難破船
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スチーヴンスンの物語る才能に敬服。おそらく彼は1人の登場人物の来歴を容易に10通りくらい思いつくことができるのだろう。それがこの作品では裏目に出ているようだ。多くの挿話を入れたあまりに、大長編の中の骨格となるストーリーが霞んでしまっているようだ。ただ、彼の語る19世紀人の人生や考え方に興味が持てれば別だ。私は興味深く楽しむことができた。 | ||||
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とある芸術家の青年が友達の仕事に関わるうちにやがて・・・という物語。 文豪スティーヴンスンが当時の潮流になりつつあった小説を批判し、物語の復権を訴えた海洋冒険小説。その意図は作品のエピローグで著者自ら語られています。「就寝前に話の足場はしっかりと固められた。けれども扱い方についてはいつものように曖昧だった。我々は警察小説や推理小説といった極めて現代的な形式に、ずいぶん前に引かれたが追い払われた。そういう形式は物語で冒頭を除くそこかしこに登場し、結末を除くそこかしこで退場する。読むたびにその特有の魅力と、実行にともなう特有の困難にひきつけられる。そして、避けがたい欠点と思われる作為的な体裁と浅はかな調子に不快をもよおす。読者は手がかりを拾わされてばかりで、現実や人生の感銘は何一つもらえず、風通しの悪い精巧な仕掛けだけをあてがわれる。そういう小説は面白いが取るに足らないチェスのごときもので芸術作品とは呼べない。」と。という訳で本書は技巧的な小説になってはいなくて、例えば語り手の青年の若き日の描写などは後半の海洋冒険小説風な部分になんの伏線にもなっていないし、今の小説なら絶対こういう構成にしない、或は出来ないと思われますが、そうい一部分一部分がとても面白く、物語を読む醍醐味を満喫させてくれます。スティーヴンスンのファンで後に技巧的な推理小説を多数書くカー先生もこの部分を肝に銘じて色々書いていたと思われます。というような小説というより浪漫趣味溢れる物語という感じの作品なので、現代の技巧を凝らした小説を好きな人には喰い足りないかもしれませんが、個人的にはとても面白かったです。あと昔の作家はどういう訳か海洋冒険小説が好きだったらしいですが、男のロマンを掻き立てたんでしょうか。傑作だと思いました。 | ||||
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