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(短編集)
息吹
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息吹の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全40件 1~20 1/2ページ
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ハイレベルな作品集であるのは疑いもない。アマゾンレビューも絶賛の声で溢れ返っている。が、私には絶賛は出来ない。自分のレベルでは、理解出来ない作品もあるからだ。 個人的には、表題作が厳しかった。書いてある内容がわからないわけではないし、SFマインドをくすぐる傑作であるのも理解出来る。が、残念ながら、私の心には響かなかったのだ。他にも宗教的に面白さが理解出来ない作品があった。作品の出来とは別に、読み手としてレベルが足らなかった感じ。 逆にストーリー性のある作品は、非常に楽しめた。何と言うか、ある意味下世話な内容が、読み手としての私のレベルに合った感じ。 読み手のレベルが問われる作品集で、背伸びしても駄目。表題作が試金石と思う。 | ||||
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なかなか哲学的なSF中短編集だった。私には理解できない哲学的というか宗教的というか、一般的な日本人には概念として理解しづらい作品もあった。まあ、あまり深く考えないで、そういう世界があることを受け入れてから作品を楽しむ分には、どの作品も、いいところに自分を連れて行ってくれる。世の中を理解するのに、ひとつ階段を上がったような成長さえ感じる(成長したかどうかは別の話)。個人的に気に入った作品は、ドラえもんの秘密道具的なタイムマシンがある世界を描く「商人と錬金術師の門」。 | ||||
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テッド・チャンの『息吹』 1作目は、「証人と錬金術師の門」歳月を隔てて一つの門があった。過去にも未来へも行けるが、あったことはなかったことにできないし、なかったことはあったことにできないのだった。この門をくぐった人物たちの物語だった。とても感心させられる物語だった。ハヤカワSF文庫の時間SFアンソロジー『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』でも読んでいた。 2作目は、「息吹」主人公は人間ではない。機械人間である。空気圧の差で思考する機械である。一体の機械人間が自分を解剖してわかったことだった。いつか空気圧が平衡状態になって、自分たちが二度と思考できなくなる日がくることを知った。ハヤカワSF文庫の『SFマガジン700 創刊700号記念アンソロジー 海外篇』でも読んだ。 3作目は、「予期される未来」予言機なるものがある。スイッチを入れるまえに光るのである。そこから、人々は3分の1が思考停止状態に陥った。思考停止状態に陥るのも運命だった。それは誰に訪れるかわからない。自由選択の余地のないものである。 4作目は、「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」コンピューター内で学習能力のあるキャラクターたちを育てている主人公。キャラクターは法人になりたがった。キャラクターたちはセックスを目的とする会社と契約するのを良しとした。ハヤカワSF文庫の『2010年代海外SF傑作選』でも読んだ。 5作目は、「デイシー式全自動ナニー」数学者デイシーが開発した全自動のお手伝いさんロボットの話。博士は自分の子を育てさせた。その子も数学者となり、全自動のお手伝いさんを改良して自分の子を育てさせた。一時期、養護施設に入れたが、ふたたび全自動のお手伝いさんに自分の子の面倒を見させた。 6作目は、「偽りのない事実、偽りのない気持ち」デジタル記憶というのがあって、客観的な事実を記憶しているのだが、主観的な事実とは異なっていた。人間は物語でできている。主人公は自分が客観的な事実、デジタル記憶と違っている主観的な事実のもとで生きているのを実感している。 7作目は、「大いなる沈黙」オウムが知能を持っている。彼ら自身の神話を持っているという話。 8作目は、「オムファロス」考古学者が主人公。地球を創造した神について、新しい天文学の発見から考察する。 さいごの9作目は、「不安は自由のめまい」プリズムという名前の機械を使って、パラレル・ワールドの人間と情報のやりとりをする社会。そこでは、パラレル・ワールドにいる自分とも会話できたりする。 | ||||
