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バルト海の復讐
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バルト海の復讐の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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残念ながら、田中先生の作品としてはあまり面白いとは思えなかった。本作品が発表されたのは2001年で、1999年頃から作者は取材等をして企画として準備していたらしい。私が本作品を読んだのは2018年。つまり平成最後の夏だった。せめて本書が刊行されたリアルタイムで読んでいたら違った感想になっていたかもしれない。 本作品に限らないが、田中先生の歴史物の特徴の一つとして、蘊蓄の多さがある。巻末には参考文献が多く挙げられているし、もちろん田中先生は文献にあたって調べて書いているのは分かる。あとがきにあるようにドイツに取材にも行っているようだ。だが、この手の蘊蓄というのは、今ならネットでググればある程度容易に出てくる部分も多いため、蘊蓄自体のありがたみが、刊行時と平成最後とでは価値が違ってきているので「へぇ」ポイントが低いというべきか。 またその蘊蓄を物語の展開や描写の中に自然に盛り込んでいるならまだしも、物語の流れをぶった切って横道に逸れての説明が多かったので、説教臭い上にストーリーの流れが悪い。 そして一冊読み切りという分量の作品で、その中で蘊蓄に要する文章量が多いということは、自ずとストーリーが簡略に成らざるを得ない。なので復讐譚自体は悪いものではないが、テンポは悪い上に展開も広がってゆかず、物足りなさを感じる。 田中作品というと、その大きな魅力を形成しているのはキャラだろう。ただ本作には、魅力的なキャラというのもいないかな。例えば歴史上の実在人物なら、史実という部分で行動に制限を受けることもあるが、十分に魅力を持ちうる。史実の人物であっても名前だけとか、あるいは完全な架空人物ならば、作者の裁量でその人物をいかに魅力的に描けるか変わってくる。 田中先生の作品だと、短編なら荀灌やイシハ、一冊読み切りなら天竺熱風録の王玄策や彼岸法師など、いずれも良いキャラだった。彼岸法師などは特に物語を面白くする役割をよく担っていたものだと今更ながらにも思う。 翻って本作品はどうか。主人公のエリックが実在なのかあるいはどこかの資料に名前だけレベルなのか架空なのかは不明だが、少なくとも歴史上の有名人ではないはず。 ならば、序盤でそのキャラクター性に共感を持てれば良かったのだが、先述の通りこの時代のハンザ同盟の舞台設定の説明蘊蓄が多く、主人公キャラに入り込めない。だったら美人のヒロインでもほしいところ。だが、出てくるのはホゲ婆さん。いやBBAだから駄目というよりは、本作中にかなり多いご都合主義部分を担っていたキャラであるためあまり好きになれなかった。 ウィットのきいた会話の応酬なども少なく、そういうことでキャラの魅力という点でも弱かったと思う。 また、刊行当初ならまだ良かったかもしれないけど、今、読むと鼻につくのが、過度な中華至上主義。ヨーロッパが世界史を常にリードしてきたわけじゃなく、同時代のヨーロッパに較べて中華が進んでいることは多々あった、というのは、中華を舞台にした作品で言うならまだいいとしても、ヨーロッパが舞台の作品でわざわざ中華を引き合いに出してヨーロッパを貶める必要は無いと思った。 まあそういうことなので小説としての面白さよりも、ハンザ同盟まわりについての概説をプチ物語仕立てで行ったものとして見れば、確かに興味深いとはいえる。★3 | ||||
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タイトルにあるように復讐劇の物語ですが,描かれるそれはとても小さくまとまり, そこへと至る計画や準備もなく,ただ淡々と流れて終わってしまった感は拭えません. 船乗りらしく船の上でとなる終盤も,見せ場のはずなのにこちらもあっさりと片付き, そこにあるであろう重苦しい感情や雰囲気は,最後まで感じることができませんでした. このほか,魔女や何かありそうな黒猫など,おもしろそうな素材も中途半端な扱いで, 印象に残っているのが,当時の文化にまつわる豆知識というのはあまりに残念過ぎます. | ||||
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最初、この本のレビューがひどかったので読もうか迷いましたが、読んでみると普通におもしろかったです。当時の十五世紀の北ドイツという普段なじみのない舞台は新鮮で、歴史小説としても楽しめました。 | ||||
