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(短編集)

ベーシックインカムの祈り



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【この小説が収録されている参考書籍】
ベーシックインカム
ベーシックインカムの祈り (集英社文庫)

ベーシックインカムの祈りの評価: 4.42/5点 レビュー 12件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.42pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(4pt)

近未来SF短編集

タイトルからは内容がよく分かりませんが、近未来SF短編集です。
どの話もどんでん返しがあり、一筋縄ではいきません。
落ちがブラックな場合が多いので、賛否があるかもしれません。
個人的にはもっとスッキリする話があっても良かったと思います。
人の善意がテーマになっている気がします。
ベーシックインカムの祈り (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ベーシックインカムの祈り (集英社文庫)より
4087444457
No.9:
(5pt)

ある意味未来予想図

Society5.0が色々言われている昨今、こういう時代がやってくるのかなと思うと、コロナ禍でteamsだの何度のと言われる物について行かれていない自分にとっては、時代について行かれないだろうなと不安を感じないでいられませんでした。
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No.8:
(5pt)

やわらかなグレッグイーガン

この本を買う前に、どこかのレビューで「まさに現代のグレッグイーガンだ!」と書かれていたのが気になって、本書を買うことにしました。ロボットが浸透することによって、ホンモノの価値はどうなるのか?というような小さな話ではありません。そこが素敵です。一貫しているテーマは、ロボット(や技術)によって、ヒトの常識が感受性がこんなふうに変わるのではないかということを提示しています。
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No.7:
(5pt)

経済関係の本じゃないw

実はタイトルを見て、かってに退屈だろうと思った(失礼)。おすすめリストに出で、紹介を見てSFミステリーだと知って購入したが、お、これなかなか面白い!フレッシュな感じ。 詳しくレビューしネタバレになってしまうけど...SF好きの読者にアピールする本だと思う。おすすめ。アマゾンのおすすめシステムに感謝したなぁ。
ベーシックインカムAmazon書評・レビュー:ベーシックインカムより
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No.6:
(4pt)

構成はうまい

短編集として、このようなまとめ方(ネタバレになるので)は今までなかったのではないか。
個々の短編ももちろん、全体としての構成が新鮮であった。

ボリューム、文量はそこまでないので、読書に不慣れな人も気楽に読むことは可能。
短編のため、物語における舞台、設定は狭く、タッチもやや軽い印象もあるが、一度
読んで損はなかろう。
ベーシックインカムAmazon書評・レビュー:ベーシックインカムより
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No.5:
(5pt)

デビュー作より好き

デビュー作より好き。
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No.4:
(4pt)

SFっておもしろい。。。

なかなか楽しめるSF本です。

未来技術が人間に気持ちに及ぼす影響を、夢想しています。

AIとロボットがもっと進化して、ベーシックインカムが実現すると面白いかも、と思える一冊です。
ベーシックインカムAmazon書評・レビュー:ベーシックインカムより
4087716791
No.3:
(5pt)

「ベーシックインカム」ほか4編

表紙に「SFミステリ短編集」とあるが、SFが苦手な自分でも抵抗なく読み進めた。最先端技術や理論を扱ってはいるが、現代人にとって身近なテーマであり、特殊知識も必要ない。読後感は純粋なミステリ短編集。

その中で個人的ベストは「もう一度、君と」。ここで扱われている、真相に気づく端緒となる手かがりは秀逸。この手かがりをきっかけに物事の見方が反転し、VR技術と密接に絡んだ一人の女性の真実が明かされる。本作品中で、ミステリ要素と最先端技術が物語に最もよく溶け込んだ傑作です。

ミステリ要素という意味では、巻頭の「言の葉の子ら」の、矛盾する細かな手がかりを丁寧につなぎあわせつつ真相を導き出す手腕が見事。

また、物語性という点では、「目に見えない愛情」の、ミステリとしてのどんでん返しが父娘の絆という物語にドラマチックさを付与しています。

掉尾を飾る「ベーシックインカム」は、ミステリとして特筆すべき点はないが、最後を締めくくるにふさわしい短編で、それまでの短編は未来への視点が楽観的過ぎるのではという違和感を解消し、この短編集の存在意義とでもいうべきものを高めている。

全体として、ミステリとして作者特有のマニアックさはなく、最先端技術や理論を巧みに絡めた物語性が豊かな本短編集。

SF好きではなくても、ミステリ好きでなくても、小説好きであれば楽しめるおススメの一冊です( '∀` )
ベーシックインカムAmazon書評・レビュー:ベーシックインカムより
4087716791
No.2:
(5pt)
※削除申請(1件)

ベーシックインカム(最低給付保障)政策について考えさせられた

本書五番目の、表題作となった短編作品「ベーシックインカム」が一番良かったです。
本書唯一の「書き下ろし」です。

他の四編は、既出の短編。
それらの四編は、「ベーシックインカム」に登場する大学教授の言葉によると、
「近々人類史に起こる大きな変化」(192頁)を題材にした小説だとのこと。

「君が発表した四つの短編には、共通したテーマがあっただろう?」(190頁)

「人類史上過去類を見ない大テクノロジー革命の嵐が、今の社会常識や価値観・道徳観念に、どう影響を及ぼすか。君はその『人間の変わりよう』を、描きたかったんだ」(191頁)

「ベーシックインカム」の主人公「私」は、単行本を一冊も出していない小説家。
これまでに発表した「四つの短編」には、共通したテーマがあり、
連作短編のような形で互いに関連していると、教授(著者自身)はいうのです。

主人公の「私」を、著者の「井上真偽」さんに重ねてしまいたくなりました。
しかし、実際の「井上真偽」さんには、既に単行本が何冊もあり、
賞をもらった本もあるというのですから、重ねるのは無理のようです。

作品「ベーシックインカム」では、「私」は「女やもめ」(188頁)。
ちなみに、著者の「井上真偽」さんは、女性ですか? 
男の人みたいな気もするんですよね、他の短編からは。

「真偽(まぎ)」って、珍しい名前ですよね。まさか偽名じゃないですよね?