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書店で目立つ場所に置いてあり深く考えずに購入しました。恥ずかしながらテッド・チャンのことをよく知らず本書で初めて読みましたが、とても満足しています。 本書は9つの短編が盛り込まれていますが、それぞれがとてもユニークで粘着性があり、ストーリーやそこから浮かび上がる情景を当分忘れないだろうなと感じました。クライマックス感やラストの驚きなどはないかもしれませんが、まるでカズオ・イシグロ作品のような静かな深い感動を与えてくれる作品とも思いました。さらに言えば、SF作品というよりは未来社会の課題や機会を純文学作家がSF調で書きました、というような印象すら持ちました。時間や空間、自由意思などを哲学的に扱う点は、ミヒャエル・エンデ作品をほうふつさせます。ただエンデ作品よりはだいぶリアリティ度が高いですね。AIや量子コンピュータなどの進化によって近未来に実現していそうなストーリーが描かれています。 本書のタイトルになっている「息吹」という作品も非常に面白かったですが、私が個人的に最も興味を持ったのは「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」です。これは長編とでもいえるような分量なのですが、AIが進化し、バーチャル世界だけでなく、フィジカル世界にもハードウェアをまとって登場するのは時間の問題です(というかすでにまとっているロボット犬などもいる)。そのような新しい「存在」が一般社会に浸透した世界観がかなりリアリティをもって語られていて、いろいろと考えさせられました。もはやSF作品を超えて、学校の哲学や社会学、心理学などの授業でも教材として取り上げられるべきではないかと感じました。 繰り返しになりますが、あっと驚くような結末や、クライマックス感には乏しいかもしれませんが、感動が長時間持続するような、味わい深い短編集でした。 | ||||
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面白い!!と思える作品は全体の半分くらい。商人と錬金術師の門・偽りのない事実、偽りのない気持ち・不安は自由のめまいは特に面白いと感じた。人間に扱いきれない技術、道具が出てきたときにそれをどう扱うか人の心の在り様が描かれている。AI、テクノロジーが進歩しても人間は進化も進歩もしない。少し哲学的な話も多くそういった話が好きな人にはオススメ。若い時に読むのと40代、50代になってから読むのとで作品の感じ方がまた変わってきそうで面白い。 | ||||
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アイディアはSFですが問われているのはいまの私たちのアイデンティティーなのですよね。 機械学習と経験と記憶と表現と、ヒトたらしめるものとは何かということはもう過去の憧憬で、では私は何をするのか、と考えさせられました。 | ||||
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折りたたみスマホを購入して、何か小説を読みたいと思い 購入。わかりやすい話から想像力を働かせないと何を語っているのかわからない話まで、どっぷりと世界観にハマって楽しめた。SFでありながら近年のデジタル技術の発展によってありうるかもと思える話も多くて、楽しめました。 | ||||
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SF入門にどうぞ。短編集なので読みやすいです。 | ||||
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PodcastのRebuildで紹介されていた作品があったのでテッド・チャンさんの作品を読ませていただきました。正直あまりSF小説はこの年齢になってからは読む気が起きませんでしたが、この作品は久々に興味深く読むことができました。 全体は短編集なのであっという間に読み終えることができるのみならず、それぞれの作品ごとに考えさせられる場面が多いです。今の自分の生活や今後の世界観をふりかえるのにも非常によい本です。単なるSFもので「面白い」というだけの作品ではないので「おとな」にオススメできる作品です。 | ||||
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前著が大変面白かったので購入。『息吹』は物語のテーマが判った瞬間の興奮が『あなたの人生の物語』に通じる所があり、まぎれもない傑作だと思います。惜しむらくはこれに匹敵する作品が他の収録作に見当たらなかったこと。前著では表題作である『あなたの〜』を頂点に置きつつも、その他の『絶望とは神の不在なり』『ゼロで割る』『七十ニ文字』などそれぞれ妙味があり楽しく読めたので、比較してしまうと今作は満足度としては一歩譲ります。ただ『息吹』は広く読まれるべき名作。 | ||||
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読み終わった後に満足感がじんわり広がる そんなSF | ||||
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現実世界の延長にあるアイデアを基に、「それが本当にあったらその世界で人はどう生きてるか」ということを紡ぐことこそSFの真骨頂と思うのですが、そういう意味では「真のSF」らしい、SFでしか描けない、本来SFの描くべき物語が並んでいます。 タイムトラベルとかAIとかパラレルワールドとか、SFで「使い古された」アイデアの一つ一つに新たな(しかも見事な)回答を用意し、なおかつ「そこで生きる人々」の内面に深く切り込む手腕は、見事と言う他ありません。 宇宙人との戦いとかスリルとかサスペンスとかは無縁の、思索の海にゆったり浸かるような世界観。ちょっと星新一さんのショートショートを思い出すのですが、あのアイデアを基に「もう一歩」踏み込んだ感じとでも言えばいいんでしょうか。ある意味では「映画化」とか想定されない、小説らしい小説だとも言えます。 むかし星新一さんの本好きだったなーという方。タイムマシンで時間だけを移動して過去に戻ったら真空の宇宙空間に出ちゃうんじゃないの、と疑問を抱いたことのある方。数あるパラレルワールドのどこかにはもっとうまく人生を生きた自分がいるんじゃないかと夢想したことのある方。スターウォーズがSFにジャンル分けされることに今イチ納得いかない方。 そして「ちょっと静かな気持ちで読書したいな」と思ってる貴方。 そんな貴方、もしおられたら気合入れてお勧めします! ドキドキワクワクのスケールでっかいSFをお望みの方は、他の本にした方がいいですwww | ||||
