陽炎の門
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下士から執政に昇った主人公、20年前に自らの証言が友を死に至らしめたばかりか、その介錯を己が手で。紆余曲折の末、妻はその友の娘。そして今、友の息子であり妻の弟である青年が江戸より下向、自分を敵として仇討ちに。と、ここまでは作者お馴染みのコテコテ小藩物ですが、かつて友の咎を証拠づけた落書の真贋をめぐり謎は謎を生み・・・過去の因縁と周囲の思惑、藩内の派閥や侍ならではの矜持が絡むミステリ仕立て。主人公自ら探偵役となって、なかなかのページターナーとなる筋立ては、作者がお好きだったという海外推理物のにおいも。ラストで登場する「真犯人の告白」長文やその思考推移、秘された心情、大団円を含めれば、クリスティの一部作品、いやむしろ横溝正史の気配が濃く(おどろおどろしい面ではなく、ひとの心の奥底にある哀しさという部分)。 小藩サムライ物として、あるいは時代ミステリとして、それぞれ単独で見ればパタパタッと畳まれていて「あれ?」となる部分もあって勿体無い気もしますが、2つの分野の融合作として見れば実に見事な仕上がりなのでは。 また作者の他の物語でも類似の言葉を主人公が放ちますが、本書でも「正義を振りかざし、悪を糺すのもいわばおのれの立場を守らんがための方便なのではありますまいか」と(文庫本249頁)。これは作者御本人が、世にあふれる賢しらに己が「正義」を振りかざして他者の瑕疵をあげつらい糾弾する人々が心の底からお嫌いだったゆえでしょうか。などと思いつつ、今回も、このような物語を残された葉室先生に敬意と感謝を。 | ||||
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・ミステリー仕立てにしても、のっけから時代小説として不可解な設定が、見られる。 「軽格の家に生まれた」者が、「執政」入りするのは、如何に小藩であれ、家柄・家格がものいう封建の世に、余程のことがない限り、有り得ないはず。「四十に間のある若さ」にあっては猶更で、どこで触れるのか、このことにミステリーのキーが潜んでいるのでは、と思いつゝ読み進めたが、文中、全く素通りであった。 同様のことは、藩主と執政、執政同士など人物の接し様に、交わす言葉を含め、隔たりを置いていないことにも見て取れた。 こうした点から、著者の時代小説に対する見識には、疑問を抱かずに居れない。またストーリーの結末の付け方についても同様で、諸氏レビューにあるように、確かに読み易いし、興味を引かない筋ではないが、評価は割り引かざるを得ない。 | ||||
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中古とはおもえないほどきれいでした | ||||
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藩の重役に取りたてられた主人公が自らにかかった疑惑を晴らすため真犯人を探すというミステリ仕立てになっているのだが…… 主人公が意外な犯人を見つけたものの、実は周りの主だった者はその前から薄々真相を知っており、知らぬは主人公だけだった。 しかもその真犯人は終盤、真相を知らず犯人に操られていた者の前で得意げに自分の犯行だとベラベラ話してしまい、 自ら立てた計画を台なしにしてしまう。 物語自体は面白いのだが、ミステリとしてはご都合主義的なところがポロポロ見えてしまう。 物語★5つ、ミステリ★1つで、総合的には★3つ。 | ||||
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筋を通さねば気が済まない氷柱のような気性の主水が主人公。 葉室麟氏の男、そしての女の有るべき生き方、人が生きることの切なさ不条理が清冽に描かれている。 | ||||
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