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青嵐の坂
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青嵐の坂の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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ストーリー展開は巧みでぐいぐい読んでいくのだが、人物造形が単色で、複雑そうな人物もけっこうあっさり変化してしまう。 | ||||
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マアマア | ||||
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著者は亡くなった後も新作が刊行され順調に文庫化される。本書もそのように文庫化された。 本作品の特徴は最初は嫌な奴だった主人公の義兄や殿様が途中から良い奴に変貌してゆくところだ。特に主人公の義兄など主人公に「義兄上はいつの間にか大きくなられましたな」と嘆息される。また悪者だった地元の商人や、大阪の商人の手先の女性さえ変心する。この辺りは本書の娯楽作品としての白眉といえる。都合よすぎと思いつつやはり小気味好い。 それ以上に本書のインパクトは主人公の老僕の「年々、皆の暮らしは苦しくなるばかりで」というセリフにあった。考えてみればこれこそは江戸時代を舞台にした時代小説の普遍的な主題であり動因ではないか。窮乏化法則の具現化と言えるし、ラスボスの大阪商人などは資本の原始的蓄積過程の象徴といって良い。そうであるからこそ御都合主義的なまでに小気味好く登場人物が心変わりするにもかかわらず本書は全体として陰翳が強くなる。その辺りを堪能できた。 | ||||
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久しぶりに夢中になって読んだ時代小説でした。 武家ものであり、家族小説であり、そしてミステリー仕掛けとなるかな。 どんどん展開が変わっていき、登場人物の活躍も見事、圧巻でした。 逝去された4年です。 葉室さんに代わる時代小説の書き手は出てきてません。 葉室さんの最高傑作といってもいいくらいの出来でした。 | ||||
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変革を為そうとした折りには、鬼になる必要があるのなら鬼に徹する決意が要ること。長として身命を賭して事に当たることの気構え。人を信じること家族の絆に感銘しました。 | ||||
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別本を次回に購入と考えています。宜しくお願いします。 作者は亡くなっているんですね。残念です。 | ||||
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登場人物があまりに類型的。青雲の志を持つ若年の武士、守旧派の重職、利に敏い豪商たち。「映像にしてほしい」という感想がありましたが、ある意味そのとおりで、ドラマの脚本を読んでいるような気分にさせてくれます。 | ||||
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葉室氏が病床で書かれた作品。購入してしばらく読めなかったが、読み始めたら一気に読み、読みながら映像が浮かんだ。 葉室作品は殆ど読んでますが、どれも映画化してもらいたいものばかりです。これからもっともっと書いていただきたかった作家なので、昨年末の訃報は本当にショックでした。藤沢周平のように後世に名の残る作家であることを確信しています。 | ||||
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創作が優れ、読者の予想がつかない展開に、早く先を詠みたい欲求に追われました。 | ||||
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葉室麟は同郷なので、殆どの作品をよんでいる。デビューは五十路を過ぎてと遅かったが、初作から時代小説家としては完成度が高く読み応え充分であった。 直木賞候補に矢継ぎ早になり、『蜩ノ記』で見事に直木賞を受賞する。この時期の作品は正に飛ぶ鳥を落とす勢いで、発表する作品はどれも実に面白かった。 私も彼の作品を楽しみにしていた一人であった。しかし、ここ数年は余りにも多作過ぎ、何をそれほど急いでいるかと訝った。往時の面白さは影を潜め、作品が乱雑になって心に響く魅力は失せていった。 この作品も厳しくなるかもしれないが、最後まであまり面白くなかった。とはいえ、葉室麟は時代小説家として後世まで語り継がれるのは間違いない。 | ||||
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葉室燐の『青嵐の坂』を読みました。政治を改革しようとす者の覚悟とは何かを示した作品です。車中で読んでいて、ポロリと涙がこぼれるのを止めることができませんでした。 中老に登用された檜弥八郎は藩政改革に着手するが、改革は領民の生活を圧迫、そんな折に弥八郎は収賄の疑いで糾弾され切腹、改革は三年で頓挫する。弥八郎の娘・那美は、親類の中で最も貧しい、遠縁の矢吹主馬に預けられた。 それから数年後、弥八郎の嫡男、慶之助は、代替わりした新藩主の側近として国入りを果たす。そして、自らの考える藩政改革に意欲を燃やし、藩札の発行など、新しい政策を提案する。また、一見愚鈍にみえた主馬だったが、実は明敏な知性の持ち主で、慶之助の改革を支援する。 守旧派の家老らは、慶之助の出生に係わる疑惑を持出し、慶之助を排除しようと企む。 一方、藩札の発行をするために、領内の商人たちを陰で操る、大阪商人升屋喜右衛門の策略にかかり、慶之助は幽閉されてしまうのだった…。 最後は、自らの命を犠牲にした、慶之助の裂帛の気迫で解決を見る。そして那美と主馬のさわやかな後姿で、物語は終わるのだが、藩札の発行で一息ついたかたちの扇野藩だが、藩の財政は決して楽にはならないだろうなぁ、と思います。結局、殖産興業をしないと、どうしようもないと思うのでした。 那美と主馬の情愛であったり、父とうまくいっていなかった慶之助と檜家を継いだ主馬の軋轢など、いろいろ描かれていますが。惜しむらくは、升屋喜右衛門の手先としてでてくる、妖艶な美女、力(りき)に最後のほうで、もっと出番があればよかったのに思う。 作中、印象に残った言葉を挙げると、 「政を行うということは、いつでも腹を切る覚悟ができているということだ。そうでなければ何もできぬ」 「ひとの心の結びつきは血でも家柄でもないと思います。ふれあう心があれば、家族であり、夫婦なのではないでしょうか」 「政は民の信頼があってこそ成り立つのだ」 最後の言葉など、最近の安倍さんにきかせたいところですね。 | ||||
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