横道世之介

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評判

横道世之介の評価:

4.14/5点 レビュー 177件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.14pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全354件 241〜260 13/18ページ
No.114
(4pt)

良いよな、あの頃

大学入学なんか、遠い昔なのにあの頃を思い出した。何の目標もないままでも、ちゃんと成長できるんだよな。世之介のプラス志向がいいんだよな、やっぱり。展開も上手いし、一気に読ませる吉田は才能の固まりだな。
横道世之介 Amazon書評・レビュー: 横道世之介より
4620107433
No.113
(4pt)

良いよな、あの頃

大学入学なんか、遠い昔なのにあの頃を思い出した。何の目標もないままでも、ちゃんと成長できるんだよな。世之介のプラス志向がいいんだよな、やっぱり。展開も上手いし、一気に読ませる吉田は才能の固まりだな。
横道世之介 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 横道世之介 (文春文庫)より
4167665050
No.112
(3pt)

隙だらけを自認する男、横道世之介の普通の日常。

相変わらず着眼がすばらしい吉田修一さんお得意の日常あるあるを
のんびりした気持ちで心地よく読み進めていると、
中盤、ノーモーションで強烈な一発が飛んできます。
あまりにすごいタイミングなので避けるのは困難。
自分も思わずのけぞって、本から顔を上げてしまいました。

そうか。これ、そういう話なのか。
完全に油断してた。

そこからは、このお話との向き合い方が180度、
とまでは言わないまでも94度くらい変わります。

まわりに流されて興味もないサンバサークルに入ってしまうような
お人好し野郎、横道世之介のしょうもない物語は、
やがて多くの人が心に留めているであろう実在の出来事につながっていきます。

自分もあのときは言い知れぬ憤りを覚えたっけ。
正しいことをしちゃいけない局面だってあるんじゃないのかと。
自分ならどうするだろうと、みんなが少なからず考えた出来事だったと思います。

そこへいくと最後の母親の手紙の一節がひとつの答えになっていて、
憎いことするなあ。あざとすぎるぞ吉田修一め。と。
身をよじりながら本を閉じることになりました。

主人公である横道世之介のパートは第三者視点で、
その他の人々は一人称で書かれる逆転の構造も
とてもうまく機能していて、さすがです。

うっかりサイトで映画の予告編見たら泣きそうになりました。
あっぶねー!

「思い出の片隅の真ん中で―」ってコピー、誰が考えたんだろう。
横道世之介 Amazon書評・レビュー: 横道世之介より
4620107433
No.111
(3pt)

隙だらけを自認する男、横道世之介の普通の日常。

相変わらず着眼がすばらしい吉田修一さんお得意の日常あるあるを
のんびりした気持ちで心地よく読み進めていると、
中盤、ノーモーションで強烈な一発が飛んできます。
あまりにすごいタイミングなので避けるのは困難。
自分も思わずのけぞって、本から顔を上げてしまいました。

そうか。これ、そういう話なのか。
完全に油断してた。

そこからは、このお話との向き合い方が180度、
とまでは言わないまでも94度くらい変わります。

まわりに流されて興味もないサンバサークルに入ってしまうような
お人好し野郎、横道世之介のしょうもない物語は、
やがて多くの人が心に留めているであろう実在の出来事につながっていきます。

自分もあのときは言い知れぬ憤りを覚えたっけ。
正しいことをしちゃいけない局面だってあるんじゃないのかと。
自分ならどうするだろうと、みんなが少なからず考えた出来事だったと思います。

そこへいくと最後の母親の手紙の一節がひとつの答えになっていて、
憎いことするなあ。あざとすぎるぞ吉田修一め。と。
身をよじりながら本を閉じることになりました。

主人公である横道世之介のパートは第三者視点で、
その他の人々は一人称で書かれる逆転の構造も
とてもうまく機能していて、さすがです。

うっかりサイトで映画の予告編見たら泣きそうになりました。
あっぶねー!

