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狭小邸宅



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【この小説が収録されている参考書籍】
狭小邸宅
狭小邸宅 (集英社文庫)

狭小邸宅の評価: 3.70/5点 レビュー 147件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.70pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全147件 121~140 7/8ページ
No.27:
(1pt)

狭小なルポタージュ風小説

純文学の雑誌に掲載された小説ですが、これはエンタメですね。不動産関係のルポタージュ風小説を読みたい人には良い。売る方と客のやりとりはスリルがあった。
しかし純文の文章的妙を期待したので、するする読める文体は芸がなく、味気なかった。おもしろいことは確かだが、ストーリーで引っ張るエンタメで、一回読んだら売り払う軽い読物なのが残念無念。
不動産を紹介してもらう時はまんまとはめられないようにしようと勉強にはなるが、悪どさ的魅力は『ナニワ金融道』に負ける。
狭小邸宅 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:狭小邸宅 (集英社文庫)より
4087452832
No.26:
(3pt)

意外性のない展開、折り返し地点で終わった感があった。

新聞で何度か広告が打たれていて、興味を惹かれる題材の小説だったので読んでみました。
読後感としては、ああ、ここで終わりか、というものでした。
不動産業界の内幕、不動産販売のための手法については、小説ではなく、不動産業経験者の暴露系の書物が出ていて、読んだことがありますので、本書に書かれている内容、つまり、最初は何件かいまいちの物件を見せ、最後にいい物件を見せて販売へと至らせるなどの手法は小説を読むまでもなく知っていましたし、受話器を手に縛り付けての電話セールスの過酷さは先物取引やワンルームマンション投資のセールス会社の強引な手法、昼夜を問わない電話セールスなどで有名なお話です。
というわけで、小説としての本書で、リアルな現実と知られていること以外の小説ならではの人間ドラマとしての何が得られるのかと期待して読んだのですが、残念ながら、一般的に想像がつくであろう定型的な人間ドラマ以上のものは描かれていませんでした。
本書に登場する豊川課長の過去についても、事実として描かれている以外の人間性を知ることができず、また、同棲相手の彼女との関係も起承転結程度の描写で、総じて、登場人物と他者との人間関係が浅く、物語展開を運ぶための恣意的な人間関係に感じられ、読後感として、なにか深く心に残るという小説ではありませんでした。ただし、90〜92ページの豊川課長のセリフは迫るものがあり、お見事でした。
大学を出て、仕事をすれば、誰しも、会社勤めやお金儲けの厳しさ、多種多様な人間と接することの難しさを感じることと思います。私自身、大学を出て、就職した際には学生という立場と会社従業員のそれとの違いに苦しみましたが、現在は年齢的にはそういった時期を経験済みなこともありましょうが、本書自体が類型的、定型的な青春小説であったこともいまひとつ琴線に触れなかった原因であると考えます。
本書はまさに「青春小説」であり、学生の方や、入社1年目の方には向いている本かもしれません。
作者の今後に期待します。
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No.25:
(2pt)

だれもが考えられる内容

住宅販売の裏側をあばいたような本の内容紹介、「すばる文学賞」ということで興味をもって読みました。一日の通勤の往復で読み終わったのは、読みやすい文章であったのではなく、内容が浅かったからと感じました。住宅販売について素人の私にも分るような内容であり、もっと専門的な知識、住宅にまつわる価格の根拠(単に地域だけではない)や原価、利益、値引等が書かれていなく、またいろんな苦情とかもっとどろどろしたことの記述が無いことから、主人公が苦しめられていることへの共感も感じられませんでした。心のささへとして登場した彼女(真智子さん)も関係が浅く、これも入りこめることができませんでした。批判ばかりですが、終わり方は今までの悩みが全部表れていて好きな最終でした。
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No.24:
(3pt)