そして、「井上真偽」さんは、「東京大学卒業」とのこと。
わざわざ卒業大学を実名で出さなくても、いいのでは?
引けちゃう読者もいますよ、若干一名。

できれば、「東京大学卒業」はやめてほしい。劣等感から変にこだわるようですが。
<成績良好だったが、学費等、経済的理由から東京大学中退>くらいでどうですか?

経済学とか論理学とか、<何とか学>と小説中に出てくると、
うわー<東大出てないから>、この小説無理無理、となる読者、結構いますよ。

小説書きたかったから東大中退したんや、
東大卒業してないヤツの小説は読んでくれへんのか、
なんてたんか切ったほうが、気骨がありそうです。

嘘でいいから、そんな小説家であってほしい。
そのほうが、人生も小説も面白くなりそうです。

短編「ベーシックインカム」は、
自分の恩師の大学教授が技術革新の影響を受けて「人間として」どう変わったのか、
ベーシックな金銭感覚ではどう変わっていなかったか、
そんなことを優しいタッチでユーモラスに描いています。

著者は、自分がこの作品「ベーシックインカム」で描きたかったことを
教授の口と声を借りて、語っているように感じました。
(東大?)教授という肩書の人間として作品にしています。

前半部は、経済学の解説みたいで、とても感心しました。
ベーシックインカム(最低給付保障)についても、
簡潔な<前書き>のように切れがいい文章が綴られています。

後半部(218頁から)は、ありきたりのよくある推理小説風。
219頁の「図」は蛇足。文字だけの世界にしておいたほうが、謎っぽい。
謎は謎のままにしておいてほしかった。読者がそれぞれ勝手に推理しやすいように。

「私の犯罪の理由? それはもちろん――金だ。私には金が必要だった」(242頁)

あらら。教授の答えは、昔ながらの犯罪理由。読者は脱力してしまいました。
金はみんなにとって必要なものです。だからといって、やってはいけないことがある。

金のせいで、「信頼。誠意。敬愛。そういった尊くも美しい感情たちが今」(242頁)、
読者のこころの中からもドン引きしていくのを感じました。

本書表紙カバーの大森 望さんの言葉に、いま一度、感じ入りました。
「技術は革新されても人間の情は変わらない。驚くほどエモーショナルなミステリだ」

そうそう、「ベーシックインカム」って作品は、お金の話でしたね。
「お金目的の犯罪は減ると主張する教授の預金通帳が盗まれる」(本書の「裏表紙」より)
なんて皮肉なことでしょう。結末を読んで、<オチ>としては笑えて良かったと思います。

<人間の情は変わらないもの>という前提で、
ベーシックインカム(最低給付保障)政策だけでなく、新しい技術の開発も、
注意深く慎重に対応していく必要があるのでは、と思いました。
ベーシックインカムAmazon書評・レビュー:ベーシックインカムより
4087716791
No.1:
(5pt)

トリックと情

タイトルを見ると、経済政策の本かと錯覚しそうですが、SFミステリの短編が5編おさめられた短編集です。
ストーリー運びがうまく、トリック(広い意味でのトリック)がよくできていることに加えて、なにより本書を特徴づけているのは「人間の情」を温かに描いていることです。
たとえば、(ミステリのネタバレにひっかからない程度に引用させてもらうと)最初の「言の葉の子ら」のなかに、先生の髪と同じ色の花を、保育園の園児がくれる、というシーンがあります。
園児はそれを「たんぽぽ」と言って、渡してくれたのですが、実はそれはブタナという花でした。

(引用はじめ)
 でも、タンポポで問題ない。なぜなら彼女が伝えたいことは、それで伝わったから。
 彼女が私に渡したかったのはタンポポではなく、この花が私の髪と同じ色だと気付いた、という気持ちだ。ならきっと彼女は、どんな植物学者が定義するよりも正しい意味で、今私に「たんぽぽ」をくれたのだろう。
(引用おわり)(15ページ、1~4行)

ほかの作品でも、心があたたかくなったり、ほろりとさせられたりして、個人的には非常に気に入った作品集でした。

ただ、「SF」という売り文句が入っているために、ふたつのブーイングの可能性があります。
ひとつは、「SFとは宇宙チャンバラだ」と思い込んでいる人たちから、「SFなのに、バトルもなにもないじゃないか」と文句が出るかもしれない、ということ。
もうひとつは、「我こそは真のSFファン」と名のる人たちから、「こんな軟弱な小説にSFを名のる資格はない」と文句が出るかもしれない、ということ。
逆に言うと、それ以外の人には、かなり受け入れやすい作品集なのではないかと思います。

個人的に気に入った作品を3つ掲載順にあげておきます。

〇「言の葉の子ら」
〇「存在しないゼロ」
〇「目に見えない愛情」
ベーシックインカムAmazon書評・レビュー:ベーシックインカムより
4087716791

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