「思い出の片隅の真ん中で―」ってコピー、誰が考えたんだろう。
横道世之介 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 横道世之介 (文春文庫)より
4167665050
No.110
(5pt)

おもしろくて、せつない

面白くて、ひゅんひゅん読んだけど、最後はせつなさが残った。吉田修一の他の作品も読みたい。
横道世之介 Amazon書評・レビュー: 横道世之介より
4620107433
No.109
(5pt)

おもしろくて、せつない

面白くて、ひゅんひゅん読んだけど、最後はせつなさが残った。吉田修一の他の作品も読みたい。
横道世之介 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 横道世之介 (文春文庫)より
4167665050
No.108
(4pt)

地元では長崎弁を使え(笑)

すでに単行本を読んだ方々の絶賛レビューが多数投稿されている。なので、遅れて文庫で読んだ身としては、似たようなレビューはやめて、ストーリーから離れた周辺部分に触れておくこととする。それは、主人公の高校生時代、あるいは休暇で長崎に戻った場面などで、地元に残っている友人や家族らもみな標準語を使っているのは、なにゆえか、ということだ。東京での主人公と友人たちとの会話はリズムがあって面白いが、長崎でも似た気配が地続きになっていて、この点、やや手抜きめいた印象が残った。

 もっとも、そこを別にすれば、全体を通じて筆致は軽快・闊達で、人見知りせず、話好きで、何ごとにもプラス思考の主人公、その周囲にいる若者らの様子が達者な調子で描かれ、80年代とその20年後を交差させる構成もうまいものだ、と感心した。

 評者も少し年代はずれるものの、似たような具合で親元を離れて上京し、下宿から大学に通うという4年間を体験しており、どことなく懐かしく、既視感のある面白さとほろ苦さを味わった(評者の場合、女っ気はほとんどなかったが)。いずれにせよ、80年代の風俗・流行などのディテールもきちんと描かれていて、佳作・快作であることは間違いない、と思う。
横道世之介 Amazon書評・レビュー: 横道世之介より
4620107433
No.107
(4pt)

地元では長崎弁を使え(笑)

すでに単行本を読んだ方々の絶賛レビューが多数投稿されている。なので、遅れて文庫で読んだ身としては、似たようなレビューはやめて、ストーリーから離れた周辺部分に触れておくこととする。それは、主人公の高校生時代、あるいは休暇で長崎に戻った場面などで、地元に残っている友人や家族らもみな標準語を使っているのは、なにゆえか、ということだ。東京での主人公と友人たちとの会話はリズムがあって面白いが、長崎でも似た気配が地続きになっていて、この点、やや手抜きめいた印象が残った。

 もっとも、そこを別にすれば、全体を通じて筆致は軽快・闊達で、人見知りせず、話好きで、何ごとにもプラス思考の主人公、その周囲にいる若者らの様子が達者な調子で描かれ、80年代とその20年後を交差させる構成もうまいものだ、と感心した。

 評者も少し年代はずれるものの、似たような具合で親元を離れて上京し、下宿から大学に通うという4年間を体験しており、どことなく懐かしく、既視感のある面白さとほろ苦さを味わった(評者の場合、女っ気はほとんどなかったが)。いずれにせよ、80年代の風俗・流行などのディテールもきちんと描かれていて、佳作・快作であることは間違いない、と思う。
横道世之介 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 横道世之介 (文春文庫)より
4167665050
No.106
(3pt)

汚れちまった現代社会のフェアリーテール

リーダビリティの高い小説である。しかし誤解を恐れずにいうと、面白いような面白くないような小説でもある。僕はシリアスな吉田修一は好きだが、コミカルな吉田修一は肌に合わない。心の暗部に訴えてくるものが多い前者に対して、後者は頭でこねくり回してでっち上げているような印象がある。ほら、こんな面白いこと思いつきましたよ、どうぞ笑ってね。と言われているようで…何だかなあ。本書はその色合いがちょっと強いと感じた。

世之介や祥子といった主要登場人物たちが、いかにも頭の中で創り上げられた存在のようで(まあ、それはその通りなんだけど)、生々しいキャラクターに感じられない。いや、確かに面白いことを言っているし、うーむと考えさせられるところはあるんだけど、ハートを直撃してこないというか、どうにも作者の体を通した生の声として伝わってこない。あくまで演劇用の「台詞」という感じなのだ。

でも、今回はそれが狙いなのかな、とも思ったり。そもそも横道世之介という造形が、類まれな天使性を持っている。本書は実際に起こったある事件にインスパイアされているが、社会派のミステリ作家ならもっと濃いドラマを紡ぐであろうところを、吉田修一はいとも軽やかな青春小説に仕上げている。“汚れちまった現代社会のフェアリーテール”といった趣なのかもしれない。
横道世之介 Amazon書評・レビュー: 横道世之介より
4620107433
No.105
(3pt)