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正直 最近の田中氏の本の売り方はおかしいです。 名作をリーズナブルに読者にと言うのも判りますが、この作品自体もハードカバーからソフトカバーそして文庫へと安直に出版されてます。 もう田中氏には執筆能力は無くなってしまったのでしょうか? 落胆と失望と氏のやる気の無さに怒りを感じます。 | ||||
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私は、もう3回ぐらい読み返してるけど、面白い。深すぎず、浅すぎず。読者に人生や世界の無常を考えさせるような小説は、苦痛だ。でも、小説には何か新しい発見がほしい。そんなのにはピッタリだと思う。田中芳樹の小説は続編が必ず出るとは約束されてないから、1刊で完結しているこの本は、お買い得。 | ||||
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ハンザ同盟。あまり馴染みのない言葉に惹かれました。 この同盟の背景や位置づけなどがわかりやすくまとめられており、 導入編としてストレスなく理解できます。 もう何冊か、この同盟に関する資料を読んでみたいと思いました。 田中芳樹さんの本には、いわゆる活劇の要素を期待してしまうのですが、 その意味では、淡々と物語が進み、盛り上がりにかける感も否めません。 知識を広げつつ、気軽に読める一冊というところでしょうか。 | ||||
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物足りない。その一言に尽きる。 学生時代に銀英伝や創竜伝にハマったファンとしては、 この『バルト海の復讐』はひたすら退屈。 海洋冒険小説としては書き込みが甘いし、 田中芳樹節とも言える、あの毒舌がまったく冴えていない。 この本の一体どこを読めばいいのか?という感じだ。 彼の著作で最近一番売れる「薬師寺涼子」シリーズも、 主人公のモチーフは明らかに創竜伝の小早川奈津子。 出版社が変わっても「アルスラーン」が進む様子は見えず、 (つーか何年止まっているんだ) 古巣・中国物も、いまひとつ精彩を欠く。 新しい、キレのある田中芳樹はもう読めないのだろうか。 あの冴えを、爽快感を、ファンは待っているのに。 | ||||
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復讐箪といえば真っ先に思い浮かぶのがデュマの『モンテクリスト伯』(岩窟王)ですが、原作の邦訳は岩波文庫で7巻もある大作で、書物として手に取るには、なかなか勇気が要るものです。その『モンテクリスト伯』に比べて内容の重みとして遜色無く、しかしながら、もっと読みやすくワクワク感を大切にしたテンポの良い作品に仕上がっています。 田中芳樹先生の作品群の中で、中国系のものに興味の無い方、登場人物が多すぎるとごちゃごちゃする、と感じる方にとっても、読みやすいと思います。 また、『野望円舞曲』シリーズ共著の荻野目悠樹先生(商学部卒)の影響もあるかも知れませんが、海商法や欧州の伝統的商習慣に興味のある初心者にとっても、全体のイメージが掴みやすい良書に仕上がっていると思います。この本を読んで商船系に憧れる!(商法では履修者の少ない)海商法分野が気になる!という効果もあるかも知れません。 | ||||
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ハンザ同盟についてはとてもよくわかりますし、15世紀のヨーロッパについてはわかりやすい説明があって大変勉強にはなりますが、純粋にストーリー内容について考えるといまいちのような感じがします。 少なくとも心躍るような面白さはありません。 | ||||
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この著者の作品は、歴史的背景がしっかりしてて面白いです。この本の舞台となったのは15世紀の北ドイツですが、その時代背景の描写が実に詳細でわかりやすい。登場人物も、特に悪役が、ずる賢いのやら豪腕の者やら、無能だが何をしでかすかわからないのやら、とても多彩でにぎやかです。最後に現代社会でも登場する詐欺事件を出してしめくくるところがまた何とも心にくいですね。 | ||||
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