テーマは面白いが、少々不自然さと不完全な展開、惜しい。

主人公の松尾は明王大学を出て、就職活動もろくにせず、苦し紛れに入社したのが不動産会社「フォージーハウス」。 本社は恵比寿で、駒沢や中野にも店がある。 名門私大卒だが成績は悪かったか、普通は斯様な不動産会社に明王出身者は行かない。 営業に配属され、とにかく家を売れ、胃が痛くなるノルマ、体を壊す程の激務、暴力言葉のパワハラ常習化という、典型的な不動産業だ。 松尾の同期入社が30名、1年余で残るは6名。 全体として不動産売買の実際をよく聴取・調査して書いている。 しかし売れ残りの蒲田の物件での展開は、営業担当者の案内から契約までに「まわし」、「かまし」等々の営業手法実態を、新庄氏は誰かに聞いたまま書き写したようで、あまりのトントン拍子も含めて、逆に現実感を失くした。  本書でこの会社は単に不動産会社とするが、基本的に自社開発・分譲業か、不動産仲介業かだ。本書の会社は、不動産供給側と住宅購入者側の窓口となる仲介業だろう。 一般的に不動産の営業担当者のネックは、宅地建物取引主任者資格取得だ。 近時は受験者が多く合格が難しく合格しない。この松尾はその点には全く触れられていない。 宅建を持たずとも営業活動は出来るが、契約時の重要事項説明だけは宅建主任者が行う。 つまり実際には持っていないと話にならないのだ。   フォージーハウスのような会社は不動産業界では当たり前に存在する。 私も銀行から上場準備の都内分譲住宅販売会社に常勤監査役で入った経験があるが、社長のワンマンぶり、パワハラは半端でなく、営業会議での怒声・罵声は物凄い。社員の育成など考えない。 社員は使い捨て、退職者は実に多い。 開発物件として土地を仕入れるが、それを20坪前後に細かく区分けして、3階建の狭小住宅を建てて売り出す。折角のまとまった良い土地も、綺麗な小さな兎小屋となる。 持ち主も将来は売れず、建替えられず、環境悪化は甚だしくなる。 大型家具・家電の買換えは狭いから大変だ。玄関・階段から上げられない。外部から吊るして窓から入れる。 1階が半地下なら、大雨の際は道路から流れ込まないか要チェックだ。 アフターなどは形ばかり。 地盤も注意した方が良い。 当然こんな会社は上場などとんでもない。 本書を読みながら、当時のあの会社を思い出していた。
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4087452832
No.23:
(2pt)

ブラック企業を舞台にした小説

住宅業界、なかでも建売業界はブラック企業が多い。この小説の舞台になっている企業は、そのなかでも、相当に酷いレベルのブラック企業といえる。
主人公が、心を病みながら、そこに埋没していく姿は、テーマの選定として、優れている。
しかし、今のブラック企業は、採用経費の問題から、この小説のように、やみくもにヒトをやめさせたりはしない。
寧ろ、現実のブラック企業は、一度入ったら、辞められないところに問題がある。
その意味で、ブラック企業の取材が甘いと言える。また、最後のシーンは、完全に尻切れとなっている。
取材の甘さ、技法に、疑問がある一冊。
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4087452832
No.22:
(3pt)

不動産の営業話・・

主人公は松尾君(男性)。
大学卒業後、不動産会社に勤めた。
仕事内容は、営業として家を売ること。

初めは、なかなか売れない。
それも当然である。
家は、一生で一番高い買い物だから。(本の中では、相場は4000万〜8000万程)
上司からは、いじめられる。「辞めろ!」と恫喝される。
私生活は乱れている。休みはほとんどない。アパートに帰っても寝るだけ。
そんな中で目標を失い、辞めようと考える。

しかし、偶然、家が売れた。
そのことがきっかけとなり、また、上司にノウハウを再教育されることにより、家が次々と売れるようになる。
待遇も給料も良くなった。

その分、社会や人を斜めからしか見られなくなる。
また、私生活は更に乱れる。
ずっと寄り添っていてくれた女性(真智子)を邪険に扱うようになってしまう。

最終的に、本人も、何が正しいのか?、何処に向かうべきなのか?を分からぬままラストを迎える。

不動産業界の現状が少なからず理解できた気がした。

松尾君が、自分の将来や周囲の人物の好意についてもっと考えて行動してほしかった。
また、他のレビューにもあるように、他の登場人物(真智子や課長)について、掘り下げて描いて惜しかった。
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No.21:
(5pt)