汚れちまった現代社会のフェアリーテール

リーダビリティの高い小説である。しかし誤解を恐れずにいうと、面白いような面白くないような小説でもある。僕はシリアスな吉田修一は好きだが、コミカルな吉田修一は肌に合わない。心の暗部に訴えてくるものが多い前者に対して、後者は頭でこねくり回してでっち上げているような印象がある。ほら、こんな面白いこと思いつきましたよ、どうぞ笑ってね。と言われているようで…何だかなあ。本書はその色合いがちょっと強いと感じた。

世之介や祥子といった主要登場人物たちが、いかにも頭の中で創り上げられた存在のようで(まあ、それはその通りなんだけど)、生々しいキャラクターに感じられない。いや、確かに面白いことを言っているし、うーむと考えさせられるところはあるんだけど、ハートを直撃してこないというか、どうにも作者の体を通した生の声として伝わってこない。あくまで演劇用の「台詞」という感じなのだ。

でも、今回はそれが狙いなのかな、とも思ったり。そもそも横道世之介という造形が、類まれな天使性を持っている。本書は実際に起こったある事件にインスパイアされているが、社会派のミステリ作家ならもっと濃いドラマを紡ぐであろうところを、吉田修一はいとも軽やかな青春小説に仕上げている。“汚れちまった現代社会のフェアリーテール”といった趣なのかもしれない。
横道世之介 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 横道世之介 (文春文庫)より
4167665050
No.104
(5pt)

ちょっと昔の若者の姿をうまく描いている

毎日新聞夕刊に1年間連載された新聞小説ということだ。かなり分厚い文庫本だったが、一気に読み終えた。
かつて東京ではないが大学生になって一人暮らしを始めた頃のことを懐かしく思い出した。適切な良い表現かどうかは分からないが、洒落た小説だと思う。
映画化されるという話題になっていたため購入したのだが、目次を見ると、4月から3月までとなっていて主人公の1年間を描いたものだと分かる。しかし、実は所々に世之介が関わった登場人物の後日談が書かれている。いずれも大学1年生の世之介のことをはっきりと覚えているわけではないのだが、良い思い出としてその心に残っていることが分かる。また誰もが自分の人生を真面目に生きていることを伺わせるところが良い。
JRの新大久保駅のホームで線路に落ちた人を助けるため線路に飛び降りて亡くなった韓国人留学生と日本人カメラマンがいたが、そのカメラマンがモデルというかこの作品のきっかけになっていることをウェブ上で公開されている某バラエティ番組の対談録で知った。
ストーリーとは関係ないが、何気ない描写に、昔の日常が呼び覚まされて懐かしく思った。そういえば学生の必需品は丹前だったし、未整理の写真はひよこの菓子箱の中に雑然と入れられていたものだ。
また、長崎人の「なんかさー」という口癖を、さくらが口にしていたところも懐かしさを感じた。
横道世之介 Amazon書評・レビュー: 横道世之介より
4620107433
No.103
(5pt)

ちょっと昔の若者の姿をうまく描いている

毎日新聞夕刊に1年間連載された新聞小説ということだ。かなり分厚い文庫本だったが、一気に読み終えた。
かつて東京ではないが大学生になって一人暮らしを始めた頃のことを懐かしく思い出した。適切な良い表現かどうかは分からないが、洒落た小説だと思う。
映画化されるという話題になっていたため購入したのだが、目次を見ると、4月から3月までとなっていて主人公の1年間を描いたものだと分かる。しかし、実は所々に世之介が関わった登場人物の後日談が書かれている。いずれも大学1年生の世之介のことをはっきりと覚えているわけではないのだが、良い思い出としてその心に残っていることが分かる。また誰もが自分の人生を真面目に生きていることを伺わせるところが良い。
JRの新大久保駅のホームで線路に落ちた人を助けるため線路に飛び降りて亡くなった韓国人留学生と日本人カメラマンがいたが、そのカメラマンがモデルというかこの作品のきっかけになっていることをウェブ上で公開されている某バラエティ番組の対談録で知った。
ストーリーとは関係ないが、何気ない描写に、昔の日常が呼び覚まされて懐かしく思った。そういえば学生の必需品は丹前だったし、未整理の写真はひよこの菓子箱の中に雑然と入れられていたものだ。
また、長崎人の「なんかさー」という口癖を、さくらが口にしていたところも懐かしさを感じた。
横道世之介 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 横道世之介 (文春文庫)より
4167665050
No.102
(5pt)

