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狭小邸宅
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狭小邸宅の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全88件 61~80 4/5ページ
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偶然本屋の平積みで見つけ、タイトルに惹かれて購入しました。 ブラック企業という言葉が認知されて久しくなりましたが、滅私奉公していく中で、人間はこのようになっていくのだろう・・・リアリティを持って読み進めていきました。 少しネタバレかも知れませんが、物語後半の主人公の立場の変化と周囲の人物と主人公との距離感は私小説好きにはたまらない世界だと思います。ラストは必読です。 | ||||
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不動産屋の悲哀と、営業方法が理解できてためになった。オススメです。 | ||||
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狭小邸宅(きょうしょうていたく) 新庄耕氏の作品。 第36回すばる文学賞受賞作。 2013年2月集英社から刊行。 自分は城繁幸氏のブログで本書が紹介されていて読んでみようと思った。 不動産屋で明確な動機もないまま営業をしている主人公松尾。 不動産業の支店内での生々しい現実が多く書かれていて勉強になる。 松尾が転勤した駒沢支店で出会った豊川課長からの指摘は 道路、物件、鍵を覚えろということ。 人に気に入ってもらいやすいとか信頼される何かがある人、 つまり営業の才能がある人もいるだろう。そうでない場合でも 道をしっかり覚えると言った基本を覚えきれてない場合があるのではないか。 特に道路を覚えろというのは他の職種、他の営業でも大事だろう。 可能なら時間のある大学生の間にドライブしまくって道を覚える努力を やった方が良いように思える。 才覚も重要だけど覚えるべきことを覚える。この事は重要。 他の方のレビュワーも紹介していた社長の台詞は自分もかなり印象的だったので 記載しておこう。 文庫本P87より 「いいか、不動産の営業はな、臨場感が全てだ。 一世一代の買い物が素面で買えるか、 臨場感を演出できない奴は絶対に売れない。 客の気分を盛り上げてぶっ殺せ。 いいな、臨場感だ、テンションだっ、臨場感を演出しろっ」 本書後半で蒲田での売買を成功させた後の主人公が見事な演出で 客に不動産を購入させる事になる。 「お前らは営業なんだ、売る以外に存在する意味なんかねぇんだっ。 売れ、売って数字で自己表現しろっ。 いいじゃねえかよっ、わかりやすいじゃねえかよっ、 こんなにわかりやすく自分を表現できるなんて幸せじゃねえかよ、 他の部署見てみろ、経理の奴らは自己表現できねぇんだ、 可哀想だろ、可哀想じゃねえかよ。 売るだけだ、売るだけでお前らは認められるんだっ、 こんなわけのわからねえ世の中でこんなにわかりやすいやり方で 認められるなんて幸せじゃねえかよ。最高に幸せじゃねえかよ」 ある程度金額の大きい営業で且つ最終消費者相手の営業なら この社長の台詞、この考えはほぼ似たようなものだろう。 また主人公松尾が大学時代の同期会で世田谷に庭付きの家を買うには どれくらいの金額がいるか答え、挑発され答えた台詞 「嘘なわけねえだろ、カス。本当だよ。世田谷で庭付きの家なんててめえなんかが 買えるわけねえだろ。そもそも大企業だろうと何だろうと、普通のサラリーマンじゃ 一億の家なんて絶対買えない、ここにいる奴は誰ひとり買えない。 どんなにあがいてもてめえらが買えるのはペンシルハウスって決まってんだよ」 | ||||
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不動産業界で頑張る主人公の機微がリアルでした。3年後また読みます。 | ||||
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個人の不動産は、結構適当に、朝から新聞を読んで暇を持て余しておりますが、きっと都内の中堅以下の不動産屋はこんなものなんだろうと思いながら読みました。売ればいい まさに、それが 資本主義の論理なんですが、実際は 営業マンの嘘なんてお客様はご存じですね。同館したのが、蒲田の家を始めて売ったとき。売ろう売ろうとしてもまったく売れず、とごろが、お客様のほうから声をかけてきて、それからとんとん拍子に話がまとまる。 不動産って、こんな感じで決まることが多いです。 気楽な不動産屋は、朝からこういう楽な本を読んで、時間をつぶしてます。 | ||||