現実を「舐めない」、圧倒的な描写力

学生時代好きだった本を忘れ、好きだった映画が名画座で上映されても見に行かなくなる。かつては寸暇を惜しんで、演劇に通いつめたり、旅にでていたのに、休みになると「疲れたから温泉にでもいこう」と言って、漫然と過ごす。学生時代の自分が嫌悪していたこんな「大人」を鏡で発見、愕然とする。

 学生から社会人になってしばらく経つと、大なり小なりこんな体験をする。
 
 一流大学を卒業し、「なんとなく」就職活動をし、休みが一日もなく体罰が日常茶飯事な、「ブラック企業である」住宅販売の会社の営業マンに就職した本作の主人公の同じようにやるせなさを感じる。

 「会社で働きはじめ、アパートには寝に帰るだけの仕事一色の生活になると、愛着のある物が日々の生活の中に一切入り込まなくなり、気にも留めなくなった。そして今、何の躊躇もなく、それらを不要だち口にしている、いつの間にか自分の感覚のいくつかが摩耗し、それまで気に入っていた物事に関心を持てなくなっているらしいことに気づいた。
 このままずるずる行けば、あらゆることに好奇心を持てなくなるような気がする。何に対しても感動しない抜け殻のような自分がすぐそこにいる。体と金さえあれば、たしかにどうにかなるのかもしれない。しかし、いずれ訪れようとしている虚無を想像すると、その粋がりも崩れ落ちた」(P85)

 「単に」働き、単に「稼ぎ」、「単に」生きていく。自分の喜怒哀楽を徹底的に欠いたそんな「単なる労働者」としての生活はまっぴらごめんである。生々しい「ブラック企業」の描写とともに、こんな若者らしい問題意識を主張されれば、最近はやりの若者のリアルを描いたロスジェネ小説として、喝采を浴びそうなものである。例えば、朝井リョウ『何者』のように。
 だが、本書がそれらの作品と一線をかくしているのは、そんな「単なる労働者にはなりたくない」という若者の自意識のグロテスクさを容赦なく、ついている点である。

 「お前らは営業なんだ、売る以外に存在する意味なんかねえんだ。売れ。売って数字で自己表現しろ。いいじゃねえかよ。わかりやすいじゃねえかよ。こんなにわかりやすく自己表現できるなんて幸せじゃねえかよ。売るだけだ。売るだけでお前らは認められるんだ。こんなわけのわかんねえ世の中でこんなにわかりやすい方法で認められるなんて幸せじゃねえかよ。最高に幸せじゃねえかよ」(P81)

 「自意識が強く、観念的で、理想や言い訳ばかり並べたてる。それでいて肝心の目の前にある現実をなめる。一見それらしい顔をしておいて、腹の中では拝金主義だ何だといって不動産屋を見下している。家ひとつまもとに売れないくせに、不動産屋のことをわかったような気になってそれらしい顔をする。
 お前は、自分を特別な存在だと思ってる。自分には大きな可能性が残されていて、いつか自分も何者になるとどこかで思っている。俺はお前のことが嫌いでも、憎いわけでもない、事実を事実として言う。お前は特別でも何でもない。何かを成し遂げることはないし、何者にもならない。」(P91)

 単なる労働者とは違う、「何者」になりたい。その気持ちは実は、自分のおかれた状況を相対化するだけで、他者とは違う「者であるかのように」見せようとする矮小なナルシズムではないのだろうか。このように「若者のナイーブな自意識」の正体を告発する。

 無限の相対化プロセスに逃げず、自分が「単なる労働者としての生産性」しか他者から評価されるべき基軸を持たない「かつて自分が見下していた凡百の『大人』」に過ぎないことを一度認めたところからしか、自分の人生ははじめられないのではないか。うすうす自分がかつて思い描いたような「何者」でもないことに気づきながら、もはや「何者に憧れること」や「何者であると信じ続けること」から降りられなくなり、苦しんでいる若者にこう処方箋を提示する。いつしか、私たちは主人公のようにある種の説得力に茫然としてしまう。