吉田さんの巧さが光る秀作。

この作品については表のひとつひとつの出来事ではなく、その裏に綿々と流れるものを読みとる読み方が向いていると思います。この小説のテーマは

意図も無くピンボールのようにただぶつかっては他人と関わり、その経験にもとづいて人は自分の道を徐々に進んでいく。たとえ忘れてしまった恋人や友人、通りすがりの人との出来事であっても、その人たちと過ごした時間や出来事が今の自分を作っている。
そしてつまり、あなたも誰かの一部である。

ということではないでしょうか。そういうテーマを青春期をモチーフに吉田修一さん流に見事にまとめていらっしゃる作品だと思いました。祥子が世之介から受け取った写真を覚えていなかったあたりが、こうしたテーマをより浮かび上がらせ、さすがだと思いました。ただの青春コメディみたいな顔して、なかなかやります。
横道世之介 Amazon書評・レビュー: 横道世之介より
4620107433
No.101
(5pt)

吉田さんの巧さが光る秀作。

この作品については表のひとつひとつの出来事ではなく、その裏に綿々と流れるものを読みとる読み方が向いていると思います。この小説のテーマは

意図も無くピンボールのようにただぶつかっては他人と関わり、その経験にもとづいて人は自分の道を徐々に進んでいく。たとえ忘れてしまった恋人や友人、通りすがりの人との出来事であっても、その人たちと過ごした時間や出来事が今の自分を作っている。
そしてつまり、あなたも誰かの一部である。

ということではないでしょうか。そういうテーマを青春期をモチーフに吉田修一さん流に見事にまとめていらっしゃる作品だと思いました。祥子が世之介から受け取った写真を覚えていなかったあたりが、こうしたテーマをより浮かび上がらせ、さすがだと思いました。ただの青春コメディみたいな顔して、なかなかやります。
横道世之介 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 横道世之介 (文春文庫)より
4167665050
No.100
(5pt)

最高の青春小説

「面白い本」や「感動する本」は数多く読んできました。
しかしこの小説ほど「好きな本」は無かったと思います。

最初は単なるコメディのつもりで読んでましたが、途中から笑うことが出来なくなりました。
世之介と恋人である祥子ちゃんの、一つひとつのやり取りがとても愛おしくなります。

初めに学生時代に読み、大人になってからまた読みたい作品です。
「特別な特技が無くても、偉くなれなくても、人の心に残る人間になれる」と思えます。
好き嫌いが別れる小説かもしれませんが、私は間違いなく読んで良かったと思います。
横道世之介 Amazon書評・レビュー: 横道世之介より
4620107433
No.99
(5pt)

最高の青春小説

「面白い本」や「感動する本」は数多く読んできました。
しかしこの小説ほど「好きな本」は無かったと思います。

最初は単なるコメディのつもりで読んでましたが、途中から笑うことが出来なくなりました。
世之介と恋人である祥子ちゃんの、一つひとつのやり取りがとても愛おしくなります。

初めに学生時代に読み、大人になってからまた読みたい作品です。
「特別な特技が無くても、偉くなれなくても、人の心に残る人間になれる」と思えます。
好き嫌いが別れる小説かもしれませんが、私は間違いなく読んで良かったと思います。
横道世之介 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 横道世之介 (文春文庫)より
4167665050
No.98
(4pt)

もっと早く読むべきだったと後悔しているが、ラブコメ小説らしからぬ重さに、違和感を感じてしまうところもあった

本書は、内容的にも評価的にも、良い意味で私の事前の思い込みを覆してくれた面白い本だった。私は、2010年の本屋大賞第3位という評価だけを頼りに単行本の方を買ったのだが、たまたまこれに先立って読んだ大賞受賞作の「天地明察」が今一つの出来であったため、第3位ではなおさら大したことはないだろうと勝手に思い込んで読む気がせず、長期間棚ざらしにしていたのである。今、こうして読み終えてみて、予想以上の面白さに、もっと早く読むべきだったと後悔するとともに、筆者の他の作品もぜひ読んでみたいと思うに至っている。

私は、そのタイトル名から、本書を、時代小説か、世の中を横道に逸れて生きる青年の物語かとも思って買ったのだが、実際の本書は、どこにでもいるような、しごくまとも、かつ、ノホホンとした青年の日常を描いた、思わず吹き出してしまうこと数多の面白い青春ラブコメ小説であり、筆者のユーモアセンスは、なかなかのものだった。退屈で、ページ数の多さを感じながら読まざるを得ない小説が溢れている中、肩が凝らず、気楽に読めるこうした小説は、気持ちを軽やかに、暖かくさせてくれ、本当にありがたい。 