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圧倒的なリアリティがあり、セリフ一言一言が刺さる。 不動産業煮いたことがある人間は、程度の差こそあれこのような詰めを経験したか近くで行われているのを見たことがあるのでは無いだろうか。 数辞だけが正義の世界・営業。 社長の言葉がたまらないなぁ。 | ||||
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不動産屋さんに務める高学歴だが人生に目標を持っていない営業成績の悪い新卒が、異動やOJTを経て金銭的に成功していくが、自分の人生に戸惑いや不安を持ち続ける人の話。 実際に私が不動産を購入したときと同じようなストーリー立てとなっているため、不動産購入の前に読んでおく本としても良いかもしれない。 ただこの臨場感は、実際に住宅を購入してしまった人にしか分からないかもしれない。 | ||||
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面白く、一気に3時間程で読み終えました。 読み終えてから、若い作家さんと知りびっくり。 不動産業界を知りたい方には参考になる本だと思います。 不動産業界にキャリアチェンジで転職した友人に渡し、感想を聞いたら「まさにその通り」との事。 | ||||
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届いたその日に一気に最後まで読んでしまった。私の読む速度は速くはない。 誰が読んでもページ数がとても少ないので、数時間もあれば読み終わると思う。 感想として「面白かった」暫く読書から遠ざかっていたが、他の本も読みたくなった。 この作品は、最初のあたりはあまり冴えないホラー小説。中程から段々と現実味をおびて登場人物が躍動する。 共感を感じ感心させられる点があった。 気になったのは、文章が稚拙というか説明不足で抜けている箇所が多々あり内容が掴めない。 これは今起こっている事なのか、もう先程の件は終わって次の話をしているのか。そのあたりが非情に曖昧で何度読み返しても理解出来なかった。 その為読んでいて少しイライラする。他の作家ならもっとうまく描いてると思われ残念である。 | ||||
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夢中で一気に読みました。不動産業の人間ですが、共感できる点などもあり、面白い作品でした。 終いの方が少し早足でストーリーが進んでいったのが前半の詳細な内容と比べて少し残念かな | ||||
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最後、もうちょっと整理した終わり方が個人的にはいいかなと思う。 | ||||
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本文中にも出てくるが、現代版「蟹工船」と言えなくもない小説。ただ大きく違うのは、蟹工船の登場人物達はやむにやまれず地獄のような職場を選んでいるのに対し、本書の主人公は理不尽で不愉快な仕事を辞めようと思えばいつでも辞められる点。終盤で主人公が上司から、問題があるのは主人公自身であると指摘される部分はハッとさせられる。「狭小」とは主人公の人間性であり、主人公に感情移入してここまで読み進めてきたお前自身のことだと言われたような気がした。 | ||||
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住宅販売員の成長を読み進むうちに応援する自分でしたが、 最後の方は怖くなりました 必読です | ||||
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「自営業は客じゃねぇ」とか、 「客をぶっころせ」とか、 「人生最大の買い物がしらふで買えるわけがない」とか、 厳しいなぁ。 不動産は金額が大きいから、買わせる方も買う方も、 真剣勝負の激闘なんですね。 うまいこと言われてつまらない家買っちゃって、 一生住宅ローンに繋がれるわけですね。 小説のストーリーよりもそっちのほうが気になってしまいましたわ。 | ||||