 もっとも、悪意たっぷりのラストシーンでこの正解らしきものもまた見事に否定されるのだが、それさえも現実を一つの「見解」を暗記することで舐めるなというメッセージに呼応しているように思う。

 著者自身は、住宅販売営業ではなく、友人の経験談をもとにこの小説を書きあげたという。同世代の若者が「そうありたい」と願う観念に安易に迎合するのではなく、「現実を舐めずに」、現実を描写する。今後も冷徹な見巧者としての視点で、身も蓋もない様々な社会の実相を描き切ってほしいものである。
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No.20:
(3pt)

仕事との向き合い方に悩む人は読む価値あり

不動産業の内情をいくらか投影した作品だろうか。
思いやりや優しさが邪魔して、売上を作れない「僕」。そんな主人公には毎日のように罵声と暴力が浴びせされる。ある日、戦力外通告の異動を勧告された先の支店で、転機となる上司との出会いを果たし、一件の売上をつくる。以降、上昇気流に乗ったようにノルマを達成できるようになる。
要因は基本に忠実な営業活動だった。ここにはビジネスで結果を出す為の最低条件が描かれている。

しかし、売上だけに固執する「僕」に以前の優しさは姿を消していた。そんな自分自身に当惑しつつ、仕事を続ける「僕」の心の葛藤がうまく表現されている。
お金とやりがいと倫理。結論付けない終わり方は読者に考えさせる終わり方と言える。
私は、やり方が自分に合わず、結果を出せなくても自分が活きる道がきっとあると思うので、その道を探すアクションを伴ったフェードアウトはありかと。
ただ、ビジネスはそんなに簡単なものではないというのも受け止めたい一冊。

著者は1983年生まれ、29歳の会社員。
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4087452832
No.19:
(3pt)

仕事は選びましょう・・

何故に 松尾君は会社を辞めないの??

真智子さんて どんな人なの??

話の筋や業界の内幕などは とてもリアリティがあって
面白いけれども・・・

もう少し 人物を掘り下げていけばもっと厚みが出て
良い小説になっていくでしょう・・・

でも、住宅を買おうと思っている方々は 参考までに
一読する価値はあるように思います。

お客さんの「キャラ」も 膨らませていくと面白いですね・・

仕事で金を貰うのは大変です!!!
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No.18:
(3pt)

終わり方がちょっと、、、でも不動産屋は、、、

終わり方がちょっと尻切れになった感じがするが、
不動産屋、それも売買の営業はだいたいあんな感じだ。
25年前 自分もその中にいたから。
売れば神様、売らないのはゴミ同然。
売上がない社員は0社員と呼ばれた。
だから 偶然でも何でも「営業の神様は見ている」と言われ
諦めなかった。
でも 5年で足を洗った。

余談だが 客が自分から名刺をだすのは
自分の時にも 一人だけいた。
電話も向こうから
「あ、リクルートのXXだけど」 と かなり上から目線。
当時 まさしく 一番元気な リクルートの社員だった。
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No.17:
(4pt)

自分の事を特別な存在と思ってくれる「他者」がいてはじめて「何者」になれるのだと思う。

すばる文学賞受賞作。
エリート大卒、戸建住宅の新米営業マンの物語である。
最初は、ブラック企業を舞台にした青春モノなのかと思ったが、
そんなヤワなものではなかった。

主人公は入社以来、一件も家を売った事がない男である。
心のどこかで住宅営業の馬鹿にしている。だから仕事に身が入らない。
その姿勢を上司に見透かされ、罵倒され(この罵倒のセリフがキレキレである)、左遷される。
ただ一念発起、難関とされる狭小住宅を一件売ってから辞めようと決意し、がむらしゃらに営業をする。
そして、売れるのだ。エリート営業マンでも売れなかった家を売ることだ出来た。
社内の評価も一転、皆の見る目が変わる。自信がつく。いつのまにかエース候補。
昔の彼女とも寄りを戻せそうだ。
自分を顧み、努力をすれば、人生は変わるのだ。
めでたしめでだし、でこの作品は終わらない。
 
順調に見える後でも彼は満たされることは無い。
自分の人生にしっくりきていない。むしろ蝕まれ、壊れる寸前であるように思える。
それは何故だろう?

