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(短編集)
最後の楽園: 服部まゆみ全短編集
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最後の楽園: 服部まゆみ全短編集の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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服部まゆみの全短編集。全17編。単行本または雑誌で発表済みのものばかりで、未発表作品はない。(以下、数え間違い、勘違い、見解違いご容赦) 服部まゆみは1987年『時のアラベスク』が横溝賞大賞を受賞してデビュー。2007年に58歳で没。9冊の長編と1冊の短編集を残した。 個人的に一番好きな作品は、ヴィクトリア朝時代ミステリーの傑作『一八八八切り裂きジャック』である。 概略 〇長さは、中編1編(『桜』)、中編に近い短編が6編(『時のかたち』、『雛』、『怪奇クラブの殺人』、『松竹梅』、『骨』、『葡萄酒の色』)、短編が9編、詩が1編である。 〇初出は、雑誌→個人短編集が4編、アンソロジーが6編、雑誌が6編、自主版1編である。 〇シリーズ性は、画廊幽玄堂シリーズが2編(『骨』、『雛』)、金田一耕助シリーズが2編(『松竹梅』、『髑髏指南』)で、他はノンシリーズである。 〇猫ミステリー2編、美術ミステリー1編、昆虫ミステリー1編、犬ミステリー1編、猫・音楽・桜ミステリー1編、歌舞伎ミステリー1編、美術ホラー1編、人形ホラー1編、蛇ホラー1編、その他6編である。 私的感想 〇物足りない作品が数編あるが、他はよく考えられ、吸引力高く、個性的な佳作揃いと思う。 〇内容で分けると、純粋な本格ミステリーは1編のみ(『松竹梅』)。怪奇、耽美、ファンタジー色を帯びるが、ミステリーにこだわっているもの8編。非現実のホラー・ミステリー2編、怪奇小説とゴシックロマン6編かと思う。ミステリー仕立てにこだわっている作品に傑作が多い。 〇以下、気に入った作品を一位から五位まで選び、ちょっとコメントを書く。 第一位『時のかたち』・・ホラーかと思ったら、堂々たる本格トリック。情念深い。 第二位『葡萄酒の色』・・軽井沢ミステリー。暗示とうわさ話の陰で情痴ドラマが進行。猫の使い方が巧み。 第三位『松竹梅』・・昭和44年の金田一耕助。堂々たる本格トリック歌舞伎劇場ミステリー。 第四位『桜』・・猫・音楽・桜・遺言・親子関係・妻妾関係と盛りだくさん。愛人のキャラクター設定が魅力的。 第五位『Happy birthday to you』・・非現実のホラーミステリー。面白い。構造は大体わかっていても展開は意外。 次点『猫の手』、『恋する心』・・巻頭の短い2編。どちらも強烈な印象を残す。 私的結論 〇貴重な出版である。 | ||||
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