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冬を待つ城
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冬を待つ城の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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1)奥州仕置は朝鮮征伐での極寒対策のため、雪や寒さに慣れた東北の人足を徴用するためのものだった。 2)また九戸政実の乱は石田三成の計略で引き起こされ、冬場の戦争の訓練や課題を探るためだった。 3)それが九戸政実によって見破られ、冬になる前に和議となり、計画が頓挫した。 ネタバレのようですが、以上の内容は序章に書かれていることです。そこから回想のような形で、何があったのか描かれていきます。しかしながら結果は上記のように既に明らかにされているので、本章は、石田三成と内通して九戸政実の乱を起こそうとしてるのは誰か、また九戸政実が隠している奥州の秘密とはなにか、というのを探るミステリー仕立ての小説になっています。 物語の根底には蝦夷と大和朝廷の対立というのが流れています。すなわち、奥州の諸大名や武将、民草は蝦夷であり、石田三成は、(蝦夷は為政者が顧みるべき民ではなく、利用できるだけ利用し、あとはどうなろうと知ったことではないという考えの、)中央の人間の象徴です。 本作のストーリーを架空のものとして見ると特段矛盾があるわけでなく楽しく読めましたが、実際の歴史と照らし合わせてみると、伊達氏も南部氏(九戸氏)も源頼朝の奥州征伐後に東北に入った武将で、蝦夷や安倍頼時、奥州藤原氏とは関わりの薄いことや、朝鮮征伐に向かったのは西国大名で、奥州仕置軍は東国大名であり訓練になっていないことなどが気になりました。 また序章にもあるとおり、訓練のため合戦を長期化させて冬が来るのを待ち望んでいたのは石田三成であり、そうはさせまいと、なんとか冬になる前に和議を結んで石田三成の計画を頓挫させようとしたのが九戸城に籠もる九戸政実です。タイトル、間違ってませんか? | ||||
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豊臣秀吉の奥州仕置に関する歴史ものを探していました。なんだこりゃー!こんな事実があったのかと驚きとわくわく感で読んでしまいました。まさか朝鮮出兵に関わりがあるとは・・・・。読ませますねえ。 | ||||
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(少々ネタバレあり) 北方の、たかが3000人の籠もる城を落とすのに、なぜ15万もの秀吉軍がー。その答えは朝鮮出兵にあった! 天下人の非道を止めるため、奥州で乱を起こした九戸政実とその一党。その機略と胆力を駆使する籠城戦を描いた長編です。 みちのくの一争乱に、石田三成と津軽為信の資源を巡る思惑や、武器弾薬の流通ルートにからむ経済戦の要素も取り入れ、重層的な構成に仕上げるところは、さすが直木賞作家です。 しかし、やや疑問の残る箇所も。太古以来、奥州で生きてきた「山の民」という一群が登場し、九戸とともに戦うのですが、薬を使用した秘法でトリップ(巫女のような美少女とマグワウ)し敵軍の内情を思念で探るというのは、いくら何でも非現実的。 秀吉の思惑を知った南部や蒲生など敵の武将まで味方になるのもやりすぎでは?戦国武将はそんなアマチャンでないでしょう。 まして「奥州の大義を守り抜く」「奥州の民が無事に過ごせるならわが首はくれてやっても」などと、九戸政実という戦国の古強者が口にするでしょうか。人物設定が甘いですね。 主人公である末弟がこの世から「消える」ラストにも納得しがたいものがあります。上述した「山の民の巫女」と結ばれるような書きぶりなのですが、それではともに籠城して頑張った愛妻と子どもたちが哀れすぎます。 途中までは読み応えがありましたが、以上のような理由で爽やかな読後感とはいきませんでした。 | ||||
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