会社にとってエース営業マンは「自分」ではなくていいし、
昔の彼女がつきあいたい男も「自分」でなくていい。
エリート大卒、エース営業マンというスペック。
スペックだから入れ替え可能である。それをひしひしと感じているから、彼は満たされないのだろう。
人は、自分一人がいくらがんばっても、特別な「何者」にはなれないのだ。
自分の事を特別な存在と思ってくれる「他者」がいてはじめて「何者」かになれるのだと思う。

作中の以下の台詞は、とても刺さった。

「いや、お前は思っている。自分は特別な存在だと思っている。自分には大きな可能性が残されていて、いつかは自分は何者かになるとどこかで思っている。俺はお前のことが嫌いでも憎いわけでもない、事実を事実として言う。お前は特別でも何でも無い。何かを成し遂げることはないし、何者にもならない」
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No.16:
(4pt)

初心に帰りました

不動産業界に身を置くものとして、興味深く読ませて頂きました。
著者が事細かに取材を行ったのが、よく分かります。
一気に読めてなかなか面白かったです。
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4087452832
No.15:
(3pt)

完成品が読みたい

不動産の新人営業マンが身を削られながら家を売る話。文章は読みやすく、筋運びは滑らか。パワハラや長時間勤務といった社内の光景は、昨今のブラック企業を連想させてそれなりの生々しさがある。さほど退屈せず一気に読めるのではないか。

だが、完成品とはいいがたい。一流大学を出た主人公松尾は、なぜあえて不動産業を選んだのか。恋人とはその後どうなったのか。元カノは?そして唐突な結末。回収されていない箇所が少なくない。編集の手が入ったと思しき不自然な箇所もある。

折角の良作なのだから、文庫版ではぜひとも完成品を読ませてもらいたい。
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4087452832
No.14:
(3pt)

「クロージング」がなんとも中途半端

「客をぶっ殺す」という隠語で表されるほど過激な業界の独特の体質を鋭く描き、その体質ゆえに次々と営業マンが辞める、というか辞めさせられしまう不動産販売会社に新卒で入社してしまった青年が主人公。

舞台となる「ペンシルハウス」専門会社での独特の営業手腕、小説的な練りこみで際立つキャラクター、普通の会社に就職して気楽にサラリーマン生活を送る大学の同級生など序盤から終盤までイッキに読み込んでいけるところが著者の力量であることには間違いない。

しかし、営業でいうところの「クロージング」が甘く、なんとも肩透かし。新人賞への応募作品であれば、続編期待よりももっともっと過激で極端なエンディングを狙うぐらいの新人らしい「イキの良さ」が必要だった気がする。
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4087452832
No.13:
(2pt)

業界暴露&ゆとり世代 はげまし小説

首都圏の狭小住宅に需要がある業界実情と(いまだ)土地神話に踊らされている首都圏のお話。

高学歴&ゆとり世代の青年が体育会系の営業を通じて成長?していくのかな。。

家を買えば幸せになれるの?とかテーマがあるわけでない。

最終的な上司の課長がなぜ商社から転職してきたのかふれずにプッツリ終了。

住宅販売事情にうとい読者は1読できる。さすがに2回読む気になれない。
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4087452832
No.12:
(1pt)

文学賞をとる内容なのかな?

