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新アラビア夜話
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新アラビア夜話の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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モームの小説『人間の絆』に、この本が出てきたので読みました。 医者になるべく勉強をしている同書の主人公・フィリップが、ついにお金がなくなり、何かの職につかなければならなくなったとき、ふと、図書館へ行って借りた本が、この『新アラビア夜話』(1882年)。でも、フィリップには「どうにもこれは、読めなかった」。追いつめられた人には、こんな小説読めるわけない。なるほど、でした。 さて、『新アラビア夜話』。 本書は、二つの物語からなっています。「自殺クラブ」(3話)と「ラージャのダイヤモンド」(4話)。 「自殺クラブ」は、自殺志願の人が集まる異様な雰囲気の中で、志願者を殺していく、その会長を懲らしめるまでのお話。そして「ラージャのダイヤモンド」は、呪われた宝石のお話。両話とも、舞台は19世紀のロンドンとパリ。 これらの事件では、ボヘミアのフロリゼル王子とジェラルディーン大佐(「自殺クラブ」で活躍)が、水戸黄門と助さん(または格さん)のように問題を解決します。本当は、訳者の南条さんの解説にあるように、『千夜一夜物語』のハル・アル・ラシッドと大宰相のようにですが…。 なお各話では、語られる人物を変えて、主題が展開されます。あまり緻密ではありませんが、まあ、それなりというところでしょうか。同著者の「壜の小鬼」ほどではありません。 都市綺譚としては、当時のロンドンやパリの様子が思ったより描かれていない印象を受けました。これは、読者のわたしの勉強不足なのかもしれませんが…。 最後に、この小説には、全体の落ちがあります。それは主人公・フロリゼル王子の行く末。な〜るほど、と。でも、これは読まれる方のために伏せておきましょう。 やさしい日本語で訳され、南条さんの解説もおもしろく読める新訳。でも、本書は、スティーブンソンの小説としては、やはり物足りないものがありました。 | ||||
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