ただ、ちょっと違和感を感じてしまうところがあったのが、この作品全体が醸し出しているトーンには不釣り合いと思えるような、必ずしもハッピーエンドでは終わらない登場人物たちのその後を始めとした重いエピソードが、ポツポツと挿入されていることだった。特に、中盤近く、世之介と祥子に起こるあるエピソードの後からは、それまでは単純に笑えていたことにも、単純に笑っていいものやら、何か単純に笑うことがはばかられるような気持ちにさせられてしまうのだ。

たしかに、ただ軽く面白いだけの小説にはしたくない、作品に深み・奥行きを加味したいという筆者の思いはわかるのだが、私は、ことこの作品に限っては、中途半端に重い雰囲気の作品にするよりは、世之介と祥子が醸し出すノホホンとした雰囲気そのままで全体を貫き通した方が良かったような気がするのだ。皆さんは、この作品を読み終えられて、どう思われるだろうか。
横道世之介 Amazon書評・レビュー: 横道世之介より
4620107433
No.97
(4pt)

もっと早く読むべきだったと後悔しているが、ラブコメ小説らしからぬ重さに、違和感を感じてしまうところもあった

本書は、内容的にも評価的にも、良い意味で私の事前の思い込みを覆してくれた面白い本だった。私は、2010年の本屋大賞第3位という評価だけを頼りに単行本の方を買ったのだが、たまたまこれに先立って読んだ大賞受賞作の「天地明察」が今一つの出来であったため、第3位ではなおさら大したことはないだろうと勝手に思い込んで読む気がせず、長期間棚ざらしにしていたのである。今、こうして読み終えてみて、予想以上の面白さに、もっと早く読むべきだったと後悔するとともに、筆者の他の作品もぜひ読んでみたいと思うに至っている。

私は、そのタイトル名から、本書を、時代小説か、世の中を横道に逸れて生きる青年の物語かとも思って買ったのだが、実際の本書は、どこにでもいるような、しごくまとも、かつ、ノホホンとした青年の日常を描いた、思わず吹き出してしまうこと数多の面白い青春ラブコメ小説であり、筆者のユーモアセンスは、なかなかのものだった。退屈で、ページ数の多さを感じながら読まざるを得ない小説が溢れている中、肩が凝らず、気楽に読めるこうした小説は、気持ちを軽やかに、暖かくさせてくれ、本当にありがたい。 

ただ、ちょっと違和感を感じてしまうところがあったのが、この作品全体が醸し出しているトーンには不釣り合いと思えるような、必ずしもハッピーエンドでは終わらない登場人物たちのその後を始めとした重いエピソードが、ポツポツと挿入されていることだった。特に、中盤近く、世之介と祥子に起こるあるエピソードの後からは、それまでは単純に笑えていたことにも、単純に笑っていいものやら、何か単純に笑うことがはばかられるような気持ちにさせられてしまうのだ。

たしかに、ただ軽く面白いだけの小説にはしたくない、作品に深み・奥行きを加味したいという筆者の思いはわかるのだが、私は、ことこの作品に限っては、中途半端に重い雰囲気の作品にするよりは、世之介と祥子が醸し出すノホホンとした雰囲気そのままで全体を貫き通した方が良かったような気がするのだ。皆さんは、この作品を読み終えられて、どう思われるだろうか。
横道世之介 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 横道世之介 (文春文庫)より
4167665050
No.96
(5pt)

最後に泣かされました

さんざん笑わせておいて、最後にそう来ましたか!
涙腺が弱い年代なので、号泣をこらえるのがやっとでした。
いつの間にか愛してしまいましたよ。世之介さん。
作中の方々と同じように。
「悪人」が一番だと思っていましたが、まさに横から「横道世之介」が躍り出ました。
横道世之介 Amazon書評・レビュー: 横道世之介より
4620107433
No.95
(5pt)

最後に泣かされました

さんざん笑わせておいて、最後にそう来ましたか!
涙腺が弱い年代なので、号泣をこらえるのがやっとでした。
いつの間にか愛してしまいましたよ。世之介さん。
作中の方々と同じように。
「悪人」が一番だと思っていましたが、まさに横から「横道世之介」が躍り出ました。
横道世之介 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 横道世之介 (文春文庫)より
4167665050