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まだ全部読了していませんが、前作の『あなたの人生の物語』から17年、待っただけの甲斐ある 傑作だと思います。粗製乱造で作品を作るのではなく、練りに練られて凝縮された短編小説集だと 思わせてくれるのでじっくり一作ずつ向き合って楽しみたい書籍です。 SFというジャンルでくくってしまうのは勿体ない、すべての読書好きに読んで欲しいです。 | ||||
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デッド・チャンの短編集 どの作品も鳥肌が立つ瞬間がある傑作揃いだが、中でも表題の息吹は格別だった。 | ||||
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レビュー「中国SFヒット作!」を読んで投稿 テッド・チャンは中国系アメリカ人2世であり、両親とも移民だが、アメリカ生まれである。 チャンの作品には中国文化から特に影響を受けたものは、私の知る限り無かったはず。 ケン・リュウも中国系アメリカ人作家とされており、作風も中国を意識させるものが多いが、Wiredの記事で「違和感があるんだ」と答えている。三体でおなじみワン・チャイの作品は間違いなく中国SFだろう。 しかし、人種だけでSFをカテゴライズすれば、アメリカの作家は全滅。とくにアシモフは旧ロシア生まれのユダヤ人で革命後移住してきており、アナタの作品は何系?と尋ねたら、鼻を鳴らされそうだ。 | ||||
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評判のシェフが評判通りの料理を出してくれて大変満足しました。 どの作品も丁寧で粒ぞろい、前評判のハードルの高さを意識することもなく超えてくれている。 内容は意識、特に自由意志とテクノロジーの様々な組み合わせを丁寧に思考実験していて やたらと突っ走って破綻して終わりのような事は無く、最後までそれなりのスリルと納得感が バランスが取れていて上質な物語を満喫させてくれた。 最近こんな雰囲気のSFに巡り合えなくてある意味逆に新鮮に感じられた。 | ||||
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難しいことを分かりやすく伝えることが賢者の役割としたら、テッド・チャンこそまさにそういう作家! ショートショート好きもラノベ好きもきっと好きになる内容!間口広くて奥行き深い! | ||||
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素晴らしい小説です | ||||
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表題作の他、「商人と錬金術師の門」、「予期される未来」、「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」、「デイシー式全自動ナニー」、「偽りのない事実、偽りのない気持ち」、「大いなる沈黙」、「オムファロス」及び「不安は自由のめまい」の9つの短編から構成されるSF短編集。私は作者の作品は初読。 一口にSFと言っても、各短編の内容は百花繚乱である。タイムマシンを用いた人間の運命の考察をアラビアン・ナイト風の物語に仕立て上げる技巧。"生命の源"に関する形而上(解剖)学的考察と宇宙の"息吹"による生命の多様性の礼賛。自由意志に関するメビウスの輪的論考。人間とAIとの恋愛が成就するための努力を中心としたAI論。ライフログ(生活記録)に関する検索ツールの発明による言語機能や人間生活への影響を考察している様でいて、最終的には人類の読み書き文化(歴史)の真偽の追求。"フェルミのパラドックス"(何故、地球外生命体の声が人類に届かないのか?)に対する皮肉な回答。神の天地創造説の様な信仰に対して<How>を求める信者の科学者。筒井「夢の木坂分岐点」と発想が似ているが、"プリズム"という機械で任意に分岐出来る並行社会における自由意思と不安・嫉妬との相反性。 フィリップ・K・ディックを初めとしてSF作家の作品は思索的なものが多いが、本作はそれが際立っている。また、作者は情報科学が専攻(そうじゃないと、「ソフトウェア・オブジェクト」という用語は出て来ない)の由だが、諸学問に通じている事も明らかである。短編毎の長さの長短の幅が大きいが、百花繚乱の形而上学的思惟と多彩な語り口とが光る秀逸なSF短編集だと思った。 | ||||
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「商人と錬金術師の門」、「息吹」、「偽りのない事実、偽りのない気持ち」 が気に入った。 | ||||
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