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働けども働けども・・・という、まさに現実を突きつけられ、しょんぼりする内容w なのに、ノンストップで読まされるエンターテイメント性があり、最後まで一気に読んでしまった。 出だしは、これでもかと絞られる不動産会社社員の様子が克明に描かれており、思わず目を背けたくなる(読むのをやめようかとすら思う)のだが、次第に「使えない」社員だった主人公が、「使える」社員へと変貌を遂げていく様子から目がはなせなくなる。 「使える」化のきっかけは、本当に些細な偶然からだったりするのだけど、そこにまたリアリティーがあり、ついつい感情移入。 仕事がうまく回り始めるとだが、「仕事を選ぶの?それともあたし?」的な、チープながらも、現実でもよく遭遇・散見されるシーンが。 そこで、さして悩むこともなく、恋愛を切り捨ててしまう(?)主人公に、また、「物語」ではなく、まるで「ルポ」を読んでいるかのような「リアリティー」を感じる。 さて、一気に出世街道を突き進むかと思われた主人公が行き着く先は…? レビューを見る限り、賛否両論あるようだが、個人的には、この結末にも「リアリティー」を感じた。 「エンターテイメント」を追求するならば、他レビュアーさんのレビューにもあるとおり、別の結末も考えられたと思うが、こういった「ちょっととんがった」結末だからこそ、なんだか、「これがデビュー作の新人らしさ」も感じさせられ、これからの成長が大いに期待したいと思うのでした。 | ||||
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最近不動産屋でやられた手口がのっていましたw とても読みやすかったです。 | ||||
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私はIT業界で10年以上働いている者ですが、IT業界も不動産業界に負けず 「3K」「ブラック」と呼ばれる企業が数多く、若手の離職率の高さも引けを取りません。 ストレスの観点は違えど本小説に登場する企業のような「悪徳な」会社も実際いくつか知っています。 人権や労働環境を軽視する姿勢を一切擁護するつもりは有りません。 その上で私が読後に感じたことは以下の通りです。 不動産業界の裏話的なことに目が行きがちですが、おそらく著者が主張したかったのは あらゆる職業において、 ・仕事はそもそも厳しいということ ・どんな仕事にも向き不向きがあること ・一人前に仕事ができるようになるには、専門性を磨く必要があること という極めて当たり前のことを、(特に就職前の現代の若者に)知ってもらいたい 事だったのではないかと思います。 本作品はそのことを非常に分かりやすく書かれている、という点で星を5つとしました。 | ||||
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学生時代好きだった本を忘れ、好きだった映画が名画座で上映されても見に行かなくなる。かつては寸暇を惜しんで、演劇に通いつめたり、旅にでていたのに、休みになると「疲れたから温泉にでもいこう」と言って、漫然と過ごす。学生時代の自分が嫌悪していたこんな「大人」を鏡で発見、愕然とする。 学生から社会人になってしばらく経つと、大なり小なりこんな体験をする。 一流大学を卒業し、「なんとなく」就職活動をし、休みが一日もなく体罰が日常茶飯事な、「ブラック企業である」住宅販売の会社の営業マンに就職した本作の主人公の同じようにやるせなさを感じる。 「会社で働きはじめ、アパートには寝に帰るだけの仕事一色の生活になると、愛着のある物が日々の生活の中に一切入り込まなくなり、気にも留めなくなった。そして今、何の躊躇もなく、それらを不要だち口にしている、いつの間にか自分の感覚のいくつかが摩耗し、それまで気に入っていた物事に関心を持てなくなっているらしいことに気づいた。 このままずるずる行けば、あらゆることに好奇心を持てなくなるような気がする。何に対しても感動しない抜け殻のような自分がすぐそこにいる。体と金さえあれば、たしかにどうにかなるのかもしれない。しかし、いずれ訪れようとしている虚無を想像すると、その粋がりも崩れ落ちた」(P85) 「単に」働き、単に「稼ぎ」、「単に」生きていく。自分の喜怒哀楽を徹底的に欠いたそんな「単なる労働者」としての生活はまっぴらごめんである。生々しい「ブラック企業」の描写とともに、こんな若者らしい問題意識を主張されれば、最近はやりの若者のリアルを描いたロスジェネ小説として、喝采を浴びそうなものである。例えば、朝井リョウ『何者』のように。 だが、本書がそれらの作品と一線をかくしているのは、そんな「単なる労働者にはなりたくない」という若者の自意識のグロテスクさを容赦なく、ついている点である。 「お前らは営業なんだ、売る以外に存在する意味なんかねえんだ。売れ。売って数字で自己表現しろ。いいじゃねえかよ。わかりやすいじゃねえかよ。