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少年トレチア
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少年トレチアの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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殺人は起こりますが、殺人者の一応の所の顔は探偵役によってではなく作者から直接明らかにされるので決して推理小説ではないでしょう。 かといってホラーに分類するには人間の狂気が色濃く出すぎていますから、粗筋にあった『幻想小説』というのが作品の持つ空気とあいまってぴったりかもしれません。 さて、『一応の所の』といいますのも殺しの首謀者『トレチア』は1人ではありません。 実際に行動を起こしている『トレチア』の影を読者は追っていくわけですが、子供たちの記憶の中で1人歩きしてできた空想の産物である『トレチア』もまた畏敬すべき対象『トレチア』そのものです。 そこに純然たる区別は存在せず、したがって『トレチア』はかつてそれに怯えた者たちの心と飛び交う何の根拠もない噂の数だけ存在します。 『トレチア』は誰か、あるいは何なのか? 真実に至った登場人物は結局いないのですが、読者はこの謎に否応なしに翻弄されます。 物語全体としては非常に暗い話。 突発的な事件はあってもそれは一発逆転の契機とかでは全然なく、テンポはどちらかというと悪いです。 これらは『トレチア』の存在自体が赤黒くモヤモヤしたものである以上常に付きまとう弊害なんでしょうね。 が、『トレチア』という言葉に込められる人々の感情は、彼ら自身の心の闇を隠すため、直視するには過ぎていてかつ十分なぐらいに常に揺れ動いていました。 その機微を捉えることができるたび、この本はよりおもしろくなっていきます。 | ||||
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すごすぎます、この話。今敏監督の「少年バット」みたいな話の導入部。都市伝説というか、噂が実体化してしまったような、そういう話。 それがまわりを巻き込み、子供の残酷さを押しだし、それが大人になったときに襲い掛かってくる。 こういう力作をかける作者はあんまりいない。小野不由美とか、恩田陸とか、そういう系なんだけど、個人的には「屍鬼」レベルの面白さだった。 | ||||
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