臭いやり取り、平安時代的な貴族社会の政争劇を描いています。
読後感はあまり良いものではなく、松本清張賞を受賞しているのですが、松本清張作品の読後感を好きな方には
刺さるのかもしれません。

シリーズものとしては、導入部としてあまり上手とは言えません。
続刊を手に取るのをためらいます。
女性作家でも男性が手にとって面白い物語も沢山ありますが、おそらくこれは違うような気がします。
自分は理解できなかったので★2と思いましたが、そこを考慮して★3です。
烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)より
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No.102:
(1pt)

読み進めない

冒頭の、姉の身代わりで宮に行く、あたりから読み進めなくなった。
文章に魅力を感じない。登場人物に親近感を覚えない。世界観がよく分からない。
擁護側の反論としては、「いや、これはファンタジー小説でも無いし、純文学でも無い。推理ものだから」などと言われそうだが。

ひとつ、聞きたい。本、好きですか?
没頭して読んだ作品、ありますか?
ファンタジーにしたいなら、他の人もあげてるように彩雲国物語、十二国記、精霊の守り人、鹿の王や、平安時代っぽいのなら結城光流作品、夢枕莫作品など、素晴らしい作品たくさんあります。
純文学は詳しくないですが、山田詠美作品いいですよ。一行、一行、読んでて気持ちが良いですよ。

ぜひお読みになって下さい。
烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)より
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No.101:
(1pt)

帯を信じて文庫本を買うのはもうやめる。

読了後、あまりのことに呆然として、レビューを見に来てみれば、やっぱり評価が低かった。
うそーん、めちゃめちゃ推してたやん、書店のポップも帯も。

エンターテイメントになりきってないのかなという印象。
いきすぎたミスリードのせいで、非常に不愉快な読後感。
どのキャラクターにも、感情移入できず終始イライラしながら読んでいるうちに、あっさり読了。
レビュー読んで知りましたが、作者は随分お若い方のようです。
昨今の人材不足の波が文学会にも及んでいるようですが、こうした才能を持った方を、出版社はもっと大事に育ててあげるべきでは?
一発屋にならないように若い人を育てる余裕や体力が、すでに業界にないってことかもしれません。
まあ、出版業会に限ったことではないですが。

買う前に、レビュー読んどけばよかったなあ。
あまりに後悔したので、珍しくレビューしてしまった。
烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)より
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No.100:
(1pt)

うわー!つ、つまらん…!

十二国記に並ぶ、という煽りを真に受けて購入。
騙されたというか期待外れというか…。

単純に平安時代をモデルにした作品であるならば、少女小説の名作「なんて素敵にジャパネスク」が朝廷やら政権争いを巡るストーリーに手に汗握れるし、後宮ものであるならばオスマン帝国の後宮を舞台にした漫画「夢の雫、黄金の鳥籠」が女の戦いと愛と才覚によって道を開いていく描写が素晴らしく、ファンタジーであるならば「十二国記シリーズ」が作り込まれた世界観のなか魅力的なキャラクターたちが人間のあり方の普遍性を問いかけ、面白い。
ううん…先人たちの良いレビューがあるので多くは語れないけれど、惜しい…!惜しすぎる!
でも20歳でこれだけの分量を書いて完結させるということだけでも素晴らしい。
が、賞を与えて持ち上げるまでではないのではというのが、正直なところ。もう少し大事に育てあげた方がよかったのでは?
二作目からは面白くなるのか?わからないけれど、次作は恐らく手にとらない。
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No.99:
(1pt)

超男性優位主義

荻原規子さんの勾玉シリーズ、彩雲国物語シリーズのような物語を期待して購入しましたが、私が間違ってました。松本清張賞受賞作ということから、ミステリー・謎解き色の濃い話だと理解すべきでした。なので最後の章の"全ての謎が明かされる"パートで完全に置いてけぼりになってしまい、著名な作家さんたちがこの作品を評価している要因に対して「はあ?」としか感じませんでした。

そしてなによりこの作品の女性の描き方は酷い。
柚木麻子さんがインタビューで、男と違って女は負の感情、またそれに基づく行動をみせると「女って怖い」と言われる、とおっしゃってましたが、まさにこの話はそれだなと。
それに、謎を解く探偵役はそれまで登場しない若君=男。4人の皇后候補者と女房たちの“女性同士特有のドロドロした争い”が繰り広げられ、そこへ若君が颯爽と現われ、サッと謎を暴く。どこまで男性優位主義なんだ!!と不快になりました。これから先のストーリーはこの若君が主役となるようです。要はこの巻に出てきた女性たちは若君がカッコよく見えるように醜く設定された脇役にすぎないわけです。一人の男性を立てるために女性たちを貶める。巨大な男尊女卑の塊を真っ正面から投げつけられました。

始めに書いた二つのシリーズ、十二国記、精霊の守人など女性作家さんによるファンタジーは、性別役割の垣根を越えているところが素敵だと考えているので、これらのシリーズとこの作品は絶対に同列にして語られたくないです。勝手に同列の物語だと思ってしまって申し訳ないです。

作者さんが若い女性ということで、絶望すら感じます。恐らく、次世代に潜在的恐怖を覚えるアップデートのできない大人にとっては、こういった旧価値観を持った若者に安心感を覚え、評価するのだと思います。松本清張賞の選考委員小池真理子さんは「普遍的な女の本質を丸ごと描いて見せている」と評価していて、日本の男女平等はまだまだ遠くにあるのだと見せつけられました。
烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)より
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No.98:
(4pt)

面白い

八咫烏シリーズとの出会いは2巻目から。面白かったので1巻、その他を手に入れて読んだ。
1,2巻は同じ時期の、視点が違う話なので 2から1を読んでも違和感なく楽しめた。

後半の展開は(そうきたか)と予想を超えていて引き込まれた。
純粋無垢に見える女性のしたたかさ。近くにいる者達にはその本質が見えておらず、あくまで彼女を庇おうとする。
また、彼女も周囲の者らが自分を守ろうとすることを知っている。
彼女の怖いところは、自分の思い通りになるように人を動かそうと起こす行動を悪いことだと思っていないこと。
一見、相手を思いやっているように見えるがそこに打算があること。
(私のせいで)と嘆くところがあるが、そこでも側付きの者や親しい者から(あなたのせいではない、むしろ私に非がある)と言われる。
あくまで自分のせいではないと信じ切っている。

≪えっ!この子ってこんな子だったの?≫と驚いたが、実際にもこういう手の人はいるなあと。
中盤までそんな気配はなかったが、それは彼女が見せている部分を見ていただけ という点は現実の人間関係でもある話。
レビューはなかなか辛口が多いが、こういう、実は直接的に相手を傷付けようとしなくても誰の事も思いやっていない、自分本位な行動をして責任は他にある、という考え方はやっぱりいかん!若宮と同意見!と思った。
もし、彼女が選ばれていたら将来は大紫の御前以上になっていただろう。
ただのハッピーエンドでなく、ひねりがあるところが良かった。
烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:烏に単は似合わない【新カバー版】 (文春文庫)より
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