こんなにわかりやすく自己表現できるなんて幸せじゃねえかよ。売るだけだ。売るだけでお前らは認められるんだ。こんなわけのわかんねえ世の中でこんなにわかりやすい方法で認められるなんて幸せじゃねえかよ。最高に幸せじゃねえかよ」(P81) 「自意識が強く、観念的で、理想や言い訳ばかり並べたてる。それでいて肝心の目の前にある現実をなめる。一見それらしい顔をしておいて、腹の中では拝金主義だ何だといって不動産屋を見下している。家ひとつまもとに売れないくせに、不動産屋のことをわかったような気になってそれらしい顔をする。 お前は、自分を特別な存在だと思ってる。自分には大きな可能性が残されていて、いつか自分も何者になるとどこかで思っている。俺はお前のことが嫌いでも、憎いわけでもない、事実を事実として言う。お前は特別でも何でもない。何かを成し遂げることはないし、何者にもならない。」(P91) 単なる労働者とは違う、「何者」になりたい。その気持ちは実は、自分のおかれた状況を相対化するだけで、他者とは違う「者であるかのように」見せようとする矮小なナルシズムではないのだろうか。このように「若者のナイーブな自意識」の正体を告発する。 無限の相対化プロセスに逃げず、自分が「単なる労働者としての生産性」しか他者から評価されるべき基軸を持たない「かつて自分が見下していた凡百の『大人』」に過ぎないことを一度認めたところからしか、自分の人生ははじめられないのではないか。うすうす自分がかつて思い描いたような「何者」でもないことに気づきながら、もはや「何者に憧れること」や「何者であると信じ続けること」から降りられなくなり、苦しんでいる若者にこう処方箋を提示する。いつしか、私たちは主人公のようにある種の説得力に茫然としてしまう。 もっとも、悪意たっぷりのラストシーンでこの正解らしきものもまた見事に否定されるのだが、それさえも現実を一つの「見解」を暗記することで舐めるなというメッセージに呼応しているように思う。 著者自身は、住宅販売営業ではなく、友人の経験談をもとにこの小説を書きあげたという。同世代の若者が「そうありたい」と願う観念に安易に迎合するのではなく、「現実を舐めずに」、現実を描写する。今後も冷徹な見巧者としての視点で、身も蓋もない様々な社会の実相を描き切ってほしいものである。 | ||||
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すばる文学賞受賞作。 エリート大卒、戸建住宅の新米営業マンの物語である。 最初は、ブラック企業を舞台にした青春モノなのかと思ったが、 そんなヤワなものではなかった。 主人公は入社以来、一件も家を売った事がない男である。 心のどこかで住宅営業の馬鹿にしている。だから仕事に身が入らない。 その姿勢を上司に見透かされ、罵倒され(この罵倒のセリフがキレキレである)、左遷される。 ただ一念発起、難関とされる狭小住宅を一件売ってから辞めようと決意し、がむらしゃらに営業をする。 そして、売れるのだ。エリート営業マンでも売れなかった家を売ることだ出来た。 社内の評価も一転、皆の見る目が変わる。自信がつく。いつのまにかエース候補。 昔の彼女とも寄りを戻せそうだ。 自分を顧み、努力をすれば、人生は変わるのだ。 めでたしめでだし、でこの作品は終わらない。 順調に見える後でも彼は満たされることは無い。 自分の人生にしっくりきていない。むしろ蝕まれ、壊れる寸前であるように思える。 それは何故だろう? 会社にとってエース営業マンは「自分」ではなくていいし、 昔の彼女がつきあいたい男も「自分」でなくていい。 エリート大卒、エース営業マンというスペック。 スペックだから入れ替え可能である。それをひしひしと感じているから、彼は満たされないのだろう。 人は、自分一人がいくらがんばっても、特別な「何者」にはなれないのだ。 自分の事を特別な存在と思ってくれる「他者」がいてはじめて「何者」かになれるのだと思う。 作中の以下の台詞は、とても刺さった。 「いや、お前は思っている。自分は特別な存在だと思っている。自分には大きな可能性が残されていて、いつかは自分は何者かになるとどこかで思っている。俺はお前のことが嫌いでも憎いわけでもない、事実を事実として言う。お前は特別でも何でも無い。何かを成し遂げることはないし、何者にもならない」 | ||||
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不動産業界に身を置くものとして、興味深く読ませて頂きました。 著者が事細かに取材を行ったのが、よく分かります。 一気に読めてなかなか面白かったです。 | ||||
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