さらっと読む分には悪くはないかもしれない。でも読んだ後に何か残るわけでもないし、例えば電車にのっていて別にやることがないときに暇つぶしになる程度の内容だと思う。最後も「あれ、これでおしまいなの?」という拍子抜けの結末で完成度が高いとは言いがたい。一時間もあれば十分読めるので、興味があれば図書館で借りて、あるいはその場で読めば十分であろう。このレベルですばる文学賞を受賞したというのは理解に苦しむが、私の感性が低いのか、審査員がおかしいのか。他の皆さんのレビューもほとんどがほめているようなので、多分、前者なのだろうが、単純に不思議である。
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4087452832
No.11:
(2pt)

小説というより不動産業界のちょっとした裏話?

新聞広告のレビューを読んで、自分も読みたくなりました。じつは私自身住宅が好きで、住宅や不動産関係の雑誌・フリーペーパーや本を読んでいます。WEBサイトで自宅沿線の物件動向を見るのも結構面白いものです。そんな私からすると、残念ながらもう一歩踏み込んでほしいと感じました。不動産屋のテクニックは、まだまだたくさんあります。
 しかし本書は、「不動産屋のこわーい話」といったネタ本ではなく小説です。では、小説として評価するならどうか。わりと単調で、さらっとしているので、読み応えもイマイチでした。かさ高の紙を使い、巻末まで一気に読める工夫をしたかったのかもしれませんが、税込み1,260円は、私には少々高かったです。これくらいのキズ物件(?)はザラにあるし、売れそうで売れず、もの凄く苦労してやっと売れた!というストーリーの盛り上がりがもっと欲しかったと思います。主人公の内面の描き方も、もっと深くできたと思います。
 悪い事ばかり書きましたが、こういう新星の著者はものすごく応援したくなります。練りに練った濃い小説を期待しています。
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4087452832
No.10:
(5pt)

きれいな本でした!

カバーに少々傷があるということでしたが、ほとんど気にならない状態でした。
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4087452832
No.9:
(3pt)

リアリティがない

私の家は世田谷、駅から4分。一戸建て。ペンシルハウスではないですが、狭小住宅です。建坪率40%、容積率80%。25坪の土地に家が建っています。25坪で容積率80%というのは床面積がわずか70平米しかありません。しかしこれでは住めませんので、実は違法建築で一部屋多く建てています。
この作品では販売の方からだけ狭小住宅に視点を当てていますが、工務店の方は、いかに狭い土地で、厳しい建築基準を逃れながら売れる家を作るかに心血を注いでいます。そのテクニックには驚くほどもののがたくさんあります。本当はこの作品でも、それを書いてくれればもっと面白かったのでしょうが。

それから、私がこの本を読んでいて非常に不愉快だったのは、主人公の松尾が会社に入って何年も経つのに、自分で「なぜ」を考えずに、まったく努力をしていないことです。豊川課長に指導されなくても、営業マンのイロハぐらいは自分で勉強しろ、といいたくなります。売るために必要なのは、相手をだますことではなく、相手に信用されることです。この男は全く相手を考えません。家族構成は、仕事は・・そんなことを知らないで、最適の物件を紹介できるわけがありません。今時、提案が出来ない営業マンが成功するわけはないでしょう。

この著者は、たぶん自分自身は家を買った経験がないのでしょう。聞きかじっただけの面白話を寄せ集めただけの小説に見えました。
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4087452832
No.8:
(5pt)

大学生にこそ、読んで欲しい

「戸建不動産会社」に就職し営業職になると、こんな仕事っぷりであることが良く分かる。
誇張でもなんでもない。おそらくリアルであろう。いかにも“ありがち”である。
良いとか悪いとか、好きとか嫌いとかではなく、「しごと」とは「お客様にご満足を与え、社会に貢献する」ことだと知って欲しい。その結果が、報酬なのだと。
理不尽な上司のハラスメント、洗脳される営業たち、仕事への矜持、人との出会い、働く技術、「個客」への貢献、ワーク・ライフ・バランス、パートナーの大切さなどなど、職業生活の様々なことを知ることができる。
大学生にこそ、読んで欲しいと思う。そして逃げずに、自分の人生と向き合って欲しい。
狭小邸宅 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:狭小邸宅 (集英社文庫)より
4087452832

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