眺海の館
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光文社古典新訳文庫で出ている「新アラビア夜話」の2巻にあたる4編にそれ以外の4編を合わせた中・短編集。 出色は巻頭の表題作「眺海の館」。スティーブンソンと言えば冒険ロマンの「宝島」、怪奇小説の「ジキル博士とハイド氏」と2ジャンルに不朽のマスターピースを持つが、この中編は純血の宝島路線と言える傑作である。 荒海に臨む、リンクスと呼ばれる砂地の草原と人間を数分で飲み込む恐ろしい底なし沼のような流砂地帯のただ中にそびえる不気味な「眺海の館」。上流階級に属しながら世を捨て、放浪者となった若者が昔の親友を懐かしんで訪れた館は、館の主ノースモアとイタリアの秘密結社の暗殺部隊との暗闘の場となっていた。彼を魅了する謎の美女、多くの人々の怨嗟と血に汚れた大金、ひたひたと館に迫る姿なき影、どこからともなく響いてくる「裏切り者!裏切り者!」の絶叫・・・・・ 子供の頃「宝島」を夢中になって読み耽った記憶をお持ちの方なら必読と言えると思う。 また卑しさと凶暴性、高貴な紳士の誇りと友情という2面性を持つノースモアの魅力的な造形は、あの名作に「ジキル博士とハイド氏」のモチーフを持ち込んだとも考えられる。 残念なのは「眺海の館」が素晴らしすぎて、続く7編がどうしても物足りなく感じられてしまうこと。 20本のショートショート集のような「寓話」や創作民話のような「宿無し女」など、単独で読めば秀作もあるのだが・・・ なお宝島ファン向けとしては、寓話その20もお見逃しなく。 「宝島」本編の第32章と第33章の間の幕間劇のような、メタフィクショナルなシルバーとスモレット船長の会話を楽しめます。こういう楽屋オチってスティーブンソンの時代からあったんですねえ・・・・ | ||||
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