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ミステリ講座の殺人



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【この小説が収録されている参考書籍】
ミステリ講座の殺人 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)

ミステリ講座の殺人の評価: 4.00/5点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

本格ミステリーファンを唸らせる黄金時代の極上の逸品。

米国本格探偵小説の黄金時代に活躍した名推理作家ナイトの邦訳2作目となる魅力的な謎解きパズル小説です。著者は実力があるにも係わらず何故か日本では不遇な扱いで、最初の邦訳は1950年(昭和25年)の『美女と金猫』という後期に書かれたサスペンス小説でした。私が考える理由としては、探偵役がやや平凡で華々しい魅力に溢れたキャラクターでない点が不利に働いたのではないか、と思います。本書にも登場するシリーズ探偵は大学の英文学教授ハントゥーン・ロジャーズです。一読した印象としては頭脳明晰で優秀な探偵なのですが、惜しむらくは目立ちたがり屋でなく控え目で個性に乏しい面があります。本書の原題は「天の声事件」で、天の声と呼ばれるドラの音が殺人直後に鳴らされる事から来ています。ミステリーの解説は難しいですが、簡単なあらすじとしては有名女流ミステリー作家の屋敷に集まった人々と庭師を含めた11人の中で殺人事件が起きます。刺殺・謎の銃撃・絞殺と異常な出来事が続いて行き、保安官がやってきますが無能で、客達が自分で推理を繰り広げて手掛りをつかみ、遂にハント教授が真相を導き出します。
本書にはミステリー的趣向の目玉として巻末に‘手がかり索引’がついています。真相に達する為の29のヒントと頁数が書かれていて、読後に読み返すと2倍楽しめます。私の感想としては素晴らしい名作とは思うのですが構成上の問題で、途中まで動機の検討がつかず五里霧中で進行し解決間際に事件の背景が明かされるという所がやや難点かなと感じました。読者はそこでこれまでに起こった事の意味を一気に見つめ直す必要があります。詳しくは書けませんが被害者の行動にも理解し難い不自然さが残ります。私の採点は厳しく辛目になっていますが、テクニックは抜群で★4.5に値する秀作ですので一読を強くお奨め致します。
ミステリ講座の殺人 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)Amazon書評・レビュー:ミステリ講座の殺人 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)より
4562041269

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